Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

補遺・備忘録として、二つのことを書きます。

1. まわりの状況に敏感なジェレミー

前回の記事のコメント欄でことりさんが、ジェレミーは「自分達俳優の周りでスタッフの誰が何をしていて、カメラの向きがどうで、その中で自分達がどういう動きをして、それが映像になるとどう映っているか、そういうことをすごく意識している」と書いていらっしゃいました。それで思い出したインタビューが二つあるのですが、それはまた後日。

今日は連想で、こんなのを。プロデューサーのMichael Coxが著したA Study in Celluloid (1999)には写真が何枚か載っていますが、その一枚にはこんなキャプションがついています。

「最後の事件」のロケ地でのジェレミー。
この写真はアシスタントディレクターのLes Davisを写したものだが、50ヤード離れていてもカメラのシャッターの音がジェレミーにはちゃんときこえる。

Jeremy on location for The Final Problem.
The subject of the photo was Les Davis, first assistant director, but Jeremy could hear a camera shutter fifty yards away.


その写真は以前、ジェレミーのファンサイト(多分For Fans of Jeremy Brett)で見ましたが、今回さがしたらドイツスイスの新聞のウェブサイトにありました。2015年の記事で、上から三つ目の写真です。
http://www.jungfrauzeitung.ch/artikel/139092/

右手に登山用の杖を持ったジェレミーが、左手を大きく横に広げています。実際の本の写真でも画質は悪くて表情はみえないのですが、これ、ジェレミーは絶対にこにこ笑っていますね!

英語に自動翻訳して読んだら、グラナダシリーズの「最後の事件」のロケ地に関する詳しい情報を、ドイツのシャーロック・ホームズ協会がさがしている、という記事でした。情報はみつかったでしょうか。
(それにしてもこうして自動翻訳すると、ドイツ語と英語の近さがよくわかります。フランスのジェレミーのファンサイトも、フランス語から英語への自動翻訳で十分に理解できます。)


2. ジェレミーが出演している作品のYouTubeへのアップロード

このところネットのファングループ、SNSなどで話題になっていますが、ジェレミーが出演しているBBCの作品が、ファンによってYouTubeにアップロードされました。

これは1975年放映のLove's Labour's Lostで、Martin Shawが主演、Jeremy BrettがBerowneを演じた作品です。ここに書いた語をキーワードとしてYouTubeを検索すれば容易にみつかるはずです。

これはビデオにもDVDにもなっていません。直接アドレスを書かないのは、これは放映当時に家庭用ビデオデッキで録画されたものとは思えず、有料ダウンロードサイトに由来する映像だと考えるからです。BBCがはじめたウェブサイトから、イギリス国内の人に限ってBBCの作品をダウンロードできました。このサイトはしかし、今年11月に閉じることになってしまいました。
http://www.radiotimes.com/news/2017-05-26/bbc-store-to-close-as-corporation-admits-defeat-in-the-face-of-streaming-service-rivals

ここからダウンロードできるなかで、市販されたことのないジェレミー出演作品は、この一作でした。ビデオにもDVDにもなっていない、ジェレミーが出演しているBBCの作品はたくさんあります。それがリストに加わること、そしてイギリス限定のサービスではなくどこからでも購入できるようになるのを待っていましたが、終わることが決まってとても残念です。

直接アドレスは書きませんが、興味のあるかたはYouTubeで検索してみてください。この映像の由来が私の考えるとおりなら少々問題がありますが、すでにファンの間では知られつつありますから、この映像がネットに存在することをここでもお知らせします。この作品の内容についてはまたいつか書くかもしれません。ジェレミーは舞台でもオーディオブックでも、同じ役を演じています。

1968年のThe National Theatreでの舞台の写真("Joan Plowright and Jeremy Brett in Love's Labours Lost in 1968")はこちらでご紹介しました。
ジェレミーの80回目のお誕生日、そしてNational Theatreの50年

