Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

Google Arts & Culture というサイトがあります。
https://www.google.com/culturalinstitute/beta/

「Google Cultural Institute と連携している 1,200 以上の代表的な施設やアーカイブのコンテンツをご覧いただけます」とあります。そのパートナーの一つに、イギリスの The National Theatre があります。そのページです。
https://www.google.com/culturalinstitute/beta/partner/national-theatre

ここに舞台 As You Like It (1967) の写真が1枚ありますので、ご紹介しましょう。コンピュータからだと写真を拡大できるのですが、携帯電話でどうみえるかは例によってわかりません。
https://www.google.com/culturalinstitute/beta/asset/_/ywGuYdIgZlzWWw

写真の説明に "Ronald Pickup (Rosalind), left, with Charles Kay (Celia) and Jeremy Brett (Orlando) in As You Like It, 1967" とあります。一番左がRonald Pickup(「バスカヴィル家の犬」の執事Barrymore)、真ん中がCharles Kay(「這う男」のPresbury教授)、そしてジェレミー(もちろんホームズ!)です。三人とも若いですね!長い友情です。

すべての役を男性が演じています。この場面ではCharles Kayは女性の役、Ronald Pickupは男性のふりをしている女性の役です。

As You Like It (1967) に関する他の資料はここでみることができます。
"Shakespeare at the National Theatre"
https://www.google.com/culturalinstitute/beta/exhibit/wRkj-Bl-

2年前くらいだったでしょうか、これをみつけたとき、これからどんどんThe National Theatreの所蔵する資料がネット上で公開されるのだろうとわくわくしましたが、残念ながら増えている印象はありません。少なくともジェレミーに関しては、この演目以外にはアップロードされていません。でもGoogle Arts & Culture自体はコレクションを充実させているようですから、希望を持って時々のぞいてみます。

ちなみにGoogle Arts & Cultureを"Jeremy Brett"で検索すると、もう一枚写真がヒットします。
https://www.google.com/culturalinstitute/beta/asset/-/OAHVcuD_fnB7pw

でもこの写真は以前からあった LIFE Photo Archive に今もあって、こちらは大きなサイズの写真(この場合は1280 x 947 pixels)もダウンロードできるようになっています。
http://images.google.com/hosted/life/893caa1b8416be68.html

RM
今日はeBayに出品された写真をご紹介しましょう。(落札されていますから、数ヶ月後にはリンク先のeBayのページは削除されるでしょう。)

1枚目はジェレミーがファンと写っている写真で、いつものように肩を抱いてあげて、満面の笑みです。The Wyndham's Theatreでの写真、と書かれていますから、The Secret of Sherlock Holmesの終演後ですね。
http://www.ebay.com/itm/382017953215

携帯電話やスマートフォンからだとどう見えるかわからないのですが、コンピュータからだと左上の写真を2度クリックするとかなり大きくなります。

大きくして見るとジェレミーは小さな飾りのついたチェーンをしています。これが「ぼんやりした写真2枚」の記事の前半で触れた、ベルのチャームが複数ついたチェーンなのでしょうか。


もう一つ、今度はDavid Burkeの写真を。
http://www.ebay.com/itm/162369995931

こちらは1980年代、The National Theatreで、とのことです。左手にアタッシェケース、右手に眼鏡、そして着ているのはクリスマス・セーターのようにも見え、珍しくちょっとはにかんだ笑みに見えるのですが、どうでしょう。

RM
今回も写真なのですが、ジェレミーの写真ではなくて、2度目の奥様のJoan Wilson(ジョーン・ウィルソン)の写真をご紹介したくなりました。ジョーンの写真は何枚かご覧になったことがあるかもしれませんが、あまり知られていない写真が1枚あります。Jeremy Brett Information (JBINFO) のトップページに期間限定でアップロードされていた写真です。

2012年2月13日にWayback Machineに保存されたページからです。
http://web.archive.org/web/20120213125344/http://www.jeremybrett.info/index.html

ジョーンは開いた本を右手に持って、目の前にある家のかたちのものをやさしい笑顔で見ています。中に何か小さい動物がいるのでしょうか。そばで他の男性も、その家の中をのぞきこんでいます。机の上にはポットのようなものがみえます。

