Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

クリスマスイブの日にイギリスから封筒が届きました。ネットオークションサイトのeBayで購入したThe Secret of Sherlock Holmesのプログラムです。このプログラムに関しては、プログラムを手にすることのうれしさの他に、譲ってくださった方とのやりとりが、こころをあたたかくしてくれました。

私はeBayを時々のぞいてはいますが、購入の経験は少ないのです。オークションで競るということに二の足を踏む性格だからかもしれません。また、eBayに多く出品されるのは宣伝用スチルなどの写真で、マーカスが撮ったあの大好きな写真は別にして、後は画面で見るだけで満足するようにつとめているということもあります。舞台出演時のプログラムもよく出品されますが、今まで買おうと思ったことはありませんでした。

ところが今回入札する気持ちになったのはどうしてでしょうか。プログラムを専門に扱う人(業者)ではなく、劇場に実際に行ったイギリス在住の人が出品していて、「1988年11月にこの舞台を観た時に購入しました」という説明が書かれていたからでしょうか。

うれしいことに落札できました。落札すると、あらかじめeBayに登録しているこちらの名前と住所が出品者に知らされます。そうすると出品者から、普通は送料を含めた額を請求する事務的な知らせが届くだけなのですが、今回はこんなメッセージがつけられていました。「こんにちは、○○さん、僕の妻もあなたと同じ名前です。日本の●●の出身です。僕は2002年まで7年間日本の△△に住んでいて、あなたの住む××にも2000年に行ったのですよ。あなたはジェレミーのファンなんですね。届いたら喜んでくれると思います。」

わあ、なんてうれしいんでしょう!私と同じ名前の奥様を持つ方から、プログラムを譲っていただけるのです。言葉をかわした人からの贈り物が届くのを待つ気持ちです。うれしくて、私も普段ならただ入金するだけのところを、こんなメッセージを書き添えました。「なんて素敵な偶然なんでしょう!そう、私の名前は○○、××に住んでいて、生まれたのはあなたが住んでいらした△△、そして甥が今、あなたの奥様の出身地に住んでいるのですよ。私はジェレミーが大好きなんです。プログラムは宝物になると思います。」

そのプログラムがクリスマスイブに届きました。eBayには売り手と買い手が相互に相手を評価する仕組みがあって、取り引きを考えている人がその評価を調べることによって、参考にできるようになっています。ですから「きちんと包装されていて、すばやく届きました。ありがとう。」とか、「支払いもはやく、気持ちよく取引きができました。」とか、「すばらしい出品者(あるいは買い手)として推薦します!」といった内容のことが書かれているのですが、私は、今回とてもうれしかったということを出品者に再度伝えたいと思いました。

評価欄には普通は今後の参考になりそうなことだけを書いて、個人的なメッセージは書かないのですが、こんなふうに記しました。「幸せなお取引きができました。ありがとう。あなたとあなたのご家族が楽しいクリスマスをすごしていらっしゃいますように。」そうしたら私の評価欄にも「本当にどうもありがとう。そして日本のあなたに良い年が来ますように。」と書いてくれました。

私の英語は本当につたないのですが、特に書くことに関してこの2年で驚くほどかわって、無色の断片のように思える単語を無理矢理つなげたものを書くのではなく、自然に気持ちをこめることができるようになりました。もちろん間違いはたくさんしているはずです。相手に伝わっていないことも山ほどあるはずです。かわったのは英語の巧拙ではなく、私の気持ちです。同じ Thank you でも、今までいろいろな場面でいろいろな人に、いろいろな思いをこめて書いてきた Thank you が積み重なって、私の中で豊かな色を持ち始めたということだと思います。私の中で英語が色を持ち始めたということ、これはジェレミーのことを少しでも知りたい、感じたいと思う私にとって、とてもうれしいことです。そしてその英語を使って、つたないながらも気持ちを伝えてこころをかよわせられる幸せを、ジェレミーに関することで、このクリスマスイブにも感じることができました。




