Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

今日は久しぶりに新聞記事からです。Daily Mailはタブロイド紙の一つですけれども、これは本の文章を要約・抜粋して記事にしたものだということで、それは信用してよいでしょう。本は"Me and My Shadow"という題で、著者はDeirdre Redgraveです。残念ながらアマゾンでもGoogle Booksでも、一部を読めるようにはなっていませんが、参考のためにアマゾンでのアドレスを書きます。
http://www.amazon.co.uk/dp/0006384382

この自伝の著者Deirdre RedgraveはCorin Redgraveと結婚して、後に離婚しました。結婚前はモデルだったようです。Corin RedgraveはVanessa Redgraveの兄、そしてVanessa Redgraveの娘がNatasha Richardson(「ぶなの木屋敷の怪」のバイオレット・ハンター)ですから、Natashaは著者の元のつれあいの姪になります。

ジェレミーはCorin Redgraveの父Michael Redgraveも含めて、三世代にわたるRedgrave家の俳優と仕事をしたことがあります。

以下は、本を要約しつつ引用しているDaily Mailの記事です。

I should have died, but then fate stepped in
By Deirdre Redgrave
Daily Mail, April 11, 1995
* ABRIDGED extract from Me And My Shadow, published by HarperCollins on April 24.

乳がんがみつかり、三週間に一度病院で化学療法を受けることになりました。精神的、身体的な辛さが書かれた後の部分に、ジェレミーの名前が出てきます。

がんと戦っていた間、週に一度特別な楽しみがあった。ジェレミー・ブレット、私達のあの明敏なシャーロック・ホームズが、私がどんな状況かを知ってディナーにさそってくれたのだ。ジェレミーの二度目の奥様はがんで亡くなっていて、彼は私の苦しみをわかっていた。二人が気に入っているレストランの、いつも同じ席を予約して、私をプリンセスのように大切にしてくれた。ウェイターは交際中のカップルに対するように気を配ってくれたが、私達はながい友人で完全にプラトニックな関係だった。それでも、そのようなもてなしを受けるのはすばらしかった。私はがんばっておしゃれをして、お化粧もした。化学療法のために髪が抜けてしまってからでさえ、ジェレミーは私をほめたたえて、いつもすばらしく嬉しい気持ちにさせた。

During this time I had a weekly treat: the actor Jeremy Brett, our incisive Sherlock Holmes, heard about my condition and took me out for dinner. His second wife had died of cancer, and he understood what I was going through. He would book the same table at our favourite restaurant, and treat me like a princess. We had been friends for many years, and although the waiters treated us like a courting couple, our relationship was purely platonic. Nevertheless, it made me feel wonderful. I would take the trouble to dress up and put on make-up, and even after my hair had begun to fall out he would flatter me outrageously.


病気になって定期的に化学療法を受けて、不安とからだの不調とたたかって、でもそのあいだに楽しみにしていることがあったのですね。誰かに大切にされている、気遣われている、自分が少しでも気持ちよく、こころ楽しくすごせる時間がもてるようにと、誰かが願ってくれている。特にこころが弱っているときに、大きな意味をもったことでしょう。お姫様みたいな気持ちになれる幸せというのも、想像できますね。

こういうことを、おおげさじゃなく普通に、自然にできるのがジェレミーらしいと思いました。あたたかさが内からあふれているのでしょう。

RM
前々回にご紹介したYouTubeにあるThe Infernal Machine の音声ファイルの、part 2はこちらです。
Jean Cocteau - The Infernal Machine - Part Two
https://www.youtube.com/watch?v=p6jFl916oo0

今日は1967年のカナダの新聞のレコード評をご紹介します。この欄に、The Infernal Machine のオーディオブックについて書かれています。

Record Column Christmas Suggestion
by Jacob Siskind
The Montreal Gazette, Dec 16, 1967
https://news.google.com/newspapers?&id=v8QtAAAAIBAJ&pg=4653,3791157

このすべての作品のなかで最も興奮させられて、しかもおそらく最も衝撃的なものは、Caedmonレコードが制作した二つのアルバムだろう。Jean Cocteau(ジャン・コクトー)のThe Infernal Machine(地獄の機械)とEugene Ionesco(ウジェーヌ・イヨネスコ)のThe Chairs(椅子)である。前者はMargaret Leighton(マーガレット・レイトン)がJocasta(ジョカスタ)を、ジェレミー・ブレットがOedipus(オイディプス)を演じている。(中略)

