Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

ネット上のphoto archiveにある、ジェレミーの写真をご紹介する6回目です。前回までの記事はこちらです。
ネット上のphoto archiveから(1);ArenaPALとMirrorpix
ネット上のphoto archiveから(2);Corbis
ネット上のphoto archiveから(3);Photoshot
ネット上のphoto archiveから(4);TopFoto
ネット上のphoto archiveから(5);ANP Historisch Archief

今日ご紹介するのはGetty Imagesです。最近新しい写真が一枚加わったようで、初めての写真が数日前に検索でひっかかってきましたので、この機会に。

アドレスはこちらです。
http://www.gettyimages.co.uk/

そしていつものように"Jeremy Brett"で検索すると現在29枚の写真がヒットしますが、そのうちの2枚は違いますので、実際には27枚です。これが検索結果のページですが、うまく飛ばないようでしたら検索窓に"Jeremy Brett"と入れて下さい。
http://www.gettyimages.co.uk/Search/Search.aspx?contractUrl=2&assetType=image&p=%22jeremy+brett%22

好きな写真、などと言い出すときりがないので困ってしまいます!とりあえずまずは、南アメリカでのヒッチハイクの旅のことに先日ふれましたので、旅から帰ったその日に電話で"A Voyage Round My Father"の役の話がきたとジェレミーが言っていた、その芝居の写真です。
http://www.gettyimages.co.uk/detail/news-photo/sir-alec-guinness-plays-the-blind-father-in-john-mortimers-news-photo/74185386
ジェレミーのこの表情、はじめて見たときからとても印象深いのです。右端が盲目の父親役のAlec Guinessで、ジェレミーはこの劇を書いたJohn Mortimerの役です。1971年ですから三十代後半ですね。

http://www.gettyimages.co.uk/detail/news-photo/jeremy-brett-news-photo/161866701
こちらは1978年11月デンバーで、となっています。40代半ば、すでにJoan Wilsonと結婚しています。この時"Dracula"をデンバーの劇場で演じていますから(http://jeremybrett.info/st_dracula.html)、取材を受けているのでしょう。写真うつりの関係なのでしょうか、この頃の他の写真と比べてちょっと違ったふうにみえて、でもやっぱり素敵!

そして最後に、最近新しく加わった写真です。1967年、テレビドラマの"Quite an Ordinary Knife"からです。30代前半ですね。
http://www.gettyimages.co.uk/detail/news-photo/english-actor-jeremy-brett-pictured-with-the-actress-judy-news-photo/495828543
この作品は残念ですけれども「失われた作品」、つまり他の作品を撮る時にそのフィルムが使われてしまって、消されてしまった多くの作品の一つです。(http://jeremybrett.livejournal.com/300839.html参照。しかしこの内には、後からコピーがアメリカでみつかったものがいくつかありますから、希望は残っています。)

この作品の宣伝スチルははじめてみました。写真だけでも残っていてよかったです。ジェレミーのこの表情も、じっとみつめてしまいます。

RM
ジェレミーが、お互いがお互いの結婚式でベストマンをつとめた、若い頃からの大切な友人Robert Stephens(ロバート・スティーブンス)と映像作品で共演していないのは残念だ、と先日書きました。

でもオーディオブックでは、少なくとも3つの作品で共演しているのを知っています。その内の一つがシェークスピアの"King Richard III"(リチャード三世)で、ロバートがリチャード三世を、ジェレミーがそのすぐ上の兄のクラレンス公を演じています。ジェレミー演じるクラレンス公は、全五幕の芝居の内の第一幕の最後で殺されてしまいます。それでもこの作品、この録音が、私には貴重なものに思えます。

クラレンス公ジョージはロンドン塔に引かれていく途中で、弟のグロスター公リチャード(後のリチャード三世)に会って、兄弟の会話をします。自分が兄のエドワード四世の命で幽閉されるのは、エドワード四世が自分に疑いを持つよう仕向けた弟リチャードのせいであることも知らずに。そしてロンドン塔で悪夢をみたクラレンス公は、ロンドン塔指令にそれを語ります。その後リチャードから差し向けられた二人の刺客が現れ、自分を殺そうとしているのが、信じていたリチャードであることを知ります。嘆願もむなしく惨殺されてしまいます。

