Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

9月末で署名活動が終わるこの活動について、最近のニュースをお伝えする4回目です。

2010年、"The Secret of Sherlock Holmes" 再演時にホームズを演じた、Peter Egan(ピーター・イーガン)からのメッセージです。りえさんが、この再演をイギリスでご覧になっていらっしゃいます。メッセージの原文はこちらです。
http://www.bafta4jb.com/2011/06/some-nice-words-from-peter-egan/

私の名前を請願活動の署名簿にどうぞ加えてください。ジェレミーは、多くの意味で最も完全なホームズだと私は思っています。彼は情熱と才能とによって、ホームズの性格を私たちの前に描き出しました。グラナダシリーズにおける彼の演技によって、ホームズとはどういう人間かを私たちはあらたに知るようになりました。彼は驚くべき才能を持った俳優であり、すばらしい人間でした

初演時にホームズを演じたジェレミーのことをこのように言ってくださって、うれしいです。ジェレミー以降、ホームズを演じる俳優がジェレミーを意識しないことは決してなく、ホームズを見る(そして読む)私たちが、ジェレミーを思わないことは決してないでしょう。ホームズを演じたジェレミー以外の俳優が、こうしてそれを言葉にして、署名してくださったことが、とてもうれしいです。



こちらはAn Ideal Husband (理想の夫、1969)でLady Chilternを演じたDinah Sheridan(ダイナ・シェリダン)からのメッセージです。
http://www.bafta4jb.com/2011/09/a-letter-from-dinah-sheridan/

私は1969年の「理想の夫」で、ジェレミーと共演するという幸せな機会を持つことができました。一緒にいてとても楽しい若者でした。その後の仕事からも、ジェレミーがすばらしい俳優であることは誰の目にも明らかです。

「理想の夫」はオスカー・ワイルド作の喜劇で、ジェレミーは、週に3回オペラ鑑賞に行き、一日に5回は着替えをするダンディな独身貴族を演じています。頭空っぽの気楽な男のようにみせていて、どうしてどうして。ジェレミーとダイナの写真がこのページにはありますが、Lady Chilternもとてもきれいでした。



そしてエルキュール・ポアロを演じたDavid Suchet(デイビッド・スーシェ)からのメッセージです。私は熊倉一雄さんの声とともに思い出します。彼とジェレミーの写真と、彼からのメッセージがあるページです。
http://www.bafta4jb.com/2011/09/a-small-statement-from-david-suchet-cbe/

ジェレミー・ブレットの傑出した俳優としてのキャリアが認められて、BAFTA賞がおくられるように、というこのキャンペーンを、私は喜んで支援します。ご成功をお祈りします。

素敵な笑顔のジェレミーのすぐ右がデイビッド・スーシェで、他の二人は、右からInspector Morseを演じたJohn Thaw(「4つの署名」にも出演しました)、Albert Campionを演じたPeter Davisonです。4人が演じた4つの番組は、同じ頃にアメリカのPBSの"Mystery!"で放映されましたので、これは"Mystery!"のために行われたキャンペーンの時の写真でしょう。1990年頃と書かれています。
(参考:http://jeremybrett.livejournal.com/269394.html)



メッセージは書き込まれていないのですが、ジェレミーの義理のお嬢さん(ジョーンのお嬢さん)のRebekah Wilson Giarrussoが数日前に署名しています。先日のDavid Huggins, Caleb Wilson Sullivan に続いて、ジェレミーの3人の子供の名前が並びました。特にアメリカにお住まいのお二人については、ジェレミーのインタビュー以外では名前をきくことがなく消息も知らなかったので、お元気にすごしていらっしゃること、ジェレミーのことを今も大切に思っていらっしゃることが感じられて、こころがあたたかくなりました。



署名方法についてはこちらをご覧ください。
ジェレミーにBAFTA賞を!(10); 署名方法
ウェブ上には名前が出ないようにして署名することもできます。コメントなどは書かないで大丈夫です。お名前(ウェブ上匿名可)と、国名(Japan)と、メールアドレス(ウェブ上では非表示)を書いてくだされば署名ができます

RM
9月末で署名活動が終わるこの活動について、最近のニュースをお伝えしていますが、その3回目です。

一つは、このブログのコメント欄、および、りえさんのブログのコメント欄に書きましたが、事務局の掲示板によると、ジェレミーの息子さんのDavid Hugginsが、受賞が決まったら、ジェレミーの名前で賞を受け取ることを承諾してくださったとのことです。Davidは署名もしています。

