Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

今日はさっきから、あれを書こうか、この画像を載せようか、といたずらに自分のコンピュータとネット上をさまよっていました。また真面目になってしまいました!すぐにこうして、まとまった記事を書きたくなります。で、今日はとりとめもなく、思い浮かんだことから書き始めましょう。

以前のフォーラムにいたころ、多分インタビュー記事を紹介した時だったと思うのですが、こんなふうに書いたことがありました。ジェレミーは人をひきつける魅力と実力と美しさを持っていて、なおそれであんなふうに、ある意味では飾り気がまったくなく、そして謙虚でいられるのはどうしてかしらといつも思うのです、と。

二人の人が、それぞれに書いてくれました。一人は、ジェレミーは賢い人だから、と言いました。いま、その時の投稿を見ながら書いているわけではありませんが、多分彼女がその後言ったのは、愚かな人だけが自分をよくみせようとしたり、気取ったふるまいをする、ということだったと思います。

もう一人の人は、そういう育ち方をしたのだと思う、特にお母さまの性格や育て方のためではないか、と書いてくれました。この人はお孫さんもいる女性です。

私はこの二人の、それぞれ違う視点から書いてくれた意見をとても興味深く感じました。そんなことを今日思い出していたら、この言葉をご紹介したくなりました。Michael Coxの言葉で、The Ritual の1995年秋号のジェレミー追悼の文章からです。


ジェレミーと撮影スタッフの関係には魅了された。彼は天性のリーダーの資質を持っていて、スタッフはそんなジェレミーを敬愛していた。ジェレミーはというと、彼らの仕事の腕前を熱烈に賞賛していた。(略)彼はスターだったが、スター気取りの振る舞いはまったくなかった。スタッフはジェレミーのためなら何でもした。それは自分の空き時間に、撮影に使う小物をさがすことであったり、ジェレミーの誕生日にとてつもないパーティを開くことであったりした。

はじめは、ジェレミーはホームズに対して、相反する感情を抱いていた。自分が演じているこの役が好きではない、とよく言っていた。ホームズは冷たくて暗い、と。実際ジェレミー自身はというと、あたたかくて、人のなかが大好きで、人の成功を自分の成功以上に誇りに思いよろこぶという性格だった。

His relationship with the crew was a fascinating one - he was a natural company leader and they respected him for that. He in his turn, admired their skills extravagantly. [...] Although he was a star, he never behaved like one. The crew would do anything for him, whether it was to search for a particular prop in their own spare time, or give him an outrageous party on his birthday.

In the beginning, Jeremy's attitude to Holmes was ambivalent. He often said that he did not like the character he was playing, that Holmes was cold and dark, and it is certainly true that Jeremy was a warm, outgoing person who took more pride in the success of others than in his own.



リーダーとしての資質や、この引用部分の前に書かれているプロフェッショナリズムという点に関しては、ジェレミーの賢さを感じます。でも、もちろん賢さだけではひとがついてくるはずがなくて、あのあたたかさがあったから、プロデューサーが "fascinating" と形容するような気持ちの通い合いが、撮影スタッフとの間に生まれたのでしょう。お母様についてジェレミーが、"Everybody came to my mother. She was like a light of great warmth.(誰もが母のところに来ました。母はとてもあたたかい、ひかりのようなひとでした。)" (The Armchair Detective, 1985) と言っていたことを思い出します。

この小冊子の中ではJeremy Paulも、ジェレミーには虚飾というものがまったくなかった、と言っていました。そして友人達の子供のことを気にかけて、いつも手をさしのべていた、と。

やはりジェレミーは、賢くてあたたかい人だったなあ、と思います。もちろんジェレミーに欠点がまったくなかったわけではないでしょう。過剰にまつりあげるのも滑稽です。ただ、2年前の記事に書いた気持ちと、今もまったくかわりません。ジェレミーは多くの人を愛し多くの人に愛され、人生における幸せな時も悲しみの時も十分に生きた人だと思っています。

RM

追記:The Ritualの1995年秋号からは以前、こちらでも引用しました。はじめの二つはDavid Burkeの文章、3つ目はEdward Hardwickeの言葉を紹介しています。
Colin Jeavonsのこと(4)
コメントのご紹介、そしてジェレミーがひとの名前をすぐに覚えること
The Secret of Sherlock Holmesの全幕の音声と、Edwardの言葉
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コメント

RMさん、皆さんこんにちは。

ジェレミーの品の良さはやっぱりお母様の影響ではないでしょうか?
例えば、食事のシーンでナフキンの広げ方やナイフ・フォークの使い方を見ると綺麗です。(姑の様にチェックしてますが(笑))
日本人が箸の使い方を注意されるのと同じで、ジェレミーも子供の頃はお母様に注意されていたのかもしれませんね。

それにジェレミーはRMさんや皆さんの言う通り頭の良い賢い人だったと思います。
頭の良さをひけらかすわけではなく、いつも人より二つ三つ先の事を考えて、みんなを誘導してくれる頼れる人だったと思います。
亡くなってから何十年経った今でも、こうしてジェレミー話が出来るのは、欠点も含めて彼の人柄の良さですよね。

トビィさん、こんにちは。

>日本人が箸の使い方を注意されるのと同じで、ジェレミーも子供の頃はお母様に注意されていたのかもしれませんね。

そうですね!普段の生活の態度や、人との接し方には、やっぱりお母様の影響が大きかったのでしょうね。私もそんな気がします。食事のシーン、私も気をつけておきますね!"The Good Soldier"では、きれいだなあと思ったのを覚えています。あ、「青い紅玉」の最後でワトスンのワイングラスにワインを注ぐところ、きれいでしたね!その後ナフキンを格好良く広げて、でもワトスンの言葉をきいて一瞬動きがとまって、それでも膝にぱさっと広げて、最後はぱちんと手をたたいた後流れるような動きで、ナフキンを無造作にテーブルの上において立ち上がる...。わー、今見直してましたが、やっぱりすてき!

>頭の良さをひけらかすわけではなく、いつも人より二つ三つ先の事を考えて、みんなを誘導してくれる頼れる人だったと思います。

ああ、すごくうなずけます。ジェレミーは直感の人だったから、そんな感じのリーダーだったのでしょうね。

>亡くなってから何十年経った今でも、こうしてジェレミー話が出来るのは、欠点も含めて彼の人柄の良さですよね。

うふふ、日本に、そして世界中に、今ジェレミーのことを話している人がいるんですよね!

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