ジェレミー演じるクラレンス公は才知にたけた方ではないかもしれないですが気品があって、ロバート演じる弟リチャードの心の中にある底知れぬ沼に気づかず、彼に対して無防備で、最後には無惨に殺されてしまいます。リチャードとの会話の時の、ロンドン塔へ連れて行かれる途中でも気持ちはしっかりしていて、事態の解決への弟の力を信じている様子、悪夢の後での、感情に揺さぶられながら品格も感じられる語り口、そして恐怖にかられながらも刺客にまっすぐに相対した後での、リチャードの本心を知った時の驚きと絶望。

ジェレミーの声は感情を映し出して、この長くない登場時間のあいだで流れるように変わっていきます。音楽的でもあるし、視覚的でもあります。場面を想像して目の前に感じる聴き方もできるし、声の調子だけが音楽のようにからだの中を流れていく時もあります。

ああ、やっぱり私は、ジェレミーの声と台詞回しににじみ出る何かが好きなのだなあと、あらためて思いました。そしてそれは、音だけのオーディオブックで、より純粋に感じられます。映像があると、表情と動きに目が釘付けですから。もちろん、これを実際に目の前でみられたらどんなにいいだろう、という思いは常にあるのですが。

BBCの"Sherlock" でシャーロックとジョンを演じているBenedict CumberbatchとMartin Freemanがそれぞれ、リチャード三世を演じるそうですね。ジェレミーがリチャードを演じていたら、どんなだったでしょう。ロバート・スティーブンスのリチャードは、恨みから来る暗さを突き抜けて、自分の企みのままに進んでいくのを皮肉な目つきで楽しんでいるような印象を受けました。

1967年発売のLPですから、収録は66年頃、ジェレミーは32か33歳といったところでしょう。LPのボックスセットはこんなです。
http://www.amazon.com/dp/B002LLHBIK

これはその後カセットテープになり、デジタルファイルとしての販売も現在ではおこなわれています。しかしカセットテープになった段階で、出演者の名前は3人しか書かれなくなったために、ジェレミーの名前で検索してもみつからなくなってしまいました。オーディオブックにはそのようなものが多いのです。

私はAudibleが扱っているデジタルファイルを購入しました。アマゾンのページでもAudibleのファイルのサンプル音声を聴くことができます。
http://www.amazon.com/dp/B00005484R
左側の画像の下、Listenの横の三角をクリックすると、すぐに聴こえるのがジェレミーの声です。その後ロバートの声が続きます。それからしばらくはロバートともう一人の台詞なのですが、ジェレミーの鼻で笑う声が入ります。それからまた短いですがジェレミーの台詞をきくことができます。

同じ音源を使って、別の会社が音声ファイルとして販売していて、やはりAudibleで購入できます。こちらの方がサンプル中にジェレミーの台詞が少ないです。
http://www.amazon.com/dp/B006HNT1JA

iTunesでもこの作品の購入が可能ですが、Audibleよりも値段が高いです。
https://itunes.apple.com/jp//audiobook/id323643608


興味のある方がいらっしゃるようでしたらと思って、今までこのブログでオーディオブックについて書いたものをあげます。うーん、個人的趣味に走り過ぎでしょうか。いえ、このブログ全体が個人的趣味以外の何物でもありませんね!
詩の朗読のCD (1969年のLPより)
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961)
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その2
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その3
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その4
Love's Labours Lost (1974) のオーディオブック再発売
Richard II (1961) のオーディオブック再発売;その1
Richard II (1961) のオーディオブック再発売;その2
Puss in Boots のオーディオブック (1972)

Troilus and Cressida のオーディオブックは、記事に書いたInternet Archiveのページはなくなっていて、現在はJeremy Brett Informationで聴くことができます。
http://jeremybrett.info/media.html

RM
Robert Stephens(ロバート・スティーブンス)のために、ジェレミーがギターを弾きながら歌ってあげたことを先日ご紹介したので、その連想でこんなことを思い出しました。

ロバートがジェレミーに関してうらやましいと思ったことを、自伝にこんなふうに書いています。


今まで仕事の上で、誰かを羨むなどということはなかった。Brando(マーロン・ブランド) のことも、Larry(ローレンス・オリビエ)のことも、Robert de Niro(ロバート・デ・ニーロ)のことも。ただ一回、ジェレミー・ブレットに嫉妬したことをのぞいては。ジェレミーは私の一番古くからの友達なのだが、ジェレミーがオペラ歌手のMary Costa(メアリ・コスタ)と共にテレビで「メリー・ウィドウ」に出演してダニロを演じた時、彼は本当に素晴らしくて、とても美しい声で歌った。3ヶ月の猛練習が実ったのだ。私はものすごくうらやましくて嫉妬した。

