Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

イートン時代のジェレミーについて、特に聖歌隊でソロを歌っていた時のジェレミーについてご紹介する3回目です。

Colin Clarkという人が、「Younger brother, younger son: A memoir」という1997年出版の自伝の中で、イートンでのジェレミーにふれています。この人は1932年生まれですからジェレミーより一歳年長、イートン出身で、ローレンス・オリビエが監督した映画の製作に関わったり、グラナダ・テレビで働いたり、アメリカのPBSで働いたりしているようですが、ジェレミーと直接一緒に仕事をしたことはなかったようです。でも同じ分野ではたらくものとして、ときどきジェレミーと会っていたとこの本の中で書いています。彼が書いた、イートンでのジェレミーの描写を抜粋して訳します。引用はGoogle Booksのhttp://books.google.com/books?id=GbYcAQAAIAAJからです。

「学校に通う少女が、女子だけの学校で上級生に夢中になるように、男子しかいないイートンでも少年の間で同じようなことがおきた。私のイートンでの最後の3年間で、私も含めてほとんどの少年が夢中になったのは、一人の少年だった。

「少年の名前はジェレミー・ハギンズといって、彼は聖歌隊で歌っていた。考えられる限りで最も美しいソプラノの声、そして美しい顔立ちだった。

「聖歌隊の白いローブを身にまとい、整えられた茶色の髪を輝かせて、その眼は天上に向けられ、その口からは澄み切った歌声が響いた。彼が旧約聖書の詩編を歌うと、皆はうっとりとして恍惚となった。

「時がたって変声期をむかえて、彼の声はやわらかなテノールになった。そして彼の顔立ちはさらに美しくなった。

「彼は後に俳優になり、ジェレミー・ブレットと名前をかえた。

「私たちは同じ業界にいたので時々会っていた。私は彼には何も言わなかったが、イートン時代の私にとって彼がどういう存在だったかを、彼は知っていたようだった。彼は魅力的で悲しげで誠実で、昔とかわらず美しかった。」


聖歌隊でのジェレミーの姿を、想像できる気がします。

このように、ほとんどすべての学生に憧れられて、注目の的になっていたことを、当時のジェレミーがどのように思っていたか、ファンフォーラムでも少し意見がわかれていました。今、私が思うのはこういうことです。多感な少年の時期に皆の注目を一身に集めたことは、時として負担だったかもしれません。一人になりたい時もあったことでしょう。この本の著者は、重荷だっただろう、ということを感じていて、それが「悲しげ」という言葉に投影されているようです。今回訳さなかった部分にも、そのような描写があります。

一方で、フォーラムにつどうファンの声には、ジェレミーは自分が生徒達をひきつけていることを重荷に思ってぺしゃんとなるような、そんなやわな人間ではない、というものがありました。私はそれを読んで、なるほどと思い、安心しました。今までの2回で紹介したように、聖歌隊で歌うことはジェレミーにとってすばらしい経験で、歌にふれるとともに、聖なるものにふれる時間だったのだと思います。そして、歌を聴いている人に自分の声を通じて何かを伝え、観客の心を動かす経験は、演ずることへのあこがれをさらに高めたのでしょう。

ですから聖歌隊でソロで歌ったことは、何度もインタビューで言及するような、懐かしい幸せな一瞬だったのでしょう。イートンでの生活自体に対しては、「幸せ」の一言では片付けられないことを示すようなインタビューもあり、懐かしいThe Grangeを離れた寄宿舎生活が、感受性が強いジェレミーに苦痛も与えたことは想像に難くありません。でも今回は、聖歌隊で歌うジェレミーが声も姿も際立って美しかったことを言祝いで、最後にジェレミーの声について、ジェレミー自身の言葉でしめくくります。残念ながら出典はわかりませんが、ネット上の、ジェレミーの言葉を集めたサイトに載っていたものです。

「その子が歌いだすと、その声があまりに美しくて、皆がうっとりして思わず椅子に身を沈めるような、そんな子がいますが、私もそういう子供の一人でした。その声は私自身が努力して得たわけではなく、本当に神様から授かったものでした。」

RM
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