この写真がどのくらいの期間トップページにあったか覚えていないのですが、2012年8月14日に保存されたアーカイブではこの写真はなくなっています。
http://web.archive.org/web/20120814160057/http://www.jeremybrett.info/index.html
当時はまだSNSが発達していないこともあって、他の場所にはほとんど転載されませんでしたから、この頃のJBINFOを知る人以外には、この写真は馴染みがないと思います。

この時、この写真の詳細については説明はありませんでした。JBINFOの当時のオーナーが、ジョーンの知人複数と連絡をとっていたので、そちらからの写真だったのでしょうが、いつどこで撮られたものかはわかりませんでした。とても素敵な笑顔だけれども、どういう状況の写真で、ジョーンの前にある家の形をしたものは何だろうと思っていました。しかし最近テレビ番組のプロデューサー・監督であるDavid Atwoodのウェブサイトでこの写真をみつけて、この写真の背景がわかりました。彼はPBSの番組Masterpiece Theatreで、ドラマの内容を紹介する導入部分の映像の監督をしていました。ジョーンはこの番組のエグゼクティブ・プロデューサーでした。

こちらがDavid Atwoodのウェブサイトのトップページです。
http://www.pinetreeproductions.com/index.html

こちらのアルバムのページ、上から7枚目にJBINFOにあったのと同じ写真があって、説明がその下に書かれています。
http://www.pinetreeproductions.com/album.html

ジョーン・ウィルソンは70年代はじめから1985年に亡くなるまで、 "Masterpiece Theatre", "Mystery!", "Classic Theatre"などのプロデューサーをつとめた。これはビアトリクス・ポターのドラマの紹介部分のためのセットで撮られた写真だ。Alistair [Cooke] はセットのウサギたちに視聴者の視線を奪われるのが少し不満そうだった。

Joan Wilson produced "Masterpiece Theater", "Mystery!" and "Classic Theater" among others from the early 70's until her death in 1985. This was taken on the set of the Beatrix Potter introductions. Alistair did not like being upstaged by the rabbits.


なるほど、これでわかりました。ビアトリクス・ポターはもちろん、ピーター・ラビットの作者です。ジョーンが手に持っているのはポターの絵本ですね。JBINFOでは切り取られていてみえなかったのですが、写真の右にウサギがいます。家のかたちをしたものの中にはマウスでしょうか。のぞきこんでいる男性はこのウェブサイトの持ち主で、このセットでの映像の監督をつとめたDavid Atwoodです。

写真の向かって左にあるポットは水彩画を書くときの水入れ、JBINFOでは切り取られていてよくみえませんでしたが、水入れのさらに左に筆がたくさん立っています。

Alistair Cooke(アリステア・クック)がホストをつとめた番組は、名前が出ている三つのプロブラムの内のMasterpiece Theatreです。それで検索したところ、ドラマの題名はThe Tale of Beatrix Potter、BBCでは1982年の放映、脚本はあのJohn Hawkesworthでした。
http://www.imdb.com/title/tt0264081/

アメリカPBSでの放映はこのページのデータが正しければ、1984年3月25日です。
http://www.tv.com/shows/masterpiece-theatre/the-tale-of-beatrix-potter-1-121408/

そしてYoutubeにありました。これはDVDになっていませんので、アドレスを書きましょう。クリックすると、アリステア・クックがドラマの紹介をしていて、うしろにたくさんウサギがいます。机の上の入れ物には絵筆がたっています。少しするとジョーンの写真にあった家の形のものも写ります。
https://youtu.be/U-X9F-m2VlI?t=8s

アリステア・クックによるドラマ紹介の部分はアメリカで収録されたものですから、アメリカでの放映が1984年3月25日ならば、撮影は1983年の終わりか1984年のはじめくらいでしょう。ジェレミーがホームズの撮影で忙しい頃ですね。二人はアメリカとイギリスで離れ離れでも、しょっちゅう電話で話していたようなので、このドラマの話、セットのウサギの話も出たでしょうか。ビアトリクス・ポターもビクトリア時代の人ですね。


ところで、それ以外のジョーンの写真がある場所は「Joan Wilsonのこと(4); 写真」でいくつかリンクを貼りました。JBINFOのジョーン・ウィルソンのページには、ネット上にあるジョーンの写真のほとんどが転載されていますので、そちらのページのアドレスも記します。こちらもWayback Machineからです。写真は6枚です。
http://web.archive.org/web/20160320032206/http://jeremybrett.info/jb_joan.html