And I have never been professionally jealous of anyone, not Brando, not Larry, not Robert de Niro. Except once: of Jeremy Brett. Jeremy is my oldest pal, and when he played Danilo in The Merry Widow on television with Mary Costa, the opera singer, he looked fantastic and he sang beautifully—after a three month crash course—and he drove me crazy with jealousy. 


"Knight Errant, Memoirs of a Vagabond Actor"
By Robert Stephens, 1995


ジェレミーがテレビで演じたフランツ・レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」は、DVDになっていません。市販されていない作品ですので、Youtubeへのリンクを書いておきます。ジェレミー演じるダニロがはじめて画面にあらわれるのが15分30秒で、クリックするとここからはじまります。
http://youtu.be/ljhxE4oDam8?t=15m30s

この作品についてこのブログでも何度かとりあげて、でも途中までになっていました。
The Merry Widow (1968)の映像(1)
The Merry Widow (1968)の映像(2)
The Merry Widow (1968)の映像(3)
The Merry Widow (1968)の映像(4)

ご存知の方も多いでしょうが、ジェレミーが同じくダニロとして歌っているLPが、同じ年に発売されています。ここでは、ジェレミー以外は別の人が歌っています。キャストの違いについてはここで少しふれています。
The Merry Widow (1968)の映像(2)

このLPはCDとなっていて、現在でも手に入ります。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000B668QI
AmazonからMP3アルバムとして購入することもできます。このアルバムには「メリー・ウィドウ」以外のオペレッタからの歌も入っていて、そこではジェレミーは歌っていませんので、トラックを選択して購入なさる場合はお気をつけください。

さて、このCDはかなり前から持っていましたが、その後このテレビプログラムの、雑音まじりの荒い映像をはじめてみた時のことは、よく覚えています!それまでも若いジェレミーが出る映像作品はみていたのに、だからまったく予想外の姿ではなかったはずなのに、歌声だってCDで聴いていたのに、それでもぼうぜんとしたのです。その全存在から魅力を発散して、恋のかけひきもし翻弄もされ、恋の苦さと甘美さを知って歌い踊る人。予想をはるかにこえていて、私のまったく知らなかったジェレミーに思えました。ああ、なんて幅の広い豊かな俳優人生を生きた人なんだろう。そう思いました。

このジェレミーをみて、ロバートは生涯ただ一度、演じるプロとして嫉妬したんですね。

でもロバートは、ただ羨んだだけではありません。ジェレミーのこの歌声をそばにおいておきたかったのです。それが "Desert Island Discs" という番組の録音を聴いてわかりました。

"Desert Island Discs" というのはBBCの長寿ラジオ番組で、無人島に行くならどんなレコードを持っていくかを選んでもらって、その音楽をかけながらゲストの話をきく、というものです。ロバートがこれに出演した回の録音をBBCのウェブサイトできけることを、フォーラムで教えてもらいました。なお、ジェレミーが出演した "Desert Island Discs" としてここで何度かご紹介したのは、このBBCのラジオ番組にならったプログラムにアメリカで出演した時のもので、ジェレミーはイギリスの番組には出演していません。

ロバート・スティーブンスが選んだ8曲のリストがあり、番組をきくことができるページがこちらです。ダウンロードもできます。
http://www.bbc.co.uk/radio4/features/desert-island-discs/castaway/2ec9ebe1

録音の3分50秒のところで、司会者が「2枚目のレコードは?」と尋ねると、ロバートは「ジェレミー・ブレット」と答えます。番組の中でも自伝と同様、ジェレミーに嫉妬した、自分はもともとはそういう性質(たち)ではないけど、この時だけは、と言っています。ロバートは「妬んだ」と言いながらも、とてもやさしい口調で話しています。

そして「メリー・ウィドウ」のレコードから、ジェレミーが歌う"I'm off to Chez Maxim's"が流れます。

ロバートは無人島に、古くからの親友のジェレミーが歌うLPを持っていくんですね。1979年2月の番組ですから、ジェレミーはアメリカに仕事の場をうつして役を得るために苦労した後、"Dracula"(ドラキュラ)の舞台にたっていた頃です。

ロバートはジェレミーに、君のLPを無人島に持っていくリストに入れたよ、って伝えたでしょうか?