BAFTA賞の授賞式は例年大きなセレモニーとなり、テレビやウェブでもみることができます。(ジェレミーはこのセレモニーの中で、ある賞のプレゼンターをつとめたことがあります。でもプレゼンターとしてしか参加できませんでした。)Davidが壇上にいて、ジェレミーのかわりに賞を受け取る様子をみることができたら、と願っています。



では今日はまず、ジェレミーの一人目のワトスン、David Burkeのメッセージからです。ジェレミーと一緒の写真もついています。
http://www.bafta4jb.com/2011/07/a-few-words-from-david-burke/

私はこの署名活動をこころから支援します。ジェレミーはこの賞をうける価値が十分にあると思いますし、彼と一緒に仕事をするのは、刺激と楽しさに満ちたものでした。

こちらのプロフィールのページには、最近のDavidの、いかにもDavidらしいお茶目な笑顔の写真がついています。
http://www.bafta4jb.com/our-supporters/actors/david-burke/



こちらにはDavid Stuart Daviesからのメッセージがあります。
http://www.bafta4jb.com/2011/06/a-statement-of-support-from-david-stuart-davies-bsi/

私は「Bending the Willow」という本で、ジェレミーのホームズの演技のことを書き、この本のために彼と長い時間を共に過ごしました。彼は本当にすばらしい人で、完璧なプロフェッショナルでした。ジェレミーの望みは、ドイルと、彼が魅力的に創作したホームズという人物造形に忠実であることで、双極性障害という病気にずっと苦しめられたにもかかわらず、ジェレミーはこれをなしとげました。本当のシャーロック・ホームズをスクリーンにもたらし、たくさんの人を魅了したのです。このことが今まで正式に評価されてこなかったことは、とても悲しいことだと思います

彼が書いた「Bending the Willow」はあっという間にまた入手困難な本になってしまって、eBayで驚くほどの高値になってしまっています。でもうれしいことには、最近出版社からメールをもらった人によると、増刷、およびeBook(電子書籍)にする計画があると書かれていたそうです。ただ、そのメールも数ヶ月前のメールへの返答だということで、多くの人が経験しているように、この出版社はちょっと当てにならないところがあります。情報を得次第、ご報告します。



署名方法についてはこちらをご覧ください。
ジェレミーにBAFTA賞を!(10); 署名方法
ウェブ上には名前が出ないようにして署名することもできます。コメントなどは書かないで大丈夫です。お名前(ウェブ上匿名可)と、国名(Japan)と、メールアドレス(ウェブ上では非表示)を書いてくだされば署名ができます

署名してくださったかた、ありがとうございました。

今日ははからずも、3人のDavidに関する記事となりました。

RM
9月末で署名活動が終わるこの活動について、最近のニュースをお伝えしています。今日は俳優のJames Purefoy(ジェームズ・ピュアフォイ)からのメッセージのご紹介で、はじめてのテレビ撮影でジェレミーに助けられたことを書いています。ジェレミーが若い俳優にとても親身になってあげていたことを知って、うれしい気持ちです。若者を励まして、それぞれの才能をのばしてあげたいという気持ちを常に持っていたのだと思います。ちょうど前回は、ジェレミーが若い俳優達の教育・活動の場をつくりたいと考えていたこと、今年の命日を期に、ファンの手でジェレミーの母校に奨学金制度ができたことをお伝えしたところでした。
ジェレミー・ブレット奨学金ができました

ジェレミーが若者に接する態度に、いつも同じ感想ですが、ジェレミーらしいなあ、と思うのです。ジェレミーにBAFTA賞を!(4)でご紹介した、13歳の時に子役としてジェレミーと同じ舞台にたった人の文章を思い出します。

以下の文章を書いた James Purefoy(ジェームズ・ピュアフォイ)は「ボスコム渓谷の惨劇」(1991)でJames McCarthy(ジェームズ・マッカーシー)を演じました。1964年生まれだそうですから、撮影時は26歳くらいでしょう。1988年にRoyal Shakespeare Companyに入団していますから、舞台の経験はすでに積んでいます。でもテレビの仕事はこれがはじめてだったと書いています。(IMDbによるとこの前に1作あるのですが、彼にとっては数に入らないほどのものだったのでしょう。)