ジェレミーと一緒のものは1枚だけで、これ以外に二人が一緒の写真を私はみたことがありません。(JBINFOの写真は縦横比が少しおかしいですね。そして一部を切り取ったものです。)

以前こちらの記事「Joan Wilsonのこと(4); 写真」で書きましたように、このジェレミーとジョーンが一緒の写真は、ジェレミーを追悼するPBSの番組のスクリーンショットを2007年にファンがアップロードしたものです。
http://jeremybrett.livejournal.com/79332.html

ジェレミーはジョーンの肩をしっかりと抱いています。

RM
今日は番外編で
1. 役の顔でない、
2. アップではない、
3. あまり知られていない、
に加えて

4. 焦点が合っていない写真
です。いやまあ、そういう写真もあります。誰かにカメラを渡してジェレミーと一緒の写真を撮ってもらったけど、現像したらぼんやり、ということは、デジタルカメラが出てくる以前なら十分あり得ますよね。今日は2枚です。

1枚目のこちらは以前からJeremy Brett Informationの"The Secret of Sherlock Holmes"のページにありましたから、ご存知かもしれません。Jeremy Brett Informationは残念ながら復活していませんので、Wayback Machineからです。ずっと下までスクロールしてください。
http://web.archive.org/web/20160812031111/http://www.jeremybrett.info/st_holmes.html

この1989年の、劇場の外でのすごくぼんやりした写真ですが、ジェレミーは黒いプルオーバー、毛糸のちょっとかわった帽子をかぶって、首には小さなベルのペンダントをしていた、と書かれています。黒、あるいは濃紺のプルオーバーはおなじみですね。帽子も、ああ、あれ、とおわかりのかたも多いでしょう。上部が真っ平らな、あの帽子です。ペンダントは覚えていないので、今度気をつけておきましょう。"little bells around his neck on a cord"とあるので、私の解釈がまちがっていなければ、チェーンにいくつかベルの形のものがついているのでしょう。

そして"A completely and utterly different personality. He gushed. He was an absolute sweetheart."(完全にホームズとは違う性格で、ジェレミーから感情がほとばしっていました。ものすごく優しい人でした)と書かれています。


もう一枚はThe Tribune-Democratという新聞のウェブサイトからです。ここは5ページまでは無料で閲覧できるということで、ページをみるたびに残りの閲覧可能ページ数が表示されるかもしれませんが、びっくりなさらないでください。

There's no place like Holmes
By Bill Eggert
The Tribune-Democrat, Jan 29, 2017
http://www.tribdem.com/news/bill-eggert-there-s-no-place-like-holmes/article_4a36345e-e5d3-11e6-949e-d3aa05ec1c79.html

上の方にぼんやりした写真があります。本文からの引用です。

アトランタでの最高の思い出の一つは、イギリスの俳優ジェレミー・ブレットに会ったことだ。彼は1992年にアトランタの書店にあらわれた。Basil Rathboneの演技はホームズファンから崇められたが、かすかな感情や微妙な意味合いまで含んだブレットの演技は、映像の中のホームズを次の段階まで押し上げた。

ブレットは私たちファンに、これ以上ないほど親切に、丁寧に接してくれた。私たちは彼と会うために長い列を作ったが、そのひとりひとりの話に、どこまでも注意深く耳を傾けてくれた。

私はホームズの最大の敵であるモリアーティ教授の扮装をしようときめて、グレーのかつらとトップハット(シルクハット)をかぶっていた。私の番になるとブレットは「モリアーティ!戻ってきたのか!」と叫んで迎えてくれた。皆が大笑いした。

One of my favorite memories was meeting British actor Jeremy Brett, who made an appearance at a bookstore in Atlanta in 1992. While we all revered Basil Rathbone's iconic portrayal of Holmes, Brett's nuanced performance on PBS took Holmes to the next level.

Brett could not have been more kind and gracious to us fans. He was endlessly patient and attentive with each of us in the long line to meet him.

As a joke, I had decided to dress as Holmes' mortal enemy, Professor Moriarty, with gray wig and top hat.

Brett greeted me with: "Moriarty! You have returned!"

Everyone got a big laugh out of that.