RM
グラナダ版の221Bの部屋にあるものとして、カーテンMason's Blue Mandalayの食器のことを以前に書きました。コーヒーカップは毎日使っています!あの柄の食器をあつかっていて、写真をたくさんみることができるサイトとして私が書いたアドレスや、トイカメラで自分のカップを撮った、あのぼけぼけの写真が、最近ロシアのジェレミーファンのコミュニティに転載されていて、びっくりしました。ちゃんとここのアドレスも書いてくれていました。

221Bの部屋にあるものとしてさらに思い浮かぶものの一つは、暖炉の上の滝の絵です。画素数が比較的大きいファイルとして私が知っているものをご紹介します。1145 x 1660 の190万画素ですから、暖炉の上にかける大きさは無理でも、2L判くらいまでなら印刷できるでしょう。カナダのToronto Public Libraryの、ホームズ関係のコレクションの中にありました。このコレクションの一部はFlickrで公開されています。その中には例えば"Sherlock Holmes in Japan" なんていうのもあります。
https://flic.kr/p/7owa8D

ホームズ以外のコレクションも、ながめるとなかなか楽しいです。図書館の58のアルバムセットのタイトルを並べたページはこちらです。
https://www.flickr.com/photos/43021516@N06/sets/

それでは本題の、あの滝の絵です。あの絵がグラナダ版の221Bの暖炉の上に飾られるようになったいきさつについては、以前こちらに書きました。
暖炉の上の滝の絵;A Study in Celluloidより
補遺、備忘録 その1

あの絵(正確には版画)はこちらです。1835年の作品で、タイトルが"Upper Cascade of the Reichenbach"、原画を描いたのがW.H. Bartlettで版画にしたのがJ.T. Willmoreだそうです。
https://www.flickr.com/photos/43021516@N06/8347100528/
最大のサイズでのダウンロードはこちらからどうぞ。
https://www.flickr.com/photos/43021516@N06/8347100528/sizes/o/

原画を描いたW.H. Bartlettについてはここに説明があります。
http://www.vintage-views.com/upper-cascade-of-the-reichenbach-canton-bern-in-switzerland-1835-swiss-view.html
1836年には色付きのものも発行されたようです。でもグラナダ版では白黒を使っていましたね。
http://www.ancestryimages.com/proddetail.php?prod=g7580

このコレクションで、もう一つうれしいのは、パジェットの原画を一枚持っていて、比較的大きいファイルをダウンロードできるようにしてくれていることです。"The Adventure of the Cardboard Box" からです。
https://www.flickr.com/photos/43021516@N06/8345811615
こちらがダウンロードできる最大のサイズ(1920 x 1297)です。
https://www.flickr.com/photos/43021516@N06/8345811615/sizes/o/
その他、ホームズとモリアーティの決闘の場面があります。これは原画ではないですね。
https://www.flickr.com/photos/43021516@N06/8346045675
最大画像はこちら。
https://www.flickr.com/photos/43021516@N06/8346045675/sizes/o/

パジェットの原画と言えば、ご存知の方も多いでしょうが"Silver Blaze" の挿絵の原画がオークションにかけられるというのが話題になっていました。
http://www.bestofsherlock.com/ref/black-peter-christies-2014.htm#paget2
この記事は5月末に書かれたもので、ここには6月にオークションにかけられると書いてありますが、その後のニュースをきかないので、多分オークションはまだなのでしょう。グラナダ版でもBBC版でも、この挿絵を意識した写真がありましたね。こちらはグラナダ版の写真の内の1枚です。(ただしリンク先のJeremy Brett Informationの画像は、名前のつけかえによってかわる可能性があります。)
http://jeremybrett.info/Holmes_C/images/Colour_Holmes%20%2867%29.jpg

RM
Robert Stephens(ロバート・スティーブンス)とジェレミーの友情のことをつらつらと考えながら、この二人が共演している映像作品がなくて残念だなあと思っていました。もしかしたら若い時に、名前がちゃんと出てこないような主要ではない役で、同じ作品に出ていたりするかもしれませんが、私はまだ知りません。

