Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事「Jean Conan Doyleとジェレミー(3)」のコメント欄でトビィさんにお話したのですが、一つさがしているインタビューがあって、その中でジェレミーは、ドイルの子供たちがお父さんからホームズの話をきいているところ、あるいは書かれたばかりのお話を読んでいるところだったかもしれませんが、その場面を想像していたと思うのですが、どうしてもそのインタビュー記事がみつかりません。そんなにくわしく長く話しているわけではなく、インタビュー中の話の流れで、ちらっと口にしていたように記憶しているのですが、私の記憶力は最近当てにならないので、私の想像の産物だったらどうしましょう。

そのかわり、いくつかのインタビューを読み返していて、デイム・ジーンとのことに触れている箇所を新たに見つけました。ここで書かないでいるとまた忘れるので、覚え書き程度に書き記します。

一つはこちらです。ジェレミーはドイルとホームズに対して、とても強い責任感を持っていたのだと思いますが、ドイルのお嬢さんのこの言葉に対してもジェレミーは責任を感じて、そしてそのように頼まれたことに誇りも感じていたのでしょう。


Why I adore playing Holmes
The Sherlock Holmes Gazette, Issue No.3, 1991-2

デイム・ジーン・コナン・ドイルに「私の父を大切にしてくださいね」と言われたことがありました。それを何より重要なことだと考えています。彼女は素晴らしい女性で、とても親しい友人の一人です。

私が脚本を依頼して演じた、ホームズ生誕(100周年)記念の劇(The Secret of Sherlock Holmes)が、ホームズとワトスンの友情を描いたものだったのは、そういう訳なんです。彼らの友情は、すべてドイルが書いたものだったのです。デイム・ジーンはとてもわくわくして喜んだので、私も幸せでした。

"[...] Dame Jean Conan Doyle once said to me 'take care of my father.' I have taken that very seriously. She is a wonderful women and has become a tremendous friend.

"That is why the birthday play which I commissioned was really about their relationship—it was all Doyle. She was very thrilled and I was pleased about that."



そして前回、デイム・ジーンは少なくとも二回、劇を観に来たということを書きました。一回は親しい知人友人達が招待されてMayfair Theatreで行われた舞台で、一夜限りのものでした。もう一回はWyndham's Theatreでの初日でした。前回の記事中でご紹介した、デイム・ジーンからの「ジェレミー、あなたは私が子供の時に考えていたホームズそのものですよ」という手紙は、どちらの時だったのだろう、と思っていましたら、それを他のインタビューでみつけました。


Sherlock Holmes in America
The Morning Call, Nov 10, 1991

ブレットが委嘱してハードウィックと共に演じた"The Secret of Sherlock Holmes" は、ドイルの(原文ママ)生誕100周年を祝って、Mayfairで招待客を前に一日だけ演じられたが、「ドイルのお嬢さんのデイム・ジーン・コナン・ドイルが劇を観に来てくださって、そして『あなたは私が子供の時に考えていたホームズそのものです』と書いて下さいました。それは私にとって大きな意味を持っていたのです。」

"The Secret of Sherlock Holmes," commissioned by Brett and starring him and Hardwicke, appeared briefly in Mayfair before an invited audience as homage to Doyle's 100th birthday. "His daughter, Dame Jean Conan Doyle came ... and that's when she wrote me the note that said 'You are the Sherlock Holmes of my childhood,' which meant so much to me."



というわけで、デイム・ジーンが何より嬉しい言葉をジェレミーに伝えたのは、楽屋でのあの写真が撮られたWyndham's Theatreでの初日の後ではなく、それより前、ホームズ物語がこの世に生まれたことを祝うこの劇が親しい人たちの前でお披露目された、一番最初の時だったのですね。こうしてこのブログを書いていくと、小さな情報が交錯して新しいことがわかってきます。それはやっぱり小さなことなのですが、でも嬉しかったりします。

でも注意しなくてはならないのは、インタビューの編集の過程で間違いが生じる場合もあるということです。たとえば今回はジェレミーのことではありませんが、ドイルが生まれたのは1859年ですから、「ドイルの100回めの誕生日」ではおかしいですよね。そして、インタビューアか編集者が、当然エドワードがワトスンを演じていたと思い込んで書いたのでしょうが、"Bending the Willow"と"A Study in Celluloid"によれば、Mayfairではエドワードはスケジュールの都合でワトスンを演じられず、かわりにSebastian Stride(The Bruce Partington PlansのCadogan West役)がワトスンを演じています。

それから実はジェレミーが話すことも、時々違っていたり細部が矛盾したりします。ジェレミーは楽しい話し手である分、細かいところや数字にはあまり頓着しなかったのだろうと思っています。たとえばジェレミーは、自分の前にたくさんの俳優がホームズを演じていることに怖じ気づいた、自分は137人目のホームズだ、とよく言っていましたが、Michael Coxは"A Study in Celluloid"の中で、「その数字は正確かどうかは知らない。ジェレミーは実際に数えてはいないのではないか。でもすごい数の俳優が演じたのは確かだ(I am not at all sure that the number was accurate because I doubt if Jeremy had actually counted his predecessors, but they were certainly legion.)」と言っています。

もう一つ例をあげると、ジェレミーの愛犬のMr Binksは、一匹では話があいません。ジェレミーが子供の頃のMr Binks(ジェレミーの話ではこの名前になっていますが、違う名前だった可能性も皆無ではないでしょう)と、三十代半ばか後半から一緒だったMr Binksがいる、と考えられます。

そういうわけで、ジェレミーに関することで、わかったつもりになっていても後でひっくり返されることもあります。まあでも今日のところは、Jean Conan Doyleが手紙を書いたのがいつか、わかったことにしておきましょう!

RM
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コメント

RMさん、みなさん、こんばんは。

RMさんのプロフィール写真が毎回楽しみになってきました♪

外国の方はあまり年月日表示を気にしないような気がします。

日本人は特に生年月日や血液型など気になりますが。
テレビを観ていても名前の下に必ず年齢があったり。
血液型で相性診断したりして。

RMさんの情報収集にはいつも頭が下がります。
本を読んでいても「おや?」と思う事もありますから、
(ジェレミーに関する事は10年以上前なので)正確な情報はやはり難しいと思います。

以前もコメントしましたが、"The Secret of Sherlock Holmes"なぜカメラを回さなかったのか!!
悔しいですね(>_<)

>ジェレミーはドイルとホームズに対して、とても強い責任感を持っていたのだと思いますが<

だから今まで演じてきたホームズにデイム・ジーンの言葉は嬉しかったでしょうね。
でもその反面これからのプレッシャーも凄まじかったんだろうな・・・。
ジェレミーの責任感の強さはマネできませんね。

犬のMr Binksはジェレミーの背中に乗っているワンコですか?
あの画像も大好きです!

トビィさん、こんにちは。

>RMさんのプロフィール写真が毎回楽しみになってきました♪

わあ、うれしいです!私も楽しんでいます。

>日本人は特に生年月日や血液型など気になりますが。

なるほど!

>以前もコメントしましたが、"The Secret of Sherlock Holmes"なぜカメラを回さなかったのか!!
悔しいですね(>_<)

本当ですね。その頃は、劇場での公演をフィルムにおさめるというのは、稀だったのでしょうか。

>ジェレミーの責任感の強さはマネできませんね

私もそう思います。そして、ジェレミーが何かのインタビューで、責任感は父ゆずりだ、と言っていたことを思い出します。性格はずいぶん違っていたようですが、やっぱり親子ですね。

>犬のMr Binksはジェレミーの背中に乗っているワンコですか?

そうです、私も大好きです!

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