「ジェレミーにBAFTA賞を!」の活動に署名をして、ジェレミーのことをこのように言っています。
http://www.bafta4jb.com/2011/06/a-statement-from-james-purefoy/

私のテレビでの最初の仕事は、シャーロック・ホームズのなかの1作でした。その時ジェレミーに「僕は撮影のこともカメラのことも、何も知らないんです」と言いました。ジェレミーは親切に私の面倒をみてくれて、撮影の時はいつも助監督が私を現場に呼んで、撮影をみせてくれるように、はからってくれました。ジェレミーは辛抱強く私に、全部のカメラレンズについて、それがどんなふうに映像をとるかを説明し、カメラの技術を教えてくれて、私が経験するすべての面でなにかと助けてくれました。私は人として、そして俳優としてのジェレミーをこころから賞賛します。まったく何の躊躇もなく、「ジェレミーにBAFTA賞を!」というこの活動の署名簿の中に、私の名前を加えます。

「Jeremy kindly took me under his wing [...]」というのを「ジェレミーは親切に私の面倒をみてくれて」と訳しました。英語の慣用句なのでしょうが、ジェレミーは本当に大きな翼を持っていて、その翼でまわりのたくさんの人をあたたかく包んでくれたのだと感じます。

ジェレミーは撮影の技術的な面にも興味を持っていた、とMichael Coxが言っていました。だからこうして、若い人にカメラの技術まで、教えてあげられるのですね。ジェレミーが撮影の全般にわたって積極的に関わっていた様子を、「美しき自転車乗り」などの監督のPaul Annett(ポール・アネット)の言葉としてご紹介したことがあります。
ウェブサイト "Jeremy Brett Information" のご紹介(7)ホームズ撮影舞台裏の写真

署名がまだのかたは、署名方法についてはどうぞこちらをご覧くださいませ。
ジェレミーにBAFTA賞を!(10); 署名方法
ウェブ上には名前が出ないようにして署名することもできます。コメントなどは書かないで大丈夫です。お名前(ウェブ上匿名可)と、国名(Japan)と、メールアドレス(ウェブ上では非表示)を書いてくだされば署名ができます

イギリス以外の国からの署名、国境をこえた世界中からの署名は、アカデミーを動かす大きな要素の一つになると信じています。

RM
数日前に入ってきたニュースです。ジェレミーが卒業した演劇学校であるCentral School of Speech and Dramaに、ジェレミーのファンが命日を機に多額の寄付をして、これを元にしたジェレミー・ブレット奨学金 "Jeremy Brett Scholarships"が創設されることになりました。

9月15日付けのThe Stage Newsの記事はこちら。
http://www.thestage.co.uk/news/newsstory.php/33520/jeremy-brett-fan-enables-central-to-launch
Central School of Speech and Dramaのホームページに書かれたニュースはこちらです。
http://www.cssd.ac.uk/content/jeremy-brett-scholarships-launched-support-central-students

奨学金を受ける人数や期間などが二つの記事で少し違いますが、おそらく演劇学校の発表の方が正しいと思いますので、そちらを元に一部をご紹介します。なお、演劇学校の方には基金の額は書いてなくて、The Stage Newsのみに12万ポンドと書かれています。額が間違っている可能性も皆無ではありません。

イギリスの有名な俳優の一人であるジェレミー・ブレットの命日にあわせて、イタリアのファンが、経済的な支援を必要とする学生のために奨学金を創設した。

ジェレミーの演劇界・テレビ界への貢献と、こころの健康を支援する活動を記念し、あわせて、職がない俳優が勉強できる学校を設立したいという彼の夢を記憶にとどめるために、イタリア・ペルージャのピア・トローナさんは、ジェレミーの母校である Centralに、2011-12年の間に最大5人の授業料を免除し、さらに2012-13年と2013-14年にも支援する奨学金を創設するための基金を寄付した。

トローナさんはこのように述べている。「ジェレミー・ブレットはいつも私を励まし、新たな思いを与えてくれる存在です。次の世代のCentralの学生が彼を思うことによって、彼がこの世に遺したものが生き続けるように、何かをしたいと考えました。ジェレミーが願った演劇学校をつくる資金を出すことはできませんが、この奨学金によって、一生懸命勉強している才能ある学生に道を開くことになればと思っています。」


ジェレミーが演劇学校をつくりたいと思っていた、というのははじめてききました。ただ、役がつかない若い役者や、劇場の技術者(照明や音響担当など)のために劇団をつくりたい、と言っていたのは知っています。また後日、その部分も含めてインタビューを紹介しましょう。

りえさんが演劇学校へいらした時の記事はこちらです。写真もたくさんあります。
セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ
受付の二人のうち、若い男性のほうはジェレミーのことを知らなかったということですが、これでもう大丈夫ですね!