でもそれで思い出したことがあります。ハドスンさんを演じた女優Rosalie Williams(ロザリー・ウィリアムズ)とロバート・スティーブンスの両方が、1961年の映画"A Taste of Honey"に出ているということです。

後でふれますが、映像作品に関するデータベースであるIMDbでは、ロザリー・ウィリアムズがこの作品に出演したことは書かれていないこともあって、このことはほとんど知られていないと思います。フォーラムで教えてくれたのは中国の人で、それまで私も知りませんでしたのでうれしくて、私のブログにこのことを転載してもいいですか?と尋ねると、どうぞどうぞ、と答えてくれました。でも気がつけばそれから一年以上たってしまいました。

以下は彼が教えてくれたことです。この映画"A Taste of Honey"ではロザリーは看護師・助産師の役で、ワンシーンのみの出演です。そしてIMDbでは これを演じたのはRosalie Scaseとなっています。ロザリーのお連れ合いはDavid ScaseですからロザリーはRosalie Scaseの名前で演じていた時があったのでしょう。(David Scaseは"The Master Blackmailer"(犯人は二人)で画廊のオーナーを演じている他、"The Cardboard Box"(ボール箱)にも出ています。)しかしIMDbではこの映画に出ているRosalie Scaseは、別人の女優と間違えられています。だからロザリーの出演作品リストにはこの映画は出てこないのです。

ロザリーは、妊娠した17歳の主人公の友達である学生が、彼女のために妊娠・出産に関して病院に相談しにいって出会う看護師です。一方ロバート・スティーブンスは、この17歳の少女の母親の再婚相手を演じています。残念ながらこの二人を一緒に画面でみることはできません。

この作品はDVDになっていますので、YouTubeのアドレスを書くのはひかえます。ちらっとみてみたいかた、後のハドスンさんと共通の、気品と意志の強さを感じさせる若いロザリーの姿をみて声をききたいかたは、"A Taste of Honey"で検索してご覧になってください。PART 8の30秒からです。

スクリーンショット5枚をご覧にいれましょう。

Rosalie1.jpg
Rosalie2.jpg
Rosalie3.jpg
Rosalie4.jpg
Rosalie5.jpg

いかがでしょう。しっかりしていて頼もしくて、毅然としているけどあたたかい、あのハドスンさんを彷彿させるでしょう?ロバートもなかなか魅力的に演じていて、重要な役柄ですから多くのシーンでみることができるのですが、私にとってはこの映画は、ほんのちょっとしか出ないロザリー・ウィリアムズをみるための作品でした。

忙しくて時々しかフォーラムに顔をみせることができないけれども、とても知的でホームズとジェレミーとその他たくさんのことにくわしい、さわやかな人柄の中国からの若いメンバーへの感謝をこめて、ロザリーとロバートが出演した映画をご紹介しました。Thank you so much!

RM

ジェレミーとRobert Stephens(ロバート・スティーブンス)のことを前回書きましたので、もう少し続けてみます。ジェレミーがロバートのために、ギターを弾きながら歌を歌ったそうなのです。ジェレミーはギターを弾いたんですね!

かつて活発だったLiveJournalのコミュニティ"For Fans of Jeremy Brett"への2007年の投稿が情報源です。
http://jeremybrett.livejournal.com/119227.html

もともとはこの本に書かれていたそうです。
Chichester 10: Portrait of a Decade
By Zsuzsi Roboz and Stan Gebler Davies (1975)

これはすでに絶版ですが、イギリスのアマゾンで古本を扱っていて、最も安い値段が0.01ポンドですから2円以下ですね!もっとも送料がかかります。
http://www.amazon.co.uk//dp/0706701941
日本のアマゾンではこれよりはかなり本体の値段はあがりますが、やはり古本を購入できます。
http://www.amazon.co.jp/dp/0706701615

私は思い立って昨日購入しましたが、もちろんまだ届いていません。もう本棚に入りきれないのにとも思いますが、本は欲しいと思った時には買うべし、ですよね。

アマゾンに本の内容の説明がないですし、上記の投稿にも部分的にしか書かれていないので、本の題名その他から推測して書くのですが、もしも大きく違っていたら、本が届いたところで訂正します。

