Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前の記事のコメント欄で、「俳優は一つの型にはめられるのを恐れるようなので、David Burke = Watsonととられるのは現役俳優としてはちょっといやかもしれないと思っていました」と書いた後で、そういえばグラナダ以降にデイビッドがWatsonを演じた「Sherlock Holmesの伝記」ドキュメンタリーがあったし、別のConan Doyleのドキュメンタリーではプレゼンターもつとめていたはずだ、と思い出しました。

そしてエドワード・ハードウィックもグラナダ以降に、映画でコナン・ドイルを演じています。デイビッドもエドワードも、ワトスンやドイルとのご縁が続いたのですね。ジェレミーの2代目ワトスン、エドワードはともかくとして、初代ワトスンのデイビッドも、ということは、もしかしたらご存知ないかたも多いかもしれません。(私もすっかり忘れていました。)それで、今日はそのことを記そうと思います。

それではまずは、デイビッドがワトスンを演じた、「Sherlock Holmesの伝記」の方からご紹介しましょう。

Sherlock Holmes: The Great Detective (1995)
http://www.imdb.com/title/tt0397870/

これはアメリカのA&E Networkというケーブルテレビ局がつくったBiographyという伝記ドキュメンタリーシリーズの中の一つです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Biography_(TV_series)

「シャーロック・ホームズ:名探偵」の回にデイビッドがワトスンとして出演しています。映像データベースサイトのIMDbでは1995年5月22日放映としていますので、ジェレミーが亡くなる前にすでに制作も放映もおこなわれていたことになります。デイビッドとジェレミーの間で何か会話があったかしら、あったとしたらどんなだったかしらと想像しています。

これはDVDになっています。
http://www.amazon.com/dp/B001R60ERA
amazonのページのカスタマーレビューによれば、このドキュメンタリーはPeter Cushingのホームズを集めた、このDVDセットに含まれているそうです。
http://www.amazon.com/gp/product/B001TE6P78

ホームズはもちろん実在の人物ではないのですが、この番組は伝記の体裁をとりながらホームズを紹介し、物語が書かれた背景や、人々がどのようにホームズに魅了されたか(そして今も魅了されているか)についてもふれています。内容はシャーロッキアンであればご存知のことが多いのだろうと思います。でもこの番組がとてもおもしろいのは、デイビッド・バークのワトスンがホームズを語ってくれるところです。

The Sherlock Holmes Society of Londonの集まりで会長が、今日はホームズを実在の人と考えましょう、と言った上で、ホームズについて語ってくれる最良の人としてワトスンを出席者に紹介するのです。それがデイビッドです。デイビッドははじめからワトスンとして話し始めます。「この会にお招き頂いて光栄です。ホームズもここに来られたらよかったのですが、ご存知のように引退して養蜂家になっていますから」と。

前の記事のコメント欄にナツミさんが書いてくださったように、デイビッドはグラナダシリーズでワトスンを演じたことにも、ワトスン以降の仕事にも誇りを持っているから、だからこんなに見事にこんなに楽しそうに、10年後に再びワトスンを演じてくれたのだと思います。

次は、2007年にITVで放映されたドキュメンタリーです。これは残念ながらDVDにはなっていませんし、YouTubeでもみつかりません。デイビッド・バークはプレゼンターとして出演し、ナレーションも行っています。

The Shackles of Sherlock (2007)
http://www.imdb.com/title/tt1148762/

(2013年2月追記:YouTubeにこのドキュメンタリーがアップロードされていたのを、tamaさんに教えていただきました。
http://www.youtube.com/watch?v=51UIDWhCeo4


出演者の中で他に知っている名前としては、David Stuart Daviesがいます。この番組はIMDbによれば、2007年11月17日に放送されています。

そして同じ日にITVで、こちらのドキュメンタリーも放映されています。この2作が放送されたのはSherlock Holmes Weekendという枠だったようです。