いつもながら、ジェレミーらしいですね!“Moriarty! You have returned!”と叫ぶジェレミー、想像できます。こちらも1989年の写真と同様、黒のプルオーバーです。同じ服でしょうか。

1992年とありますが、1992年にアメリカに行ったという記述は今までみたことがありません。1991年のアメリカツアーの時ではないでしょうか。1991年にアメリカで収録されたラジオ番組Desert Island Discsで"I was in Atlanta the other day", "I had a black hat on celebrating the Olympics 1996 with a little tomahawk on one side and a Braves badge on the other"と言っています。写真にあるのはこの帽子でしょうか。(トランスクリプトはJBSFにより出版された"A thrilling time"より)。

でも1992年にアメリカに行った可能性もあると、記憶の片隅にとどめておきましょう。

RM

今日も写真にまつわるお話をしましょう。今日の写真も
1. 役の顔でない、
2. アップではない、
3. あまり知られていない写真
だと私が思うものです。

ハワイのマウイ島での写真です。ロサンジェルスで舞台にたっていた時となっていますので、1978年から1981年の間だと思います。Draculaが1978-79年、The Crucifer of Bloodが1980-1981年のはずですから。(追記:あの髪の長さからすると、WatsonではなくDracula役ですね、多分。)

最近ではTumblrのこちらでみました。縦に2枚並んだうちの下の方です。
http://yamilamir-of-gondor.tumblr.com/post/157060011898/jeremy-brett-3-3-3

この写真については、以前こんなふうに描写したことがありました。

1枚目では画面中央よりも少し上を、小さな流れが横切っています。その両側にはこぶし大からもう少し大きめの石が一面にころがる岸辺が広がっていて、こちら岸の右手前は砂浜になっています。そこに上半身は服を脱いで、脱いだ濃紺のシャツをブルージーンズのももの部分にかけ渡し、両足を組んですわるジェレミーがいて、左半身をこちら側にみせています。椅子の上で両足を組んだ姿はホームズでおなじみですが、これは砂浜の上で足を組んでいて、瞑想しているようにもみえます。前方に向けられた目は閉じてはいません。後ろの髪は首をほぼおおっています。両腕は膝頭に軽くおいて、手のひらは自然に軽く下を向いていて、膝頭よりも前に出ています。」(ハワイでのジェレミー(5)

この写真を撮ったFred Myersが、ジェレミーと偶然会った時のことを書いた文章の一部を、このブログの2回目の記事で抄訳しました。彼の文章でこの写真の背景について知ることができます。
ハワイでのジェレミー

Fred Myersの原文はこちらのページの下の方にあります。
The Runaway
By Fred Myers
http://www.ageditors.com/members/byline/Jul07/Full.html

この中で私が好きなのはこの部分です。彼は目の前にいるひとがどういうひとが、その時は何も知りませんでした。自己紹介によればそのひとはジェレミーという名前のイギリス人で、俳優でした。(今回は原文併記で訳も少し変えています。)

話をしているうちに、私はすぐにジェレミーが特別な人であることに気づきました。外界を見る目は、自分の内にある感覚や感情を見る目を反映して、彼独自の味わいを持っていました。美しさへの感受性がとてもゆたかで、彼が口にする言葉は、こころの奥底から出て、今いのちを得ているかのように、なにかの深い意味を持っていました。

As we chatted, I quickly discovered Jeremy wasn't cut from ordinary cloth. His observations were flavored with introspection. He was extremely sensitive to the beauty around him and every comment he made was something of consequence, as if it were coming from deep inside him for the first time.


そしてこう言っています。

人生を過ごしてきたなかで、創造的な仕事にたずさわる多くの人々に会ってきました。ライターであることの喜びの一つです。でも、ジェレミー・ブレットほど素晴らしく、そして完全に創造的であった人を他に知りません。そして彼ほど、高貴な輝きを放って内側から自然にあふれる自由な魂を感じさせてくれた人を他に知りません。

In bouncing through life, I have been around many creative people, one of many rewards for being a writer. But none personified creativity as intensely, completely and wonderfully as Jeremy Brett. And none have exhibited the free spirit as spontaneously or as nobly as he did.