年内はこの記事が最後かもしれません。この1年、英語で気持ちを伝える喜びもありましたが、英語で書けることは本当にわずかな私にとって、日本語でジェレミーに関することをご紹介し、気持ちを書くことの喜びもまたかけがえのないものでした。そして何よりうれしかったのは、コメントをいただいて、対話の中で気持ちが深まっていったことでした。

また、はじめた時には個人的なことはここには反映させるつもりはまったくなかったのですが、ジェレミーを語るということは、その言葉の向こう側で私自身を語ることでもあるのを知り、ここで支えていただきました。ご縁をいただいた方々に心からお礼を申し上げます。どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

今年この世を去った方々のことを折々に思いながら、年末の残り少ない日をすごそうと思います。ジェレミーにとって大切な人としては、Jeremy Paul, Edward Hardwicke, Anna Massey。この24日に亡くなられていたというお知らせが私の心に深く刻み込まれたのは、中学生の時から好きだった作家辻邦生さんの奥様で、美術史家の辻佐保子さん。(辻邦生さんと北杜夫さんの旧制高校時代からの友情はすばらしいものでした。その北杜夫さんもこの秋に亡くなられました。辻邦生さんをお好きな方がもしもここにいらっしゃるようでしたら、辻佐保子さんを直接ご存知だった方のこの記事をご覧くださいませ。「辻 佐保子さんのために、あるいは届かなかったキャンドル」。)そして3月にこの世を去ったあまりにも多くの方々のことです。それぞれに愛する人、大切な人たちに迎えられていることと思います。

RM
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(追記:写真ふやしちゃいました。12月25日)

クリスマスに関係する記事を、と思った時に、このインタビューを思い浮かべました。クリスマスに関わる事を話しているのです。Wyndham's Theatreでの劇上演に触れていることなどから、それは1988年のクリスマスのこと、そしてこのインタビュー自体は1989年の春に行われたのではないかと思っています。

トランスクリプトはこちらから頂きました。
http://jeremybrett.livejournal.com/31541.html

ここでご紹介するトランスクリプトの部分に相当するのは、1分6秒から2分30秒です。


(トランスクリプト中の "MM" は司会者のMike Morrisの頭文字です。)
MM: Now I know if you get the details wrong you get slaughtered. (JB picks up his two pipes)
JB: I brought these because I haven't got the one I'm being given because I'm not allowed to see that until lunchtime. I'm told that's very special, because I was robbed when I was doing, I think, 'The Greek Interpreter' and we had some VIPs round and they stole my pipe. I think it was either the young Conservatives or the Royal Ballet - I bet it was the young Conservatives! Anyway, I think I'm getting something like that, which has an amber stem. This is the one, which he smoked - this is all in the books - in 'The Copper Beeches'. That's a lovely pipe, you can gesture with it.
MM: Now he used that -
JB: - In his disputatious moods.
MM: Yes.
JB: And this, in his meditative. (Puts it in his mouth) Just like Popeye! You hold it there, as it gets very hot, by the base.
MM: Getting the details right, if you get the detail wrong, absolute mayhem breaks loose, doesn't it.
JB: I'm getting around 3000 letters a week and many of them are saying 'listen, you left out this' or 'you left out that'. And it's, that's really exacting.
MM: There could be 6000 letters this week saying -
JB: - Why am I wearing an earring!
JB: (laughs) Well I tell you exactly why, I found it on Clapham Common, which is near where I live. I found it just before Christmas and I thought that must be for me, it's my Christmas present from up there (points upwards), from somewhere.
MM: So anybody watching who has lost a ring on Clapham Common -
JB: - (laughs) I'm going to lose it again!
MM: - It's now being worn by Sherlock Holmes.


