Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

2010年に新版が出た"Bending the Willow"については、2010年8月にこちらでご紹介しました。
Bending the Willowの新版の紹介

その後、この本がeBookの形で発売されるらしいという情報があったので、先日簡単にご紹介したものの、この出版社はいろいろとあてにならないことを知っていたので、実現するか危ぶんでいました。

ところがうれしいことに、このほど実際に発売されました!しかも9.99 USドルという破格のお安さです。(1ドル80円として約800円です。一方、現在日本のアマゾンで手に入る紙の本の旧版は、古本価格で2万円以上です。)

・出版社のサイトの購入用ページ
http://www.ash-tree.bc.ca/calabashebooks.htm
・米国アマゾンの購入用ページ
http://www.amazon.com/dp/B00715DNLA
・出版社のFacebook
http://www.facebook.com/pages/Bending-the-Willow/263827042088

この出版社はあてにならない、と書いたのはこんな理由です。私も経験しましたが、この出版社に購入のためにメールを出しても返事が来ないという嘆きの声は、ファンフォーラムでも、上にアドレスを書いたFacebookのウォールでも耳にしました。この本を以前あつかっていたロンドンの本屋から買おうとして連絡した人がもらった返事には、この出版社との取り引きをやめたと書かれていたそうです。本屋もついに見切りをつけたのでしょうか。ウォールへの書き込みに対しての出版社からの返事は、私はついにみなかったのですが、この前の火曜日に突然ウォールでeBookの発売が案内され、よくみたら嘆きの声は消されていました。ちゃんと対応したのでしょうか。

そして今回のこのお安さ!普通eBookの方が紙の本より安いことが多いのですが、これは特別の安さです(紙の本の定価は35ドルです)。この安さで販売する前に、紙の本の購入を希望している人にちゃんと本を売るか、あるいは売り切れたのなら増刷する方がずっといいと思うのですが。たしかご夫婦で出版社をやっているのだと思います。悪気はないのでしょうが、問い合わせに返事しないなんて困り者ですし、いい人達なんでしょうが、どうも浮世離れしているようです。

私は紙の本を持っていますが、Kindle愛好者でもありますし、この安さですから買ってみました。(Kindleはアマゾンが売り出した、目に対する負担が少ない「電子ペーパー」方式のeBookリーダーです。私は著作権の切れた無料の名著をたくさん入れています。)出版社のウェブサイトからは、Kindle用のフォーマットと、ePubフォーマットの二つから選べますが、米国アマゾンからはKindle用フォーマットでのみの発売です。ePubフォーマットは電子書籍の汎用フォーマットで、いろいろな端末(iPad, iPhone, iPod touch, Android搭載スマートフォン、ソニーとシャープの電子書籍リーダーなど)で読むことができます。一方Kindle用のフォーマットは米国アマゾンからKindle読書用アプリケーションをダウンロードすることにより、PC、iPad、スマートフォンを含む様々な端末で読むことができます。

出版社のウェブサイトではPayPalで送金するようになっていました。送金後約半日して、メールに添付した形でeBookが送られてきました。ちなみに米国アマゾンでは一般にクレジットカードで購入し、購入直後にダウンロード可能となります。

いろいろとあてにならない出版社ですが、でも今なら冬眠中(?)ではなく連絡が通じる状態のようです。Facebookでも質問に対してちゃんと答えています。もしも紙の本を購入なさりたい方がいらしたら、メールをしてみるか、Facebookのウォールで質問してみるのもよいかもしれません。どこにも品切れとは書いていませんから。以下が紙の本について書かれた、出版社のページです。
http://www.ash-tree.bc.ca/calabashfilmtv.htm

さて、電子本の読みやすさについてです。電子本の中には、目次から中身へのリンクが貼っていなくて、途中のページへ移動するのに手間がかかる本もあるのですが、これはきちんと飛べるようになっていました。注釈番号から注釈の文章へも飛べます。ですから純粋に本の中身を読むためには、とてもおすすめです。

また、写真がなかったら悲しい、と思っていましたが、写真もちゃんとはいっています。ちなみに写真は、各章のはじめに入っているものはそのままの形で挿入されていますが、文章中に入っている写真は、最後にまとめて「ギャラリー」という形でおさめられています。(ただ、数十枚ある写真全部ではないような気がします。ご希望があればちゃんと調べますので、おっしゃって下さい。)

