Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

1995年9月3日に放送されたラジオ番組"The Week's Good Cause"でのジェレミーを紹介しています。

ご存知のとおり、この番組での声が、ジェレミーの公の場所での最後の声となりました。亡くなったのが12日ですから、亡くなる9日前になります。The Manic Depression Fellowship(躁鬱病患者友の会)への寄付を募り、あわせてこの病気への理解を一般の人にも深めてもらい、この病気の人が診断を受け適切な治療と援助を受けられるようにするために話しています。

ジェレミーは寄付の総額については、知ることなく亡くなったのかもしれません。でもこのラジオ番組が放送に先立って「今週のおすすめの番組」("This Week's Top Picks" )として大きくとりあげられたことを喜んでいたそうです。(Brettish Empireより。http://www.brettish.com/tbev2-05.html)

ジェレミーの声はゆっくりとはじまり、弱々しくさえあります。最初のところでは、特に声が低くなると途切れがちになります。でもそれから次第に力がもどってきて、呼吸が苦しい状態とはとても思えません。いつもとかわらず魅力的なのです。声にあたたかさとほほえみと真剣さと、こころからの気持ちがこもっているのが感じられます。雑音だけの右のスピーカーを切るか、左のイヤホーンでどうぞお聴き下さい。最後にThe Manic Depression Fellowshipの住所と電話番号を繰り返す時の、「朗々と」と言っていいような調子、そして少しの沈黙のあとでの "Thank you." という深みのある声に、胸がいっぱいになります。これが公には最後の声です。でも今は悲しさよりも賞賛の気持ちをより多く持ちます。

ラジオの受信状態がかわったのでしょう、後半では音声のボリュームが上がり、少し聴きにくくなります。ボリュームを下げてお聴き下さい。

ジェレミーがこの番組に出演することになった経緯について書きます。シャーロッキアンの団体、The Northern Musgravesが1996年3月に開いたジェレミーを追悼する会で、The Manic Depression Fellowshipの理事の一人、Myra Fulfordが話しています。(Sherlock Holmes Gazette, issue 15, 1996の記事から。)

この病気とのたたかいについて、ジェレミーが1994年の新聞で率直に語っているのをMyraは読んで、こころを動かされていました。それで、このラジオ番組の話が出たときに、ジェレミーに連絡をとったそうです。ジェレミーはすぐに承諾しました。Myraの言葉です。

"'Darling, use me! I want my illness to benefit others.' He was boyishly delighted by the programme. We raised more than 6,000 pounds from broadcast."

「どうぞ僕をつかって! 僕の病気が、人の役にたつようにしたいんだ。」ジェレミーはこのプログラムに出演するのを少年のように喜んでいました。この放送のおかげで、6000ポンド以上の寄付金がよせられました。

また、これに先立つ1995年11月29日に、教会での追悼式でMyraが語ったことを、Michael Coxが同じ号に書いています。

Myraはこのプログラムのために何人かの人に頼み、次々と断られ、ついにジェレミーに連絡をとります。Michael Coxの文からです。

Her demonstration of the response, with arms spread wide, was instantly recognisable: "Darling, use me!"

Myraはジェレミーの返事を、両手を大きく広げた仕草でやってみせてくれたので、すぐにわかった。「僕を使って!」


この仕草は、「空き家の怪事件」の時の、ワトスンと再会したホームズの仕草を思い出させてくれます。私はジェレミーを思うとき、まずあの瞳を、そしてしっかりと抱きしめる姿を、ジェレミーのあたたかさの象徴として思い浮かべるのですが、こうして両手を広げる仕草もまた、ジェレミーを感じさせてくれます。

ジェレミーの言葉を訳すつもりでしたが、それは次回からにします。

RM

追記:私は携帯電話もスマートフォンも持っていない時代遅れの人間なので、コンピュータの画面以外でこのブログがどのようにみえているのか、わかりません。スマートフォン用テンプレートというのが未設定になっていることに気づいて、今日設定しましたが、どう変わったかもよくわかっていません。何か不都合がありましたら、よければ教えてください。

iPadも持っていません。Macintoshは、Macintosh Plusの頃から使っているのですが。Macintosh Plusは今調べたら、1986年1月の発売なのですね。ジェレミーが亡くなった次の年です。(追記:間違えました!Joanが亡くなった次の年ですね。)そして先日、アップルの創始者の一人、スティーブ・ジョブズ氏が亡くなりました。

ジェレミーが亡くなってからの年月の流れと、自分の人生の流れと、生きることと死ぬこととを感じます。

追記その2:コメント欄にウェブサイトのアドレスを入れようとしたら駄目だというのです。私がそう設定したのかしら?というわけで、このアドレスを書くのはみんみんさんへのお便りの一部ですが、ジェレミーの素敵な写真がたくさんありますから、皆様もよければどうぞお楽しみ下さい。こちらのページです。http://jeremybrett.livejournal.com/88385.html
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コメント

ただ、書き込みたくて…。

こんにちは、RMさん。
大したコメントがあるわけではないのです…ただ、今回のRMさんの記事を拝読して、なんだか胸がいっぱいになってしまいました。私もジェレミーのあの仕草が大好きです。
私事ですが今日10日は主人の月命日です…。私も改めて『生きること、死ぬこと』を考えさせられました。
どうもありがとう!!!!!

