Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

「『The Secret of Sherlock Holmes』上演時のインタビューで、「昨日も新しい発見がありました」と話しているのを読んだことがあります。」と前回書いたら、その記事に再会しました。何カ所か引用します。1989年8月の記事です。

「ホームズをどこかに押し込めておくことなんてできません。私はもう26の作品を撮影しましたが、毎回ホームズをおいかけて、毎回新しい発見があります。」

ホームズはいつも自分の一歩先を歩いている、とブレット氏は言うが、ブレット氏はよりどころを持っていて、それに従って、この探偵の内面からの声を語ることができる。「正典が僕の中にあるんです。ドイルは僕の中にいます。だから僕はそれに従ってその中から選び、いつも新鮮に感じることができます。」

「ホームズは女性の直感も持っています。だからホームズは意識にのぼらないようなレベルで直感的に判断します。それはいつも正しくて、それでスコットランド・ヤードの先を行くのです。」

「僕は今ホームズを演じるのに夢中なので、新しい表現方法が毎日自然に思い浮かんで、突然新しい理解が生まれます。昨日の夜も、ホームズの独白を演じる新しい方法をみつけました。バルコニーの方を見上げて、こころを開いて、観ている人の感情が、僕が語る言葉へとあふれて流れ込んでくるままにしていました。そして突然、ホームズの中の敏感な感じやすさの新しい面を知ったのです。ホームズの内面、ホームズへの手がかりをまた一つみつけました。」


The Globe and Mail, August 03, 1989

ジェレミーが舞台上で、魔法のように観客をひきつけている様子を想像できる気がします。そしてその時ジェレミーは自分自身のこころをホームズへ、そして観客へと、開いているのでしょう。

私はずいぶん言葉を費やしましたが、最後の部分は原文ではこうです。英語のニュアンスは私にはわかっていないかもしれませんが、ジェレミーは短い言葉で、ありきたりではない表現で、的確にその時の感じを伝えている、という気がします。

" I looked up toward the balcony, let myself open up, and let the audience flood into the words I was speaking. Suddenly I had found a new vulnerability in Holmes. Another essence. Another clue."

ジェレミーは本当に演じることが好きだったということ、でも情熱だけをよりどころに演じていたのではなく、よく考えよく感じ、ものすごく努力していたということを、いつも感じます。

女性の直感を持っている、ということも、ジェレミーが何度か話しているのをきいています。ナツミさんが最近のブログで、BBCのSherlockが書いた(という設定の)事件記録を紹介してくださっていて、これがとてもおもしろいのです。そしてナツミさんは、Sherlockがまず直感で、これは「絶対に」事故ではなく殺人だ、と書いていることを紹介していらっしゃったので、うれしくなりました。

ナツミさんのブログの「推理の科学~緑のはしご事件」

ちなみに私はこの前の記事では、ホームズがこころの奥の奥では感情がゆたかであることをジェレミーが話しているのを書いたのでしたが、その記事を書いた後にナツミさんのところをのぞいたら、「人間離れした機械のようなイメージの後ろに、見え隠れする人間くささ」と書いていらして、その共時性(シンクロニシティ)ともいえるものにじーんとしてしまいました。

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