Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

クリスマスというと、The Blue Carbuncle(青い紅玉)ですね!ジェレミーがこの作品に触れているインタビューというと二つ思い浮かびます。今日はその一つを引用しましょう。1992年に雑誌Scarlet Streetに載ったもので、SSとあるのはインタビューアのJim Knüschを、JBはジェレミーを意味します。

Baker Street Regular: Jeremy Brett and Edward Hardwicke
Interviews by Jim Knüsch
Scarlet Street, No.5, 1992

SS: 一番難しかったエピソードはどれですか。

JB: 多分「青い紅玉」です。シドニー・パジェットの挿絵、あの、ホームズがソファに斜めにすわってくつろいでいる絵が素晴らしい。あの姿勢で実際に一日半過ごして、シーンの撮影が終わった時にはまっすぐたてないほどでしたよ。

SS: それじゃ、からだが大変だったということで、精神的にはそうじゃなかったのですか?

JB: あれは見事な推理そのままを短編にしたもので、だからこそ間違ったふうに映像化してしまいがちなのです。この作品は特別に大変だと思ったのを覚えています。


SS: What was the most difficult episode to film?

JB: Probably THE BLUE CARBUNCLE. That Sidney Paget drawing is so marvelous, with Holmes lying sideways on the sofa. I had to actually be in that position for about a day and a half, so that I could very nearly not stand up straight at the end of it.

SS: So it was physically, and not mentally, taxing?

JB: It was an undiluted piece of brilliant deduction. And one so invariably gets it wrong. I remember thinking that was a particularly tough film.


ジェレミーが言っている挿絵、もちろんおわかりですよね。このページの一番上にあります。
https://en.wikisource.org/wiki/The_Adventure_of_the_Blue_Carbuncle

たしかにあの優雅にながながと伸びた格好も、実際に長く撮影すると大変でしょうね。あのシーンはそういう意味でもジェレミーの記憶に残るシーンだったのですね。

そのあとの部分、私の想像はこんなです。あの作品でのホームズの推理、特にジェレミーがその前の部分でも触れていた、帽子から推理できることをワトスンに、ソファでくつろいで披露するシーン、これをそのままホームズの台詞として語らせて、余計なものを足すことなく、みている人をひきつけて納得させるために、制作スタッフもジェレミーもデイビッドも全力をつくしたのではないでしょうか。これは大変だ、とジェレミーが思ったのはそういう理由ではないかと想像しました。


今日の出典のScarlet Streetという雑誌ではジェレミーは何回かインタビューを受けていて、この1992年のインタビューからは以前こちらでも引用しました。
ワトスンをどのように演じたか その2;軍人の血
自分の演技への厳しさ;1992年のインタビューより


さて、このインタビューは実は今ではとあるブログの記事に掲載されていて、全文をネット上で読めます。(ただし誤植があったり、句読点や細かいところがところどころ違っていて、私は元々の雑誌から引用しました。)以下のアドレスのブログの持ち主と、このインタビューをしたProfessor KinemaことJim Knüschとは同一人物ではなさそうです。引用の範囲をこえた、著作権を侵害しそうなページはここでは紹介しないようにしているので迷いましたが、インタビュー当時の状況が書かれていることからも、インタビューアの承諾により、あるいはインタビューア自身の手でアップロードされたと思われますので、ご紹介します(著作権がインタビューアに帰属するかという疑問はありますが)。このブログにはJim Knüschによるインタビューが他にもいくつか掲載されていました。

Professor Kinema's Interviews with Jeremy Brett and Edward Hardwicke
Tuesday, October 21, 2014
http://www.zomboscloset.com/zombos_closet_of_horror_b/2014/10/professor-kinemas-interview-with-jeremy-brett.html

元の雑誌インタビュー記事のタイトルにも、そして上のブログ記事のタイトルにもあるとおり、Edward Hardwickeへのインタビューも載っています。興味のあるかたはどうぞ。またいつか一部を引用してご紹介しましょう。