ところで、アマゾンからはサンプルを無料でダウンロードできますし、ダウンロードせずにブラウザ上でサンプルを読むこともできます。ブラウザ上で読む場合は、下記ページの左上、本の表紙の写真のすぐ上にある"Click to Look Inside!"の文字をクリックしてください。
http://www.amazon.com/dp/B00715DNLA

エドワード・ハードウィックの序文、デイビッド・バークの「ジェレミーを偲んで」という文章、著者であるデイビッド・ステュワート・デイビーズの序文、ジェレミー自身の1988年の文章、さらに本文の第二章の途中まで読むことができます。二人のワトスンの文章はとてもこころをうつ、そしてジェレミーへのあたたかい思いがつまった素敵なもので、それぞれに二人の性格がすごくでていると思います。さらにサンプル中にはジェレミーの写真が5枚、そのうちの2枚はデイビッドと一緒、さらにエドワードのポートレートもあります。購入なさらないとしても、このサンプルはご覧になる価値があると思います!

こうしてジェレミーに関する本がまた、形をかえて世に出たのですね。紙の本の良さももちろん知っていますが、電子書籍という選択肢が増えたこと、この本をこれからもたくさんの人が読めることが、とてもうれしいです。

RM
The Sherlock Holmes Society of Londonのグラナダスタジオ訪問(1987)」の記事中でふれたように、Jean Uptonがこのスタジオ訪問の時のことを書いた文章を二つ知っています。その一つをご紹介しましょう。

"Does anyone have a deerstalker?" by Jean Upton
Sherlock Holmes Gazette, pp.16-18, issue 13, 1995

記事はこちらで読むことができます。最初の3つの画像がこの記事のページです。これは発行年からわかるとおり、協会のスタジオ訪問から8年後、ジェレミーが亡くなった年に書かれた文章です。
http://jeremybrett.livejournal.com/212803.html

Jean Uptonはロンドン・シャーロック・ホームズ協会の会員で、アメリカに住んでいたので、協会のグラナダスタジオ訪問に関するお知らせをアメリカで受け取りました。父親を亡くしてさほどたっていない時期、彼女は悲しみからのがれるためにもイギリスへ行くことに決めました。協会の集まりに参加するのははじめてだったので、待ち合わせの時にわかるようにディア・ストーカー(鹿撃ち帽)を目印にかぶるようにと言われます。

グラナダスタジオでは記者とカメラマンも待ち構えていて、取材しています。「誰かディア・ストーカーを持っていませんか?」とたずねられ、持っていると言うと記者達は喜んで、彼女とジェレミーが一緒にいる写真を撮りはじめました。

そうして写真を撮るうちに、記者たちは彼女が「ホームズのためだけに」イギリスまで来たことに興味を示します。父親の死の悲しみから立ち直るために必要な短い休暇なのだと、彼女は説明しましたが、記者たちはむしろ飛行機代の方に興味を示し、そのことばかりを話題にしました。彼女はそのやりとりが苦痛になり、さらに時差ぼけの影響も手伝って、気持ちがまいってきます。

彼女の言葉です。

「ジェレミーもまた1986年(追記参照)に、Joan Wilson を亡くすという悲しい経験をしていました。ジェレミーは私の声がうわずってきたのを感じ取り、口をはさみました。

『そのくらいで、もういいでしょう、諸君!』そう言うと、私の襟首をつかむようにして、薄暗くて静かな場所へと有無を言わさず連れ去りました。

私は少し鼻をくすんくすんといわせて、何とか気持ちを落ち着けて、そしてお礼を言いました。ジェレミーは私を元気づけるようにしっかりと抱きしめてくれました。眼鏡の細いフレームからレンズがはずれそうになるくらいの強さでした。それから、休憩の前にサインをするために、ジェレミーは戻っていきました。」


