Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

「The Typewriter」を観たメンバーから、感想が書き込まれました。
(このテレビドラマについては、こちらでふれました。
ジェレミーが双子を演じたThe Typewriter (1962) のロンドンでの上映

今日はドラマの設定にふれたあと、彼女の感想の概要と、今後私たちが観ることができるとしたら、どんな方法があるかについて簡単にご紹介ます。ただし、ここに書く設定は、「The drama of fallen France」という本を参考にしたものです。これはドイツによる占領下のパリでつくられ上演された戯曲を紹介する本です。ですから、設定はイギリスでのテレビドラマ化の時に一部がかわっているかもしれません。

主な登場人物は、ジェレミーが演じる双子であるPascalとMaxim(BFIのプログラムではMaximeとなっています)、その父Didier, Didierが引き取って育てたMargot(女性)、近くに住む美しい未亡人のSolange、そしてDidlerの友人で警察につとめるFredです。The Typewriterと名乗る人物からのタイプされた中傷・恐喝の手紙が土地の有力者、尊敬をあつめている人たちにおくられ、自殺者も出ました。タイトルはこれに由来します。Fredはその正体をつきとめようとしています。(筋を知りたくないかたは、次の段落一つ分をとばしてください)。

Pascalは「良い」青年、神経質で誠実で、でも少しおもしろくないタイプの青年のようです。Pascalの双子の兄弟Maximは刑務所を出たばかりで、ひそかに村にもどってきてかくれている、冷笑的な青年です。Maximは世間の目や権威のある人の言葉などは馬鹿にする性質で、年長の未亡人であるSolangeと関係をもちます。実はMaximの父はSolangeとの再婚を考えているのですが。一方双子と共に育ったMargotは、Pascalと結婚することになっていましたが、Maximにひかれています。ドラマの後半で、Pascalは実はみかけとは違ってMargotに誠実ではなかったことがわかります。The Typewriterの正体は最後にわかるのですが、すべてが悲劇のかたちに終わります。

彼女の感想の概要はこうです。ジェレミーの演技はまだ発展の半ばだが、瞬間的な半分の笑い、まゆを上げるやりかた、目に悲しさが一瞬やどるところなど、後年みられる独特なスタイルの萌芽がみられる。そして青年として、美しい容姿にある種の居心地の悪さを感じているようにもみえる。最初の何シーンかをのぞいて、主にMaximを演じるが、Maximが持つ感情の激しさが演技の中にとらえられている。言語障害の名残がMaximよりもPascalに多くみられるのは興味深い。Maximはより強くはっきりとした口調で話し、ジェレミーが言語障害を表に出さないように後年使うようになったrolling rs(rの発音をころがすこと)をすでに思わせるような発音をしているからである。

しかしドラマの筋は弱く、不自然である。脅迫者の正体はみている人にはほぼわかってしまう。テープは保存状態が悪かったようで、ぼやけたところが多くみられ、ほとんどの時間、音声に雑音がはいる。このことと、このプログラムの権利関係のことを考えると、これがDVDとして販売されることはあまり考えられないように思う。

以上が感想の概要でした。なお、この上映の前に彼女が教えてくれたところによると、BFIには無料でコンピュータ上で映像作品をみることができる施設(Mediatheque)があるそうです。
http://www.bfi.org.uk/whatson/bfi_southbank/mediatheque

このドラマがそのコレクションの中に入れば、BFIに行けばこの作品をみることができるようになります。日本にいる私たちにはハードルが高いですが、これがMediathequeのコレクションの中に入ることを、まず待とうと思います。そしてDVDになることについても、望みは持ち続けます。若い頃のジェレミーが双子の役にいどんだ作品、これをできるだけ多くの人がみることができるようにと願っています。一度は失われた作品と思われていたのですから。

若い頃は言語障害の名残があったことについては私たちにはよくわからないのですが、ネイティブスピーカーにはわかるのですね。他の初期作品についても、他の人が指摘していました。ジェレミーが俳優としては大きなハンディキャップを持っていたことにあらためて気づき、どうしても俳優になりたいというジェレミーの意志の強さと、そのための努力を思って尊敬の気持ちを持ちます。そしてホームズなどで顕著な、あのrolling rs(ころがるrの発音)は、おそらく言語障害克服の過程でジェレミーの特徴になったのですね。

唯一このドラマの写真として手に入ったものがこれです。一番左がジェレミーです。クリックで少し大きくなります。
Typewriter1.jpg

そしてりえさんのブログに、ロンドンにお住まいのTさんの感想と、りえさんのコメントがアップロードされました。とても生き生きとした、素敵な文章です。(7月26日追記)
ジェレミー出演映画「The Typewriter」

RM
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コメント

あらすじ、有り難うございます!

RMさん、ちょっとご無沙汰しておりますー。
うちも、近日中にこちらの上映会のレポを上げたいと思います。その際には、ぜひリンクを宜しくお願いします。

二役は、「カモメ島」の時もそうでしたが、今回はもっと面白そうですね!
若い頃のジェレミーの演じ分けが、見てみたいですね!
ああ、私も上映会に行きたかったです。
日本から、ひたすらDVDになることを祈るばかりです。
ちなみにマキシムという役柄は、二度目ですね(^^)

りえさん、コメントいただけてうれしいです!

そして、リンクして下さるとのこと、うれしいです。(私、りえさんの記事に、いつもお断りせずにリンクさせていただいています。いつもありがとうございます。)

若い頃のジェレミーもみたいですよねえ!キスシーンもあったみたいですよ。ああ、ジェレミーのことをまたりえさんとお会いしてお話したいです。

お友達の感想はどうでしょう。楽しみにしています。マキシムが2度目ということ、りえさんが書かれるまで気づきませんでした。「カモメ島」は私も思い出しましたよ。あれは40代後半でしたね。こちらは20代後半、みてみたいです。

リンクさせて頂きました

直接劇場にいかれたTさんの感想をアップしました。
とても生き生きしていて、楽しまれたご様子です♪
この二つの役、とてもメリハリ効いていて、ギャップに萌えそうです!!
本当に見たいです(>_<)
RMさん、素敵な情報を有り難うございました。
Tさんも、感謝の言葉と宜しくお伝え下さいと、申し使っております。二人とも感謝でいっぱいです。有り難うございました♪

りえさんのブログ、楽しみました

すごく素敵な感想で、私もあらためて、是非是非みたくなりました。Tさんの感想を読んでの感想を、りえさんのブログのコメント欄でまたお話させていただきますね。Tさんへの感謝の気持ちを、私からもどうぞお伝えください。

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