RM
前回の記事の引用部分でジェレミーが好きだと言っていたfry upとは何か、さきさんに教えていただきました。コメント欄をご覧になってくださいね。さきさん、ありがとうございました!
http://upwardjb.blog112.fc2.com/blog-entry-736.html#comment-title

さて、一部の人々が舞台The Deputyに過激な反応をしたために、劇場に爆弾がしかけられていないかを刑事が調べるほどだったことを前々回ご紹介しました。今回ご紹介するジェレミーのインタビュー記事では、ジェレミー自身も危うい目にあったことを話しています。でも今日はそこまで行かずに、その前、この劇の大変さとテーマの重要性をジェレミーが話しているところです。初日は2月26日ですから、それから20日ほどたったところです。

(暗い話題になってしまいますので、こういう話題はこころが拒否するというかたは、どうぞ読むのをやめてください。私もこころが弱っているときは、子供が泣くはなしは、実際のことでもお話でも耐えられなかったことがあります。その時の自分の気持ちをみとめてそれに従うのが一番よいと思います。)

Role in Controversial Play Terrifying to Jeremy Brett
by William Gloner
St. Joseph News-Press, May 17, 1964
http://news.google.com/newspapers?id=brBTAAAAIBAJ&pg=4576,3028325

2月末にこの舞台が始まってから、ブレットは14ポンド(6.4 kg)も体重を落としてしまった。胃を悪くしたし、眠れなくなった。
「役にのめりこむなとよく言われます。そうしてみようとは思うんですけど。」
特に、ナチスドイツの残虐な行為を舞台上で生々しく描写していることに、ブレットはひどく苦しんだ。「アウシュビッツの死者たちの姿が私にはみえるようにも思えます。」彼はさらに続けた。
「私は理想を信じるほうで、人間がこれほどまでに残虐になれることを信じたくはないと思ってしまうのです。この劇で人の暗黒面を思い知らされることで、ぼろぼろになりましたし、どうしても慣れることはできません。」

Since the play opened at the end of February, Brett has lost 14 pounds, his digestion has gone awry, his sleep become fitful.
"A good many people have told me to objective," he says, "Well, try and do it."
Brett's torment centers upon the drama's graphic description of Germanic atrocities—"perhaps the ghost of Auschwitz has appeared to me a little." He goes on:
"I'm a rather idealistic person who would rather not believe human nature could sink so low. I was most vulnerable to what the play recalls—and I can't get used to it.


ジェレミーのこういうところ、よくわかる気がします。役にのめりこんで、そのために精神的にも肉体的にもダメージを受けてしまうところ。そしてもともと感受性が強くて共感する能力も高いために、人間の悪に触れて傷つくとともに、苦しむ人に触れてその苦しみを受け取ってしまう。

犯罪の世界に触れていること、犯罪者や被害者の近くにいることはホームズの精神にも影響があると言っていたのを、このインタビューを読んで思い出しました。短い言及でしたが、そう言っている部分がみつかったらまた引用しましょう。becomerであるジェレミー自身にももちろん、その暗さが及んでいたことでしょう。

次のところは少しむずかしいのですが、私の訳と解釈がまちがっていないことを願います。原文もどうぞご参照ください。

「でも同時に、どんなに辛くてどんなに困難であろうと、演劇がこの社会で意味を持ち続けるのであれば、劇場でこのようなテーマもあつかわねばなりません。」
(中略)「ローマ法王とのシーンを演じながら、劇場の屋根が今にも音をたてて崩れるのではないかと私は感じます。ピオ法王が生きていて、自分が当時なにをして、なぜそうしたかを語ってくれたらと思います。」
「これについて --- まるで昨日起きたように感じます --- 一人の人(訳註:ローマ法王)だけに責めを負わせるのは間違っています。18歳くらいの若者が観客の中にいると、こころが騒ぎます。若い人たちが、この劇の見方や主張が唯一すべて正しいものであるととらないでくれるようにと思います。」
「この劇がなぜ重要かと言うと、あの残虐行為を思い出すきっかけとなるからです。思い出すことで、あのようなことが二度と起きないようにできるかもしれませんから。」