「襟首をつかむようにして」というのは親猫が子猫をつれていくようなイメージでしょうか。彼女は記者への対応を一方的に打ち切ってよいか、判断もつかなかったでしょう。その上、気持ちが動揺していた、そういう彼女をジェレミーは、落ち着ける場所へすばやく連れ去ったのだと思います。そして彼女が落ち着いたのを見定めて、ぎゅっと抱きしめて、そして他の人のところにサインをしてあげるためにもどっていった。ぎゅっと抱きしめる姿が、目に見えるような気がします。悲しみを知る人だったジェレミーは、父親を亡くしてすぐの彼女の気持ちがわかった、そして彼女もまた、ジェレミーがわかってくれたことに、こころをなぐさめられたのでしょう。

これが、先日ご紹介した一連の写真の向こう側でおこっていたことの一つでした。

18 December 1987 - Jean Upton & Jeremy Brett
Source: http://www.flickr.com/photos/shsl/sets/72157622856373782/with/4125473063/

RM

追記:実際には、Joanが亡くなったのが1985年、悲しみが引き金となって悪化した双極性障害のためにジェレミーが入院したのが1986年でした。
2004年に第二版が出版されたSherlock Holmes on Screen: The Complete Film and TV History という本の新しい版が、1月末にアマゾンから購入可能となる予定です。(アマゾンでは1月末出版となっていますが、出版社のサイトでは出版の日付は2011年9月と書かれていて、こちらではすでに購入可能のようです。)私は旧版は持っていませんが、新版はアマゾンに予約済みです。

http://www.amazon.co.jp/dp/085768776X

今までの版では著者はAlan Barnesとなっていましたが、新版にはBBCのSHERLOCKのプロデューサーの一人でもあるSteven Moffatも著者として加わっている 序論を書いているようです。(アマゾンで以前は「著者」の1人となっていたので、このように書いてしまいました。ナツミさんのコメントで気づきました。ありがとうございます。)

フォーラムの"Books Every Holmesian Should Have" (シャーロッキアンなら持っておきたい本)というスレッドで名前が出ていましたので、新版が届くのを楽しみにしています。

「四つの署名」のスレッドで、この本から一部を引用してくれた人がいました。新版発売の前でしたから、第一版か第二版からの引用でしょう。そこからさらに一部を引用します。グラナダ版の「四つの署名」の撮影がどのようにおこなわれたか、その一端がわかるからです。

Sherlock Holmes on Screen by Alan Barnes

After filming the first series of Granada's 'The Return of Sherlock Holmes', Jeremy Brett was admitted to London's Maudsley Hospital, necessitating a postponement of The Sign of Four, a feature-length special designed to bridge the gap between the two series of The Return - and intended, more importantly, as Granada's contribution to the Holmes centenary. The film eventually started production on the 19th of January 1987, ranging between Manchester, Liverpool, Yorkshire, Norfolk, London, Gloucestershire and Malta before concluding on the 10th March.

[...] Whether clambering around the upper reaches of Pondicherry Lodge (filmed at a Gothic pile in Harrogate, rather than Norwood) or crinkling in amused fellow-feeling as Thaddeus explains his addiction to the hookah, [Jeremy Brett] is riveting to watch from start to finish.

[...] The flashback to Small's acquisition of the Agra treasure, which comes as a convoluted let-down after the riverboat chase, was filmed in Malta. Though not required, Brett was taken along in an effort to complete his recuperation.


これを読んで驚くのは、撮影が1987年1月19日から3月10日までの約50日で、その間の撮影の場所はマンチェスター、リバプール、ヨークシャー、ノーフォーク、ロンドン、グロスターシャー、そしてマルタ島にまで及んだということです。本当に複雑でハードな撮影だったのだと思います。またアグラの財宝をめぐる回想シーンはマルタ島で撮影され、ジェレミーは俳優としての出演シーンはなかったのですが、病からの回復期にあるジェレミーのためを思って、撮影に同行できるようにしたそうです。これはエグゼクティブ・プロデューサーだったMichael Coxの本にも書かれていました。ジェレミーはその時どんなだったかしら、と思いを巡らしてみます。