前半はパイプの話をしています。後半が「クリスマスプレゼント」のイヤリングの話です。

私はジェレミーのこういうところも好きなんです。いえ、全部好きなんですけど(うふふ)。もうすぐクリスマスという時に家の近くのクラパム・コモンでイヤリングをみつけて、これは天上からの自分へのクリスマスプレゼントだと思って身につけて、番組中でそれを話して、そして司会者が視聴者に向かって「クラパム・コモンでイヤリングを無くした人は...」と話し始めると、「それじゃ今度は僕が無くしてしまうことになるね!」って言ってあっはっは、と笑う。

私はジェレミーが心の中で少し、これはJoanからのプレゼントじゃないかと思っていたような気がするのです。そんなに深刻に真面目に、ではなくて、イヤリングをみつけた時にすぐそばにJoanの存在が感じられて、あたたかい気持ちになったのではないか、と。ジェレミーが天を指さしてにっこりする顔をみると、そういう気がします。でも必要以上にイヤリングそのものに執着するのではなく、楽しんで身につけているから、あっはっは、と笑えるのでしょう。ああ、そういうところが好きだなあ、明るくて、生きることに勇敢で強い人だなあと思います。

感受性が強くて愛情深い分、ジョーンを失った悲しみは生涯癒えなかった、そしてその悲しみが双極性障害を悪化させたのですが、でもその一方で、いえ、悲しみを知る人だったからこそ、ジェレミーはジョーンをいつもそばに感じていたのだと思います。他のインタビューでも、ジェレミーは空を舞う鳥に彼女を感じていました。
ジェレミーの悲しみと、あたたかさ(3); 1991年のダラスの新聞から(2)

皆様、今日という日を楽しく、あるいはこころおだやかにお過ごしでありますように。

RM

追記:引用部分を一行長くしました。また、司会者の言葉の和訳の「クラパム・コモンでイヤリングを無くした人はご連絡を」の「ご連絡を」を削りました。コメント欄をご参照下さい。
プレイヤーの埋め込み方を知ったのでジェレミーの声をもう少しブログに載せたい、という実にわかりやすい動機で今日の記事ができました。

絶版になっていて今はInternet Archiveに収録されているTroilus and Cressida のオーディオブックから、以前何度かご紹介していました。「その4」は下書きを書いたままになっていたのですが、これを今度はプレイヤー埋め込みの形で書き直しました。埋め込みにするとうれしいのは、セリフをみながら声をきける、という点です。

今日紹介する部分は多分有名なセリフなのでしょう、シェークスピアの名台詞、名録音を集めたCDにも、ジェレミーのこの録音が収録されているようです。

Be Thou Now Persuaded: Living In A Shakespearean World
Disc 2, track 18, I Am Giddy - Jeremy Brett (Troilus, from "Troilus And Cressida")

トラック18は" I Am Giddy"の部分だということなので、ここに相当します。ささやいているので、今までより背景のノイズが大きくきこえて少しききにくいかもしれませんが、恋する王子の独白をきいていただきたくて。

二十代後半のジェレミーは、五十代のジェレミーとはまた別の魅力を持っていたこと、その魅力は俳優としてのしっかりとした訓練に支えられていたこと、そして演ずることに対する情熱と天性の鋭敏な感受性は、若い頃から消えることなく、ずっと続いていたことを感じます。40秒の音声ファイルです。









I am giddy; expectation whirls me round.
The imaginary relish is so sweet
That it enchants my sense; what will it be
When that the watery palate tastes indeed
Love's thrice repured nectar? Death, I fear me;
Swooning destruction; or some joy too fine,
Too subtle-potent, tuned too sharp in sweetness,
For the capacity of my ruder powers.
I fear it much; and I do fear besides
That I shall lose distinction in my joys;
As doth a battle, when they charge on heaps
The enemy flying.