こころに残る表現です。これをここでご紹介して1年後、その時撮影したハワイでのジェレミーの4枚の写真を、登録者のみが閲覧できるフォーラム上にアップロードすることをFred Myers氏が許してくださいました。そのことについて、そしてその写真については以下の記事に書きました。

ハワイでのジェレミー(2)
ハワイでのジェレミー(3)
ハワイでのジェレミー(4)
ハワイでのジェレミー(5)

そして「ハワイでのジェレミー(5)」の記事の最後に、こう書きました。

登録者限定のフォーラムにアップロードすることを条件に写真を提供していただいたとはいえ、いつかは誰かが外へ持ち出し、その後は事情を知らない人たちの手で、物語抜きで転載されることになると思います。そうであるなら、いつかご覧になることがあるでしょう。その時にはこの写真にはそのような物語があるのだということを思い出していただければ幸いです。

実際に数ヶ月後にはフォーラムの外に出てしまいました。でもその後あまり広がらないのは、ジェレミーが小さくしか写っていないからですね。この写真をめぐる物語から切り離されてしまったことも関係するでしょう。撮影者の最初の意思に反して外に出てしまったのであれば、せめて、この写真にまつわる物語や、このただ一度の出会いを大切に思っている撮影者の気持ちとともに見ていただきたいと思って、ここでご紹介しました。

RM
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(2/12追記:「カーソルで選択して、反転して読む」のが難しい環境もあるようですね。それでパスワードを入れて読むように変更しました。)

「芋づる式」で、三つ目の芋です。
1. 役の顔でない、
2. アップではない、
3. あまり知られていない写真
で次に思い浮かんだのがこれで、ジェレミーが、というより他の点で面白いのです。

でも少し注意が必要です。以下のことを信じているかたは、ここにはいらっしゃらないと思うのですが....。
1. 映像でみるあのベーカー街は撮影用に建設したのではなく、本当のベーカー街である。
2. あの221Bの部屋は撮影用に家具や小物を並べたのではなく、本当にホームズとワトスンが住んでいる。

でも三つ目。「あの221Bの部屋は◯◯◯◯◯ではなく、本当に◯◯◯◯◯」と思っているかたは、割合と多いのではないかと思います。

私はグラナダ・シリーズのプロデューサーであるMichael Coxが書いた、A Study in Celluloidを読んで、そうではないと知りました。そして今回ご紹介する写真をみて、ああなるほどと思いました。(この後の記事が長くなったので、写真本体のご紹介は次回にまわします。)

でも、知りたくないかたもいらっしゃるかもしれませんから、ここから後は次の記事でパスワードを入れて読んでいただくようにします。
パスワード:Jeremy


RM
今日も「芋づる式」で、
1. 役の顔でない、
2. アップではない、
3. あまり知られていない写真
で、思い出したものをもう一枚。兄・甥たちと一緒の写真です。ご存じのようにジェレミーは男ばかり四人兄弟の末っ子で、写っているのはそのうちの二人の兄です。

以下は本からスキャンして別の場所にアップロードされていた画像を再投稿したのだと思いますが、Facebookのファングループ内です。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10208831147110470

うっすらと裏の文字が透けていますが、これはThe Berkswell Miscellany, Vol.5に載っていた写真のスキャンだからです。

撮影は1989年6月4日の日曜日であると、The Berkswell Miscellanyの本文にあります。Huggins大佐の息子のうちのJohn, Patrick, Jeremyの三人(右から5番目、4番目、3番目)によって、銀のトレイが返還された、と写真のキャプションに書かれています。大佐の孫のうちの二人、SimonとAshley Hugginsもその右にいる、ともあります。

兄弟は上からJohn, Michael, Patrick, Jeremyですから、上から二番目のMichaelは来られなかったのですね。画家のMichaelはマジョルカ島に住んでいたので、そのためでしょうか。SimonとAshleyが兄たちのうちの誰の息子かは書いてありません。

ジェレミーの父と兄たちについては、たとえばこちらに書きました。
父のこと; 1973年のTV Timesのインタビューより
追悼式での John Huggins師の言葉;1995年のThe Baker Street Journal より
ジェレミーの兄、Michael Hugginsの絵(1)

以前、「お気に入りの厚底靴:1975年の新聞記事より」の中で、

兄弟4人のうちで、ジェレミーよりもっと背が高い兄が一人か二人(か三人)いるということでしょうか。大人になってから4人が、背がわかる形で横に並んでいる写真は残念ながらみたことがありません。三人が一緒の写真はあるのですが、ジェレミーは二人の兄の後ろに控えて、にこにこと笑っています。背の比較はできないけど、弟という感じが出ていて微笑ましいです。