さらに前々回の記事中のインタビューで、屋根を歩くシーンについてジェレミーが話していましたが、あれは舞台となるポンディシェリ・ロッジがあるはずのノーウッドではなく、ゴシック様式の建物が並ぶハロゲイトで撮影された、ということです。それではあれは全部が本当の映像で、実際にあんなに高い屋根の上だったのですね!私はあの映像はあまりにも美しくてあまりにも危険で、本当に高い屋根の上で撮影したとはちょっと信じられなくて、セットと風景を合成したのかもしれない、などと思っていたのです。あれが本当だったということにも、こころうたれました。そしてジェレミーは高いところが苦手だったというのですから!
SignOfFourRoofs2.jpg

「四つの署名」の撮影がどのように行われたかを、本からの引用でご紹介しました。

RM
今日はジェレミーには関係がないことを書きます。

「以前はできていたことが、もうできないのではないか、という恐怖」と前回書いた時に、まるで過去のことであるかのような書き方をしましたが、私にとってそれは現在のことでもあり、ここ数日でその不安が高まっていました。不安は淋しさをつれてきました。

そうしたら半年以上の時を経て今日そのことが私を追ってきて、私は言わば、まず第一歩としてマンチェスターへ行けるかどうか、という時を迎えていたのでした。

ここ数日の自分の感情と、前回の記事と、そして今日のことを思うと、共時性、という言葉がこころに浮かびます。そしてそのようにみることで、明日マンチェスターへの切符を予約しに行くことができるのではないか、そう思います。ポキリと折れたものは、今はどうなっているでしょうか。

ごめんなさい、とても個人的なことを書いています。それから私、イギリスへ行くわけではありませんから、心配(期待?)なさらないでくださいね。こういうことを書くのは、多分少し甘えたい気持ちなのでしょう。恥ずかしいので、昨日下書きを書いて、もう少し後でブログに載せようとしていた記事を、続けてアップロードします。

RM
先日、「『四つの署名』撮影時の写真と、Joanとの写真」の記事中で、このように書きました。

「特に『四つの署名』の写真をみながら、作品撮影時のジェレミーに思いを馳せています。毎日をどんな気持ちですごしたでしょう。『四つの署名』は、ジェレミーの最初の入院で延期され、退院後はじめて撮影した作品でした。最初は一歩一歩手探りで撮影をしていったのではないでしょうか。そんなことを微塵も感じさせない見事なホームズでした。1987年に出版された "Granada Companion, Number One: A Sherlock Holmes Album—A Centenary Celebration of Sherlock Holmes" のインタビューでは、ジェレミーは一番誇りに思っている作品(The programme I'm most proud of)として、『四つの署名』をあげています。」

具体的にはこのように言っています。最初に好きな作品について答えて、その次からです。

The programme I'm most proud of? That's a different matter. Again, personal: The Sign Of Four.

It was very demanding because it's a full-length film with a great number of varied scenes―tremendous action. I wasn't in normal health at the time, and in particular, I had to do a lot of walking about on roofs, and I've no head for heights. I was pleased with myself when I got through that film in one piece.

一番誇りに思っている作品ですか?それは先ほどの一番好きな作品とはまた違っていて、これも個人的な選択ですけれども「四つの署名」です。撮影はとても大変で、集中力と技術が必要でした。たくさんのシーンが組み合わさっている長編で、身体的な動きも激しいものでしたから。撮影の時には健康状態が普通じゃなくて、特に屋根の上を歩きまわるシーンがあったのですが、僕は高いところは苦手なんです。撮影が全部無事に終わった時は達成感で一杯でした。


ジェレミーは高いところは苦手だったのですね!「四つの署名」だけでなく、「修道院屋敷」や「ソア橋の謎」を思い出して驚いてしまいます。そしてここでは身体的な健康状態について話しているようにもきこえますが、双極性障害の悪化とその治療によって、もう以前のようには演じられないのではないかという不安の方が大きかったのではないでしょうか。少なくとも入院中はそのような不安をエドワードに話していたということを、Bending the Willowで読みました。エドワードの言葉です。

I remember him saying a terrifying thing to me at this time. Terrifying for an actor. He told me one day that he was really frightened and I asked him why. He said, "Because by balancing me and subduing me, I may have lost it―lost the ability to act." I understood that fear and it was very real for Jeremy.