"At the same time, even though it may hurt like hell, and be hard to do, if the theatre is to survive such topics must be aired."
[...] "In the scene each night with the pope, I sometimes feel as if the roof of the theater was crashing in. I wish Pius was alive to speak for himself.
"You can't blame one person for those things that happened, just yesterday almost. I only get frightened when I see 18-year-olds in the audience. I just hope they don't think that the play's viewpoint is the only one that should be heard.
"The play's importance is as a constant reminder of atrocity that happened—that may prevent such things ever happening again.''


この劇では、ジェレミー演じる若き神父の必死の頼みにローマ法王が応じません。ユダヤ人を救えなかった神父は彼らと共に死ぬことを選び、アウシュビッツでいのちを落とします。権力を持ちながら非人道的な残虐さをとめられなかった人々の代表、一種の象徴としてローマ法王を登場させたのでしょう。でもローマ法王一人に、この劇で書かれたような大きな責任があるかは歴史的事実としては議論があるようです。

従ってこの戯曲は法王という実在した人を責めることを目的としたものではなく、このような悲劇を忘れないための、そして悲劇をふせぐためにひとは何ができるか --- 政治的、または宗教的権力者として、権力者を選び監視する責任を持つ一個人として --- を考えるためのものだ、というのがジェレミーの意見なのでしょう。

ジェレミーはとても重要なことを、実際に演じた人の実感がともなった言葉で語ってくれているように思います。

RM
忙しい時にはとりわけ本を読みたくなるタイプです。本好きなら誰でも言いますね。そしてさらに、忙しい時にはとりわけジェレミーのことを書きたくなる、というわけです。昨日に引き続き、ただし舞台The Deputyのことはちょっとお休みして、軽く明るいインタビューをご紹介します。

Pete meets JEREMY BRETT
He's a 20th Century ROBIN HOOD
Jackie, 25 February, 1967

このインタビューが載っている雑誌が最近eBayに出品されました。出品者はインタビューのページの写真をつけてくれていて、全部読むことができます。Brettish Empireにあるのをすでに読んだことがあったのですが、当時の雑誌の紙面のままに読むというのも私は大好きです。みなさまはどうですか?

eBayに2回出品されて買い手がなくオークションは終わっていますのでアドレスを書きます。(出品中のものは、入札を考えているひとがいるかもしれないので、アドレスは書かないようにしています。今後またオークションに出るかもしれませんが、いったん終了した時に書いたということで、お許しください。)
http://www.ebay.co.uk/itm/201476993640

ブラウザによって見え方が違うかもしれませんし、携帯電話を持たない私はスマートフォンでどう見えるかもわからないのですが、私の環境では左上にジェレミーの小さな写真がみえます。これがこの雑誌のインタビュー記事についていた2枚の写真のうちの一つです。クリックすると少し大きくなり、その写真をもう一度クリックすると1259 x 1260のとても大きな写真です!この写真もはじめてではないのですが、大きいのがうれしいです。

そして大きな写真が出た後、右側に三角がありますのでこれをクリックすると、1600 x 979の大きさの記事のページになります。記事中の文字が全部読めますね。こちらにもジェレミーの写真がついています。

これはBBCのThe Three Musketeers (1966) でD'Artagnan(ダルタニアン)を演じている時のものですね。髪が長めです。若造のダルタニャンを演じられるくらい若々しい!インタビュー時は33歳、演じたのはその少し前です。

