Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

以前3回このブログでご紹介した1990年のインタビュー記事からの引用を、もう少し続けます。
前の3回はこちらです。

大病の後に;インタビュー記事 When the lights went out (1990) より
俳優であることの重圧;インタビュー記事 When the lights went out (1990) より
最初の入院の時(または「必要とされること」);インタビュー記事 When the lights went out (1990) より

また、インタビュー記事の原文はこちらで読めます。
http://jeremybrett.livejournal.com/105878.html

前回引用した部分に続いて、病院をかわった後に、ゴシップ新聞のこころない記者が病院におしかけてきた時のことが書かれています。その後から引用します。

ブレットが退院した時、彼のワトスン、エドワード・ハードウィックが家まで送ってくれた。その家で新しい暮らしをはじめるために荷物をほどき、あのような精神の危機を迎えることになったのはなぜかを知ろうとつとめた。そして2ヶ月たたずにカメラの前にもどった。今彼は、病気によってものの見え方がかわったと感じている。

「病気になることで、はっきりとみえてきたことがあります。まわりの人がいま安らかで幸せな気持ちかどうかを感じることができるようになりました。病を経ることで敏感になって見えてくるものがあるというのは、とても興味深いことです。大切に思っている人の気持ちがよくわかる、という点で特に、とてもすばらしいことだと思います。

「ゴシップだらけの新聞に私の『ニュース記事』が載って、病気のことが世間に知れたあと、みながこんなに思いやってくれるとは考えてもいませんでした。突然家族の一員のように受け入れられたのです。親しみをもってあたたかく接してくれて、とても元気づけられました。リューマチ熱で死にかけ、精神病院で人生からしりぞく一歩手前までいったあとに、3度目の生きるチャンスを与えられたようでした。そして今、一時的に与えられた命の時間はなんとすばらしいのだろう、と思います。とても特別な、紺碧の青空のような時間なのです。」


こうして病から得たものについてジェレミーが話しているインタビューはいくつかあって、それぞれにこころに残っているのですが、これが他と違うのは、人生という長い時のなかでの自分を順をおって話しながら、病のことにも触れている、という点です。元気にかけまわっていた子供の頃のこと、16歳の時に死の手前まで行った体験、俳優としてたちたいという情熱と重圧と、そのために危険にさらしたもの、妻の死と精神的な危機、必要とされているという思いが勇気を与えてくれたこと、そして今回引用した部分の、言わば3度目の生をいきること。

ジェレミーのこういうまっすぐなこころと、広い視点から人生のものごとをみること、そして困難な時を経てもなお、喜びと感謝が通奏低音のように流れているところに、いつも勇気づけられます。

RM

原文:

When Brett was discharged, Edward Hardwicke, who plays his Dr Watson, took him to his home where he began to rebuild his life. He finished unpacking, tried to understand what had caused the breakdown, and within two months was back in front of the cameras. The illness, he now feels, gave him a valuable perspective on the human experience.

"I've had the scales dropped from my eyes as a result of the episode. I can tell the state of others' well-being now. When you've been there you get an added insight which is always fascinating. It's lovely shortcut, especially with those you love.

"I didn't realise how compassionate people could be until my 'news story' appeared in the gutter press. Suddenly I'm a member of the most extraordinary British family. The public show their friendliness in the nicest ways, and that reassures me. Feeling as if I've been given a third chance after nearly dying of rheumatic fever, having almost been put away for life in a mental hospital, I now realise how wondrous borrowed time can be. It's a very special, very azure blue time.
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