5行目までの訳:
ああ、目がまわる、期待がおれの心を
ぐるぐるまわすのだ。甘美な味を胸に思い描くだけで
もう我を忘れてしまいそうだ。どんなだろう、
恋の芳醇な酒を実際にこの舌で味わったら?
(小田島雄志訳を参考にして)

同じ役をステージで演じた時(1956)の写真です(Jeremy Brett Informationから)。こちらは20代前半、結婚前です。美しいでしょう。ジェレミーの若い時の美しさを評して、神様が(いい意味で)間違えちゃったのではないか、と言った人がいました。ジェレミーは年齢を重ねるにつれて、神様が間違えちゃった美しさに、自分でさらに深みを加えていった、と感じます。
st_troilus.jpg

今まで3回の記事でご紹介したのは、この部分でした。
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961)








Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その2








Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その3








RM
突然ですが、歌です。先週末にブログにプレイヤーを埋め込む方法を学んだので、忘れないうちに一つ書いておけば、後はそれを参考にして必要な時にまた埋め込むことができるだろう、というのが「突然」の理由ですが、大好きなジェレミーの歌声をご紹介したい、というのが一番の気持ちです。

市販されている音源以外、また現在YouTubeにあるもの以外、そしてあまり長くないもの、ということで選びました。

Madame X (1981) というテレビドラマの映像は一時YouTubeにありましたが、今はないと思います。ジェレミーは心臓の専門医、Terrence Keithを演じていて、Molly Maloneという歌をこの中で歌っています。愛する人のために替え歌で、即興で歌ってみせています。

この作品についてのJeremy Brett Informationのページはこちらです。映像からとった写真が2枚ついています。
http://www.jeremybrett.info/tv_madamex.html

"Madame X" は市販されたことがなく、したがって歌っている箇所の音質はあまりよくありませんが、私はこの歌も大好きです。現在市販されていてジェレミーの歌声を聴くことができる音源と、また歌のタイプが違っています。

Molly Maloneという歌についてのWikipediaのページはこちらです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Molly_Malone

1883年には出版の記録がある歌のようで、特にアイルランドで愛されているそうです。古いフォークソングに起源があるのではないかと思う人も多いそうですが、Wikipediaによると、そうではないだろうとのことでした。でもちょっとフォークソングのようきこえて、楽しいのです。

ではどうぞ。34秒間です。









ね、素敵でしょう?

(追記:下は雑音低減処理をしたのですがどうでしょう。)








ジェレミーのこの役は、アイルランド・ダブリンの、ハンサムで陽気で男らしくて親切なドクター、お料理も上手です!でも奥様を亡くしていて、人生の悲しみを知っている人なのです。そして、何か人生の陰の部分を感じさせるヒロインにひかれていきます。彼女はお酒と睡眠薬の飲み過ぎのために倒れて入院し、そこでこのドクターと出会います。この歌は、その彼女に歌っているのです。

ジェレミー出演シーンは15分に満たないくらいですが、この作品でのジェレミーもこころに残りました。YouTubeでの映像は多分なくなりましたが、上記 Jeremy Brett Informationのページには中国のサイトへのリンクがあって、そこではジェレミーの出演シーンをみることができます。

RM
いいんです。せっかくの横顔の写真なんで、載せたくなったんです。ただそれだけです。ちょっと角度が違うなあ、と思って、前回の記事ではボツにしたのですが。
PriorySchool_2.jpg


うふふ。

RM
ここのところ本やCDやオーディオブックや上映会などに関するご紹介記事が続くことが多くて、そのためにネットなどで確認するという作業に、思いがけなく時間がかかったりしていました。ご紹介するものが多いのはとてもうれしいことで、それだけ新しい動きがあるということです。でもぶらぶら歩きはどうしたの?と自分で自分に突っ込んで、今日はただ写真を並べるだけのものにしました。横顔です。ナツミさんとのコメント欄での会話がもとになって、先日「Act of Reprisal」のあるシーンから画像を取り出していたのですが、それをちゃんと記事として載せたくなりました。横顔、好きなんです。いえ、なに顔でも好きですけど。

まずは「Act of Reprisal」よりも前、1961年の写真です。若いですね、まだ20代後半です。役によって雰囲気がかわって、たとえば同じ頃の「ドリアン・グレイの肖像」の時とはまた違ってみえます。

