Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事「建築中のグラナダスタジオでの写真;A Study in Celluloidより」では221Bの内装を作っているところでの写真を載せましたが、おそらく同じ日に撮られたと思われる写真が、The Television Sherlock Holmes(Peter Haining著)にあります。今度はベーカー街の建築現場で撮られた写真です。

TVSherlockHolmes1.jpeg
TVSherlockHolmes2.jpeg
Source: Jeremy Brett Information

キャプションはそれぞれ、
"A dream starts to become reality. Jeremy Brett on the Castlefield lot in 1982 as the building of Baker Street begins."
"Jeremy Brett visits the Baker Street set during construction with director, Paul Annett."
です。

2枚目は前回もご紹介した、撮影第一作「美しき自転車乗り」の監督Paul Annettと一緒です。今日ご紹介した2枚の写真では、ジェレミーは前回の快活な笑顔とはまた別の顔をみせてくれています。

ジェレミーが手にしている赤い本には "The Illustrated Sherlock Holmes Treasury" とあります。パジェットの挿絵付きのホームズ傑作選ですね。アメリカのランダムハウス社の本のようです。
http://www.amazon.com/dp/0517205009
(Amazonのこのページにつけられた写真をみるとジェレミーが持っているのと同じですが、出版年が1988年になっていて、ジェレミーが持っている版の次の版かもしれません。また写真は出版社が提供したのではなく一般の人が投稿したものですので、このページの本を注文してこの写真の本が届くかはわかりません。)

(追記:今日Tumblrにこの本はアマゾンで手に入るこの本だ、という投稿がありました。これが上記で私が触れた本の以前の版のようで、1976年の出版です。同じことを考えて調べる人もいるのだなあ、と思っておかしくなりました。2012.8.4)

撮影がはじまると、特に初期の頃は、ジェレミーはたくさん書き込みをしたホームズの本を現場にいつも持っていっていたそうですが、ここで手に持っているこの本だったのでしょうか。本の中をみてみたいですね。

この赤い表紙の本については、1991年のアメリカでのインタビューで触れています。Jはジェレミー、Kはインタビューアです。(途中でインタビューアが「私たち」と言っているのは、奥さんが同席していたからです。)インタビューの全文はこちらで読めます。
http://homepage.mac.com/kevinmurphy1532/Writer/new_material--or_why_no_mor_2/restored-jeremy-brett-inter.html

J You see, in London, in 1982, when I came back and tried to buy The Strand Magazine, I couldn't find one. I couldn't find Doyle's complete works. I did, eventually find one in Foyles, in London, and it was an American edition, which had been sent over and not been collected, and that's how I got one. Now, Doyle is everywhere. Everywhere! So, that's pleasing to Dame Jean, particularly, because she's the last of her line...
K That's sad.
J ... and longs for Daddy to be in his proper place.
K We have the American version. It's quite old now, but I'm glad we were able to get it...
J It's in a red cover.
K It's--yeah, I think so.
J It is. That's the one I've got.
K It's quite thick
J That's right.


一部を省略して訳します。

J ストランドマガジンを手に入れようとしたのですが、1982年のロンドンではみつからなくて、ホームズ全集もなかったのです。ロンドンの書店 Foylesでやっとみつけたのは、アメリカで出版されたホームズ選集でした。でも今ではドイルの本はどこの書店にも置いてあります。どこでも買えます!ドイルのお嬢さんのJean Conan Doyleもとても喜んでいますよ。
K 私たちもアメリカの版を持っています。もうずいぶん前に手に入れたのですが、気に入っていて...
J 赤い表紙の本でしょう。
K そう、そうだったと思います。
J 私が持っているのと同じですよ。
K かなり厚いですよね。
J 厚い本です。


1982年頃は、イギリスではホームズはそれほど人気がなかったのですね。古典でもはやりすたりの波があるのでしょう。でもグラナダ・シリーズの人気のおかげで、再びドイルの本が本屋にたくさん並ぶようになったのでしょう。当時、グラナダ・シリーズの写真を表紙に載せたペーパーバックのシリーズもありました。

ジェレミーが病のために、ホームズをもう演じられないとわかった年にファンに言ったという、この言葉を思い出します。「子供の感受性(「Mystery!: A Celebration」から)」でご紹介した言葉です。

「アーサー・コナン・ドイルは21世紀へと無事に受け継がれたと思いますよ。なにはさておき、それはできたと思います。」

こんにちでもホームズが本の中でも映像でも生き続け、あるいはまた新たな形で生まれていることを、ジェレミーは喜んでいると思います。

RM
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コメント

見たことある

写真です。色々なことが胸の中に秘められていたのでしょうね。

>本の中をみてみたいですね。

本当に覗いてみたいな~。RMさんの記事だったかと思いますが、本がばらばらになるほど読み込んでいたんですよね。

>「アーサー・コナン・ドイルは21世紀へと無事に受け継がれたと思いますよ。なにはさておき、それはできたと思います。」

そうです、今も古いもの、新しいもの、様々な形で受け継がれていますね。ジェレミーにも見えているかな?ありがとう、ジェレミー。

本当に・・・。

RMさん、こんにちは。

 本当に、受け継がれたと思います。
 読んでいて、また涙が出てきました。
 いつもありがとうございます。


だいさん、みんみんさん

お二人が共感してくださって、とてもうれしいです。ジェレミーが、ドイルの原典にたいして、そしてホームズの映像の歴史とそれに関わったたくさんの人達にたいして、強い責任感を持っていたことを知っていますから、ジェレミーの言葉は心に響きますね。

「あなたは見事に責任を果たしただけでなく、私たちに今も尽きない喜びを与えて下さっています」と伝えたいし、ジェレミーはどこかで何かの形で、それを感じていると思います。

だいさん>RMさんの記事だったかと思いますが、本がばらばらになるほど読み込んでいたんですよね。

これは私ははじめてですが、本当にそうだったんだろうなあ、と思います。多分、たて横斜めに、たくさん書き込みもしていたでしょうね。

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 RM

Author: RM
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