Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

先日、 "When I Was a Child" というインタビュー記事の前半をご紹介しましたが、今日はその後半部分を抜粋して引用します。英語の原文はここの上から2番目で、クリックすると大きくなります。

「子供の頃、人を楽しませるのが好きでした。3歳の時、家の敷地でパーティがおこなわれたのですが、僕は小さな妖精の素晴らしい衣装をきて、『6ペンスの歌うたおう(訳注:マザーグースより)』の上演に加わりました。黒ツグミがパイから飛び出すところで、黒ツグミの中に小さな妖精がまじっているなんて、さぞ奇妙に見えたことだろうと思いますが、そのときはまったく気になりませんでした。僕はちっとも恥ずかしがりやではなかったのです。もう少したって、恥ずかしがることを覚えました。

同じ頃僕は、バーンビルで行われたコンサートでLittle Boy Blue(訳注:マザーグースより)を演じて『舞台デビュー』をはたしました。母がカドベリー家の出身だったので(訳注:バーンビルはカドベリー家に縁の深い場所)。

小学校を終えて、兄達と同じようにイートン校へすすみました。縞のズボンをはき、黒い上着をいつもきているのは緊張を強いられることでした。僕は悲しげな黒い生徒達の群れの中で途方にくれていました。

僕が他の生徒よりもすぐれていたのは、とてもすばらしい声を持っていたことだけで、僕の歌声はまるでひばりのように空高く舞い上がりました。音楽の教師のSydney Watson先生に選ばれてイートン校聖歌隊のソロをつとめるようになってからは、他の生徒の姉妹達からたくさんファンレターをもらって、サインを頼まれたものです。そして歌の録音もしたのです。でも声が割れ始めて、突然最高音が出なくなり、何かを永遠に失ったことを知りました。

兄達はOxfordかCambridgeに行き、二人は画家に、一人は建築家になりましたが、僕は違う道にすすみました。映画『嵐が丘』のなかのローレンス・オリビエの演技にすっかり魅せられてしまったのです。その後、彼が『ヘンリー5世』で馬に乗っているのを観て、僕も馬に乗れるのだから、彼のようになれるかもしれないと思いました。今から思えば僕も大学に行ったほうがよかったように感じますが、17歳でロンドンのThe Central School of Speech and Dramaに入学しました。

その4年前に、後に重要なことだったとわかる出来事がおきました。学校の休みの宿題で、アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズを読むように言われたのです。読んでいたBigglesの本をいやいやながら中断しなければならなかったので、はた迷惑な宿題に思えました。ワトスンは好きでしたが、ホームズは独善的な知ったかぶりに思えました。

テレビでホームズを演じないかと言われたとき、長年ロマンチックな役を演じてきたので、こんな人間を演じることができるとはとても思えませんでした。でも、僕のホームズの解釈はうまくいっているようです。ホームズを7年間演じてきて、観てくれる人たちはまだ僕のホームズを気に入ってくれていますから。」


黒ツグミにまじった3歳の男の子の姿は、情景が眼に浮かぶような気がします。ホームズを読むためにいやいやながら置いたBigglesの本というのは少年向けの航空冒険小説で、Bigglesはその主人公、第一次世界大戦で活躍するパイロットだそうです。子供に人気のシリーズものだったそうですが、第一次世界大戦のヒーロー、というところが、ジェレミーのお父様を連想させます。

くすっと笑ってしまうところや、表現が詩的だと思えるところがあります。英語ですから細かいニュアンスは私にはわからないし、うまく訳せているかもわからないのですが。英語圏のファンがインタビュー番組の感想として、ジェレミーの言葉の使い方が好きだと書いているのをみたことがありますから、表現が月並みでなく独特なところがあるのでしょう。先日の「子供の感受性」のことを話しているときも、目にみえるような生き生きとした表現だと思いました。

イートンで歌を録音した、というのは原文では「I even made a record.」で、recordというのはテープも含むようなので、レコード盤ではないのかもしれません。他のインタビュー記事で、「recordを聴き直したけれども、やはり子供の頃の声はすばらしかった」と言っているものもあったように記憶しているので、どこかに録音が残っていてもおかしくないでしょう。ちょっと、いえすごく聴いてみたい気がします。未来の夢として残しておきます。イートンの聖堂にりえさんがいらしたときの記事はこちらです。

「シャーロック・ホームズ」をはじめて読んだ時、ホームズはあまり好きではなかった、というはなしは今までも読んだことがあります。後に、子供達にとってホームズがヒーローであることに驚き、喜んでいますが、子供のジェレミーにとってはそうではなかったのですね。ジェレミーの中でホームズ像が変化していったこと、ホームズが複雑で多面的な人間であること、ジェレミーにとってもホームズはとらえがたいところのある人間であったことが、ジェレミーがホームズに、そして私たちがホームズ、特にジェレミーが演じるホームズにひかれる理由の一つなのでしょう。
2010.8.18使用、When I Was a Child

RM
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