LIFE photo archive hosted by Google
Deborah Kerr (L), Allan Cuthebertson (C) and Jeremy Brett in a trilogy of short plays being filmed in London studio.(1961)



もっと大きい写真はこちら

そして、Act of Reprisal (1965) から。30代になってすぐです。


このシーンのジェレミーにはホームズを感じてうれしい、と言ったひとがいました。

そしてホームズから。これはThe Priory School (1986) 、50歳と少しです。
PriorySchool1.jpg

このシーンでもコマおくりにすると、表情が微妙にかわっていくのがわかります。その中で上の二つの写真に呼応しそうな一瞬を選びました。ジェレミーの演技について、大げさだ、という批評も時にありますが、こうしてみていくと、かすかな表情の動きでホームズの内面をあらわしているところが感じられて、あらためて見とれてしまいました。

RM
シェイクスピアの喜劇、Love's Labours Lost(恋の骨折り損)のBerowne(ビローン)役は、りえさんが最近の記事で紹介していらっしゃいましたが、ジェレミーのお気に入りの役の一つだったようです。演劇学校でも、そしてりえさんの記事中にあるようにThe National Theatre にいた時も演じています。
第2章 バイオグラフィー 13

それ以外にオーディオブックにもなっていて、やはり同じBerowne役を演じているのですが、それが今年の8月にAudibleで発売になりました。それを今日はご紹介します。

このオーディオブックは元はLPとして発売されました。LPの発売年(録音年?)は1974年のようですから、The National Theatreで1968年に演じた後、ということになります。(図書館カタログのサイトで1974年となっていました。)
http://www.worldcat.org/title/loves-labours-lost/oclc/152677504

このLPのレビューが載っている音楽雑誌 Gramophone の記事はこちらです(1975年10月号)。
http://www.gramophone.net/Issue/Page/October%201975/141/774608/

その後1996年にカセットテープになりましたがこれも絶版となっていましたので、中古のLPかカセットテープをさがして購入するしかありませんでした。今回はじめて、デジタルデータとして誰でもが購入可能になったのです。

Audibleはご存知の方も多いでしょうが、オーディオブックなどの音声データのダウンロード販売サイトです。数年前にアマゾンが買収しました。そのためでしょうか、Amazon.comにあるリンクからAudible.comに飛ぶ方が定価より安く購入できて$8.43、1ドル80円として674円です。(それともAmazon.comからの方が安いのは、登録しているからでしょうか?私は双方に登録済みです。)

Love's Labours Lostの、Amazon.comとAudible.comのそれぞれのアドレスです。
http://www.amazon.com/dp/B005G16Y2G/
http://www.audible.com/pd/?asin=B005FYF2O0

どちらにもサンプルオーディオのプレイボタンがあります。同じ箇所の5分程度のサンプルを聴けるのですが、そのうちのかなりの部分で、ジェレミーの声を聴くことができます。シェークスピアの喜劇を演じるジェレミーをどうぞお楽しみください!実に生き生きとしています。何が好きって、声とセリフ回しと情感です。それでセリフの意味はわかるか、ですって?わかりません。

「恋の骨折り損」の粗筋は、こちらのページで読みました。
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/lll.html

このページの下の方にある、「ことばコトバ言葉」というところの一番はじめには、サンプルオーディオの冒頭部分にあったビローン(ジェレミー)のセリフが英語と日本語で書いてありますが、まあこうやって文字でみてさえ、よくわかりません。このページの一番上には「全編がことば遊びの劇。しかもラテン語を使った洒落が多発するので難解さでは随一。」と書かれています。

というわけで、今のところかなりの部分を、ここちよい音楽のようにきいているのです。いつかちゃんとわかるようになりたいものです。なお、「恋の骨折り損」はもちろん著作権はきれていますから、Project Goutenbergその他で無料でテキストを読むことができます。