みんみんさん、こんにちは。

署名の時は、どうもありがとうございました。そして今回も書き込んでくださって、ありがとうございました。

こうして、同じ気持ちを持ってくださるかたがいらっしゃるのは、本当にうれしいです。私もあの両手を前にのばす仕草、大好きなんです(Myraには両手をもう少し左右に広げたのでしょうね)。そしてあの後、気絶したワトスンの頭を右手で支えながら、左手でワトスンの額から頬にかけて、やさしい手つきでさわりますよね。ジェレミーは、いたずら好きでお茶目な面、あたたかくて愛情あふれた面、そしてとても繊細にひとのこころに寄添う面があって、あのシーンではすべてがあらわれているような気がします。

ご主人様をお亡くしになられたのですね。お悲しみはどれほどだっかと、お察し致します。ご主人様の魂は今もみんみんさんを見守っていらっしゃるとお感じでしょうか。そうでしたら、私にとっても力になります。すべては流れ去って行くものだけれども、その奥でつながっているものがあることを、私は感じる時がありますし、感じたいと思っています。今、私の身近で大切な人が「生きること、死ぬこと」を目の前にしています。誰もが「生きること、死ぬこと」を本当は目の前にしているとはいえ、これほど深くかんじることは、私は今までなかったような気がします。

私事を書いてしまいました。お許し下さいませ。ただ、お礼を書きたかっただけなのです。どうぞまたいつか、お声をおきかせくださいね。「ジェレミー素敵、きゃーきゃー」と言う記事も書きますので、「きゃーきゃー」だけのコメントでも大歓迎です(うふふ)。

こちらこそ

RMさん、どうもありがとうございます。
読者の皆さま、ごめんなさい。もう少し書かせて下さい。
私には霊感も何もありませんが、今でも主人が傍に居るのを感じます。話しかければ、私の話に答えてくれるのも分かります。確かにこの境地になるには少なからず時間を要しましたが、今では人間としての『時間』は全て流れ去っていきますが、その奥には魂の不変があると信じています。このコメントが、少しでもお役にたてば幸いです。
閑話休題。
あのシーン、本当にジェレミーの優しさが滲み出ていますね。私も大好きです。役者さんは役作りをするのでしょうが、でもその人の人となりは演技をしていても自然と滲み出るものだと思います。
DVDを観ていて思うのですが、ワトスンを観るホームズの瞳…ホームズってワトスンに恋してるんじゃないかしら…って時々思ってしまいます。
きゃ~、ジェラシー!!!
あー私も見つめられたかったぁ~~~。
失礼しました!
ありがとうございます!!!

ありがとうございました。

みんみんさん、どうもありがとうございました。

ご主人様が傍にいらっしゃるのを、感じていらっしゃるのですね。とても力になりました。私たちは今人間としての『時間』の中で生きているけれども、それを越えたもの、その奥にある大切な何かを感じていらっしゃるのですね。みんみんさんのコメントの後半まで読んで、声をあげて笑って、それから涙が出ました。ジェレミーを愛するかたと気持ちをわかちあえて本当にうれしいですし、励まされました。

そして、「きゃー」の部分です(うふふ)。そうなんです、ホームズの中にジェレミーが滲み出ていますよね、あのシーン。そしてジェレミーの瞳は、どうしてあんなに素敵なんでしょうね!マーカス・タイラー氏の写真集の5枚目の写真(21ページ目)を部屋に飾っているのですが、部屋のどこにいてもジェレミーの瞳は私を優しくみつめてくれているのですよ。悲しい時はちょっと悲しげに、うれしい時はジェレミーもとてもうれしそうに。

ファンフォーラムのこの記事の下から7枚目に、小さめですが同じ写真があります。私の部屋のジェレミーは(うふふ)もっと素敵なのですが、よければご覧下さいね。と書いてウェブサイトのアドレスを入れたのですが、なぜかコメントを受け付けてくれません。自分のブログなのに設定がわかっていないなんて。というわけで、「The Week's Good Cause (1995) その2」の記事の最後に追記で入れます。

ありがとうございます!

RMさん、こんばんは。
私もこちらのサイトで励まされています!!!
ありがとうございます!
ファンフォーラム、拝見しました!
素敵な写真が満載で、またしても『きゃ~!!!』です。
良いですね、良いですね!!
私も写真集欲しいけど、英語がさっぱりで(涙)
DVDの紹介などでよくUKのアマゾンのサイトとかのリンクを貼ってますが、買い方も分からないし…。
この歳から英語はきついけど、英語って出来ると世界広がりますね。
御堪能なRMさんが羨ましいです。
これからも楽しみにしています。
いつもありがとうございます。

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