この記事の本文が書き写されているのは、Brettish Empireのこのページです。
http://www.brettish.com/jbjackie.htm

eBayの出品者が"Very rare issue of the UK girl's magazine 'Jackie' from 1967."と書いているとおり、これはイギリスの若い女の子向けの雑誌なので、ジェレミーの言葉もそんな雑誌向けの軽やかさ、かわいさです。たとえばここ。

「このテレビシリーズで演じた若者ダルタニャンは18歳という設定だったんですけど、僕が18歳だったのは、はるか昔でしたからね。」
ジェレミーは17歳の時、台詞のない役を得た。
「最初の恋愛もその時でした」と大きなため息をついた。「主役の女優に夢中になって、赤いバラ12本をプレゼントしました。とても優しい人で、一度僕とデートしてくれたんですよ。」

'D'Artagnan, the adventurer I played in the series, was only supposed to be eighteen, and I was that many years ago.'
Jeremy was seventeen when he had his first 'walk on' film part.
'And my first love affair,' he recalled with a deep sigh. 'I fell madly in love with the leading lady and I bought her a dozen red roses. She was very kind and even took me out once.'


赤いバラを贈るというのがジェレミーらしいでしょう。17歳というとまだ演劇学校の学生ですね。原文ではhis first 'walk on' film partとありますから映画(かテレビドラマ)での役ですが、17歳で映像作品に出たというのは今まできいたことがありません。もちろん名前の出ないエキストラだから記録が残っていないということも考えられますが、これは学校の舞台じゃないかと想像します。ジェレミーが確か別のインタビューでは若い頃に夢中になったひととして、The Central School of Speech and Dramaで一緒だったある女優の名前をあげていたと思うのですが、ちゃんと記事がみつかってからにしましょう。

ポップス、好きですよ。家ではレコードプレーヤーのスイッチがいつもはいっています。ビーチ・ボーイズとフォー・トップスはとてもいいですね。

'I'm quite a pop fan. In my flat the record player is never off. I really rate the Beach Boys and the Four Tops.'


クラシック音楽の声楽曲ではなく、ポップスのグループ名をあげているのはめずらしいです。少女向けの雑誌ということも考えたかもしれませんね。

音楽以外の趣味は散歩と乗馬、それから彼はア−チェリー愛好家だそうで、つまり弓矢を手にした現代のロビン・フッドだ。好きな食べ物は昔ながらの揚げ物フルイングリッシュブレックファストで、最高の飲み物はシャンペンだ。

Apart from music, Jeremy's hobbies are simply wandering about, horse riding, and he says he is a toxophilite, which means he's another Robin Hood with bows and arrows. Favourite food is a good old-fashioned fry up and top drink is champagne.


シャンペンは若い時からかわらないんですね。a good old-fashioned fry upというのはfish and chipsでしょうか。

追記:これはフルイングリッシュブレックファストのことだと、さきさんに教えていただきました。コメント欄をご覧ください。
http://upwardjb.blog112.fc2.com/blog-entry-736.html#comment-title
さきさん、ありがとうございました!


こんなふうで、リラックスした雰囲気のインタビュー記事です。

RM
The DeputyについてGoogle Booksで読めるものを二つご紹介しましょう。一つはあるイギリスの俳優が親しい人への手紙の中でジェレミーの演技をほめているもの、もう一つはアメリカの雑誌に載った、この芝居の社会的な反響に関する記事で、ジェレミーの写真もみることができるものです。

Sir John Gielgudはイギリスの名優の一人、ジェレミーが画家のBasil Hallwardを演じたThe Picture of Dorian Gray (1976)で、Lord Henry Wottonを演じた俳優と言えばおわかりになるかたも多いでしょう。この俳優の手紙を集めた本が出版されています。

Gielgud's Letters: John Gielgud in His Own Words
Edited by Richard Mangan
http://www.amazon.com/dp/B004GHN2OO

この本をジェレミーの名前で検索すると数ページがヒットしてなかなか興味深いのですが、The Deputyについてはこちらのページに書かれています。1964年3月17日の手紙で、Paul Anstee宛となっています。
https://books.google.co.jp/books?id=-1ZL9cJnpeEC&pg=PT181&q=deputy%20jeremy