これをフォーラムで紹介したら、何人かが喜んでコメントを書き込んでくれました。喜んでくれたのがうれしいのと同時に、英語圏の人達は、私のように音楽としてではなく劇として楽しめるのだろうと思って、とてもうらやましく思いました。ジェレミーにとってシェークスピアは特別な魅力を持っていたと思うので、シェークスピア役者としてのジェレミーを感じるためにも、私もシェークスピア作品のことを知りたいし、聴いて少しはわかるようになりたいのですが、うーん、道は遠いです。でも、いろいろと知りたいことがあるのはうれしいことですよね。

私はジェレミーの声が大好きなので、絶版のままのオーディオブックが、これからもどんどん発売されることを切望しています。Audibleを「Jeremy Brett」で検索してみつかるのは今のところこの作品と、"Scenes from Shakespeare" という、いろいろな録音から名台詞を集めた抜粋版の2つなのですが、検索しても出てこないけれどもジェレミーが演じている作品が、いくつかすでにAudibleで発売されています。後日ご紹介する予定です。

RM

追記:日本のiTunes Storeからも購入できることに気がつきました。Love's Labours Lostで検索するとみつかります。ただし上記Audibleでの価格よりも高く、1500円です。
昨年のうれしいニュースの一つに、テレビ局が次の録画用に消してしまったために失われた作品となっていたジェレミー出演ドラマ二つが、アメリカでみつかったというものがありました。その一つは今年の6月にロンドンで上映されました。

ジェレミーが双子を演じたThe Typewriter (1962) のロンドンでの上映

その時みつかったもう一つの作品であるThe Queen and the Welshman (1966) が、来年の1月24日午後6時10分から、前回と同じロンドンのBFI (British Film Institute) Southbankで上映されるそうです。今回は脚本家も上映に立ち会うようです。この上映に関するBFIのページはこちらです。

http://www.bfi.org.uk/whatson/bfi_southbank/events/from_the_archive/unlocked_the_queen_and_the_welshman_intro_by_rosemary_anne_sis

(追記:上記リンクが切れていましたので修正します。1月5日)
http://www.bfi.org.uk/whatson/bfi_southbank/film_programme/regular_strands/from_the_archive/unlocked_the_queen_and_the_welshman_in

このページから席の予約もできます。ただしBFIの会員でない場合は、1月分の上映についての席の予約は13日からとなっています。

これはBBC制作のテレビドラマで、ヘンリー5世の王妃Katherine(キャサリン)と、王妃つき侍従だったウェールズのOwen Tudor(オウエン・テューダー)の愛の物語です。ヘンリー5世はその時すでに亡くなっていました。ジェレミーの役名はVilliers(ヴィリアーズ)だそうですが、どういう役なのかよくわかりません。でも上記のBFIのサイトに書かれた配役表では3番目に書かれていますから、かなり重要な役なのだと思います。

これもいつかDVDになることを願っています。ロンドンにいないと今は観ることができないのは残念ですが、失われたと思われていた作品がみつかって、実際に上映されるのを知るのはとてもうれしいことですので、ここでご紹介します。ロンドンに知り合いのジェレミーファンがいらっしゃって、ご存知なさそうだったら、どうぞこのことを教えてあげてください。

テレビ局で映像が消されてしまった作品の中で、是非是非みてみたいのは "The Picture of Dorian Gray" (1961) です。ジェレミーはドリアン・グレイを演じています。(1976年には同じ「ドリアン・グレイの肖像」で、今度は画家のBasil Hallwardを演じています。これはDVDになっています。)

こちらのページの一番上に、ドリアン・グレイを演じた時の写真があります。写真をクリックすると大きくなります。きれいでしょう!

http://jeremybrett.livejournal.com/66197.html

20代のジェレミーは、見事なドリアン・グレイを演じたことでしょう。そして若い時しか演じられない役ですね。いつかこのフィルムもみつかりますように!

