Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

ラジオ番組 Desert Island Discsで、ジェレミーが最愛の奥様Joanの話をしている部分をご紹介しています。今回は、ホームズを演じるようになってからの話です。

そしてそれから重大な転機が訪れたのです。僕はシャーロックを演じることになりました。それはイギリスの北部のホテルにずっと泊まりっきりになることを意味していました。そして僕たちに残された時間が少ないことを、その時は知りませんでした。1985年7月4日に彼女の命が終わることをその時は知らなかったのです。僕たちは庭をつくろうとしていました。子供を授かるのには遅かったので、すばらしい庭をつくろうとしていたのです。(どこにですか?)まだ決めていませんでした。庭作りに良い気候の場所をさがしていたのです。僕はLos Angeles(ロサンジェルス)を考えていました。僕たちはもちろんWisconsin(ウィスコンシン)はどうだろうかと話していました。Warwickshire(ウォリクシャー)も考えていました。すごく大きな庭園にしようとしていたのです。

ジェレミーはホームズの撮影期間はマンチェスターのミッドランド・ホテルにずっと泊まることになりました。ですからJoanに会う機会もそれまでよりもはるかに限られていたのでしょう。

庭園をつくることを考えていた場所のうち、ロサンジェルスはジェレミーがアメリカを拠点として仕事していたころの家があった場所、ウィスコンシンはJoanの生まれた場所、ウォリクシャーはジェレミーが生まれたところです。大きな庭園、と言いながら楽しそうに笑っています。


そして突然、彼女は僕の元から奪い去られたのです。(何がおきたのですか?)それは...ガンでした。とても急でした。ひどい衝撃で、そして僕は二人で最後に踊ったときのことをよく覚えています。ロックフェラーセンターの最上階のRainbow Roomでした。美しい桜の季節で、僕はブロードウェイでの "Aren't We All?" の芝居で、いわば美しい桜のような成功の中にいました。彼女は銀色の服を着て、たとえようもなく美しく、繊細ではかなげでした。そして...そこで最後のダンスを踊って...そして僕は彼女を失ったのでした。

でも僕には彼女が遺してくれたすばらしい二人の子供がいます。Caleb(ケイレブ)とRebekah(レベッカ)、そして最初の結婚の時に生まれた息子がいます。ですから泣きません。でも彼女の生命の輝きは戻ってこないのです。


Joanがガンのためにとても心配な状態であることをジェレミーが知ったのは、「最後の事件」のロケ地のスイスに滞在していたときだったそうです。(The Morning Call, Nov 10, 1991)撮影終了のお別れパーティのために風船をふくらませながら、ジェレミーはJoanのことを心配していた、という記述がBending the Willowにあります。

そしてJoanが亡くなったのは "Aren't We All?" の上演中でした。ジェレミーは "Aren't We All?"を最後までつとめて、アメリカをはなれ、ロンドンにもどりました。Joanが亡くなった後もこの喜劇に出続けたジェレミーは、どんな気持ちだったろうと思います。どうやって演じたか何も覚えていない、と言っているのを読んだ記憶があります。からだとこころと魂が分離したような状態だったのではないかと思って、胸が痛みます。

CalebとRebekahはJoanの以前の結婚で生まれた子供達ですが、ジェレミーは自分の子供としてとても愛していました。子供が3人、といつも言っています。

Joanと踊った最後の時のことを話すあいだ、ジェレミーはその時を思い出すように悲しげで、時に途切れがちに時に少しささやくような声になります。そしてJoanが遺した二人のことを話しはじめるとき、声が少しふるえています。

泣きません( No tears. 涙はなしです)、とジェレミーは言っていますが、その後これからご紹介するところでは、悲しむために十分な時間を自分に与えてください、急に涙が出ても驚かないでください、と、大切な人を亡くした人にむかって話しかけています。そしてこの収録が終わったあと、ジェレミーはJoanを失った悲しみにおそわれて、悲嘆の内にスタジオを後にしたことを知っています。

RM


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前回の記事に拍手を下さった方、どうもありがとうございました。こころがほんわりとあたたかくなりました。

何かつながりを感じたくて、たまらなくなったのです。それで拍手ポタンをつけてみたのでした。やさしく励ましていただいた気持ちです。ありがとうございました。
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