Paul Ansteeは英国の新聞Telegraphの追悼記事によると、John Gielgudのある時期の恋人だった俳優で、舞台デザインやインテリアデザインも手がけた人で、この手紙の頃は恋人同士ではなく信頼できる友人という関係になっていたようです。
http://www.telegraph.co.uk/news/obituaries/culture-obituaries/theatre-obituaries/8047032/Paul-Anstee.html

手紙からの引用です。

The Deputyの舞台を見にいった。EmlynはひどかったけどRoubenの舞台デザインは美しかったよ。芝居はこころを打つもので、ジェレミーはとてもよかった。それとあと一人か二人、よい演技をした。全体としては見事な出来というほどではないけどね。大成功しているよ。

We went to The Deputy [by Rolf Hochhuth]—Emlyn [Williams] awful—beautiful décor by Rouben. The play impressive and moving—Jeremy [Brett] very good, and one or two others, but it is a bit cheap as a whole—an enormous success.


新聞や雑誌の劇評もいいけど、名優が親しいひとへの手紙の中で、若いジェレミーをほめているのがうれしいんです。ジェレミーより年長の俳優が1964年に率直な意見を書いている手紙を51年後の今読むと、時というものが厚い壁ではなく時折向こうが透けてみえるカーテンのようにも思えてきます。


もう一つはアメリカの雑誌Lifeの1964年3月13日号の記事です。
Homage and Hate for 'The Deputy'
LIFE 13 Mar 1964
https://books.google.co.jp/books?id=HVQEAAAAMBAJ&pg=PA28

一番上に劇中の1シーンの写真が大きく載っています。手前にジェレミーがいますね。法王やその側近達に、ユダヤ人を救うために動くことを訴えて聞き入れられなかった時の様子でしょう。そしてその下には劇場の外に集まって叫ぶ人たちの写真があります。キャプションです。

叫ぶ人たち---150人ほどのカトリック、プロテスタント、アメリカのナチス同調者までもが、The Deputyの初日に劇場の外にそれぞれ集まった。彼らの叫び声は上演中の劇場の中まできこえた。

YELLING PICKETS. Some 150 Catholics, Protestants, even U.S. Nazis parade at Deputy's opening. Their shouts were heard inside during play.


このように社会的な反響を呼び起こした劇だったのですね。一部のキリスト教徒は、キリスト教やカトリックや法王を侮辱する劇として、ナチス同調者はナチスに抵抗した若い司祭をもちあげる劇として、この劇の上演を嫌悪したのでしょう。そのようなひとたちが極端な行動に走りかねないということで、記事本文中には"[D]etectives search the house daily for bombs."(刑事が劇場の中に爆発物がしかけられていないか毎日チェックした)とあります。

このような背景を知ったところで、自分の身にも危険が及んだことを話しているジェレミーの1964年当時のインタビューから、一部を今度(次回?)引用しようと思います。

RM
前回ご紹介した1963年12月13日の新聞記事中には、My Fair Ladyの撮影はこの年のクリスマスの少し前に終わる予定とありました。ジェレミーはこの後ブロードウェイでThe Deputyの舞台に出演していて、その初日が1964年2月26日ですから、撮影終了からそれほど間がなかったわけです。こうして日付を確認しながらジェレミーの後を追っていくのも、わたしは好きです。

The Deputyの内容については以前こちらで少し触れました。
舞台 The Deputy (1964) と、映画 My Fair Lady (1964) の写真

上の記事でご紹介したのと同じ写真でそれよりも画質のよいものは、以下の記事であげた場所にまだあります。
前回の写真の続き

「以下の記事であげた場所」って、なんてまわりくどい!という方は直接こちらにどうぞ。下の方にスクロールすると写真があります。ただしこれは去年の5月のeBayのページですから、いつ削除されるかわかりません。
http://www.ebay.com/itm/261462773566