(入院していた頃)、ジェレミーがとても恐ろしいことを僕に話したのを覚えています。俳優にとって本当に怖いことなんです。ある日ジェレミーが、とても怖いんだ、と言うので、何故?と問うと、「精神状態のバランスをとって感情を抑えることで、演じる能力を失ってしまったかもしれない。」その恐怖は僕にはよくわかりました。そしてジェレミーにとってそれは、実際に目の前にある恐怖だったのです。


以前はできていたことが、もうできないのではないか、という恐怖。それを知っているかたもいらっしゃるでしょう。ジェレミーとくらべるのもおこがましいですが、私も知っています。ある日ポキリと自分の中で何かが折れてこわれた後、長い不安な時を経て、以前はたやすくできていたことを、今日新しく生まれたような不思議な気持ちで、とりもどしていく。薄紙をはがすようによくなっていく時の感謝の気持ち。

りえさんのブログで読むことができるNPRのインタビュー(1991)でも言っていました。トランスクリプトと訳を拝借します。

「The Best of NPR」インタビュー内容 4

I remember saying if I can get to Manchester, I'll be all right. And then I made The Sign of Four, and I began to feel better.

マンチェスターまで行けるかなあ、それが出来たらきっと大丈夫だよ、なんてよく言っていたものです。そして「四つの署名」の撮影をして、少しずつ楽になっていきました。


まず最初はマンチェスターのスタジオまで行けたら、という気持ち、こうして一歩ずつ進んでいく気持ち、よくわかる気がします。そしてついに撮影がすんで、ほっとしてうれしかったことでしょう。だから「一番誇りに思っている作品」としてあげたのだと思います。本当に見事なホームズ、見事なジェレミーでした。そんなことを感じながら、「『四つの署名』撮影時の写真と、Joanとの写真」でアドレスを書いた、撮影現場での笑顔の写真をみていたのでした。

RM
コンピュータの具合が悪くなったり、忙しかったり、いやな気持ちをひきずったりという、この2、3日です。それじゃやっぱり写真でしょう、というわけで、写真です。

1987年11月にThe Sherlock Holmes Society of London(ロンドン・シャーロック・ホームズ協会)の会員がマンチェスターのグラナダスタジオに招待された時の写真をご紹介します。ジェレミーがハドスン夫人(Rosalie Williams)の肩にまわした手がうれしいので。ジェレミーはよくこのポーズで写真にうつる、ということを前回の記事でお話しました。
「四つの署名」撮影時の写真と、Joanとの写真

なおこれらは、写真共有サイトのFlickrに協会がアップロードした写真の一部で、Flickrの共有機能を使ってこのブログでも表示できるようにしています。写真の著作権は協会にあります。

これが、写真のセットをサムネールで見ることができるページです。
http://www.flickr.com/photos/shsl/sets/72157622856373782/with/5934493569/

そしてこの2枚。
18 December 1987 - unknown, Freddie Jones, Jean Upton, Edwar
18 December 1987 - Freddie Jones, Jean Upton, Edward Hardwic

ジェレミーはあと2枚うつっています。(正確には、斜め後ろからちらっとうつっている写真があと一枚あります。)

Jeremy Brett in 221B
Jean Upton & Jeremy Brett
この指差すポーズも、よくみますね。フォーラムでも話題になりました。"It's as if he is trying to get the attention off of him and say 'look how wonderful they are.'"(自分でなく、その人を皆がみるように、そしてその人のことを「ね、素敵でしょう」とさも言いたげに。)

ここにうつっているJean Uptonが、この時のことを書いた文章を二つ知っています。いつかご紹介しましょう。


それ以外にも、映像では細部がわかりにくい221Bの中をみることができます。うれしいですね、ジェレミーにとって、もう一つの「我が家」だった221Bですもの。

18 December 1987 - Holmes's dressing-table
18 December 1987 - Holmes's dressing-table
Holmes's syringe
18 December 1987 - Holmes's syringe
Holmes's washstand
18 December 1987 - Holmes's washstand

他にもこの時撮られた写真がありますので、興味のあるかたは最初に書いたリンク先をご覧ください。ワトスンの机の上や、化学実験コーナーなど。

このところ、写真含有率がやけに高いですね!