撮影現場でも若い俳優に援助を惜しまなかったジェレミーですから、俳優のたまごが、自分の名前がついた奨学金によって母校で勉強できることを喜んでいると思います。若い俳優がジェレミーにどのように助けられたか、次回あたりにお話したいと思います。また、Lindaの本には、The Secret of Sherlock Holmes上演の時に、俳優志望の少年とそのお母さんに、どんなに親身に接していたかが書かれていました。

RM
「ジェレミーにBAFTA賞を!」という署名活動について、最近は新しいニュースをお伝えしていませんでしたが、この数ヶ月でここにはじめて来てくださったかたもいらっしゃるかもしれませんので、あらためて署名のお願いをいたします。

ジェレミーのホームズの演技は、最初の放映の時から多くの人に賞賛され、今も私たちを幸せにしてくれているにもかかわらず、何の賞も受けませんでした。このことを、ジェレミーの仕事仲間の多くが、とても残念なことだと思っています。英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)がジェレミーに賞を与えるべきだったのに、と。

昨年の春から、ジェレミーにBAFTA賞を追贈(亡くなった後に贈ることを)してほしい、と請願する署名活動がはじまりました。私がこのブログをはじめたきっかけを二つあげれば、一つは「ハワイでのジェレミー」を紹介したいということ、もう一つはこの署名活動について知っていただいて、できれば署名していただきたい、というものでした。

この署名活動が9月末で終わり、いよいよアカデミーに署名簿が持ち込まれます。今までにも驚くほど多くの国の人達が署名しています。たとえば、以前このように書きました。「最近50名の署名者の国名をあげると、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ウクライナ、ロシア、ポーランド、インド、セルビア、ドイツ、アイルランド、日本、アイスランド、スペインと、14カ国にものぼります。」日本からの署名も、9月末までに一人でも増えたらうれしいと思っています。

最近のニュースの一つは、ジェレミーの最愛の奥様のJoan(ジョーン)の子ども、つまりジェレミーの義理の息子のCaleb Wilson Sullivan(ケィレブ・ウィルソン・サリヴァン)が署名をしてくださった、ということです。ジェレミーがCalebのことを話しているインタビューはこちらでご紹介しました。
「Scrawl」のインタビューから(1989年)(2)
ジェレミーの悲しみと、あたたかさ(6); 1991年のDesert Island Discsから(3)

また、最近署名した俳優もたくさんいます。たとえば「ポアロ」を演じたデイビッド・スーシェ、「修道士カドフェル」のサー・デレク・ジャコビなどです。

私はこの活動が始まった時、もちろん賞が贈られることを第一に願っていましたが、第二には、世界中のファンと、ジェレミーを直接知る仕事仲間や友人・知人との間で、ゆるやかなつながりが感じられることを願っていました。今まさに、第二の夢が実現していると感じます。

どうぞ、第一の夢のためにも力をお貸し下さいませ。

署名方法についてはこちらをご覧ください。
ジェレミーにBAFTA賞を!(10); 署名方法
ウェブ上には名前が出ないようにして署名することもできます。コメントなどは書かないで大丈夫です。お名前(ウェブ上匿名可)と、国名(Japan)と、メールアドレス(ウェブ上では非表示)を書いてくだされば署名ができます

すでに署名してくださったかた、どうもありがとうございました。日本の署名仲間として、お名前もお顔を知らないながら、ゆるやかなつながりを感じています。

RM
9月12日は、ジェレミーがこの世を去った日ですね。今日という日を、昨年とはまた少し違った気持ちですごしました。昨年は、この世を去る時のジェレミーを感じていましたが、今年は、今この世に生きている人と、今はいない人をふくめて、大きなつながりを感じようとしているようです。

それで今年は、ジェレミーがこの世を去る前のこと、その時のことについて何も書きませんでした。でも、その時のことが私にとって大きな意味を持つことにはかわりがありません。去年の記事を読んでみようと思われる方は、下のリンクからお読み下さいませ。