オーディオブックについては以前こちらに書きました。
Love's Labours Lost (1974) のオーディオブック再発売

RM
ごめんなさい、また予告した内容ではなくて覚え書きです。なにしろ記憶力に関して、さらにさらに自信がなくなっているので。

はじめの二つは最近のインタビューからの引用で、BBCの "Sherlock" の二人がジェレミーの名前を挙げているところ。どちらもインタビューアはジェレミーの名前を直接は出していないけれども、質問に答える時に二人が言ってくれています。短いですけど名前が出ているだけで嬉しいのです。

"Benedict Cumberbatch – 'The Hobbit: The Desolation of Smaug' Interview with Kam Williams"
The EUR/Electronic Urban Report, Dec 13, 2013
http://www.eurweb.com/2013/12/benedict-cumberbatch-the-hobbit-the-desolation-of-smaug-interview-with-kam-williams/

KW: ホームズ役者としてのBasil Rathbone(バジル・ラスボーン)の影を薄くする俳優が出てくるなんて、誰が想像したでしょう。

BC: ああ、ありがとう、でも私はそこまでは行っていないでしょう。それに関してバジルやジェレミー・ブレットの影を薄くする役者は出てこないと思います。私たちのは現代版ですから、そこは避けています。もし舞台をヴィクトリア朝に設定したら、もっと厳しい批評を受けるかもしれません。私たちの作品ですばらしいと思うのは、原作への愛情と敬意があふれているところです。だから、新しくて、でも同時に古い友人のようなのです。

KW: Who would have ever guessed that someone was going to come along and eclipse Basil Rathbone in the role?

BC: Oh, thanks, but I wouldn't go that far. I don't think anyone's going to eclipse Basil or Jeremy Brett, for that matter. I get away with it because it's a modern era version. I think the criticism might be harder, if we were set in the Victorian era. What I think is beautiful about ours is that it's done with such love and reverence for the original stories. So, it's new, but like an old friend at the same time.


"So, it's new, but like an old friend at the same time." (だから、新しくて、でも同時に古い友人のようなのです)という表現、いいですね。Benedictの発言からは、以前の映像作品に敬意を持っていて、その上で自分たちの作品に誇りと愛着がある様子がいつもうかがえます。ちょうどジェレミーがそうだったように。


次はジョン役のMartin Freemanの言葉です。

"Martin Freeman on Sherlock Season 3, John and Sherlock's reunion, the fall, & keeping secrets"
Den of Geek, Dec 10, 2013
http://www.denofgeek.us/tv/sherlock/231521/martin-freeman-on-sherlock-season-3-john-and-sherlocks-reunion-the-fall-keeping-secrets

ファンはこの作品に夢中で、このドラマは強烈な印象を与えています。シャーロックを映像化したこれまでの作品と違っているのはどこで、もっと人気があるのはなぜだと思いますか。

脚本が見事だと思います。80年代と90年代にITVが放送した、ジェレミー・ブレットがホームズを演じた作品はすばらしかった、とってもすばらしかったですね。テレビで放映されているのを観ることがあるのですが、よい作品を長くつくっていたことに今でも驚きます。本当によい仕事です。でも私たちのは同時代を舞台としたもので、こういう作品は長いこと作られてきませんでした。

The fans do love it, and it's made a tremendous impact. What is it about it that's made it different and more popular than previous incarnations of Sherlock?

I think it's brilliantly written. The ITV ones in the eighties and the nineties with Jeremy Brett were fantastic, they were really really fantastic and I occasionally watch them now when they're on and am amazed still by how well they hold up, they're really good pieces of work. But this is contemporary, that's not been done for ages.


