Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前の記事のコメント欄で、「別冊映画秘宝 シャーロック・ホームズ映像読本」が、何かの本や記事の文章をそっくり参考にして書いたような記述ではなく、丁寧に作品をみたり資料を調べたりして書かれているのを感じるということをナツミさんとお話していました。その時に

「この一行を書くために、時間をかけて確認したんじゃないかなあ、なんて思ったりします。(私もまた並べて書くのもおこがましいようですが、1行を書くのに、記憶だけでなく元の文章を確認しようとして、えらく時間をかけたりしますから。まあ時々それを怠って、後で訂正したりするわけですが。) 」

と書いたのですが、そう言えばホームズの歩き方について、以前書いたことを訂正しなければならないのでした。

バレエ;1988年のインタビューから」の記事で以前このように書きました。

「『ノーウッドの建築士』で、まるでダンサーのような優雅なステップで二階の部屋をまわるシーンがありますが、ドラキュラを演じた時の歩き方が役に立った、つま先から地面につけるような、と別のインタビューで言っていたと思います。今すぐにはみつからないので、また後日ご紹介しましょう。」

ところが、ドラキュラの時の歩き方と関連づけてジェレミーが話しているのは「ノーウッドの建築士」の、焼けこげた材木の上を歩くシーンについてだということに最近気づきました。そう言っているインタビューと再会したからです。ただ「つま先から地面につけるような」ということは言っていないので、私は以前は別のインタビューで読んだのでしょうか、それともそこは私の記憶違いでしょうか。

ドラキュラとホームズを両方ともに演じた俳優が多い、ということを以前「舞台 Dracula(1978-1979)の写真(その2)」の記事の中でお話しましたが、ジェレミーがホームズの歩き方をドラキュラから持ってきたなんて、ドラキュラとホームズの思わぬつながりはおもしろいなあと感じます。

元の記事は
"Dancing in the Moonlight
Jeremy Brett
A Last Talk with David Stuart Davies and Jessie Liley"
Scarlet Street, pp.86-91, No. 20, 1995

これは雑誌"Scarlet Street"に、ジェレミーが亡くなった後に掲載されたインタビューです。ホームズを演じなくなってからも、こんなふうに熱心にホームズを語っていたのですね。SSはインタビューアです。


JB: ホームズを演じるためには、Robert Stephens(俳優で、ジェレミーの親友)が「あの空っぽの中身」と呼んだ部分を俳優が自分で埋めていかなければならないのです。RobertはBilly Wilder監督の映画「The Private Life of Sherlock Holmes」の撮影中に「空っぽの中身」、ホームズの内面を埋めようと必死になって、気持ちがつぶれてしまいました。がらんどうの建物で、中身がないんです。

SS: あなたはどのようにして埋めていったのですか?

JB: 以前の別の仕事を参考にしたり、自分の想像力を使ったりして、ホームズにいのちをふきこむ必要がありました。ドラキュラを演じた時の経験がずいぶん生きたのです。ドラキュラの時は、先のとがった靴をはいて猫のように歩いたのですが、ホームズでも私はよくそんなふうにしています。たとえば「ノーウッドの建築士」で材木の上を歩く時もそうです。ホームズのうわべのすがたに何か裂け目がないかと、いつもさがしてきました。彼の内面をもっとみせられるように。


JB: [... You] have to fill up what Robert Stephens called "that hollow space." Robert cracked up during the filming of the Billy Wilder film [1970's THE PRIVATE LIFE OF SHERLOCK HOLMES] because of his struggle to fill that "hollow space," that inner life. It's all edifice. There's nothing inside.

SS: How did you manage it?

JB: I've had to pick up things from other work and my imagination to bring him to life. I took a lot from when I played Dracula. I had the pointed shoes and I walked like a cat as Dracula. I often do as Holmes—like in THE NORWOOD BUILDER, when I walk along the railing. I've looked for cracks in the veneer to allow me to say more about the character.



ちょっと不安なのは、"I walk along the railing" と言っているところで、このrailingは多分、あの材木がつみかさなっているところだろうと思うのですが。もしもそれが間違っていたら、訂正記事の訂正をするという間抜けなことになってしまいます!

パジェットの挿絵をみてみると、確かにかなり先のとがった靴をはいているようにみえます。
(たとえばこちらで、挿絵入りで"The Norwood Builder"を読むことができます。)
http://168.144.50.205/221bcollection/canon/norw.htm

でも先のとがった靴はホームズだけではないようなので、当時はこういう靴が普通だったのでしょうか?いえ、洋服や靴のことはまるでだめな私ですので、これ以上靴には深入りしないでおきましょう。

RM
関連記事

コメント

RMさん、みなさん。こんにちは。

以前のコメントを読んで「うん、うん。そうそう!」と賛同してしましました。
私もこちらのブログで教えてもらって、DVDを見直して初めて気づいた事
(プライリオ・スクールでの乗馬シーンなどなど)いっぱいあります。

「ノーウッドの建築士」は特にジェレミーのしぐさが目立つ作品ですよね。

ジェレミーの歩き方は本当に優美でモデルのようです。
(手の振り方もしなやかで好きです。)
雨の日歩いても絶対ズボンに泥跳ねしなさそう(笑)

あの先のとがった靴の中は赤い靴下なのかな?
いつも想像してしまいます(^∀^;

トビィさん、こんにちは。

どうやったら、あんなふうなしぐさができるんだろう、って思います。独特ですよね。「ノーウッドの建築士」では、拡大鏡で指紋をみくらべる時の手の動きも好きです。小さな動きなんですが、うーん、どうやったらあんなふうにできるのでしょう。

>雨の日歩いても絶対ズボンに泥跳ねしなさそう(笑)

わあ、本当ですね!

>あの先のとがった靴の中は赤い靴下なのかな?
いつも想像してしまいます(^∀^;

これは想像していませんでした!おもしろーい!

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://upwardjb.blog112.fc2.com/tb.php/377-22011db2

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

全ての記事を表示する

08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 

QR