亡くなる前のこと、亡くなる時のこと
最期の日々(1)
最期の日々(2)
My Fair Lady (1964) の初日の映像と、追悼式で読まれた詩
9月12日
15年前の9月12日のこと:新聞記事から
PBSが放送したジェレミーの追悼番組


生きること、死ぬことを考える時、いつもこころのどこかにジェレミーがいます。最近読んだ詩集から引用して、今日は終わろうと思います。

長田弘さんの詩集「死者の贈り物」の最後に書かれた詩、「アメイジング・ツリー」のはじめの部分と終わりの部分です。

「アメイジング・ツリー」

おおきな樹があった。樹は
雨の子どもだ。父は日光だった。


この旅で、人はほんの短い時間を、
土の上で過ごすだけにすぎない。
仕事して、愛して、眠って、
ひょいと、ある日、姿を消すのだ。
人は、おおきな樹のなかに。


RM
1988年のTV Guideの記事からもう一つ。この前お話したディナーの前日には、報道関係者を対象とした、「バスカヴィル家の犬」の試写会がおこなわれました。この記事の筆者はこの日から参加していたのですが、この時ジェレミーがあるレポーターにこのように言ったと書いています。ちょっと奇妙でおもしろいのです。

彼はレポーターに、どんなことでも協力しますよ、と請け合いながらつぶやいた。「僕はちょうど肉のペーストのようにあなたのまわりに広がるから、好きなところを味わっていいですよ。」

さあ、この訳が適当であるかどうか自信がないのですが、原文はこうです。
Assuring a reporter of his full cooperation, he murmurs, “I shall just spread myself around you like a meat paste, darling, and you lap up the bits you like.”

英語ではこういう比喩をよく使うのでしょうか?それで、フォーラムでたずねてみました。ここは私には、普通の表現じゃなくて、おもしろいと感じられるのだけれども、私が英語のネイティブスピーカーではないからでしょうか。

それに対して、何人か反応してくれました。

「ここは私には、すごく途方もない言い方にきこえます。私たちは誰も、完璧な『ジェレミー語』はしゃべれませんものね!」

「『ジェレミー語』をしゃべる...("speaking Jeremy"...) ジェレミーは本当に、独自の言葉を持っていましたものね。」

私はこの返事をきいて、うれしくなりました。今までも何回か記事でふれてきましたが、ジェレミーはいわゆる紋切り型の言葉使いでなく、生き生きとした、時に詩的な、時にちょっと奇妙な(!)表現をすると感じていたのですが、それが私が英語の表現に慣れていないからではないらしいことがわかったからです。やはりジェレミーは言葉が好きな人だったのですね。

RM
最近また一つ、「The Secret of Sherlock Holmes」上演中のインタビュー記事がフォーラムで話題になりました。

"There's No Place Like Holmes"
TV Guide, October 22, 1988

この中にこんな記述があります。2時間の上演が終わった後のディナーにインタビューアが同席した時のことです。

ディナーの席でジェレミー・ブレットは、テーブルと椅子の配置に気を配った上に、ウェイトレスのことも気にかけていた。「こんにちは。元気?『まあまあ』なのかい?何か僕たちにできることはない? (How are you? Only so-so? How can we help?)」

これを読んだフォーラムのメンバーが、「何て優しいんでしょう!一日に何回、私たちは本当には相手のことを気にかけずに、ただ自動的に、「元気?(How are you?)」とたずねるかしら。」と書いていました。

同感です。そして、何てジェレミーらしいのでしょう、と感じます。机や椅子の配置、ウェイトレスの気持ちなどを含めて、その場の皆が楽しく過ごすようにと気を配っているジェレミーの様子に、以前「熊の抱擁」というタイトルで書いた記事中の、こんな部分を思い出します。

「どうぞ真ん中にすわって。あなたのために席をあたためておいたからね。(You sit in the middle. I was keeping the seat warm for you.)」

こうやって、皆が気持ちよくその場にいられるように気を配っている時のジェレミーが、どんな表情、どんな声、どんな感じか、想像できる気がします。ジェレミー自身もとても気持ちよく、楽しくその場にいるのだと思います。そういうジェレミーに、いつもうれしくなります。