"Chichester 10: Portrait of a Decade"という題名から推測して、これは10年間のうちにChichester Festival Theatreの舞台にたった俳優のポートレートを集めたものだと思います。1962年にこの劇場の最初の公演がおこなわれたそうなので、62年からの10年間という可能性が高いです。以下の二つは、この劇場に関するWikipediaのページです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Chichester_Festival_Theatre
http://en.wikipedia.org/wiki/Chichester_Festival_production_history

ジェレミーは63年に二つの演目に出演しています。
http://www.cft.org.uk/1963
Saint Joan (1963)
The Workhouse Donkey (1963)

LiveJournalへの投稿者の説明によれば、この本ではZsuzsi Robozという画家が絵(線描画)を描いていて、そこに説明の文章がつけられているそうです。ほとんどの場合絵は一人につき一枚だけど、ジェレミーの場合は2枚あったそうで、その絵も投稿の中にあります。

さらに、ジェレミーについて書かれている文章を引用してくれていますので、その一部を和訳します。英語の原文は元の投稿をご覧ください。少し写し間違いがあるようですので、ここにその英文を孫引きするのはやめておきます。
http://jeremybrett.livejournal.com/119227.html


この本を作る時に、ブレット氏は友人のスティーブンス氏のために、とても大きな手助けをしてくれた。スティーブンス氏は絵のモデルとなっている間、じっとしていることが難しかった。それでブレット氏は自分のギターを持ってきて、その間ずっとフォークソングを歌った。「僕はじっとすわっているのは全然かまわないんです。慣れていますからね。兄の一人が画家なんです。でもじっと座っているのは2分間でもうんざり、という人もいますね。覚えているだけの歌を全部歌ったみたいです。少なくとも彼を静かにしておくことができましたね。」

フォークソングのいくつかは南アメリカの歌で、南米大陸を六ヶ月間放浪した時に覚えたものだった。その間、ブレット氏の名前を人々がきくことはなかった。「親しい人以外は全く気がついていませんでした。そうやっていなくなってしまうなんて、どうかしている、二度と仕事ができなくなるだろうって言われていました。でも旅から帰った日に"A Voyage Round My Father"の役の話がきて、その夜には(この劇の脚本を書いた)John Mortimerと会ってお酒を一緒に飲んでいました。」



ジェレミーがロバートのために、ギターを弾きながら歌っているところ、想像してみてください!まるでライブコンサートか何かのように、すごくまじめに歌ったのでしょうか、それとも子守唄か鼻歌のように、小さな声で歌ったのでしょうか。

ジェレミーがピアノを弾くのが好きらしいということは、以前ご紹介しましたが(「補遺、備忘録 その6(日本での訃報、ピアノ」))、ギターも弾いたとは知らなかったので、それも知ることができてうれしかったです。LiveJournaのコメント欄でも、元々の投稿者が「ジェレミーがピアノを弾くのは知ってましたが、はじめて、ギターを弾くと書かれているのを読みました」と言っています。

この本は1975年発行で、南米から帰ってきた後でジェレミーが出演した"A Voyage Round My Father"の公演は1971年です(リンク先に1枚写真があります)。ですから画家がロバートの絵を描いたのは、71年から75年の間のことなのでしょう。

これはもしかしたら、ロバートが二度目にジェレミーの家に転がり込んで、ジェレミーが親身に面倒をみていた時のことなのかもしれません。ロバートは三度目の結婚相手で関係がこじれていたMaggie Smithと1972年に舞台"Private Lives"で共演しています。そこでも関係は修復できず、二人のいさかいに困った劇場支配人兼プロデューサーがジェレミーに電話をかけて助力を頼み、ロバートはジェレミーのNotting Hillの家で6ヶ月を一緒にすごしたことが、前回ふれたロバートの自伝"Knight Errant"に書かれています(Jeremy Brett Informationにこの部分の引用があります)。ジェレミーの家ですごした二度とも、ロバートは精神的に追いつめられて、アルコールにおぼれていたようです。もしその頃画家のモデルになったのだとしたら、ジェレミーはロバートの荒れたこころを鎮めるやさしい子守唄のように、フォークソングを歌ったかもしれませんね。でもこのあたり、本が届いてロバートの絵につけられた文章を読むと、全然違うことがわかったりするかもしれません。