RM
先日、マーカス・タイラー氏が撮ったジェレミーの写真集を再度ご紹介しました。
ジェレミーの写真集(再度のご紹介)

そうしましたら今日、ソフトカバーでも買うことができるようにした、というお知らせをいただきましたので、三度目のご紹介をします。「ハードカバーの本の方がよいけど、でもソフトカバーだとずっと安いから」と書いていらっしゃいました。写真家としては、かっちりとした本で見てもらいたいという気持ちもあって「ハードカバーの本の方がよいけど」と書かれたのでしょうが、でも選択肢がふえるのはうれしいことです。これを機に、この写真集がまた多くの人の手にわたって、大切にされるといいですね。

二度目のご紹介の記事で、「私が買ったときはイギリスポンドを選んだけれども、今はアメリカドルだけになっているようです」という意味のことを書いたのは間違いでした。昨日間違いに気づいて訂正を追記しています。以前の場所とは違うところに、使用通貨を変更するためのドロップダウンメニューがありました。ページの右の一番下です。今私の画面では「Blurb United States」となっていて、これを「Blurb United Kingdom」にするとイギリスポンドにかわります。その時の為替レート次第でどちらが安くなるかが決まります。ソフトカバーの本の値段は29.78ドル(1ドル80円として2382円)、または19.95ポンド(1ポンド123円として2453円)です。ずいぶん手に入りやすくなりましたね。

写真集についてもう一つお知らせがあります。リンダ・プリチャードさんがホームズの宣伝用スチルを集めた本を出されたことを、mixiの掲示板で紹介してくださった方がいらっしゃいます。その方には以前mixiで、mixiへの私の書き込みについて、そしてこのブログについて励ましていただいたことがあります。もしもまだここを見てくださっていらしたら、その節はありがとうございました。慣れない場所でいろいろと心細いこともありましたので、うれしかったです。

本の発売は、上記写真集と同じBlurbというオンデマンド出版の本屋さんからです。mixiの「シャーロック・ホームズの世界」というコミュニティに行って、お知らせを読んでいただくか、Blurbで "Jeremy Brett" で検索してごらんになるとみつかります。プレビュー画面で全ページを見ることができます。

RM
何となーく寂しくなって、写真を載せます。(あ、心配して下さらなくて大丈夫です。)「四つの署名」から。ワトスンとトビーをみています。トビーは本当はEmma(エマ)っていうんですって。ジェレミーはエマの演技にも気を配ってあげて、撮影の時にカメラに見えないところで飼い主が近くにいられるように提案したそうです。

"At Jeremy Brett's suggestion, Toby's owner (Toby is actually a "she", Emma) lies flat in the boat to keep Emma happy and to provide some much needed stability."
The Sherlock Holmes Journal, Vol. 18 (No. 2), p45, 1987

はい、今日はただそれだけです。ただ何となく、です。Martin Clunesが心落ち着かない異国での時に、画面のホームズをみて心なぐさめられたように、私も。






RM
とてもうれしいニュースです。1999年に第一版が出版された後、ながく絶版となっていた"A Study in Celluloid: A Producer's Account of Jeremy Brett as Sherlock Holmes" がついに改版されて販売されます。出版社がかわり、表紙もかわっています。

http://www.wessexpress.com/html/studyincelluloid.html

ご存知のかたも多いでしょうが、これはグラナダシリーズのプロデューサーMichael Coxが、雑誌The Sherlock Holmes Gazetteに連載した文章をまとめて加筆して本にしたものです。各エピソードについての記述は、脚本、監督、ロケ地の選定についてや、演出のポイント、特に原作とどのように違い、なぜそうしたか、時に予算との兼ね合いの話など、プロデューサーとして全体を見通しながらの記述が多く、ジェレミーに関してはそう多くは書かれていません。ただそれ以外の章で、シリーズの立ち上げの時のこと、「最後の事件」撮影が終わってからのこと、そしてジェレミーの追悼式でのことなど、プロデューサーとして、友人として、彼にしか書けないことをたくさん記してくれています。また各エピソードについての項でも、時々ジェレミーについて興味深いことが書かれていて、グラナダシリーズについて、ジェレミーについて知りたい時に、この本はすばらしい情報源となってくれます。この本が再版され広く人々に読まれることは、グラナダシリーズが今もこの先もずっと生き続けることの証のように思えて、とてもうれしいです。