"they were really really fantastic"というところ、"really really"の繰り返しにMartinの声が聞こえてきそうです。



それからこれはかなり前のインタビューで、元はSeason 1がPBSで放映された前後に、PBSのウェブサイトにアップロードされたものだと思いますが、YouTubeでのアドレスを最近知ったので、記しておきます(PBS公式のチャンネルではないので、ちょっと反則ですが)。ジェレミーとバジル・ラスボーンのホームズのことを話している部分です。そして始めの方で、ジェレミーのことをa family friendと言っていますね。

"Previous Sherlocks | Benedict Cumberbatch Interview 2/5"
https://www.youtube.com/watch?v=jd0Z5NHp79Y



そして最近、ホームズのTop 5とTop 10が二つのサイトで独立に記事になって、どちらもジェレミーが1位だったので、覚え書きとしてこれも記しておきます。
"Top 10 Sherlock Holmes Portrayals"
December 9, 2013
http://www.watchmojo.com/video/id/12021/

"Top 5 Sherlock Holmes portrayals"
December 10, 2013
http://www.cultbox.co.uk/features/count ... portrayals

最近ではほとんどの場合BBCの "Sherlock" とベネディクトが1位になっていて、"Sherlock" も二人の俳優も好きですが、やはり少し寂しい気持ちになっていました。ただ、両方の作品・俳優が好きな人は、両方ともすばらしいし、そもそもどちらがどちらを負かすというものでもない、とよく言います。ベネディクトが上のインタビューで言っていたのも、多分そういうことですね。

というわけで、今日も備忘録でした。

RM

前回、AP通信が配信した訃報にもつけられていた、笑顔のジェレミーの写真をご紹介して、アメリカの3つの新聞社の記事へのリンクも記しました。

日本はどうかと言いますと、ジェレミーが亡くなったことを伝えた新聞記事の切り抜きを、2カ所のウェブサイトで見たことがあります。一つはどこか忘れてしまったのですが、覚えている一つのアドレスを記してご紹介します。

「シャーロック・ホームズ SHERLOCK HOLMES in MB-Support」というウェブサイトの「Mrs. hudson's Diary」というカテゴリ中の「ジェレミー・ブレット」という記事です。
http://mbsupport.dip.jp/221b/diary/2007/2007032101.htm

こちらのウェブサイトは以前に「シャーロック・ホームズの冒険 ブルーレイBOX(画質印象記)」という記事の最後でご紹介させていただきました。このウェブサイトには、他でみられないようなホームズに関する記事や情報がたくさんあります。この時にご紹介したのはブルーレイBOX のレビュー記事、グラナダ版ベイカーストリートの地図、グラナダ版で撮影に使用した馬車についてでしたが、その後管理人のかたがコメント欄に書き込んで教えて下さった、グラナダ版ベイカーストリートを説明つきで歩き回る動画も素晴らしかったです!

新聞記事にもどりますと、上記リンク先を少し下へスクロールすると記事の画像があって、クリックすると大きくなります。それで気がついたのですが、文章はロイター通信からで、写真だけがAP通信のものだったのですね。私はアメリカの多くの新聞に載った訃報と同様、文章も写真もAP通信が配信したものだと思っていました。84年に芸能活動を再開という記述と、体を犠牲にしてもかまわないという発言が本当にあったのか、の2点ではちょっと疑問を持ちますが、まず写真が笑顔のこの写真でよかったと思いますし、この切り抜きを見てその頃に思いを馳せることができました。日本でも多くのひとが、突然の知らせに呆然としたり悲しんだりしたことでしょう。

MB-Support様、記事の切り抜きを見せて下さって、ありがとうございました。



もう一つの「補遺」としては、「ジェレミーの直感;俳優Christian McKayのインタビューより(2)」で触れた、趣味にピアノを入れているインタビューを一つみつけたので、どのインタビューかまた忘れないようにここに記します。たしか二つはあったように思うのですが。これは1991年にアメリカの公共テレビ局 PBS のためにアメリカを回ったときに受けたインタビューで、このブログで他の部分を過去に何度か引用したことがあります。


"He's Decided to Stick with 'Sherlock Holmes' to the End"
Anglofile, issue 20, 1991
http://webpages.charter.net/sn9/literature/anglofileinterviewpart2.html

[...]
What sort of hobbies do you have outside of acting?

Archery. Riding. That's why I was so impressed with Kevin [Costner]. He bothered to learn. He really took his time; he really learned it.

Anything else?

Piano. [long pause]. My incense.

Your incense?

My smoking [chuckles].



