Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事で、アメリカへ行く決心をした時のことにジェレミーが触れているインタビューをご紹介しました。それでもう一つのインタビュー記事を思い出しました。イギリスを離れた年と言っている1977年から5年後の、1982年9月の日付けのある記事ですが、イギリスからアメリカへ移った当時のことも話しています。

1982年の9月というと、ホームズ役の話がいったん保留になった後、著作権の問題が片付いてドラマ化が最終的に決まった頃です。(「ジェレミーが読んだホームズの本;The Television Sherlock Holmesより」のコメント欄に書きましたが、The Television Sherlock Holmesの序文でジェレミーが、休暇でホームズの原作を読み直した後の9月にプロデューサーから電話があった、と言っています。)インタビューがおこなわれたのは、その電話より前ではないかと想像しています。インタビューの場所はロンドンです。

今日はまださわりだけになります。でもこのインタビューの最初の部分もなかなか興味深くて、DVDになっていないしYouTubeにもない"The Last Visitor" という作品の中で演じたVincent Tumulty役のことをジェレミーが話しています。

Faced with success
RADIO TIMES, 11-17 September, 1982

[...] "It was more complex than anything I've had to do before. He's a man who's perfectly controlled but screaming inside. [...] I just had to keep bringing my own performance down. It was a mass of restraint. What emerged was someone I, as an actor, looking at myself, personally didn't know."

「今まで演じたどんな役よりも複雑で、自分の感情を抑えることができる人のように外からはみえて、実際には内では苦痛の声をあげている人物なのです。抑えた演技をする必要があって、それはずいぶん制限が大きいものでした。その結果、私が今まで知らなかったような人物像になりました。」


今までのどんな役よりも複雑、という表現はホームズの時にもよく言っていましたね。ジェレミーは演じることが好きで、新しいことに挑戦するのが好きなのだなあ、とつくづく思います。ホームズはワトスンに「助けてくれ」と言えない、と言っていたことも思い出します。外にはあらわれない内側の声を演技であらわすということもまた、ジェレミーにとって、いつもわくわくする挑戦だったのでしょう。

間を少し飛ばして、次へ行きます。

He went in 1977 'to be a Movie Star!' He shrugs. 'Well, I did episodes of The Incredible Hulk and Hart to Hart.' A pause... 'I wasn't the Hulk.'

But he was Dracula, breaking all house records in Los Angeles, San Francisco and Chicago. He has just finished filming Macbeth with Piper Laurie for American TV. And his acclaimed production of The Tempest in Toronto is now being filmed in Mexico.

1977年にアメリカへ行った。「映画スターになるためにね!」彼はそう言って肩をすくめた。「『The Incredible Hulk(超人ハルク)』と『Hart to Hart』に出演しました。」少し間をおいて続けた。「でも超人ハルクじゃなかったんです。」

しかし彼はドラキュラだった。ロサンジェルス、サンフランシスコ、シカゴで劇場の記録をすべて塗り替えた。今はちょうどアメリカのテレビ局のための「マクベス」の撮影が終わり、トロントで舞台監督をつとめて好評だった「テンペスト」をこれからメキシコで撮影しようとしているところだ。


「The Incredible Hulk」についてはやはり、端役にすぎなかった、というニュアンスの発言だと思います。ジェレミーはこういうふうに、自分のことを笑い話のタネにするようなユーモアも持っていますね。アメリカで映画スターになりたかった、という話題では、1989年のBBCのラジオ番組では特に「カウボーイになりたかった」と言って、インタビューアを笑わせていました。

「テンペスト」はジェレミーが主演し、監督もつとめた劇でした。その後映像化を考えていたことは知っていましたが、メキシコで、という話があったことはこのインタビューではじめて知りました。どのくらい具体的に話が進んでいたかは知りませんが、映像作品としてみてみたかったと思います。資金が集まらなかった、と言っているのを読んだことがあります。他のインタビューでは、トロントでの「テンペスト」はあまり満足いく出来ではなくて、監督と主演を一人でつとめて消耗してしまった、と言っていました。だからこそ、映像化でもう一度挑戦してみたかったのかもしれません。

トロントでの舞台写真で、すごく雰囲気のあるものを3枚くらい知っています。場所を思い出したら、こちらにアドレスを書きましょう。ああ、書いているうちに、映像が残っていないことがすごーく残念に思えてきました。

次回はこのインタビューの続きから引用してご紹介します。

RM
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