Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事で触れましたが、ウェブサイトThe Brettish Empireに、ジェレミーのバルバドスでの友人のお便りが2010年に載りました。一部を訳してご紹介します。原文はこちらです。
http://www.brettish.com/a_77th_birthday_tribute_to_jerem.htm

ジェレミーはバルバドスで、私の家族と多くの時間を過ごしました。(ジェレミーはドイルの本をバルバドスで読み始めたのです。祖父の本でした。)

ある時など、私たちを車に乗せてピクニックに行く途中で、ジェレミーは車をとめて砂糖きび畑の真ん中に皆を座らせてノエル・カワードがつくった歌を歌い、その後それぞれの名前を入れた歌をつくって歌ってくれました。

ジェレミーが誰にでもとても親切に接してくれたこと、年長者から子供にいたるまで、そして動物にもとてもやさしかったことを懐かしく思い出します。本当にこころのあたたかい人でした。

ジェレミーが私たち家族と一緒にうつっている写真を今でもよくながめます。今もこの世にいてくれたらなあ、と思います。前妻の父のお葬式のために私たちが島からイギリスへと飛んだ時に、一緒に来てくれた時のことは決して忘れないでしょう。私の前妻の家族と会うのははじめてでしたが、ジェレミーがいてくれたおかげでお葬式の日の夜は、アイルランドのお通夜でおこなわれるような、亡くなった人の人生を言祝(ことほ)ぐ集まりになりました。

この世を去る少し前に、ロンドンの Fulham Roadの私の事務所に、私と私のパートナーへのお祝いのために、リーデルのシャンペングラス2つを持って訪ねてきてくれました。そのグラスでいつも私たちは、懐かしいジェレミーに乾杯をしています。


上の訳には入れませんでしたが、この手紙では「ジェレミーはホームズを撮影することになっていて」と書かれています。前の記事やそのコメント欄に書きましたが、ホームズ役の依頼がいったん来た後に、著作権のことでドラマ制作に関して法律問題が起きたために、正式に制作が決まってプロデューサーから再度の依頼があったのは実際にはこの後の9月のはずですが、ジェレミーのこころはホームズの方へ向き始めていたのでしょう。そして本を読んだことで、ホームズがジェレミーの中で生き生きと動き始めて、気持ちが決まったのでしょう。

二つ目の段落に書かれているノエル・カワードは「"A TALENT TO AMUSE: Noel Coward's 70th Birthday Concert" のCD」の記事でも触れましたがジェレミーにゆかりの深い人で、劇作家、作曲家、作詞家、俳優、歌手など、たくさんの肩書きを持つ才人でした。彼のつくった歌の後は、即興で皆の名前を入れた歌を歌ってくれたのですね。砂糖きび畑で歌うジェレミーを想像してください。

David Burkeも、満員のレストランの中で自分のこと、家族のことを歌われて、顔が真っ赤になったという話を披露してくれていました。
Bending the Willowの無料サンプルより(David Burkeの文章 その2)

ジェレミーはお年寄りにも子供にも動物にもやさしかった、というのも、いかにもジェレミーらしいですね。手紙の主が「動物にも」と付け加えた時、何かジェレミーと動物(犬でしょうか)との間の具体的なことが頭にあったのではないかしら、と思います。

「アイルランドのお通夜でおこなわれるような [...]」と訳したところは、原文では "an Irish-style celebration of a life" となっていて、ウェブで調べたらアイルランドには、お通夜の時に悲しむというよりは、お酒を飲みながら故人の楽しい話をして、その人生を祝う風習があるようです。
http://www.yourirish.com/traditions-of-an-irish-funeral

こんな言葉を載せたブログもみつけました。
「アイルランドの葬式と結婚式の違いは一つだけ――大酒飲みが一人多いか少ないか。」
http://eirememo.exblog.jp/10971623/

そして"[...] he turned the evening after the funeral into an Irish-style celebration of a life." とあるのは、ジェレミーがいたおかげで、お葬式の日の夜は、故人がどんなに素晴らしい人生をおくったかをお祝いするひとときになった、ということだと思います。ジェレミーはいつもまわりの人のことについて、おざなりでない純粋な気持ちからの興味と思いやりを示す人だと感じています。たとえばレストランではウェイターに、あるいは花を売りに入ってきた苦学生に、そしてグラナダ・スタジオではスタッフに、個人的なことも尋ねていました。多分この時も亡くなった人のことをいろいろと尋ねて、皆がそれに答えて故人との出来事を思い出す中で、その人生を祝い感謝の気持ちを持つ集まりに自然になったのでしょう。

シャンペングラスも、シャンペンを贈るのが好きだったジェレミーらしいですね。亡くなる前にもそのようにして、友人を訪ねて楽しいひとときを持てたことを知って、うれしく思いました。


私はこうやって、いろいろな人がジェレミーのことを語るのをきくのがとても好きです。多面的にジェレミーを知ることができて、新しい姿もみることができて、でも根本のところでは私が思っている姿とは変わらず、ああ、あなたはやはりそういう人でしたね、そういう人生をおくりましたね、とジェレミーの人生を祝う気持ちになります。それが、日々の生活の中で時に忘れてしまう、この世界と、この世界に生きることへのあたたかい気持ちを思い出させてくれます。

RM
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コメント

いつもありがとうございます。

RMさん、こんばんは~。
いつも心温まる素敵なエピソードをありがとうございます。
こんな素敵な記事が書けるあなたがとても素敵です!!!
本当にありがとうございます。

みんみんさん、こんばんは!

こちらこそ、いつもありがとうございます。
こうしていつも共感して下さって、
声を届けて下さって、本当にうれしいです。
私がこのブログを続けていく上で、どんなに力になっていることでしょう。

そしてジェレミーは本当に素敵な人ですよね。
ジェレミーを知ることができてよかったなあって、もうそればっかりです。

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 RM

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