Elementary My Dear Viewer (2007)
http://www.imdb.com/title/tt1148759/

これもDVDになっていません。この「Elementary My Dear Viewer」にはデイビッド・バークは出ていませんが、エドワード・ハードウィックが出演しています。その他にグラナダ・シリーズに出演した俳優のRobert Hardy (The Master Blackmailer)、Denise Black (Shoscombe Old Place), Barbara Young (The Three Gables) がシリーズについて、ジェレミーについて話しています。こちらの映像はYouTubeに現在あります。一つ目のリンクは、ジェレミーに関して上記の俳優達が話しているところを取り出したもの、二つ目のリンクは番組全体です。

http://www.youtube.com/watch?v=xlE2ovV0vM0
http://www.youtube.com/watch?v=yazRE6FVlmg

エドワードがグラナダ以降にグラナダ・シリーズやジェレミーを語ったプログラムについては、これ以外に以前この二つの記事中でご紹介しました。
2011年5月22日
Time Shift (BBC) より"A Study in Sherlock" (2007)

エドワードはさらに、この映画でドイルを演じています。
Photographing Fairies (1997)
http://www.imdb.com/title/tt0119893/

これはとてもいい映画だそうです。ポーランドでは何度も放映されているそうで、ポーランドのメンバーがとても好きだと言っていました。ネットで調べてもほめている人が多い映画ですが、現在DVDは購入できないようです。


デイビッドが、そしてエドワードがグラナダ以降にもドイルに関わってきた歴史をたどってみました。ワトスンを演じたことが、俳優としての二人にとって大切な財産だったのだろう、とうれしく推察するともに、私たちにとってもなんと大きな贈り物だったのだろう、とあらためて感謝と敬愛の気持ちをいだきます。

RM
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コメント

ドキュメンタリー拝見しました!

こんな贅沢な番組があったのですね!
ご紹介ありがとうございます。
エドワード・ハードウィックの元気な姿が見られて、とてもうれしかったです。ちょっと恰幅がよくなっているのも、「『最後の挨拶』に出てきた老ワトスンはきっとこんな感じだ!と嬉しくなってしまいました。歳をとるとよくあることだとわかっていてもやっぱりうれしい!

役者さん=役ではないけれど、私のように虚構と現実を混同してしまいがちなファンもやっぱりいて、それは役者さんにとって気持ちのいいことではないかもしれません。そういうファンの気持ちに応えてくれる懐の大きさ、とてもありがたいです。

そして"Photographing Fairies"が観たくなりました!日本語wikiではドイルの「大失態」とまで書かれてしまっているこの事件が、評価の高い映画になっているのですね!ハードウィックはどのようにドイルを演じたのでしょう。何とかして探してみたいと思います!

おお、見て下さいましたか!

そうなんです、デイビッドは今でもあまり体型はかわらない感じですが、エドワードは恰幅よくなりましたね。エドワードらしい口調でジェレミーのことを話してくれて、10年以上がたっても確かにグラナダ・シリーズがエドワードの中で生きていることを感じさせてくれます。そしてワトソニアンのナツミさんは、エドワードの中にちゃんとワトスンをご覧になったのですね!

>役者さん=役ではないけれど、私のように虚構と現実を混同してしまいがちなファンもやっぱりいて、それは役者さんにとって気持ちのいいことではないかもしれません。そういうファンの気持ちに応えてくれる懐の大きさ、とてもありがたいです。

前回のコメント欄で「(役とイコールととられるのは)現役俳優としてはちょっといやかもしれない」と書いたのは私だったのですが、今回の映像、その他から、それは私の考え過ぎだと思うようになりました。二人ともそんな小さいことは考えていなくて、ワトスンの役がまわってくれば自分のワトスンを演じるし、シリーズについて尋ねられれば、誠実に(時に茶目っ気たっぷりに)答える。そしておっしゃるとおり、二人ともファンの気持ちもとても大切にしてくれているのだと思います。

