Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

つい先日eBayにジェレミーのとても素敵な手紙が出品されました。俳優Vincent Priceに宛てた1991年の手紙です。英語圏のファン・フォーラムでこれが紹介されると、皆が楽しそうにいろいろなことを書いていました。ジェレミーの手書きの文字は私には時々読めないことがあるのですが、皆がわいわいきゃーきゃーと感想を書いてくれたおかげで、今回はわかりましたので、文面も含めてこの手紙をご紹介します。

まず簡単にこの手紙の背景から。Vincent Priceは1911年生まれのアメリカの俳優で、文化人としても有名だったそうです。ジェレミーより20歳以上年長なのですね。エドガー・アラン・ポー作品など、ホラー映画の主役として活躍し、マイケル・ジャクソンの「スリラー」では曲中のナレーションを担当したそうです(http://en.wikipedia.org/wiki/Vincent_Priceを下へスクロールした中程、右側の「Vincent Price - "Thriller"」と書かれた文字をクリックすると、このときの声をきくことができます)。また、アメリカでグラナダ・ホームズを放送したPBSの番組「Mystery!」は、ジェレミーの最愛の奥様Joanがプロデューサーでしたが、Vincent Priceはこの番組のホストを1981年から1989年までつとめました。eBayの出品者からの説明には、ジェレミーはJoanを通じてVincent Priceと知り合った、と記されています。ちなみにグラナダ・ホームズの第一作目、「ボヘミアの醜聞」のアメリカ放送時に、Vincent Priceがホストとしてこの作品について話している映像が、YouTubeにあります。作品がはじまる前、そして作品が終わって、クレジットロールの前に話す部分が、この映像には含まれています。そしてさらにクレジットロールの後には、プロデューサーとして、ジェレミーの奥様 Joan Wilsonの名前を見ることができます。
Mystery! Intro with Vincent Price: Scandal in Bohemia

ウェブサイトBrettish Empireのhttp://www.brettish.com/later-stages.htmlの上から3つ目の画像でJoanの右にいるのは、説明文には書いてありませんが、Vincent Priceなのではないかと思います。「Mystery!」の打ち合わせ中の写真なのではないでしょうか。

出品者による説明には、さらにこのように書かれています。

「この手紙は、1991年11月にジェレミー・ブレットがヴィンセント・プライスに宛てた手紙であり、ブレットはロサンジェルスへの旅行を終えてイギリスへ帰ったところだった。ブレットはロサンジェルスに滞在していた時、ビバリー・ヒルズ・ホテルでヴィンセントとその娘であるヴィクトリアとディナーを楽しんだ。」

1991年11月ということは、何度もここでもお話しているPBSのためのプロモーションツアーで、ロサンジェルスを含むアメリカの都市をまわった後、イギリスに帰って手紙を出したのですね。

それではまず、封筒の表書きです。航空便であることを示すためにジェレミーが描いた上向きの矢印がなんて可愛らしくて、遊び心に満ちているのでしょう!U.S.A.から伸びる矢印についてはフォーラムでは誰も何も言っていませんでしたが、これはアメリカから長い距離を帰ってきましたよ、という感じかしら、と思ってみていました。
JBLetter1.jpg


次は手紙の最初の部分から。Clapham Commonのフラットの絵がついた便せんなのですね!「僕のうちです」と最上階を丸で囲っています。楽しげに丸を描くジェレミーを想像できます。
JBLetter2-2.jpg

次が最後の部分ですが、この部分の前に、1枚かそれ以上の文章が書かれているようです。この写真と上の写真をみると、どちらにもうっすらと文字が透けてみえますから、どちらも裏にも書かれていたのでしょうか。
JBLetter3.jpg

この最後の部分では、「Victoria(Vincentの娘)に一杯の愛を伝えてください。そしてあなたの息子さんにもいつかお会いできるのを楽しみにしています。」と書いた後、

Dear friend, do try &
get some swimming?
It's the gentlest & bestest
exercise in the world.

Meanwhile,
Tons of love
from Jeremy B.