コクトーがギリシャ神話のオイディプス物語を元に書いたこの作品は、最も成功し、そして最もひとびとの感情をかきたてる戯曲の一つであり、今回のキャストは理想的なものだ。(中略)

ジェレミー・ブレットの声は最初のシーンではほんの少し、役の年齢より大人すぎるようにきこえる。特にDerek Seatonが演じた若い兵士がオイディプスと同じ年齢であるのを考えると。しかしオイディプスという人物に、聴く人はどんどん魅了される。(中略)

プロデューサーのキャスティングの巧みさはよいが、でもほんの少し巧みさが行き過ぎているという感想を最初は持つかもしれない。しかし俳優たちが見事なアンサンブルで、完璧に調和した演技をみせてくれるのをきけば、彼らを選んだ慧眼をたたえるようになるだろう。

これは今まで私がきいた、戯曲を舞台形式でオーディブックにした作品のなかで、最高のものの一つだ。


The most exciting, and perhaps the most terrifying, of all of the recordings are two albums from Caedmon records, — Jean Cocteau's The Infernal Machine (TRS 321) and Eugene Ionesco's The Chairs (TRS 323). The first is a production starring Margaret Leighton as Jocasta, Jeremy Brett as Oedipus, [...]

Cocteau's retelling of the Oedipus legend is one of his most effective, and affecting pieces of theatre and the present cast are ideally chosen for the roles. [...] Jeremy Brett's voice is just a shade too mature at first, as Oedipus, particularly when compared with Derek Seaton who plays a young soldier who is supposed to be the same age, but the characterization grows on you. [...]

In fact at first you get the feeling that the producers have been just a shade too clever in their casting, but when you find the ensemble working and blending perfectly you realize and appreciate the wisdom of their choices.

This is one of the finest recordings of a theatrical production I have ever come across.


最初のシーンでのジェレミーの声が19歳にしては大人びているということですが、比較されているDerek Seatonは調べたらジェレミーの10歳下の俳優ですから、録音時は22歳くらいでしょう。また、オイディプスのそれまでの19年の人生はすでに、その後の運命の前触れとなるできごとで満ちていました。Derek Seaton演じる、夜警にたつ若い兵士よりもはやく大人になったとしても無理はありません。私は前回も書いたとおり、ジェレミーは19歳の役を生き生きと演じていると思います。そしてもちろんこの記事にあるように、ジェレミーのオイディプスは私達のこころの中に入り込み、魅了します。

この評者が書いているようにこれは素晴らしい作品で、ジェレミーはもちろん、それ以外の俳優の演技にも引き込まれます。オイディプスの妻(実は母)ジョカスタを演じたマーガレット・レイトンは、ジェレミーがLord Goringを演じたBBCドラマ Ideal Husband (1969) でMrs Cheveleyを演じた女優、と言えばおわかりになるでしょうか。他にも舞台Variation on a Theme (1958) でジェレミーと共演しています。たとえばここにもその時の写真があります。watermarkがありますが、写真をクリックすると少しおおきくなります。ジェレミー、若いですね!
http://www.alamy.com/stock-photo-jeremy-brett-with-fellow-actor-margaret-leighton-56505127.html
http://www.alamy.com/stock-photo-margaret-leighton-on-stage-with-fellow-actor-56444575.html

ジェレミーとAnna Massey(アナ・マッシー)の結婚式の様子をうつしたフィルムにもマーガレット・レイトンの姿があり、ナレーションで名前がでていました。
ジェレミーとアナの結婚式の時のニュース映像、再度

ジョカスタが死を選び、オイディプスが自らの手で目をつぶす終盤、オイディプスの見えないはずの「目の前」にあらわれたジョカスタの声の、母としてのやさしさが耳に残っています。

これが絶版なのは本当に惜しいことです。


ところで、コメント欄にまるさんがコクトーの作品の「オルフェ」のことなどを書いてくださったので、コクトーについて少し調べていて、彼が「アンティゴネ」も書いていることをはじめて知ってちょっと驚きました。「アンティゴネ」、「オルフェ」、「地獄の機械」の三つがギリシア伝説を元にしたコクトーの戯曲作品ということでした。

なぜ少し驚いたかというと、ジェレミーは「アンティゴネ」のオーディオブックにも出ているのです。ただしコクトーの「アンティゴネ」ではなく、その元になった、ギリシャのソフォクレスが書いた「アンティゴネ」ですが。