RM
先日、「四つの署名」に出てくる犬のトビーは本当はエマといって、ジェレミーがその演技を気にかけてあげていた、という記事を紹介しました。
ただ何となく

エマの飼い主であり、犬のトレーナーであるEric BroadhurstさんとHelene Broadhurstさんご夫婦のウェブサイトをみつけました。そこに「四つの署名」撮影時の写真もあり、ジェレミーがうつっていますのでご紹介しましょう。

"Eric Broadhurst Dog Trainer for TV and Film"
http://www.realdogtrainingscotland.co.uk/index.php

ギャラリーはこちらです。
http://www.realdogtrainingscotland.co.uk/gallery.php#judging

"Sherlock Holmes - Sign of Four"と書かれた、上から5つ目に4枚写真があります。そのうちの3枚は番組宣伝用スチルですが、2枚目はジェレミー、エドワード、エマ、そして多分Broadhurstご夫妻ですね。
http://www.realdogtrainingscotland.co.uk/images/la/Sign-of-four2-la.jpg

ジェレミーは笑顔でBroadhurstさんの肩を抱いています。私はジェレミーがこうしてあたたかく誰かの肩を抱いている写真がとても好きです。

たとえばこれは、Joanの肩をしっかり抱いている写真です。髪型からPiccadilly Circus (1976) の頃、結婚前あるいは結婚のすぐ後ではないかと思います。
000a62se-s.jpeg
Source: http://pics.livejournal.com/sillygirlblue1/pic/000a62se

Piccadilly Circusの時の写真は、この記事に2枚載せました。
ジェレミーの悲しみと、あたたかさ(5); 1991年のDesert Island Discsから(2)

さて、ギャラリーにもどりますと、もう一つ"Sherlock Holmes - Hound of the Baskervilles"と書かれたところにも4枚写真があります。2枚目と4枚目は宣伝用スチルです。4枚目はカラーでみたことがありますが、2枚目は私ははじめてでした。以下は2枚目の写真のアドレスです。
http://www.realdogtrainingscotland.co.uk/images/la/H-ot-Baskervilles-2.jpg

特に「四つの署名」の写真をみながら、作品撮影時のジェレミーに思いを馳せています。毎日をどんな気持ちですごしたでしょう。「四つの署名」は、ジェレミーの最初の入院で延期され、退院後はじめて撮影した作品でした。最初は一歩一歩手探りで撮影をしていったのではないでしょうか。そんなことを微塵も感じさせない見事なホームズでした。1987年に出版された "Granada Companion, Number One: A Sherlock Holmes Album—A Centenary Celebration of Sherlock Holmes" のインタビューでは、ジェレミーは一番誇りに思っている作品(The programme I'm most proud of)として、「四つの署名」をあげています。

RM
この1月1日に、ウェブサイト "Jeremy Brett Information" 更新のお知らせがありました。そのうちの一つは、ホームズのカラー写真に新しい28枚が加わって238枚になった、というものです。それ以外に、解像度の低い画像をよりよい画質のファイルに置き換えたものもあります。

238枚のカラー写真はこちらでみることができます。サムネール(小さな画像)をクリックすると大きな画像をみることができます。右矢印で次のページにうつります。
http://jeremybrett.info/Holmes_C/

新しく加わった中で、特に私が好きな写真へのリンクを貼っておきます。ただし今回のアップデートにともなって今まであった画像ファイルの名前(番号)がかわり、そのファイルにリンクしていたフォーラムの記事中で、写真がかわってしまったものがありました。次回の更新でまた名前がかわると、この記事でも違う写真になってしまう可能性もありますが、どちらにしてもジェレミーの写真ですからかまわないでしょう。

1枚目は以前好きな写真として、このブログでご紹介したことがあります。そのときは画質が悪いものしかありませんでした。(養蜂家ホームズとワトスンの写真、その他

目が大きいですね!この表情、そしてなによりワトスンに寄添っている感じが好きなのかもしれません。ワトスンもワトスンらしくて(エドワードもエドワードらしくて)好きです。

2枚目は、この表情がまた1枚目とは違いますが、こちらも大好きです。ちょっといたずらっぽい表情にみえます。

さて今回の更新では、ウェブサイトのトップページにJoan Wilsonの写真が加えられました。こちらも素敵ですからどうぞご覧ください。(なお、トップページの写真はしばらくしたら変わる可能性が高いです。)