これはピアノを「弾く」とは言っていないのですが、「聴く」とも言っていないし、やっぱり弾くのも好きだったのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。クラパムの家にピアノがあったかはともかく、ある時期にはよく弾いていたのではないかと。よくわかりませんが、忘れないように記しておきます。

次回は(多分)、予定どおり前回予告した内容に...行くでしょうか?

RM
これは覚え書きのための記事になります。以前「補遺、備忘録 その3(Benedict Cumberbatchとジェレミー)」という記事を書きましたが、さらにその「補遺」です。

Tumblrにこの投稿がありました。ベネディクトが言った言葉として、同様の発言は上記記事でご紹介した中にありましたが、この発言そのものは私ははじめて読みました。出典が書いてなかったので検索しました。(なぜ多くの人がネット上での出典を書くのを怠るのでしょうか。転載を繰り返されてもとの出典がわからなくなったものは別にして、付随する情報を調べやすくするためにも、出典を書いてほしいと思います。追記:ごめんなさい、愚痴でした。)

おそらく以下のサイトが出典でしょう。去年の10月に語った内容を文字におこしたものでした。あらためてここでも、ジェレミーについてふれられているところを引用します。
Source: http://www.benedictcumberbatch.co.uk/benedict-cumberbatch-and-louise-brealey-discuss-sherlock-at-cheltenham-literary-festival/


Benedict Cumberbatch and Louise Brealey discuss Sherlock at Cheltenham Literary Festival

My mother was a good friend of Jeremy Brett so I watched that version when I was growing up. I can remember my mother inviting me to watch that on the telly. I've seen more of him since we captured our incarnation. But when I was younger I was still struck by this extraordinary hawk like, magisterial cold disconnect, this incredible physique, the wonderful beak of a nose and the swept back hair and the lips and those slightly mad eyes which became sadly a lot madder which became part of the tragedy of Jeremy's life then which shaped the performance which was extraordinary but at such a cost to the man presenting him. I thought when I first heard about this "I'm completely wrong. I've got this little retrousse nose." My mother just said "You don't have the right nose."


またYouTubeにこの時の映像がありました。37秒から、質問と答えです。
http://youtu.be/WyK0C81V-ko?t=37s

BBCのSherlockのファンの方はすでにご存知のことかもしれませんが、私は今回はじめてこのやりとりを知ったので、覚え書きもかねて記しておきます。

RM
先日、引用しようとしていた記事が見つからなかったのに懲りて、エドワード関連の記載があるサイトのアドレスを書いておきます。はじめの二つは前に一度みたことがあったのですが、忘れていました。サイトの説明はあまり詳しくはしませんが、あしからずお許しください。


Britmovieのフォーラムのエドワード関連スレッドはこちら(The Sherlock Holmes Gazetteのインタビュー記事もあります)。
http://www.britmovie.co.uk/forums/actors-actresses/106682-edward-hardwicke.html
http://www.britmovie.co.uk/forums/obituaries/108675-edward-hardwicke-r-i-p.html


次は"Colditz" (1972-74) を紹介しているブログの記事です。"Colditz" はおそらく、エドワードが出演したテレビ番組としては、シャーロック・ホームズと並ぶ代表作品だと思います。DVDになっていますが、YouTubeにも今現在あります。第一シーズンのみの出演ですが、非常に重要な役です。長いお話の全体像をつかむのに、このブログのスクリーン・キャプチャと人物紹介が役に立ちました。ただし独自の視点で書かれているところがあります。(筆者はこれを題材に、いわゆるslash fictionを書こうとしているので、その視点を含みます。)
http://kindkit.dreamwidth.org/184151.html
http://kindkit.dreamwidth.org/184436.html
http://kindkit.dreamwidth.org/184828.html
http://kindkit.dreamwidth.org/185010.html