RM
David Burkeについて、最近二つ、新しいニュースを知りましたので、うれしくなって書いています。

一つはこの7月にJermyn Street Theatreでお芝居を演じたというニュースです。アーサー・ミラー作のDanger: Memory! という、二つの部分にわかれた二人芝居のうちの最初の方に、奥様のAnna Calder-Marshall(アナ・カルダー・マーシャル)と出演しました。役の上でも夫婦です。この記事には小さいですが写真もついています

より大きな写真はこちらです

もう一つのニュースは、2012年公開の映画「The Woman in Black」に出演する、というものです。これはハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフが主演するゴシック・ホラー映画で、すでに撮影は終了したようです。

こちらはIMDb(インターネット・ムービー・データベース)のぺージです。
http://www.imdb.com/title/tt1596365/
こちらはWest End theatre.comの記事です。この作品はもとは小説、そしてその後劇場で演じられて、Fortune Theatreでロングランを続けています。
http://www.westendtheatre.com/9372/movies/the-woman-in-black-the-movie-starring-daniel-radcliffe/
日本でもパルコ劇場で上演されました。
http://www.parco-play.com/web/page/information/woman08/

PC Collins役、とのことですが、どんな役でしょう。奥様共々、お元気で活躍なさっているのがうれしいです。

今日はとても短い記事になりました。

RM
「『The Secret of Sherlock Holmes』上演時のインタビューで、「昨日も新しい発見がありました」と話しているのを読んだことがあります。」と前回書いたら、その記事に再会しました。何カ所か引用します。1989年8月の記事です。

「ホームズをどこかに押し込めておくことなんてできません。私はもう26の作品を撮影しましたが、毎回ホームズをおいかけて、毎回新しい発見があります。」

ホームズはいつも自分の一歩先を歩いている、とブレット氏は言うが、ブレット氏はよりどころを持っていて、それに従って、この探偵の内面からの声を語ることができる。「正典が僕の中にあるんです。ドイルは僕の中にいます。だから僕はそれに従ってその中から選び、いつも新鮮に感じることができます。」

「ホームズは女性の直感も持っています。だからホームズは意識にのぼらないようなレベルで直感的に判断します。それはいつも正しくて、それでスコットランド・ヤードの先を行くのです。」

「僕は今ホームズを演じるのに夢中なので、新しい表現方法が毎日自然に思い浮かんで、突然新しい理解が生まれます。昨日の夜も、ホームズの独白を演じる新しい方法をみつけました。バルコニーの方を見上げて、こころを開いて、観ている人の感情が、僕が語る言葉へとあふれて流れ込んでくるままにしていました。そして突然、ホームズの中の敏感な感じやすさの新しい面を知ったのです。ホームズの内面、ホームズへの手がかりをまた一つみつけました。」


The Globe and Mail, August 03, 1989

ジェレミーが舞台上で、魔法のように観客をひきつけている様子を想像できる気がします。そしてその時ジェレミーは自分自身のこころをホームズへ、そして観客へと、開いているのでしょう。

私はずいぶん言葉を費やしましたが、最後の部分は原文ではこうです。英語のニュアンスは私にはわかっていないかもしれませんが、ジェレミーは短い言葉で、ありきたりではない表現で、的確にその時の感じを伝えている、という気がします。

" I looked up toward the balcony, let myself open up, and let the audience flood into the words I was speaking. Suddenly I had found a new vulnerability in Holmes. Another essence. Another clue."

ジェレミーは本当に演じることが好きだったということ、でも情熱だけをよりどころに演じていたのではなく、よく考えよく感じ、ものすごく努力していたということを、いつも感じます。

女性の直感を持っている、ということも、ジェレミーが何度か話しているのをきいています。ナツミさんが最近のブログで、BBCのSherlockが書いた(という設定の)事件記録を紹介してくださっていて、これがとてもおもしろいのです。そしてナツミさんは、Sherlockがまず直感で、これは「絶対に」事故ではなく殺人だ、と書いていることを紹介していらっしゃったので、うれしくなりました。

ナツミさんのブログの「推理の科学~緑のはしご事件」

ちなみに私はこの前の記事では、ホームズがこころの奥の奥では感情がゆたかであることをジェレミーが話しているのを書いたのでしたが、その記事を書いた後にナツミさんのところをのぞいたら、「人間離れした機械のようなイメージの後ろに、見え隠れする人間くささ」と書いていらして、その共時性(シンクロニシティ)ともいえるものにじーんとしてしまいました。

RM

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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