このサイトのオーナーであるRebeccaが、ジョーンの知人・友人と連絡をとりあって話をきいたそうです。それをこれからウェブサイトに載せてくれるそうで、その告知が書かれたトップページにジョーンの写真が添えられています。彼女の写真は今まで少ない数しかみることができなかったので、うれしく感じました。とても魅力的な笑顔です。ジョーンは才能にあふれていて、強い意志を持った女性だったということは、彼女の経歴となしとげた仕事からすでに想像がついていましたが、ユニークな人だったこと、二人は通常の結婚生活の枠からはずれた夫婦だったこと、ジョーンはジェレミーのすべてを認めてすべてを愛していたということが、Rebeccaの話などからだんだんとわかってきました。ジェレミーがジョーンのことを妻であるとともに親友だと言ったことの意味も、今まで以上に感じられるようになってきました。サイトの次の更新を楽しみに待ちたいと思います。

RM

追記:上記でふれた1枚目の写真と、その仲間をご紹介します。単に好きだからです、はい。そして、こういうふうにちょっと違うのを並べるのも好きだからです。Sourceをクリックすると、下の1枚目と3枚目はもう少し大きい元画像に飛びます。なお、リンク先で今度の更新時に画像名がかわると、リンクのアドレスをクリックしても違う絵が表示されるかもしれません。気がついたら修正しますが。

000w0sxbs.jpeg
Source: http://pics.livejournal.com/sillygirlblue1/pic/000w0sxb
JBasHolmes_bw (67)
Source: http://jeremybrett.info/Holmes_Bw/images/JBasHolmes_bw%20(67).jpg
Colour_Holmes (128)s
Source: http://jeremybrett.info/Holmes_C/images/Colour_Holmes%20%28128%29.jpg

前回の記事の最後で触れたもう一つのインタビューをご紹介します。これは1991年3月20日の、イギリスの新聞 Evening Standardからです。この新聞記事はjpgファイルとしてみつけたのですが、どこでだったかを思い出せず、リンクをはることが今はできません。とても解像度が低いファイルで、文字が判別できないところも多く読むのに苦労するのですが、以下の部分はあっていると思います。タイトルは "The Holmes Front―Why I live in Clapham" です。

I go everywhere by bus because I love buses. It's wonderful way of getting out and about and very communal. I saw Dustin Hofman on a bus when he was over here in Shylock. I often wonder whether people like Michael Cane do. Does he go out on the bus? People are very kind and there is never any problem; they may just say they'd seen last night's show and enjoyed it. Only my voice gives me away, so if I keep that down no one knows who I am.

バスが大好きなので、どこへ行くにもバスを使います。バスであちこちでかけるのはすごく楽しいですし、バスならいろいろな人と一緒に乗れます。Dustin Hofman(ダスティン・ホフマン)が(ヴェニスの商人の)シャイロックをロンドンで演じていた時、彼をバスで見ました。よく思うのですけれども、たとえばMichael Cane(マイケル・ケイン)はバスに乗るんでしょうか。バスで乗り合わせた人は皆親切で、何も心配することはないんですよ。昨晩の番組をみた、すごくよかった、と言ってくれるかもしれません。声で僕だとわかってしまいますけど、小さな声で話せば誰も僕だとは気がつきません。


というわけで、バスが好きだったのですね。最後はちょっと突っ込みたくなりますね。声でもすぐわかるでしょうが、黙っていたってわかりますよ!って。

ダスティン・ホフマンがシャイロックを演じたって本当かしら、文字がつぶれているところの読み間違いかしら、と思って調べたら、The New York Timesの記事がみつかりました。1989年6月3日の記事です。
http://www.nytimes.com/1989/06/03/theater/hoffman-as-shylock-london-critics-cool.html

初日の劇場には多くの有名人が来て、喝采を送ったそうです。残念ながらジェレミーの名前はありませんでした。それにしても、ダスティン・ホフマンはすばらしいですね。カリフォルニア生まれの彼が、ロンドンでシェークスピア劇を演じたのですから。

ジェレミーとは同じバスに乗り合わせたのでしょうか。それともダスティン・ホフマンが他のバスに乗っているのをジェレミーはたまたま見たのでしょうか。想像するだけで楽しいですね。