最後はフランスのサイトで、Peter O'Tooleとの写真をここではじめてみました。(今調べたら、eBayにwatermarkつきの同じ写真が出ていました。それによると、1968年のコメディ "Present Laughter" の広告用写真だそうです。)上記 Britmovie のフォーラムにあるThe Sherlock Holmes Journal, Vol. 30 No. 2のMichael Coxの追悼文、およびThe Guardianの追悼文によれば、二人はBristol Old Vicの時代にフラットをシェアしていたそうです。ジェレミーもRobert StephensとManchesterでフラットをシェアしていたことを考えると、当時、若い俳優の卵たちは貧乏しながら、励まし合いながら、夢を語りながら、ともに舞台に立っていたのだろうなあ、と思います。(下のアドレスのサイトにあるのは、Bristol Old Vic以後、約10年後の写真です。)
http://www.cinereves.com/acteurs/acteurs/1855-edward-hardwicke

RM

追記:Colditzの情報と画像があるブログを追加します。
http://kooltvblog.blogspot.jp/2010/10/great-escapes-long-awaited-return-of.html
http://colditzthetvseries.wordpress.com/characters/

2011年に書かれた追悼記事を追加します。
http://www.criminalelement.com/blogs/2011/05/a-lovely-dr-watson-edward-hardwicke-in-memoriam
英国の多くの新聞のウェブサイトに書かれた追悼記事は、以前にアドレスをご紹介しました。
BBC版SHERLOCKでシャーロックを演じるBenedict Cumberbatch(ベネディクト・カンバーバッチ)は、いろいろな時にジェレミーのこと、グラナダ版のことをたずねられるようですが、彼がジェレミーのことをどう言っているか、ネットで読めるもので私が知っているものを備忘録を兼ねてここに集めておきます。


Sherlock's Benedict Cumberbatch on Jeremy Brett – “He was magisterial and tragic”
Radio Times, 10 October 2012
http://www.radiotimes.com/news/2012-10-10/sherlocks-benedict-cumberbatch-on-jeremy-brett--he-was-magisterial-and-tragic
ベネディクトはグラナダシリーズがとても好きなのですね。それがとてもよく伝わってきて、うれしいインタビューでした。子供の頃おばあさまのおうちでよく観ていて、そしてSherlockを初めて演じた後でもグラナダ版を観たということでした。
(追記:上記の記事を元にBBC Americaのウェブサイトに書かれた文章です。
Benedict Cumberbatch Honors Former ‘Sherlock’ Jeremy Brett
October 10th, 2012
http://www.bbcamerica.com/anglophenia/2012/10/benedict-cumberbatch-pays-homage-to-former-sherlock-jeremy-brett/


こちらは2010年の記事。
Benedict Cumberbatch modernizes 'Sherlock Holmes'
USA today, 10/17/2010
http://usatoday30.usatoday.com/life/people/2010-10-17-benedict-cumberbatch_N.htm
ここでは、母がジェレミーの友人だった、と言っていますし、ジェレミーのホームズについても話しています。


そしてTumblrに引用があったもの。引用元はSherlock: The Casebookという本で、2012年発行です。
Benedict Cumberbatch, interviewed for Sherlock: The Casebook
http://thenorwoodbuilder.tumblr.com/post/39948232802

ここで引用されている部分以外にも、アマゾンでこの本の一部を読むことができます。http://www.amazon.co.uk/dp/1849904251
この本は先日翻訳されましたので、今度本屋さんでみてみようと思っています。

ところでインタビューアが、Robert Stephensがジェレミーにホームズを演じるなと1980年代に警告した、とベネディクトに言っていますが、私はこれはTerry Mannersの本 "The Man Who Became Sherlock Holmes: The Tortured Mind of Jeremy Brett" でしか読んだことがないです。Terry Mannersの本は伝記というよりも、資料のつぎはぎと想像力でできあがった小説と言った方がいい本です。(この本が小説であることを示すよい例は、ジェレミーがこの世を去る時に何を見て何を思ったかが、推測や想像としての書き方ではなく、事実として書かれていることです。また参考文献のリストは全くありません。)

