Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事(「『悪魔の足』のリハーサル初日:The Black Box Clubのウェブサイトより』)を読み直していてびっくり!何と「ホームズの娘である Jean Conan Doyle」と書いているではありませんか!

ナツミさんがコメント欄で「ホームズはサー・アーサーの分身、いわば家族のようなものですから」と書いてくださっていました。最近読み返したインタビューで(でもどれか忘れちゃいました!)ジェレミーが、ホームズもワトスンも両方ともドイルの分身だ、という意味のことを言っていたので、ナツミさんの言葉にうんうんとうなずいていたのですが、何と私がこんな間違いをしていたとは!

前回の記事の訂正をしたついでにと言ってはなんですが、Jean Conan Doyle(ジーン・コナン・ドイル)とジェレミーについて、あらためて記事にしてみようと思います。

一つはSherlock Holmes Gazette、1995年のジェレミー追悼号からの引用です。David Stuart Daviesが、ジェレミーが彼に話した、ジェレミーとジーン・コナン・ドイルの会話を紹介しています。この中でジェレミーが呼びかける時の Dame Jean(デイム・ジーン)の「デイム」はご存知のかたもいらっしゃるでしょうが、大英帝国勲位(OBE)を受勲した女性の尊称です。


A tribute and a fond farewell to Jeremy of the Brett
By David Stuart Davies
Sherlock Holmes Gazette, issue 13, pp.2-7, 1995

(心筋症と診断された後、)からだの状態をなんとか保つためには、お酒と煙草をやめねばならなかった。ジェレミーは、ジーン・コナン・ドイルに電話で病気についての悪い知らせを伝えた時のちょっとこころあたたまるエピソードを話してくれた。「まあ、可哀想に」彼女は言った。「ぜひうちにお寄りなさいね。いいワインをあけましょうよ。」「それは本当に素敵ですけど、デイム・ジーン」ジェレミーは答えた。「でもアルコールはとめられているんです。」彼女はくすくす笑った。「私もなのよ。」

To preserve himself he had to say goodbye to alcohol and cigarettes. He told me the lovely story of ringing Dame Jean Conan Doyle to tell her his bad news. "You poor boy", she said. "You must come round and we'll open a very good bottle of wine". "I'd love to Dame Jean", he replied, "but I'm afraid I'm not allowed alcohol". She chuckled lightly. "Neither am I", she said.



デイム・ジーンは、重い病名を告げられたジェレミーのためにおいしいワインをあけて、ジェレミーをひととき楽しませてあげたかったのでしょう。病気は悲しいことですが、二人が仲良しだった感じが伝わってくる、良いエピソードですね。だからDavid Stuart Daviesも"the lovely story" と書いているのでしょう。デイム・ジーンは1912年生まれで、このお話の時は多分1995年のはじめですから、82歳です。亡くなったのが1997年でした。

この項、次回も多分続きます。

RM
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コメント

RMさん、こんにちは。

「悪魔の足」には色々なエピゾードがあったのですね。
個人的にはエンディングがアフリカ音楽ぽくって好きです。

「おいしいワインをあけて」これはお互いが気心が知れた間柄だからこそ言える冗談ですよね。

大好きだったお酒と煙草を控えていたジェレミーに、身体が良くなったら一緒に飲みましょう!
というJean Conan Doyleさんならではの励ましもあったのかも。
なんだか親子のようですね。

トビィさん、こんにちは。

>個人的にはエンディングがアフリカ音楽ぽくって好きです。

私もあの音楽、好きです。それからエンディングのホームズとワトスンもいいですよね!"I'm on holiday!" ってホームズが言うところ。

>「おいしいワインをあけて」これはお互いが気心が知れた間柄だからこそ言える冗談ですよね。

なるほど!私は、デイム・ジーンが思わず「おいしいワインをあけて」と言って、後で気がついたように解釈しましたが、はじめからジェレミーを笑わせて励ますための冗談だった、というのも素敵ですね!どちらにしても、最後はデイム・ジーンがくすくす笑って、ジェレミーはあの、まわりにうつる笑い方で、あっはっは、と笑ったでしょうね!

ご無沙汰しておりました!

やっと演劇会が終わったと思ったら今度は期末試験です。コメントはきちんと考えて書きたいななんておもっていたらご無沙汰してしまいました。

なるほど小説に出てくる人物が著者の分身というのは、よくわかります。どうしても自分や自分の理想像は入ってきますよね。ドイルによりちかいのはワトスンでしょうか…。

デイム・ジーンは後から気づいたにせよはじめからそのつもりだったにせよ、良いセンスを持っている方なのでしょうね!こういうお洒落(?) な会話がさらりとできるなんて素敵です…!
状況から考えるとこれをただの知り合いがやったら少し不謹慎というか無遠慮な…となりそうなものが彼女がやると励ましになるのはお二人の絆のためですよね。
素敵!

Mokaさん、こんにちは

演劇会と期末試験ですか!演劇会は私の高校ではありませんでしたが、「期末試験」という響きはなつかしいですね!当時は「懐かしい」どころではなく、大騒ぎでしたが。

>なるほど小説に出てくる人物が著者の分身というのは、よくわかります。どうしても自分や自分の理想像は入ってきますよね。

そうなんでしょうね。Mokaさんにも、思い当たるところがおありなのだろうと想像しています。

>デイム・ジーンは後から気づいたにせよはじめからそのつもりだったにせよ、良いセンスを持っている方なのでしょうね!

今回の数回の記事を書いて、私もデイム・ジーンが好きになりました。ジェレミーのお父様のことを何回か書いた時はお父様のことが好きになりましたので、こうしてブログを書くことで、ジェレミーにゆかりがある人たちのことを知ることができて、うれしいです。

>彼女がやると励ましになるのはお二人の絆のためですよね。

はい、そう思います。そして、ホームズを演じた俳優で、彼女に連絡をとって話をきいたのはジェレミーだけだとデイム・ジーンが言っていたことを考えると、こんなふうにドイルのお嬢さんとの絆を育てたジェレミーは、やっぱり素敵な人だなあ、とうれしくなります。

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 RM

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