Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

(エドワードがジェレミーの "I'm a reluctant hero today" という言葉に触れている文章をみつけましたので、追記として一番最後に記しています。)

お暑うございます。この言葉ではじめる毎日が続いていますね。おからだの具合の良くない方、何か心配ごとがおありの方には、気候の厳しさは特にこたえるのではないでしょうか。お見舞い申し上げます。

私は、多分他の多くの方と同様、日々それなりに困ることがあるのですが、ここ数年安心して困っていられるようになりました。安心して不安の中にいられるようになってきました。

でもやはり折々に、ごく小さいことの中にも、こういう思いが忍び込んできます。私が、あの人が、状況が、こうであればよかったのに、という思い。あるいは、これが起きなければよかったのに、という思い。それがもっと大きな困難につながるならば、何故私にこれが起きたのか、という気持ち。

そんな時に思い出すことの一つは、ジェレミーは"Why me?"「何故自分がこんな目に?」とたずねたり、人生は不公平だと嘆くような性質(たち)の人間ではまったくなかった、という描写です。そして一番辛い状態の時に口にするのは、実際は不平とは言えない、"I'm a reluctant hero today."という言葉だった、というものです。これは「今日はちょっとやる気のないヒーローなんだよ」という感じでしょうか。

これはLinda Pritchardの本に書かれているもので、私はこの本については、二つの違う感情を同時に持っています。でも私はこの描写はジェレミーをよく表していると思っていますし、たしかエドワードも何かの文章かインタビューで、"I'm a reluctant hero today"というジェレミーの言葉に触れていたように記憶しています(追記をご覧ください)

ひとや状況を責めたり、あるいは特に自分を責めたりしそうな時にこれを思い出して、"I'm a reluctant hero today."とこころでつぶやいてみます。英語では今では男女の区別なく a hero を用いるということを知りました。

この間の文を加えて、もう少し訳してみます。


ジェレミーは"Why me?"「何故自分にこんなことが?」と言い、人生は不公平だと嘆くような性質(たち)の人間ではまったくなかった。まったく逆で、人生が自分に投げかけたものをすべて受け取り、自分が知る最善のやりかたで取り組み、微笑みを浮かべながら、すべてはうまく行くだろうという態度をとっていた。一番困難な時期にも、愚痴に近いといえるかもしれない言葉は、実際には愚痴や不平ではまったくなかった。"I'm a reluctant hero today."「今日の僕は、少しやる気がないヒーローなんだよ。」


私がジェレミーのことを知ってはじめに思ったのは、何故、こんなに輝いていた人が、そんなに苦しんだ果てにこの世を去らねばならなかったのだろう、ということでした。でも今は違う気持ちを持っています。彼らしく生きて、そして最期に静かにすべてを手放してこの世を去っていった、そういう生と、そういう死だったと思っています。

RM

追記:
Bending the Willowの本に寄せて、前書きとしてエドワードが1996年に書いた文章の中にありました。

私がジェレミー・ブレットと、そしてシャーロック・ホームズと共にすごした時間は、8年間に及んでいる。彼ら二人とワトスンに、本当に感謝している。わくわくするような経験だった。いつも何の困難もなかった訳ではないが、退屈とは程遠い日々だった。たいていの時はとても興奮して、心の底から楽しんだ。素晴らしい才能を持った俳優であり、特別な友人であるひとと一緒に仕事をしている時に、そのことを忘れられる訳がないのだ。双極性障害という病があっても、ジェレミーは物事を前向きに明るく考えるようにしていた。Jeremy Paulの劇 "The Secret of Sherlock Holmes" をロンドンで上演しようと心に決めて実行したことがそれを示している。暗い気持ちにおそわれる時があっても、彼はただ、'I am a reluctant hero today' 「今日の僕は、少しやる気がないヒーローなんだよ」と言うだけだった。

My association with Jeremy Brett and Sherlock Holmes covers an eight year period. I owe them and Dr Watson a great deal. It was a fascinating time—not always easy, but never dull. More often than not it was most exciting and tremendous fun. You could never forget that you were working with a very special actor, and a very good friend. In spite of his manic depression, Jeremy somehow trained himself to think positively. His determination to get Jeremy Paul's play, The Secret of Sherlock Holmes, put on in London is proof of that. On his black days he would merely say, 'I am a reluctant hero today'.

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コメント

猛暑お見舞い申し上げます。

RMさん、皆さん、こんにちは。
毎晩、寝苦しい日が続きますね。

ジェレミーの前向き(ポジティブ)な考え方、ありのままを受け入れる大きな心はやっぱり凄いですね。
私も自分や他人に対しても後悔ばかりです。
あの時、あゝ言えば良かったとか、どうしてすぐに行動出来なかったのかな?と考えてしまいます。
毎日100%でいるのは無理ですよね。
だからジェレミーの言う『今日は少しやる気のないヒーロー』がいても良いでよね!

本当にお暑うございます。

>ジェレミーの前向き(ポジティブ)な考え方、ありのままを受け入れる大きな心はやっぱり凄いですね。

本当にそう思います。やっぱりすごいなあ、好きだなあと思います。双極性障害で、気持ちの揺れにずいぶん苦しんだと思いますが、それでもまわりの人たちがジェレミーのことがとても好きで、アナ・マッシーが書いていたように、ジェレミーと共にいて気持ちが安らいだのは、人も自分もそのままで受け入れるあたたかさがあったからだと思います。

>だからジェレミーの言う『今日は少しやる気のないヒーロー』がいても良いでよね!

はい!自分に厳しいというのは良いことのようにも言われますが、時として人にも厳しくなって、人を責めることにもつながりますよね。ジェレミーのように、時にちょっとクスッとするようなユーモアに包んで、自分の弱さも語れるのがいいですよね。

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