ホームズは空っぽなので、俳優はホームズの中身を埋めなければならないとRobert Stephensが言ったことや、ホームズを演じる過程でRobert Stephensが精神的な危機的状態におちいったことは、何度かジェレミーが話しています。(たとえば1991年のLA Timesのインタビューでは、最近ロバートとこういう話をした、と言っています。)しかし、ロバートが1980年代に、ジェレミーがホームズを演じようとするのをとめたというのを、Terry Mannersが資料にもとづいて記述しているのか、私は知りません。

また、Amazonで読める部分にある、ジェレミーに双極性障害の症状が出ている時のある出来事も、私はTerry Mannersの本でしか読んだことがない内容です。

「Sherlock: The Casebook」はとてもよい本だということを翻訳された方のブログ、アマゾンでのコメントや、この本を読んだ方のブログで知りました。しかしジェレミーに関する記述は少し心配です。プレビューで読めるところ以外に何が書かれているか(あるいは上記の二カ所以外は書かれていないか)を知りませんが、Terry Mannersが本に記したような、一般の人が好むセンセーショナルな「逸話」が "SHERLOCK" のファンに印象づけられるのは、ジェレミーのファンとしては少し残念に思いました。

でもある作品が言わば「永遠のいのち」を得る過程では、それに付随する特定の「伝説」が語りつたえられるものなのかもしれません。そしてそれを発端としてもっと知りたいと思った人だけが、その「伝説」の向こう側を調べはじめるのかもしれません。それはそれでよいのでしょう。

読まずにいろいろと言うのはいけないですね。くりかえしますが、この「Sherlock: The Casebook」という本は、BBC版のSHERLOCKがお好きな方にはおすすめの、素晴らしい本だということです。


さて、主題にもどって、今回の覚え書きの最後です。アメリカでおこなわれたトークショーで、ベネディクトが客席からの質問に答えている中で、ジェレミーのホームズに触れている部分は、以前にこちらの記事でご紹介しました。ベネディクトはジェレミーのホームズをとおして、ホームズに最初に出会った、ということでした。この記事でリンクを書いた、元の発言とその日本語訳を載せてくださった方が、前述の「Sherlock: The Casebook」を訳していらっしゃる方です。


フォーラムのジェレミーのファンの中にもSHERLOCKのファンはたくさんいて、ベネディクトがジェレミーのホームズを高く評価していることをとても喜んでいました。また、SHERLOCKのファンの若い人で、グラナダシリーズをはじめて観て、びっくりしてグラナダ版にも夢中になる人の投稿が時々Tumblrに載っていて、とてもうれしくなります。

RM
David BurkeとEdward Hardwickeに関することをいくつか、忘れないうちに書いておきます。

「グラナダ以後のDavid Burke、Edward HardwickeとWatson/Doyle」の記事で、2007年にITVで放送されたドイルのドキュメンタリー、「The Shackles of Sherlock」にふれました。これにはデイビッドがナレーターとして出演しています。残念ながらDVDになっていなくて、6月にご紹介した時にはYouTubeにもありませんでしたが、8月はじめに番組全体がアップロードされました。

このブログでは、市販されている作品はYouTubeにあっても紹介しないことにしていますが、これは現在手に入らないドキュメンタリーですので、リンクをはっておきます。
The Shackles of Sherlock Holmes


次はEdward Hardwickeについて。2006年にコメディ "The Rivals" の舞台に出演した時のインタビュー記事をネット上で最近みつけました。エドワードはSir Anthony Absoluteを演じていて、ジェレミーもテレビでSir Anthonyの息子のCaptain Jack Absolute役を演じたことがありました。インタビューではジェレミーについて、グラナダシリーズについても少しふれています。

もう一つ、これは以前から知っていましたが、Thorns Community Collegeの劇場が、エドワードのお父様のCedric Hardwickeにちなんで2010年にThe Hardwicke Theatreと名前がかわった時の記事です。エドワードは式典に招かれました。そして、エドワードが亡くなった時に一つ目と同じ記者(かライター)が書いた記事もあります。