第一版と中身に相違があるかは今のところわかりませんが、第一版と同様、写真も含まれるようです。また、第一版はハードカバーでしたが、今回はソフトカバーです。

この本の第一版は現在eBayやアマゾンで1万円以下で見ることはありませんし、2万円で売っていても驚きません(いえ、驚きの値段ですが)。読みたいのに手に入れることができない人がたくさんいました。新しい本は28.95ドルで、1ドル80円として2316円というお安さです。(ただし送料が高いです。1冊だと26.75ドルかかります。英米アマゾンで取り扱われれば、本体の値段はともかく、送料はもう少し安くなるはずですが。)

こちらがイギリスアマゾンでの、第一版の本を販売するページです。
http://www.amazon.co.uk/dp/1902791045
まだ第二版のページはなく、アマゾンで販売されるかどうかはわかりません。第二版を出す出版社 Gasogene Booksの本は、今まで英米および日本のアマゾンでの取り扱いがあります。たとえばこちら。
http://www.amazon.com/dp/0938501526
http://www.amazon.co.jp/dp/0938501526



ところでこの本の発売については、The Sherlock Holmes Society of London (ロンドン・シャーロック・ホームズ協会)の11月24日づけのNewsletterに掲載されているのをフォーラムのメンバーが教えてくれたので、知ることができました。The Sherlock Holmes Society of Londonのウェブサイトはこちらです。私も時々、このサイトをのぞいています。
http://www.sherlock-holmes.org.uk/

"The District Messenger" と書かれたところに、NewsletterのPDFファイルへのリンクがあります。この中から引用します。

The District Messenger, issue 317, 24 November 2011

Some excellent news from Michael Cox: his classic authoritative account of the making of Granada TV's Sherlock Holmes series, A Study in Celluloid, has been published in a revised edition by Gasogene Books (www.wessexpress.com/; though the title isn't yet listed on the website). The first edition, published in 1999, is long out of print, and copies fetch three-figure prices, so the new edition is doubly welcome.

Newsletterのバックナンバーはこちらで読むことができます。
http://www.sherlock-holmes.org.uk/district.php

The Sherlock Holmes Society of Londonはジェレミーとのつながりもとても深かった団体で、グラナダシリーズのプロデューサー、この本の著者のMichael Coxもメンバーです。このNewsletterのバックナンバーのIssue 52, 20 March 1987から引用します。

Michael Cox tells me that filming of THE SIGN OF FOUR is almost complete, and that filming of the 4th (and final) Holmes series for Granada will start in September. Titles will almost certainly be DEVI, BRUC, SILV, WIST and a 2-part HOUND OF THE BASKERVILLES - all, of course, with Brett and Hardwicke.

このような記事を読んで、時をこえて当時に思いをはせたりします。THE SIGN OF FOURのロケーションの現場には、The Sherlock Holmes Society of Londonの数人が招かれて訪れ、この団体の機関誌The Sherlock Holmes Society Journalにその時のことを書いています。

RM

追記:同じ出版社から、1987年にアメリカのインディアナ大学で行われたシンポジウムでMichael Coxが話した音声の録音CDが販売されています。これは今回発売されたものではなく、今まで気がつかなかっただけかもしれません。新刊のコーナーには書かれていないので。

A Study in Celluloid - Audio CD
By Michael Cox
Recorded December 13, 1987

A contemporaneous look behind the scenes of Jeremy Brett's Sherlock Holmes series by it's creator and producer!

http://www.wessexpress.com/html/celluloid.html

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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