タイトルにある「アンティゴネ」はオイディプスの娘の名前です。今日ご紹介したpart 2の一番最後(つまりこの劇の一番最後)で、アンティゴネは盲目となった父オイディプスと共に放浪の旅に出ます。ソフォクレスの「アンティゴネ」のオーディオブックでは、ジェレミーはそのアンティゴネの婚約者です。この戯曲ではジェレミーが登場する場面は限られているのですが、これも見事なのです。いつかご紹介してみたいと思っています。そしてコクトーがソフォクレスの「アンティゴネ」をどういうふうに翻案したかも、いつか読んでみたいです。


それにしても自分ではよくわかりませんが、オーディオブックがこれだけ好きというのは、誰でもというわけではなく私の一種の個性なのでしょうか。(もちろん私だけではないでしょうが。)昔から私が落語が好きだったこととも、どこかでつながっているのかもしれません。ひとの声が好き、言葉が好き、本が好きなこととも。ひとによって好きなものが少しずつ違うのも、おもしろいものです。

RM
前回はYoutubeのアドレスを書きましたが、久しぶりに音声ファイルを埋め込んでみようと思い立ちました。

(追記:いったんこの記事を公開したあと、別のブラウザで見たら埋め込んだはずのプレイヤーが見えなかったので、埋め込みじゃない形も加えました。今度はどうでしょう。)

好きなところ二カ所です。この二つの音声ファイルはYoutubeのファイル(https://youtu.be/L73Ny5uPf2Q)とは違って、LP特有のノイズがはいったままです。でも私には、これも懐かしい音なんです。

まずはオイディプスがこの劇に登場する最初のところ。







上のプレイヤーがみえない、あるいは再生されない場合はこちらをクリックしてみてください。42秒の音声ファイルです。

オイディプス: あっ!あ、すまない。
スフィンクス: 驚かせちゃった。
オイディプス: いや、うとうとして夢をみていたんだ。そしたら突然目の前に君がいて...。
スフィンクス: 動物だと思ったんでしょう。
オイディプス: まあ、ほとんどね。
スフィンクス: ほとんど?ほとんど動物って、それスフィンクスじゃない。
オイディプス: そうだね。
スフィンクス: 私のことスフィンクスだと思ったわけ。ありがとう!
オイディプス: いや、すぐわかったよ、間違ったって。
スフィンクス: スフィンクスと顔をあわせるなんて、冗談じゃないってところね、若い男の人は。
オイディプス: それじゃ、若い女の子だったら?
スフィンクス: スフィンクスは女は襲わないもの。
オイディプス: それにふつう女の子は、日が暮れて出歩いたりしないからね。
スフィンクス: 私のことはいいでしょう。もう行くから。
オイディプス: 行くって、どっちへ?

Oedipus: Oh! I'm sorry....
The Sphinx: I startled you.
Oedipus: Well, no, I was dreaming. I was miles away, and suddenly, before me....
The Sphinx: You took me for an animal.
Oedipus: Almost.
The Sphinx: Almost? Almost an animal, that's the Sphinx.
Oedipus: Yes, I know.
The Sphinx: You took me for the Sphinx. Thank you.
Oedipus: Oh! I soon realized my mistake.
The Sphinx: It can't be so amusing to find yourself suddenly face to face with the Sphinx, if you're a young man.
Oedipus: And if you're a girl?
The Sphinx: He doesn't attack girls.
Oedipus: And girls, I should think, aren't usually out after nightfall.
The Sphinx: You do well to mind your own business, young man, and let me go my way.
Oedipus: Which way?


なお、これはフランス語の戯曲からの、Carl Wildmanによる英訳にもとづいたオーディオブックですが、元の英訳と言葉が少し違うところをかきなおしました。間違っていないとよいのですが。

「それにふつう女の子は、日が暮れて出歩いたりしないからね。」(And girls, I should think, aren't usually out after nightfall.) と言った後、「そうだろう?」という感じの声が入りますよね。Carl Wildmanによる戯曲英訳版にはないのです。日本語なら「ん?」とでも書きましょうか。女の人に対して保護者のようにふるまいたがる年頃の若者の感じが出ていますね。やさしい声です。ジェレミーのアドリブでしょうか。ここ、好きなんです。

このLPが発売された1967年にはジェレミーは33歳か34歳。録音時は32歳くらいでしょうか。でも19歳の役を生き生きと演じていますよね。このあと、「名前きいていい?僕はオイディプス、19歳。」 (May I ask your name? Mine is Oedipus; I'm nineteen.") と勢いこんで言うところも、若いですね!







