Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

ジェレミーが役になりきるbecomerであることについて、それに関連する記事を紹介している2回目です。今回はジェレミーの言葉ではなく、それをみていた人の言葉で、出典はGoogle Booksを検索していてみつけたThe Baker Street Journalです。これは1934年に創設されたシャーロッキアンの団体であるBaker Street irregularsの機関誌ですが、その内容がネット上で部分的にとはいえ読めるとは思いませんでした。今日ご紹介するのは1995年のVolumes 45-46からで、同じ号にジェレミーの追悼式 (1995年11月29日、St. Martin in the Fields Church )のことが書かれていますので、1995年末か1996年に刊行されたのでしょう。

本を部分的に読める場所はここです。
http://books.google.com/books?id=KHsrAQAAIAAJ

グラナダ版シャーロック・ホームズをアメリカで放映していた、アメリカの公共放送サービス(PBS)のために、ジェレミーは1991年にアメリカの各都市をまわりました。その時のことを書いた記事です。検索語を入れながら、少しずつ読める範囲をずらしていくと、かなりの部分を読むことができます。ただし誰が書いたかがわかるところまでは、たどりつきませんでした。Baker Street irregularsの会員の1人であることは間違いないでしょう。一番最後には読めた部分の原文をあげます。(最近原文も記載しているのは、著作権にふれない引用の形にとどめた上で、資料の整理をしておきたいからです。)この文章の部分的翻訳はmixiに投稿しましたが、再度記載したいと思います。引用部分の最後のところを読んでにっこりとしました。

私は幸運にも、1991年10月にミズーリ州セントルイスにいました。ジェレミー・ブレットはPBSのためのプロモーションツアーで、セントルイスの市街地をおとずれていました。 集まった聴衆の1人から、なぜ鹿撃ち帽とインバネスを身につけていないのか、と尋ねられた時の彼の答えは『私がジェレミー・ブレットだからです。私がホームズだったら良いのにと思っていらっしゃるかもしれませんが、私はそうじゃないんですよ』というものでした。でもその後、イリノイ州チェスターの少年、マイケル・マクルアが、シャーロック・ホームズに会えると思って来たのになあ、とブレット氏に残念そうに言いました。そのものおじしない天真爛漫さに、ブレット氏の決意は簡単にくじけ去って、説明をはじめました。『ホームズにみえるようにするのは難しくはないんだよ。でも、ずっとホームズでいるのは、とても難しいんだ。』そう言いながらブレット氏は、椅子にすわった背中をまっすぐにし、髪を手で後ろにおさえ、そしてシャーロック・ホームズとなりました

最後のところを読むと、ジェレミーの姿が目に浮かぶようです。ジェレミーはホームズになる時、本当に顔がかわりますね。ホームズだけでなく、演じる役によってびっくりするほどかわります。顔も身体つきも動作も。これこそ、becomerであるからだと思います。

そしてジェレミーは、ホームズになるのは演じる時だけ、と決めていたのですね。でもジェレミーはいつも子供にやさしいのです! 子供がホームズを好きなことを、いつもとても喜んでいます。その少年は一瞬のうちにホームズになったジェレミーをみて、どんなに喜んだことでしょう。

ちなみにこの少年の名前は、The Baker Street Journalの前の号にも出てきて、Baker Street irregularsの会員の息子さんだそうです。そして彼の誕生日にジェレミーが電話をかけてくれたことが書かれています。(今日紹介した部分は1995年に書かれた文章ですが、1991年のできごとです。彼の誕生日にジェレミーが電話をかけたのは、1991年のアメリカツアーの後です。)ジェレミーはひとのために何かをしてあげることがごく自然にできて、そして自分自身もそれを楽しんでいたのだといつも思います。David Burkeの誕生日にホテルのレストランで、Davidのためにセレナーデを歌ってあげ(て、Davidは恥ずかしがっ)たというエピソードがあります。誕生日を祝ってあげたいという気持ちは、おそらく一度会っただけのアメリカに住む少年に対しても、かわらなかったのでしょう。そういうところがとても好きです。

RM

The Baker Street Journal: an irregular quarterly of Sherlockiana, Volumes 45-46, 1995
"World Where It Shall Remain 1895"
Page 198

... Sometimes, Sherlockians forget that there is a world outside our particular niche in the universe as a whole. This was the case of Clapton, a musician, and Brett, an actor. They were so focused on their areas of expertise that they had forgotten that to the world in general, their sphere of influence is like a drop of water to an ocean. Brett did not realize, when he accepted the role of Sherlock Holmes, that he would be expected by the faithful to become the celebrated detective. When someone in the audience asked why he did not attend in a deerstalker and cape, his answer was, "I am Jeremy Brett. As much as you might wish I were Holmes, I am not." This answer puzzled some in attendance.

Later, young Michael McClure of Chester, Illinois expressed his chagrin at expecting to see Sherlock Holmes, and meeting the actor. Mr. Brett's resolve melted when faced with such unabashed innocence, and he offered an explanation. "It is not difficult to appear as Holmes," he said, "but it is very difficult to sustain the character for long periods." With this, Brett sat straight up in his chair, pulled back his hair, and became Sherlock Holmes.



The Baker Street Journal: an irregular quarterly of Sherlockiana, Volumes 43-44, 1993
Page 189

... Michael McClure reports that Jeremy Brett reported (in a telephone call to wish his son, also named Michael, a happy birthday) that Granada is now in rehearsal for a one-hour version of The Red Circle, and that their plans call for a total of six new shows (the other five not selected at the time of the call). ...
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 RM

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