マイケル・ケインはサーの称号を得ているイギリスの俳優で、Without a Clue(迷探偵シャーロック・ホームズ ;1988)でホームズも演じています。これはコメディ映画だそうです。私はThe Muppet Christmas Carol(マペットのクリスマス・キャロル;1992)で以前から知っていました。マペットについてはいつか書くかもしれませんが、好きだったのです。今も好きですが、何しろ今はジェレミー以外にさく時間がなくて(うふふ)。マイケル・ケインも1933年生まれなんですね。出演作品が多い俳優で今でも現役ですので、ジェレミーも今でも元気なら、と思いますが、悲しくなるのはやめましょう。ジェレミーは素晴らしい人生をおくりましたから。

このインタビュー記事はなかなかおもしろくて、以前こちらでも一部をご紹介しました。
Martin Clunesの伝記(2010);その1
ジェレミーが自分は「田舎のネズミ」だ、と言ったところは訳しませんでしたが、その後の部分で、田舎に戻って犬や馬と一緒にくらしたい、と言っていたところを引用しました。

このインタビューを虫食いでしか読めないのが残念ですが、読めるところをまたいつかご紹介しましょう。

RM
あけましておめでとうございます。新しい年が良い年となりますように。

「新しい年が」と書きはじめて、こんな和歌が思い浮かびました。
「あらたまの年 立ち返る朝(あした)より 若柳水(わかやぎみず)を汲みそめにけり」

これは実は、落語「かつぎや」(関西では「正月丁稚」)の中に出てくる和歌で、とある商家でお正月の朝の初水汲みの時に、丁稚さんがこの歌をそらんじてとなえるようにと主人に言われるのです。落語のお話をすると長くなりますのでこのくらいにしますが、この歌、好きです。多分、「年立ち返る」、「汲みそめにけり」という言葉の語感が好きで、そして初水汲みの風景が清々しく思えるからでしょう。もっとも落語では、ここから大変なことになるのですが。

落語もまた言葉と声と仕草の芸で、演劇をみにいったことは数えるほどしかない私は、かわりにといってはなんですが、寄席には何度も行っています。

言葉と言えば、年末に辻邦生さんの奥様辻佐保子さんと北杜夫さんの対談「辻邦生---言葉の力を信じた人」を読み返しましたが、私もまた言葉が好きなのだとあらためて思います。三人の方とくらべてはいけませんが、でも言葉が好きであるということを有難く感じます。そして私が今、ジェレミーの言葉をできるだけきいたり読んだりしたいのも、英語が自分にとって生きた言葉となってほしいと思うのも、言葉が好きだからだと思います。そしてテレビインタビューだと、言葉だけでなく仕草や表情や声も受け取ることができて、なおさらうれしいですね。



今日ご紹介したいのは、前々回の記事のインタビューの他の部分です。こころに残るところはたくさんあるのですが、これは4分5秒から4分30秒の部分です。



トランスクリプトは前々回と同じくこちらから頂きました。(引用する最初の文章は、少なくとも言葉の順序が実際と違うようですが、このまま引用します。)
http://jeremybrett.livejournal.com/31541.html

JB: And funnily enough I think that is to do with something that is very beautiful in this country, I think people have compassion, actually. And I think that because I've been ill, people are very aware that I've had a battle and I think...they are kind to me, they really are. People on buses are kind to me, and I'm...I walk among the blessed.

「この国の人達はすばらしくて、皆が思いやりを持って私に接してくれます。病気だったことを知っていて、病気とたたかって来たことをよく知っているから、本当にやさしくしてくれます。バスに乗っても皆がやさしい。私はこころの美しい人達にかこまれているのです。」

視線を少し上へ向けて自分のこころと対話するような表情の中で、司会者と視線をあわせて、病気とたたかうことを象徴的に示す仕草をしてみせて、「わかってくれるでしょう?」と言うように司会者の方をみるところも、まわりの人、街にいる普通の人にもとても感謝しているところも、最後ににっこり笑うところも、こころに残っています。

ジェレミーは人に何かをしてもらったとき、とても感動して感謝する人だということを、このインタビュー以外からもよく感じます。

バスが好きだということは、別のインタビューでも言っていました。今度ご紹介したいと思います。

RM

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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