上と同じく、上の埋め込みプレーヤーがうまくはたからない場合は、こちらをクリックしてください。10秒の音声ファイルです。

RM
私はオーディオブックが好きです。ここでも何度かジェレミーのオーディオブックをご紹介してきました。以下にあげたオーディオブックはすべて、ジェレミー単独の録音ではなく多くの人が参加している作品です。

Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その4
Love's Labours Lost (1974) のオーディオブック再発売
Richard II (1961) のオーディオブック再発売;その2
Puss in Boots のオーディオブック (1972)

今日ご紹介するオーディオブックはJean Cocteau(ジャン・コクトー)がギリシャ悲劇の「オイディプス王」を元に書いた戯曲、"The Infernal Machine"(地獄の機械)で、これも多くの俳優が参加しています。ジェレミーはオイディプスを演じています。

この録音のことをジェレミーが話しているのをきいたり読んだりしたことは、残念ながらないのですが、「オイディプス」という名前を出しているインタビューは覚えています。

「ホームズを演じるのはオイディプスやハムレットやマクベスと同じくらいむずかしい。ホームズにいまだに夢中なのは、ホームズの演じ方が私にはまだわからないからなのです。ホームズはいまだに私の視界の少し先にいます。」少し考えて続けた。「いや、さらにまたその先です。宝探しみたいなものです。」

"[Holmes] is as tough to play as Oedipus or Hamlet or Macbeth. Why he fascinates me still is the fact that I still can't play him, he's still one field ahead of me." He pauses. "Two fields. It's like a treasure hunt."

Tracking the Master Sleuth
by Louise Sweeney
Nov 14, 1991, The Christian Science Monitor
http://www.csmonitor.com/1991/1114/14121.html

ジェレミーはハムレットもマクベスも演じていますね。そしてオイディプス役もこのオーディオブックで演じて、印象が強かったのでしょう。

私にとってもこれはとても思い出深い作品です。2012年5月にこんなふうに書きました。
俳優であることの重圧;インタビュー記事 When the lights went out (1990) より

最近、ジェレミーがギリシャ悲劇のオイディプスを30代で演じたオーディオブックのLPを手に入れて、聴いています。ジャン・コクトーがオイディプス悲劇を元に書いた「地獄の機械」のオーディオブックです。「おまえは父を殺し、母と交わって子をもうけるだろう」という神託のままに、地獄の機械の歯車がまわって圧倒的な悲劇の結末へと進んでいくオイディプス、しかも最後の時が来るまで、歯車が止めようもなく回っていることを知らないこのオイディプスを演じる、ジェレミーの声と表現のすばらしさ。英語を母語とする人ならはるかにそれを感じられるでしょうが、私でもジェレミーの演技に息を飲み、魅了されます。19歳の若者の時から、自らの目をつぶして、娘にともなわれて絶望のうちに放浪する最終場面まで。(シェークスピアよりはわかりやすい英語です。でもこういう時は特に、英語母語話者をとてもうらやましく思います。)

この時の感想に何も足すことはありません。(あ、でも、英語母語話者をうらやましく思う気持ちはその頃より薄れました。その言葉の母語話者ではないからこその受けとめ方、近づき方があると思えるようになったからです。)

さて、これは私の知る限りでは現在絶版です。CDとしてもデジタルオーディオファイルとしても販売されていません。ですからYoutubeでの場所をここでお知らせしてもよいでしょう。2013年にアップロードされて、二つのパートに分かれています。

まずは登場シーンです。下のアドレスをクリックすると、19歳のオイディプスが育った国を出て、それと気づかずにスフィンクスと出会う場面から再生されます。スフィンクスは若い女性の姿に身を変えています。

Jean Cocteau - The Infernal Machine - Part One
https://youtu.be/L73Ny5uPf2Q?t=47m57s

47分57秒から58分45秒までが若い女性との会話、ここが見事なんです。若者の冒険心・野心・自尊心。一方で神託への恐れと、でも自分の力でそれを跳ね返せるという自信。美しく勇敢な若者の魅力と若さの持つ傲慢さの両方があらわれています。

そして女性はスフィンクスの姿にもどります。ここからスフィンクスののろいの言葉が続き、スフィンクスの独壇場、1時間03分あたりから、あのスフィンクスの謎かけの場面です。でもこのあたりはともかく、オーディオブックがお好きな方、ジェレミーの声の表現がお好きな方、ホームズ以外を演じるジェレミーもお好きな方は、若い女性としてのスフィンクスとの58分45秒までの会話をどうぞおききください。