というのは、この記事を書いた後フォーラムに、デイビッドにバースデーカードを送り、デイビッドの写真数枚を同封してサインをお願いした人から報告があったのですが、お返事と一緒に写真が送り返されてきて、サインだけでなく裏にメッセージが書き込まれていたというのです。1枚はいかにもデイビッドらしいお茶目な表情のワトスンのスクリーンショットなのですが、その写真の裏書きは「おやまあ、(Oh this, alas,) まぬけ(idiot)な顔ですね!」、もう一枚は宣伝用スチルで「これをみると、若い頃、いやまあ中年の頃を思い出します!(my youth―well, middle age!)」という、実にユーモアたっぷりのものでした。楽しんで書いて下さったこと、そして写真を送った人を大切にしていることがわかりますよね!

"Photographing Fairies"は私もみたいと思っています。エドワードはそれほど出番が多くはないのが残念、とポーランドの人が言っていましたが、よい映画のようですし、Robert StephensとMaggie Smithの子のToby Stephensが主役を演じています。Robert Stephensはジェレミーの親友でした。そうそう、ドイルの「大失態」の話でしたね!

はじめまして。tamaといいます。
私は小さい頃からシャーロック・ホームズシリーズが好きでしたが、BBCのSHERLOCKを見てますます惹きつけられるようになり、現在ホームズ関係のサイトさんを色々読ませていただいてます。私はまだまだひよっこなので皆さんの記事紹介等とてもありがたいです。また残念ながらまだグラナダシリーズは見ていないのですが、余裕ができたら購入して必ず見たいと思っています!

そこでこの記事を読んでいて「The Shackles Of Sherlock Holmes」が気になり検索してみたところ、Youtubeで発見しました。(既に知っておられましたら申し訳ないです・・・)著作権も気になりましたが貼らせていただきました。→http://www.youtube.com/watch?v=51UIDWhCeo4

私は学生で英語力がまだまだ未熟で細かい内容がなかなか理解できませんが、もっと学んで(この動画に限らず)わかるようになりたいと思っています。

自分のことばかり書いてしまいましたが、RMさんの記事は読んでいてとても楽しく自分にとっては新しいことばかりでワクワクします。これからも楽しみにしてます。(コメントに失礼があったらすいません・・・;)

tamaさん、はじめまして。このブログに来て下さって、そしてコメントを書いて下さってありがとうございました!

tamaさんは原典からホームズにはいって、BBC版でさらにホームズを楽しんでいらっしゃるのですね。私は原典はきちんと読まずに、子供向けに書き直したものを読んだだけでした。BBC版はホームズの原典をよくご存知の方には、私などとはまた違う楽しみ方があるのだと思います。

そんな私でもグラナダシリーズをみた時に、「わあ、ホームズそのもの!」と思ったのですが、tamaさんはどんなふうにお感じになるでしょうか。機会がありましたら、どうぞジェレミーのホームズもご覧になって下さいね。

そして「The Shackles Of Sherlock Holmes」の場所のご紹介をありがとうございました!この記事を書いた数ヶ月後にアップロードされていたのですね。追記として記事中で紹介したいと思います。著作権ということから言うといろいろとあるのでしょうが、市販されているビデオのアドレスは書かない、と自分の中で線をひいています。これは市販されていませんので書かせていただきますね。お心遣いをどうもありがとうございます。

私もいつも英語がもっとわかるといいなあと思います。インタビューの中の細かいニュアンスをとらえ損ねているのではないか、といつも思いますし、字幕なしの作品もちゃんとわかるようになりたいです。

私の記事を喜んでくださって、ありがとうございます!ホームズの話ばかりではないのですが、よければ、またおいでくださいませ。それから、私がお邪魔したり拝見したりしているいくつかのSHERLOCK関連のブログで、tamaさんとまたお会いできるとうれしいです。

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 RM

Author: RM
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和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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