「ヴィンセント、水泳をやってみるのはどうですか?泳ぐのはとても適度で、そして一番良い運動ですよ。
それでは、ものすごくたくさんの愛をこめて。Jeremy B.」


"bestest"がキュートだ、という声があがりました。goodの最上級のbestをさらに強調してbestestとしているのですね!そしてヴィンセントの身体を気にかけて、水泳をすすめているのがジェレミーらしいですね。(このときヴィンセントは80歳です。お元気な80歳だったのでしょうね!)会ったときに水泳の話が出たのではないでしょうか。ジェレミーは泳ぐことが好きだったようで、ホームズの役をひきうけるために体重を落としたときも、主に水泳で、と言っていましたし、休暇に島や海に行った話も何度かききました。海辺での写真も何枚かみたことがあります。

そして最後の "Tons of love" がとても素敵ですね。

この手紙に関しては、大文字の "D" がとてもセクシーだと言う人がいて、同意の声があがりました。D の書き方が独特だ、とは私は気がつきませんでしたが、確かに、D に限らなくてもとても生き生きとしたペンの運びで、見ているだけで幸せになれそうです。

ジェレミーの声の魅力は皆様ご存知でしょう。Vincent Priceも声が独特なことで知られていたようです。ですからこの二人がそれぞれあの声でおしゃべりしているところを想像できる?とか、何を話していたか、壁の虫になってそっと聴いてみたいと思わないファンがいるかしら?などという声があがっていました。「壁の虫になってそっと聴きたい」などと言う表現を読んで、ちょっとうれしくなりました。とても素朴で、そして万国共通の思いですね!

以上が今回の手紙のご紹介でした。以前ジェレミーの私信をご紹介したことがあります。あの時も踊るようなペン運びをみているだけで楽しくなりましたが、今回の手紙はあの時以上に読んでいる私たちを幸せにしてくれるような気がします。

RM
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コメント

なんと魅力的な矢印。。

もう、もう、本当にかわいいです!!ぎゅいーんって上にあがる矢印!
U.S.A.からの矢印も、ジェレミーがこれを書いてるときの顔を想像するとかわいくてたまりません。

「僕のうちです。まる。」って、いいなぁ。プライスさんはこんな手紙をもらえて幸せ者です(笑) わたしも欲しいです。

ジェレミーは水泳が好きだったんですね。
最近、通勤電車でホームズを読んでて昨日ちょうど「ライオンのたてがみ」を読んでたんです。被害者のマクファースンは「リューマチ熱に続いて心臓に病気をかかえ」、「すらりと背の高い好青年」で、「生まれつき運動神経がよくて」、泳ぐのが好き。…というところを読んでジェレミーを思ったのは言うまでもありません。再読なんですが、一回目に読んだときにはこの描写が特に印象に残らなかったので、ジェレミーのことをいろいろ知ったがゆえでしょうね。(単に記憶力の無さのせいだったりして)

通勤中には、本だけでなくスマホも見ます。この記事も読んだのですが、ああもうかわいいよ!やじるし!という内心の叫びが表情に現れて不審な人になってなかったかちょっと心配です。

こちらもまた、ジェレミーらしいですよね!

まるさん、こちらでもこんにちは。昔の記事も読んでくださって、うれしいです。

>ジェレミーがこれを書いてるときの顔を想像するとかわいくてたまりません。

こういうところがあるんですよね、ジェレミー。アメリカ・ツアーでの楽しい日々を思い出して、ヴィンセント・プライスにも楽しかったという自分の気持ちを届けたくて、「ぎゅいーんって上にあがる矢印」(素敵な表現!)を書いたんでしょうね。

>プライスさんはこんな手紙をもらえて幸せ者です(笑) わたしも欲しいです。

私も欲しい!

>ジェレミーは水泳が好きだったんですね。
最近、通勤電車でホームズを読んでて昨日ちょうど「ライオンのたてがみ」を読んでたんです。

水泳の話はよく出ます。ご存知かもしれませんが、古くはオードリー・ヘップバーンとプールで泳いだ話とか。(う、うらやましい。どちらも。)
http://upwardjb.blog112.fc2.com/blog-entry-184.html

「ライオンのたてがみ」、私、読んでいないかもしれません。今度読んでみましょう。

本を読むと、その時々で気持ちが動く場所や動き方が違いますね。一度読んだだけで終わってしまう本もありますが、ご縁がある本というのは、何度も読んでその都度いろいろな思いをいだきますね。

>通勤中には、本だけでなくスマホも見ます。この記事も読んだのですが、ああもうかわいいよ!やじるし!という内心の叫びが表情に現れて不審な人になってなかったかちょっと心配です。

うふふ、表情に出るタイプなんですね。

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 RM

Author: RM
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