と書いたことがあります。あらためて見直すと、この写真でジェレミーが兄たちの後ろにいるのは、弟だからというわけではないだろうとは思いますが、でも後ろで微笑んでいるのが好きです。

銀のトレイがどんな由来のもので、なぜこの時に大佐の息子たちによって返還されたかについては、また別の機会に書きましょう。

RM
今日は前回の写真からの連想で、
1. 役の顔でない、
2. アップではない、
3. あまり知られていない写真
を選びました。例によって私の好きな「芋づる式」です。

下のリンク先はThe Priory Scholars of NYCというホームズ愛好家グループのウェブサイトです。サイトの一番上に掲げた写真では、たくさんのシャーロッキアンに囲まれて額に入れた何かを手渡されて、ジェレミーが嬉しそうに笑っています。
https://prioryscholarsnyc.wordpress.com

この写真を私は、雑誌の1985年のインタビュー記事に添えられていたときにはじめてみました。インタビュー記事の題や雑誌名は以下のとおりです。
Interview With Jeremy Brett
by Rosemary Herbert
The Armchair Detective, Vol.18, No.4, Fall 1985

インタビュー記事中の写真の説明に、1985年3月27日、ニューヨークのBogie's Restaurantで、ジェレミー・ブレットはThe Priory Scholarsの名誉会員証を授与された、とあります。アメリカ PBS での放送初日は1985年3月14日だそうですから(http://www.ihearofsherlock.com/2014/03/sherlockian-history-30-years-ago-today.html)、その直後ですね。

このインタビューの内容は何度かこのブログでも引用したことがあります。たとえばこちらです。
恐怖の感情:1985年のThe Armchair Detective のインタビューより


半年くらい前でしょうか、上にアドレスをあげた、The Priory Scholars of NYCのウェブサイトをみつけました。このサイトのArchivesにある一番古いページは2014年10月ですから、その頃にサイトをたちあげたのでしょう。ジェレミーが会員に囲まれて会員証を手に笑っている写真の下、Historyという文字をクリックすると、二回の休止期を経て2012年に活動を再開したグループの歴史が紹介されていて、そこでもジェレミーのことが触れられています。
https://prioryscholarsnyc.wordpress.com/about/

そしてアーカイブ中の一番古い記事からの引用です。

PRIORY SCHOLARS AT SIXTY
Susan Rice
https://prioryscholarsnyc.wordpress.com/2014/10/21/priory-scholars-at-sixty/

グループの集まりに参加したもっとも有名なゲストはもちろんジェレミー・ブレットで、1985年の集まりの最初の半時間ほどを、会員と共にすごしました。ジェレミーは本当に楽しい人でした。親しくいろいろなことを話してくれましたし、彼のホームズの特徴をすぐにその場でやってくれました。そしてグループの一人一人の話をきちんときいてくれました。とても残念なことに、私自身は仕事が長引いて、集まりに駆けつけたのはジェレミーがその場を去った後でしたが、皆は目を輝かせて、そのときの会話を一語ももらさず話したくてたまらない様子でした。

The most famous guest, of course, was Jeremy Brett who joined us at Bogie's for a half-hour or so at the start of a meeting in 1985. He was a delight — cordial, informative, quick to demonstrate some trick of his Holmes — and he took the time to listen to individuals in the group. Sadly I had to solve some problem at work and arrived at the meeting moments after he'd left, but everyone was still starry-eyed and eager to report on every word.


ああ、ジェレミーらしい、といつものように思います。

これをみつけたときは、雑誌で写真をみるのとはまた違ったうれしさがありました。ジェレミーがアメリカでこの写真に写ってから流れた時間も含めて感じられて、ジェレミー、このグループの人たちがあなたに会ったことを大切にして、30年ほどの時を経て写真をウェブサイトの一番上に掲げましたよ、とこころの中で話しかけました。

小さいですけれども、笑顔が良い写真です。自分のホームズがアメリカでもホームズを愛するひとたちに受け入れられて、皆とホームズの話ができて、うれしかったことでしょう。

RM

追記:日本やアメリカや世界のほかの国々がこんなことになっているのに、こんな平和な記事を書いていてよいのかという気持ちにもなりますが、今ここでの小さな幸せを自分で感じることと、まわりで起きていることを見て自分で感じることと、きっとどちらも大切ですね。

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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