Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

フォーレのレクイエムから「楽園にて」という美しい曲を、ジェレミーが今は亡きお母様とJoanに捧げたところを前回ご紹介しました。このラジオインタビュー「Desert Island Discs (1991)」 は、ウェブサイト「Jeremy Brett Information」で聴くことができます。くわしくは前回の記事をご覧下さい

この曲が終わった後、司会者がジェレミーにこう言います。最初は、レクイエムの歌詞からの引用です。

(「天使が楽園であなたを迎え入れてくれますように。」ジェレミー、今、あなたのお子さんたちの写真をみせていただいていますが、これからお子さん達にお会いになるのですよね。)

そうです。これからボストンへ行って、James(ジェームズ), Deanna(ディアナ)、Christine(クリスティーン)にも会うのです。僕の可愛い孫達です。そしてEsther(エスター)にも会います。エスターは今でも自転車に乗っているんですよ、家の中でね。彼女は90歳、義理の母です。だからとても楽しくすごせると思います。とても幸せにすごせるでしょう。来週末です。


ジェレミーがみせた写真には、お孫さん達もうつっていたのでしょうか。ジェレミーが3人の孫の名前をあげるとき、その声はいとしげであると同時に、なにかあふれてくる感情をおさえているように、私にはきこえます。お母様とJoanに捧げた曲が終わったあと、Joanが遺した子供達の写真をみて、Joanがこの世にいた時のことを思い出していたのではないでしょうか。その後、義理のお母様のことを話すところは、とてもやさしい口調です。


それからクリーブランドとシカゴへ行きます。今回僕はとても素晴らしい旅行をしています。これはもちろん、公共放送を宣伝するための旅です。(ちょっと質問してもいいですか?)

そして司会者は、アメリカ人がイギリスにとてもあこがれているのに驚いていますか、それとも当然だと思っていますか?とたずねています。これに対して、ジェレミーは多分とてもウィットに富んだ答えをして、司会者は大笑いに笑っているのですが、ここが私にはよく理解できません。アトランタへ行ったときに、ジョージア出身の人に話をききたかったけれども、たずねた一人はエチオピア出身、一人はイギリスのウェールズ出身だった、ジョージア出身の人に会うのはあきらめなければならないのか、と思った、ということのようです。出身国の違いはもちろんあるけれども、今は皆が出身をこえてまざりあって生活していて、それは好ましいことだ、という気持ちからの答えだったと想像しています。実際ジェレミーはアメリカ人のJoanと結婚して、一時は生活の拠点をアメリカにうつしていますから。そしてジェレミーはヨーロッパの多くの国や、南アメリカやオーストラリアにも行っていますから。

この後ジェレミーは話をもとにもどします。先ほど「これは公共放送のための旅です」と話し始めた時には、これは Joanのための旅であること、そしてこれから話すことへと続けるつもりでいたのでしょう。


僕が伝えたいと思っている本当に大切なことは、これから話すことです。

人生で大切な人を失ったとき、たやすくすぐに回復できるとは決して思わないでください。
あなたが思っているよりもずっと多くの時間を、自分に与えてください。
2年3年たって急に涙があふれてきても、決して驚かないでください。
男の人でも涙が頬をつたって流れるのです。
思いもよらない場所で、たとえばエレベーターの中や運転している車の中で突然涙があふれるのです。
あなたが思っているよりもずっと時間がかかることを、どうぞ覚えていてください。


ジェレミーは少しゆっくりした口調で、文と文の間で少し間をおきながら話しています。悲しみを経験した人に、このことをどうしても伝えたかったのだと思います。きいている人にも、そして自分自身にも話しかけるような口調です。男でも泣くのです、と言いながら、ジェレミーは静かな声で、以前の自分を思い出して話しているように思えます。ここをきくとき、私はいつもジェレミーが悲しみとともに生きてきたことを思い、愛する人を失ったひとを少しでもなぐさめたいという、こころの底からの気持ちを感じます。

RM
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