スフィンクスを演じているのはDiane Cilentoで、Troilus and Cressida のオーディオブックではCressida役で、Troilus役のジェレミーと共演しています。

この続きは(多分)次回です。

RM
初春のおよろこびを申し上げます。私は静かにのんびりと過ごしていますが、ここに来て下さる皆様はどのようにお過ごしでしょうか。

今日は1991年の新聞記事から引用します。これは、おもにグラナダ・シリーズの宣伝のために、アメリカの各地をまわった時のものです。この時期のアメリカでの新聞記事はいくつもみますが、これは私が特に好きなインタビューで、今までここでも3回、記事中のそれぞれ違う場所を引用しました。

最初の2回は2011年で、英語の原文を併記することをこのブログの原則にしていなかった頃でした。3回目の2012年には原文を引用していますが、今日ご紹介する、Google News Archiveにある記事のアドレスは書いていませんでした。紙面をみることができるアドレスをご紹介すると、このインタビュー記事の全部を読めることを喜ぶかたもいらっしゃるのではないかと思いまして、4度目のご紹介です。

また、何度も書いたことがありますが、私は元々の新聞や雑誌の紙面の形で記事を読むのが大好きなんです。時間をこえていけますもの。この記事については、以前参加していたフォーラムと他の新聞記事データベースとで、どちらもテキストとして(つまり文字だけの情報で)読んでいて、Google News Archiveにもこれがあることに気づいていませんでした。ですからこれをみつけた時はとてもうれしかったことを覚えています。

さて、Google News Archiveでのページはこちらです。新聞名や日付や記事の見出しは以前紹介したのとはちがっていて、それは通信社による配信記事を複数の新聞社がちがう日に独自の見出しで紙面に載せたからです。

It's Elementary: He loves doing Sherlock Holmes
by Jane Sumner
The Pittsburgh Press, Nov 10, 1991
(下のページの左上では1991年11月9日の記事となっていますが、スキャンした紙面を見ると11月10日となっています。)
https://news.google.com/newspapers?&id=ZOUcAAAAIBAJ&pg=5779,6115475

アドレスの他に、以前は原文を書いていなかったところを英語の原文つきで、和訳も少しかえて載せてみます。

1987年にシカゴの11歳の少女から届いた手紙は忘れられないものだった。

「俳優の友達から私が出演している劇場に電話がありました。『明日この番号に電話してくれる?ルイーズ・アンが君の大ファンなんだ。君とベット・ミドラーが好きなんだよ。』素敵でしょう。それで、なぜかわからないけど翌日でなく、すぐにその番号へ電話をかけたんです。芝居の幕があがる30分前でした。彼女の叔母さんが電話に出ました」とブレットは言う。

女の子は眠っていて、彼女の叔母は電話があったことを伝えてくれると言った。

「私の気持ちを言付けました。ルイーズ・アンは目をさまして私からの言葉をきいて、そして亡くなりました。白血病だったのです。そのあと、この世を去る3週間前に書いてくれた手紙が届きました。その手紙のなかで私のことを思って、幸せにすごしているか気にかけてくれていました。」

彼女が亡くなった後、彼女の友達と手紙をかわしたが、その友達も15歳の時に交通事故で亡くなってしまった。

「だから私には、守ってくれる二人の天使がいる、そういうことなのです。」


And an unforgettable one, in 1987, came from an 11-year-old girl in Chicago.

''A friend of mine, an actor, rang me at a theatre I was playing and said, 'Can you ring tomorrow this number? Little Louise Ann is your greatest fan. She likes you and Bette Midler.' I love that. So I don't know why I did it, but I picked up the phone then—it was about half an hour before the curtain went up—and I spoke to her aunt,'' Brett says.

The girl was asleep, but her aunt promised to tell her of his call.

''I sent love, and she woke, received my message and died from leukemia,'' he says. ''I then had a letter written about three weeks before she died. And it was a letter of such unbelievable care and cherishment, saying she was concerned about me. [...] "

After the girl's death, he corresponded with a friend of hers. And then, at age 15, the friend was killed in a car accident.

''I can only tell you,'' he says, ''that I have two guardian angels. And that's all there is to that.''


ひとがひとをおもうということ、そのことをこの1年あまりよく考えるので、久しぶりに読んだこの記事でジェレミーの気持ち、その少女たちの気持ちを思います。

RM

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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