Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事で、

外の出来事も内の感情も、来ては去るものだということ
そして「私」とは、来ては去るもののうつわであり、場であること

と書きました。来ては去るものは意味がない、というわけではありません。来ては去るものと、時を超越するものとを混同しないように、と考えていました。



前回の記事を書いた後で(そしてこの記事も数日前に下書きをして、その後で今、この段落を書き足しているのですが)ある出来事がおきました。なぜこのようなことがおきたのだろう、これは本当のことなのだろうか、と現実感を失う時もあります。この出来事もこの感情も、たしかに今ここにあるけれども、来ては去るものなのだということ。これからどうなっていくかわからないけれども、すべては来ては去るものであること。それを感じていようと思います。



「来ては去る」ということを感じる時、いつも私の心の中にはジェレミーの声で"Comes and goes”という言葉が響きます。これは以前「最期の日々(1)」のところでご紹介した、1995年9月3日に放送されたラジオ番組"The Week's Good Cause"(今週の慈善活動)での言葉です。この番組中でジェレミーは、自身の双極性障害(躁鬱病)について語り、自分もあてはまりそうだと思う人に、受診して治療を受けることをすすめるとともに、ラジオの聴取者に躁鬱病患者友の会への寄付を呼びかけてています。

この番組の録音音声は、以前の記事でご紹介したYouTubeのもの以外に、Jeremy Brett Informationでも聴ける(ダウンロードできる)ようになりました。場所は下に示します。”This Weeks Good Cause BBC Radio Four (on behalf of the MDF).mp3”を左クリックすると聴くことができ、右クリックでダウンロードできます。ダウンロードにあたっては、営利目的で使用しないようにお願いいたします。前にも書きましたが右は雑音のみですから、右のスピーカーを切って聴くとはっきりときこえます。
http://jeremybrett.info/media.html

以前、葉月さんのブログのコメント欄で、わかる範囲で聴き取って、概略を訳したものを書かせていただいことがありました。その後、比較的忠実に書き写したものが、"The Man Who became Sherlock Holmes"の本に載っている事に気づきました。今回はあらためて、そちらから訳します。

この本について簡単に述べると、これはいろいろと問題がある本で、伝記と思ってはいけなくて、雑誌や新聞の記事などの資料を適当に(時に年代無視、状況無視、そして出典をまったく示さず)配置した上で、その間を著者が想像力を駆使してつなげた本と思っていただければあっていると思います。資料そのものについては、インタビューで「私は」とジェレミーが話しているところを、「ジェレミーは」と三人称に書き換えて、事実として地の文に組み込み、他は書き換える手間を惜しんで、言葉づかいもほとんどそのままだったりします。ですから、資料からの文章と創作とをきちんと読み分けることができれば、役に立つ本です。

このラジオ番組については、ジェレミーの終生の友人の一人だったTarn Bassett Gresserが聴いていた、という設定にしていて、ジェレミーの言葉をほぼそのまま載せています。

"Comes and goes"という言葉は、この番組中でジェレミーが話していることのごく一部にすぎず、特に重要な箇所というわけではありません。ですから、今日の記事を書くきっかけ、というぐらいに思ってください。ただ、「特に重要な箇所というわけではありません」と書きましたが、その一言一言のすべてを大切に思っている、と言う方が自分の気持ちにかなっているかもしれません。

この録音もまた、何度も何度もききました。2年前の秋から冬にかけての月曜日の朝、毎週暗いうちに家を出て、空が明るくなった頃、同じ場所でしばらく一人で待つ時間があったのですが、その時にいつもこれをきいていました。あの時の高い窓からみえた空、山、緑、朝の空気を思い出します。

次回から、少し省略しながら訳していくつもりです。

RM
関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://upwardjb.blog112.fc2.com/tb.php/198-d66effcc

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

全ての記事を表示する

06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 

QR