俳優Gary Bondはジェレミーのある時期のパートナーだったと多くの人に信じられていますし、私もそう思っていますが、Garyの友人によるとジェレミーはNotting Hillの家にはGary Bondと住んでいたということなので(「この世を去る時まで続いたGary Bondとの友情」)、ロバートがいた六ヶ月間を三人の俳優はどんなふうに過ごしていたのだろうと思います。劇場を第二の我が家とする俳優達が深い友情で結ばれていることを、ジェレミーのことをいろいろと知る中で感じていますので、おそらく三人は理解し合い助け合いながら過ごしていたのではないかと想像します。

ジェレミーの南米の旅について、そしてその時のものではないかと私が勝手に推測している写真については、以前こちらでふれました。この鋭い目をした野性的なジェレミーの姿も、ジェレミーの持つ別の一面をあらわしていると思います。
南アメリカでのヒッチハイクの旅; Desert Island Discs (1991) から (1)

RM
ナツミさんのブログの「ジョンの結婚式とホームズ兄弟」、とっても面白かったです。その記事がきっかけで今回書くのですが、「勝手に連動企画」とはとてもおこがましくて言えません。というのも、ここで取り上げるのは、ホームズの孤独のことでもなく、ワトスンに対しての感情のことでもなく、ただナツミさんの記事にある「ベストマン」という言葉から思い出した、ジェレミーがベストマンをつとめたときの写真なのです。言わば、「勝手に連想企画」ですね!

BBC版のSHERLOCKでは、シャーロックがジョンの結婚式のベストマンをつとめたそうですね。この「ベストマン」という言葉を私が知ったのは数年前で、それはジェレミーが親友のRobert Stephens(ロバート・スティーブンス)の結婚式でのベストマンだったという記述を読んだ時でした。ん?"best man"って?辞書をひくと、「花婿付添人」となっていました。

ロバート・スティーブンスは、"The Private Life of Sherlock Holmes" (1970)でホームズを演じた俳優ですね。SHERLOCKの共同製作者・脚本家でマイクロフトも演じている Mark Gatissが、"The film that changed my life" (人生をかえた映画)としてこの映画をあげていました。
http://www.theguardian.com/film/2010/nov/07/mark-gatiss-sherlock-holmes

このブログでは、ロバートがホームズを演じることについて、ジェレミーにどう言っていたかをご紹介したことがあります。
ホームズの歩き方;1995年のインタビューより

ロバートはジェレミーの親友でした。亡くなったのは1995年11月12日、ジェレミーが亡くなったちょうど2ヶ月後でした。亡くなる少し前に出版された自伝には、ジェレミーのこともいろいろと書かれています。自分の結婚式のことを書いたなかに、こういう記述がありました。


Tarn(ターン)と私は1956年4月に結婚した。ジェレミーがベストマンだった。

Tarn and I were married [...] in April 1956 [...]. Jeremy was my best man [...].


"Knight Errant, Memoirs of a Vagabond Actor"
By Robert Stephens, 1995


ロバートとターンは後に離婚しますが、二人ともそれぞれに、生涯ジェレミーの親しい友人であり続けます。ターンがジェレミーの追悼式で読んだ詩は、こちらで引用しました。
My Fair Lady (1964) の初日の映像と、追悼式で読まれた詩
同じ記事で、My Fair Lady (1964) のロンドン・プレミア(お披露目の試写会)の映像にうつる、若いジェレミーとターンもご紹介しました。

さて、本題の写真です。ジェレミーが二人の結婚式のベストマンをつとめた時の写真は、たとえばJeremy Brett Informationでみることができます。
http://www.jeremybrett.info/robertstephens.html
このページの上から3番目にあって、写真をクリックするとかなり大きくなります。

ジェレミーとロバートはほとんど同じ装いです。花婿とその付添人たちは、お揃い、あるいは似た服を着る場合が多いということは、以前読んだことがありますが、どこで読んだか忘れてしまいました。(検索したら、ここにも書かれていました。http://www.mwed.jp/tokimeki/418/)シャーロックとジョンもそうでしたね。

1956年4月というと、ジェレミーは22歳です。若さが輝いていますね!

RM

追記:覚え書きです。ロバートの自伝の中の、ジェレミー関連の記述のほとんどを読むことができるページです。ただし上で引用した部分は入っていません。いつかまた、ロバートとジェレミーのことをもう少し書きたいと思っています。
http://jeremybrett.livejournal.com/88617.html
http://jeremybrett.livejournal.com/90037.html

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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