それから、Thorns Community Collegeがつくっている冊子Thornsの7号のPDFファイルは、ファイルサイズが大きいのですが表紙がエドワードの写真で、中でも少しふれています。上記の記事で使われた写真よりもこちらの方が好きです。

最後はThe British LibraryのTheatre Archive Projectで録音された、エドワードの2007年のインタビューです。音声はこちら、トランスクリプトはこちらです。

途中で一カ所、グラナダシリーズ撮影の時のことにもふれています(4ページ目)。全体にわたってとても興味深いインタビューで、エドワードのやわらかくておだやかな声がきけます。

RM
なんか変なタイトルの記事だとお思いでしょうが、本や雑誌や新聞記事を読んでいると、記憶に頼って書いていた事柄の元々の記述がわかったり、最近書いたことと関係する記事をみつけたりします。あるいはこれについては後日書きたい、というエピソードがみつかることもあります。そういうものを時々書いておこう、という場所です。


Michael CoxがA Study in Celluloidで、ジェレミーに最初にホームズ役の提案をしたのが1981年の秋だ、と言っていたことをこちらのコメント欄に書いたのですが、原文を以下にあげます。

第一版、p.4
Like Dr Watson I have a poor head for dates, but I am reasonably sure that Jeremy and I first talked about Holmes in the autumn of 1981. We met for dinner at a restaurant in Charlotte Street: Jeremy, his son David, Doreen Jones and I.

レストランでジェレミーがマイケルと会った時、息子のデイビッドも一緒だった、というのはジェレミーがよく話していますね。あらためて、この親子はとても仲が良かったのだな、と思います。そして子供としてというよりも、信頼できる一人の大人として、ジェレミーはデイビッドにも一緒に話をきいてほしかったのではないかと思います。


そしてこの記事(暖炉の上の滝の絵;A Study in Celluloidより)で、スイスの滝の絵を221Bの暖炉の上にかかげたことが、単なる論理と頭脳の人だけではないジェレミー・ホームズにもつながっていたのではないか、と書きましたが、The Television Sherlock HolmesにデザイナーのMike Grimesのこんな言葉をみつけました。

第三版、p.119
'The one real liberty we took was the picture that hangs over the fireplace,' he says. 'It's the usual practice to stick a mirror there, but this is actually rather distracting for the actors, and if you are not very careful it will show the film crew and technicians.

'So what I did was introduce a picture of a huge Swiss waterfall which looks forward to the fight at the Reichcnbach. I thought this would be a nice touch and also give Holmes something to contemplate when thinking about what might have happened there. Jeremy Brett thought it was a great joke!'

「ジェレミーはこれを素敵な冗談だと思ったようだった」ですって。うふふ。ジェレミーの反応は、これはこれで面白いですね!「それはいいアイディアですね」と言って、あのまわりにうつる笑い方で、あっはっはと笑ったのではないでしょうか。


それからこの記事(建築中のグラナダスタジオでの写真;The Television Sherlock Holmesより)で、ジェレミーが撮影に持ち込んだのはこの赤い表紙の本でしょうか、と書いたのですが、The Television Sherlock HolmesのDavid Burkeの後書きに、このような文章がありました。

第三版、p.194
Jeremy was determined that the series should succeed, and that it should succeed by being faithful to the original in spirit and in detail. He carried the Complete Stories around like a Bible. When we finished, that book was almost falling apart, so often had it been thumbed through to check a line or a detail of scenery.

ジェレミーは撮影の場所にホームズ全集を持ち込んだと言っています。赤い本は選集ですから、どうも違う本のようですね。確かに選集だと、撮影する作品が含まれていない可能性もありますから。ですからジェレミーが読んだ4冊目のホームズ、ということになりそうです。(13歳の時の課題で ― バルバドスで借りて ― ロンドンの書店で買って221Bの建築現場へ持ち込んで ― 撮影現場に持ち込んで。)

そして、同じこの記事のコメント欄でだいさんが教えてくださったのは、ここのことですね。撮影が終わるころには本のページがほとんどばらばらになっていた、というのは。


こんな感じで、時々「補遺、備忘録」を記していくつもりです。

RM

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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