この舞台のplaybill(プログラム)は中身も含めて以下のサイトでみることができます。プログラムには写真は載っていませんがジェレミーの略歴が書かれているページはありますから、興味のあるかたはどうぞ。Inside the Playbillと書かれたところの6ページ目にあります。その最後には"Immediately prior to this production he played Freddy in the film version of My Fair Lady, to be seen later this year."(この舞台の直前にはマイ・フェア・レディの映画版でフレディを演じた。この映画は今年公開される予定だ)とあります。
http://www.playbillvault.com/Show/Detail/8061/The-Deputy


さて、今日ご紹介したいのは、The Deputyの初日のジェレミーについて書かれている1964年3月27日のアメリカの新聞記事です。ジェレミーは若い頃から演じることに真剣で、どうしても譲れないところではとても頑固だったということがわかるエピソードです。

Lyons' Den
by Leonard Lyons
Lawrence Journal-World, Mar 27, 1964
https://news.google.com/newspapers?id=oEcyAAAAIBAJ&pg=5869,7008032

ジェレミー・ブレットは"The Deputy"でイエズス会の若き司祭、フォンタナ神父を演じているが、リハーサルでディレクターのHerman Shumlinが伝えた考えに賛成できなかった。ブレットは最初のシーンで、持って来られた食べ物をフォンタナ神父が食べているところを舞台上でみせるべきだと考えた。ディレクターは何も食べるべきではないと思っていて、舞台の初日の夜ブレットに、用意したのはドッグフードのビスケットで、しかも皿にのりでくっつけたと警告した。

にもかかわらずブレットは初日の夜、犬用のビスケットを皿から引きはがして食べた。おなかをこわすことなく。

Jeremy Brett, who plays the young Jesuit in "The Deputy," disagreed with director Herman Shumlin during rehearsals. Brett thought that in the opening scene he should be shown eating the food brought in. Shumlin thought he should shun all food, and on opening night warned Brett that the food was really dog biscuits, and glued to the tray.

Nevertheless, on opening night, Brett tore the dog biscuits loose and ate them—without ill-effect.


まあ、ジェレミーらしいこと!ジェレミーにとって、ここで食べることがとても大事だったのですね。糊がついた犬のビスケットを食べてもおなかを痛くしなくて、よかった、よかった。

リハーサルでのジェレミーとディレクター、そしてローマ法王を演じた俳優の写真は以下の記事の左についていて、二人の俳優の背後にたっているのがディレクターです。以下のアドレスをクリック後、ページを左へたどってください。
New Play Controversial
by William Glover
Sarasota Herald-Tribune, Feb 16, 1964
https://news.google.com/newspapers?id=A-chAAAAIBAJ&pg=2546,3846221

写真のキャプションです。

わきおこる議論へのリハーサル --- ヨーロッパ中で物議をかもした舞台"The Deputy"がニューヨークでも上演されることになり、プロデューサーのHerman Shumlin(後ろ)、俳優のEmlyn William(左)とジェレミー・ブレット(右)がリハーサルで熱心に議論している。2月26日初日のブロードウェイ版でWilliamは法王Pius十二世、ブレットは若き司祭を演じる。

REHEARSAL FOR DEBATE—A play which has stirred controversy all over Europe, "The Deputy," is the subject of discussion in New York by producer Herman Shumlin (back) and actors Emlyn Williams (left) and Jeremy Brett, stars of the Broadway production opening Feb. 26. William plays Pope Pius XII, and Brett, a young priest.


この写真でのジェレミーの表情をみると、このむずかしいお芝居のリハーサルで、ディレクターや年長の俳優と真剣に、一歩もひかずに議論しているところを想像できます。

その真剣さから、糊のついたドッグフードも躊躇なく食べたんですね!

RM

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
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和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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