Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

ナツミさんのブログに行ったら大変なことになっていて(うふふ、昨年も楽しかったけど、今年もです)、それで私も4月1日という今日のために、何か書きたくなりました。1995年11月29日のジェレミー追悼の式でDavid Burke(デイビッド・バーク)が話してくれたエピソードで、David Stuart Davies著 Bending the Willowからの引用です。


デイビッド・バークは、ジェレミーが茶目っ気のあるユーモアの持ち主だったことを、「最後の事件」のモリアーティ教授の配役に関するエピソードで披露してくれた。

ジェレミーがスタジオの私の控え室に来て、「モリアーティ教授を誰が演じることになったか、絶対あてられっこないよ」と言うので、何人か名前をあげたのですが、ジェレミーは違うと言うのです。
「言ったって君は信じないね」
「まあ、ためしてみたら」
「Joan Plowrightだ(ローレンス・オリビエの妻ジョーン・プローライト、ジェレミーとの共演多数)」
「ちょっと待てよ、ジェレミー、冗談だろう」
「いや、ジョーンの弟がグラナダ・テレビの重役なのは知っているだろう。ローレンス・オリビエにモリアーティを演じてくれないかとたずねたのだけど、残念なことにオリビエは忙しくて出られないというので、ジョーンに頼んだら、ジョーンが体重を3ストーン(約19キロ)落としてモリアーティを演じることになった」
「まあ、可能ではあるね」
「そうだとも」ジェレミーは勢いこんで言いました。「まったく可能だよ。彼女なら3ストーン落とせる」
「そういう意味で言ったわけじゃないんだけど」
それから少し考えて、言いました。
「まあそうだね、19世紀のフランスではハムレットを演じた女優がいたし、Vanessa Redgraveはいくつか男役を演じたからね」
ジョーン・プローライトがモリアーティを演じることを、なんとか受け入れようとしていたのですが、その時ジェレミーが言いました。
「今日が何日か知っている、デイビッド?」
「いや」
「今日は4月1日だよ。4月1日はエイプリルフールだ」
ジェレミーがいたずらっぽく笑ったので、その頭をたたいてやりました。

David Burke illustrated Jeremy's wicked sense of humour in this story about the casting of Professor Moriarty in 'The Final Problem':

'He came into my dressing room and said, "You'll never guess who's going to play Professor Moriarty". I tried several guesses, but Jeremy shook his head. "You won't believe it," he said.
'"Well, try me."
'"Joan Plowright."
'"Come on Jeremy," I said, "you're joking."
'"No. You know her brother is Managing Director of Granada Television. We asked [Sir Laurence] Olivier if he would play Moriarty. Unfortunately he's too busy, but they've asked Joanie [Olivier's wife] and she's going to lose three stone—and she's going to play it."
"Well, I suppose it's possible."
'"Oh, yes," cried Jeremy, "it's perfectly possible: she can lose three stone."
'"I didn't quite mean that."
'Then I got to thinking and I said, "Well, there was that French actress in the nineteenth century who played Hamlet, and Vanessa Redgrave has played male parts."
'I was really trying to come to terms with the idea of Joan Plowright as Moriarty when Jeremy asked, "Do you know what the date is today, David?"
'"No."
'"It's April the first. April the first is April Fools' Day," he grinned wickedly, and then I hit him over the head.'



ね、楽しいでしょう。ジェレミーを偲ぶ場で、デイビッドがこういう楽しい話を披露してくださって、本当によかったです。ジェレミーも喜んだことでしょう。

いたずら好きな二人ですから、こういうおかしなことがいっぱいあったのでしょうね。

このエピソードは以前、ナツミさんのブログのコメント欄でもお話しました。
マイクロフトについて(2)シャーロックとマイクロフト

この時にはじめて知ったのですが、ローレンス・オリビエはモリアーティを演じたことがあったのですね。そのことがジェレミーとデイビッドの頭にはあったのかもしれません。

RM
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コメント

RMさん、こんにちは。
4月1日エイプリルフール
ナツミさんのブログに遊びに行ったら、
ビックリΣ( ̄。 ̄ノ)ノオォッ!
そうだったのですね(今頃気が付きました)
私だったら口元が緩んですぐにウソがバレてしまいます(笑)
ジェレミーはイタズラ界のナポレオンですね。ウフフ♬

トビィさん、ナツミさんのブログ、すごかったでしょう?外観もブログ名もすっかり変わっていて、一瞬、サイトが何者かに乗っ取られたのかと思ってしまいました。そして一日で惜しげもなく元にもどるのは、昨年と一緒でした。

私は昨夜急遽この記事を書いて、アップロードしたのが日付が変わる数十分前という付け焼き刃でしたが、楽しんでいただけたなら、すごくうれしいです。

そして、ジェレミーは「イタズラ界のナポレオン」!いつもながらトビィさんの命名はすばらしい!「The Napoleon of crime」のモリアーティと勝負ですね。

楽しいですね!

わあ、このエピソード大好きです。訳していただけてうれしいです!

>「そうだとも」ジェレミーは勢いこんで言いました。
>「まったく可能だよ。彼女なら3ストーン落とせる」
>「そういう意味で言ったわけじゃないんだけど」

このやりとりがなんだか可愛らしいです!いやに細かいところに目をつけるジェレミーに、やんわり突っ込むデイビッド。私にとっては、すごく「ホームズとワトスンの会話だ!」という感じがします。
RMさんのおっしゃるように、しょっちゅうこんな会話をしていたのでしょうね。「頭をたたく」なんて、急にできることではありませんから、いつもじゃれあっていたのかな。

そして、「イタズラ界のナポレオン」!
トビィさんのことばのセンス、私も大好きです!
追悼の場という、暗くなってしまいそうな場所でさえ、こんな楽しいエピソードを友達に披露してもらえるような人生っていいなあ、と思います。ジェレミーの周りには、彼が生み出す小さないたずらや笑いがいつも溢れていたのでしょうね。

誰かに自分を思い出してもらうとき、それが一緒に楽しく笑ったことだったら素敵ですよね。皆さんを楽しませると言うよりハラハラさせてしまった私はまだまだですが、ナポレオン目指して頑張ります!

私も大好きなんです、

このエピソード。

>いやに細かいところに目をつけるジェレミーに、やんわり突っ込むデイビッド。私にとっては、すごく「ホームズとワトスンの会話だ!」という感じがします。

なるほど!「まったく可能だよ。彼女なら3ストーン落とせる」 のところ、ジェレミーのかわいらしい「ボケ」ととっていたのですが、「いやに細かいところに目をつける」という見方をすると、ホームズ独特の性質からくる、(そう言ってよければ)「巧まぬボケ」ですね。そしてワトスンの「やんわりとした突っ込み」、すてきですね。

>ジェレミーの周りには、彼が生み出す小さないたずらや笑いがいつも溢れていたのでしょうね。

本当にそう思います。ジェレミーのことを話す時に、ジェレミーの友人たちはいつも楽しい思い出を語ってくれます。そのことが何よりも、ジェレミーという人をあらわしていると思います。

うふふ、ナツミさんもナポレオンを目指すのですね。エイプリルフール、みんなで楽しくハラハラしましたよ。ナツミさんのブログに集まる方達も、ナツミさんとどこか似て、飄々としたユーモアと誠実で考え深いところと両方もっていらして、魅力的な方たちばかりですね。そういう方たちと一緒にハラハラする感じがすてきでした。

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 RM

Author: RM
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