Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

もう一つだけ、二人にまつわることを書きたいと思います。

1995年2月にジェレミーがDavid Stuart Daviesに語った言葉を、"Bending the Willow"から引用します。

「ホームズを演じて来て、こころ奪われる素晴らしい時をすごしました。デイム・ジーンにこう言いました。『月の光のもとで、この10年の間、あなたのお父さんと共に踊っていました。』太陽のもとで、ではなく月の光をあびて。ホームズは暗い面をもった人間ですから。」

'[...] I've had a fascinating time playing him. I said to Dame Jean that I've danced in the moonlight with your father for ten years. The moonlight, not the sunlight—Holmes is a very dark character.'


この言葉、"I've danced in the moonlight with your father for ten years." はとても印象的な表現です。

ジェレミーの言葉の中には、このように、心象風景を呼び起こすような表現が折々にみられるように思います。印象的で詩的な言葉や、時には少し奇妙にもきこえるような表現です。「ジェレミー語;1988年のインタビューから」にもそのことを少し書いたことがありますし、ジェレミーがホームズの中に子供の感受性をみる時の描写も、とても好きなものでした(「子供の感受性(「Mystery!: A Celebration」から)」)。

"Dancing in the Moonlight"がそのまま、上記引用部分が含まれる章のタイトルとなり、また、David Stuart Daviesによるもう一冊の本のタイトルにもなっています。(この二冊目の本の多くは一冊目と重なっていて、引用部分はこの本にも書かれています。)

ジェレミーがデイム・ジーンに「月の光のもとで...」と言ったときの二人の様子を想像しています。


この引用部分の後、David Stuart Daviesはこう続けています。

彼は私たちのために、月の光をあびながら踊り続けたのだ。時に、光がささない暗い裂け目にすべりこんでしまうことがあっても、いつも、銀色の光の中へ美しく回りながら戻ってきて、みる人を魅了し、喜びを与えたのだ。

He had been dancing in the moonlight for us; occasionally slipping into those dark crevices where no light pervades but always pirouetting out again under the silver beams to enchant and delight his audience.

ジェレミーが演じ続けたのは、ドイルとホームズのため、グラナダチームと俳優としての自分のため、とも言えるでしょう。でも画面のこちら側の私たちにとっては、私たちのためにジェレミーはホームズを演じてくれた、いう表現が何よりも真実だと言えるのではないでしょうか。

RM
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コメント

こんばんは!

ジェレミーの言葉は彼独特のセンスがよくあらわれていて良いですよね。何度きいても(見ても)月の光の下で…ということばのまわしかたはとっても感動しますし、好きです!
抽象的だけれど云いたいことがよくわかるというか、伝わってきます。うまく言えませんが下手に具体的に言うよりも心に直接入ってくるような感じがします。

期末試験がじわじわと近付いてきて焦っていますが、ジェレミーの歌声を流して頑張っています!
今はLove unspoken(であっているかしら(笑))が流れています!

私たちのため…そうですね!彼は少なからず見ている私たちのことを考えて(おもって)演じてくれたと思っています。

RMさん、みなさん、こんばんは。

5回にわたってのデイム・ジーンさんとジェレミーのお話。
以前はあまりドイル一家はあまり好きではなかったのですが、
彼女の事が好きになりました。
(写真だと無表情なので、誤解されやすいですよね。)

ジェレミーは「太陽」で常に周りを明るく照らし暖かくしてくれます。
ホームズはジェレミーの言う通り「月」で
前回のブログでの「自分を抑えた演技」月の裏側というのは大変だったのでしょうね。

「Dancing in the Moonlight」読んだ事はないのですが、
タイトルが何となくオシャレで好きです。
月夜にジェレミーとダンスできたら素敵ですね!
ダンスできませんけど(笑)

Mokaさん、こんばんは。

>ジェレミーの言葉は彼独特のセンスがよくあらわれていて良いですよね。

私も好きです。"Bending the willow"もジェレミーの言葉がそのまま本の題名になっていますし、"show the cracks in the marble" という表現もありましたね。

>彼は少なからず見ている私たちのことを考えて(おもって)演じてくれたと思っています。

私もそう思います!特に子供達と、もとからのシャーロッキアンと、ジェレミーを通じてホームズを好きになる人たちのことを、すごく考えていてくれたと思います。(あ、要するにジェレミーのホームズを好きな人全部ですね!)

ジェレミーの歌声をききながらの勉強、どうぞがんばってくださいね。

トビィさん、こんばんは。
>彼女の事が好きになりました。

私もそうです!時々ジェレミーが名前をあげている、ということぐらいしか意識していなかったのですが、今回いろいろと知ることができて、うれしかったです。

>前回のブログでの「自分を抑えた演技」月の裏側というのは大変だったのでしょうね。

本当ですね。すごく大変で、時々ホームズが嫌いになって、でもやはりジェレミーはホームズに魅了され続けたのですよね。そしてもちろん、私たちが魅了されるホームズの中に、ジェレミー自身もあらわれているのですよね。

ホームズとはかなり違う性格のジェレミーが、あの見事なホームズを演じてくれたということ、そして私たちがそれをみることができるということ、それは一つの奇跡のような気がしてきます。

>月夜にジェレミーとダンスできたら素敵ですね!
ダンスできませんけど(笑)

私も!

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