Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

ベーカー街の写真、もう少し載せたくなりました!そして前回ふれた、プロデューサーが一番好きなベーカー街の写真も2枚目にご紹介しますね。

Source: http://tinysherrys.tumblr.com/post/40246038319
http://jeremybrett.info/Holmes_Bw/images/JBasHolmes_bw%20(48).jpg
BakerStreet_2.jpg

この写真は、前回の2枚目の白黒写真の少し後でしょうか?ホームズのすぐ後ろを通っている女性が、今までの2枚には写っていませんでしたから。残りの人たちは、どちらの写真が先でも後でも、説明はつく感じですが。

こういう、視線を少し上へ向けている時のホームズも好きです。そしてワトスンは手袋をちゃんとはめています。やっぱりこの写真は、前回の手袋ごそごその写真の後でしょうね。

これはホームズとワトスンが真ん中でなくて少し端にいて、画面の真ん中には通りの地面が広がっている、という点でちょっと異色の写真と言えるかもしれませんが、その分、印象的です。以前はジェレミーがクローズアップの写真を一番喜んでいました。でも今は、いろいろな写真の良さがわかるようになりました。この一連のベーカー街の写真は、クローズアップではない、全体をとった写真の素晴らしさを示す典型だと思います。

さて、それではプロデューサーのMichael Coxが好きなベーカー街の写真です。それは、グラナダシリーズの音楽を集めたLPのジャケットに使われた写真です。最近eBayにこのLPが出品されて、比較的大きな写真がつけられていたので、このことを思い出していただいてきました。クリックで大きくなります。

SherlockHolmesCoverPictureLP.jpg

どうでしょう、ホームズとワトスンがいた時の写真より、もう少しのんびりした感じに私には思えます。新聞売りも、イレギュラーズのような少年達もいません。これもいい写真ですね。でも、グラナダシリーズの生みの親であるMichael Coxがこの写真に思い入れがあるのは、思いがけない理由なのです。A Study in Celluloidからです。


私たちのベーカー街の写真で一番すきなのは、シリーズのためのPatrick Gowersの音楽を集めたTER(レコードレーベルの名前)のLPアルバムで、ジャケット写真として使われたものである。(中略)219番地の本屋の外側の角をよくよくみると、ブルージーンズと赤いセーターを着た、20世紀を体現している録音担当者が、テープレコーダーを前にヘッドフォンをつけていて、マイクロフォンが店のウィンドウにたてかけてあるのがみえるはずだ。おそらく35mmのスライドの1セットの中から選ばれたのだろうが、誰もPhil Smithに気がつかなかったのだ。彼は多くのエピソードで録音責任者をつとめた技術者で、あの時録音のために静かにあそこで待っていた。悲しいことに、CDのカバーでは写真の端が切り取られて、Philは消えてしまった。

My favourite picture of our Baker Street is the one which appears on the cover of the TER LP record album of Patrick Gowers' music for the series. […] If you look closely at the corner outside number 219, where the bookseller is located, you will see a thoroughly twentieth-century sound recordist in blue jeans and a red sweater with his tape recorder in front of him, earphones on his head and his microphone leaning up against the shop window. Presumably the picture was chosen from a series of 35mm transparencies and no one noticed Phil Smith, who was responsible for the sound in so many of the films, quietly waiting to get on with his work. Sadly, the cover picture of the CD of this music is cropped so that Phil has disappeared.


SherlockHolmesCoverPictureLP2.jpg


名前も私たちは聞いたこともない、一般には特に賞賛されることもない、録音の技術者です。毎回の番組のオープニングは馬車の馬の走る音、通りの物音から始まりますが、あの時の音を録るために準備していたのでしょう。その彼が、ホームズの時代のベーカー街の遠景を写した中に現在の姿で紛れ込んでいる。そのことがプロデューサーにとっては、とても面白くて思い出深い偶然だったということが想像できる気がします。CDのカバーからなくなってしまったのが残念、という気持ちも。一緒に作品を作り上げたスタッフですもの、特に番組立ち上げの時のたくさんの記憶がよみがえってくるのでしょう。

そして私がこの画像が好きなのは、スタッフの仕事への意気込み、プロデューサーの仲間への信頼の気持ちのお裾分けをいただけるからです。

ジェレミーもこのカバー写真を見て、録音責任者の姿に気がついたでしょうか?ネットで調べたらこのLPは1987年に発売されたと書かれていました。(http://www.discogs.com/Patrick-Gowers-Sherlock-Holmes/release/2589713)当時の撮影現場で楽しい話題になっていたことを想像します。ジェレミーが、おもてには出ない技術者やスタッフ、たとえば照明や録音、ロケ地選びの人たちの努力や優れた技術や良い成果にすぐに気づいて賞賛したことは、Michael Coxが書いていましたし、ジェレミーと話すとスタッフの名前が次々に出てくると、David Stuart Daviesが記していました。今は引用できませんが、いつかまた記事にしましょう。そんなジェレミーですから、マイケル同様この写真を面白がって喜んで、思いがけずLPのジャケットという表舞台に出たPhilを祝福したのではないかしら。想像できる気がします。

最後の一枚は、LPの写真と見くらべるためのCDの写真です。Amazonからいただきました。
Source: http://www.amazon.co.jp/dp/B000I0S9IW
SherlockHolmesCoverPictureCD.png

向かって左の建物が写真に入ったかわりに、右の一部が削られていますね。

RM

追記:上記CDの日本版は、アマゾンでは現在は中古品しかありません。このCDの輸入版は下記のものです。ただし中の解説は英語のはずです。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00003WGNM
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コメント

RMさん、みなさん、こんにちは。

待ってました!!ベーカー街の写真。
来年の(自分だけの)ジェレミーカレンダーに使わせて下さいね!

端っこにスタッフの方が映り込んでいたんですね。
言われるまで気が付きませんでした。

>毎回の番組のオープニングは馬車の馬の走る音、通りの物音から始まりますが<
あのOP蹄のパカパカ♪でいつも19世紀に飛んで行けます。

表舞台に出れないスタッフが思いがけず出た事でジェレミーならきっと喜んだと私も思います。(フフッ)

トビィさん、喜んでいただいて、すごくうれしいです!ベーカー街の写真、シャーロッキアンにはまた特別な意味があることでしょうね。カレンダーになった時の出来上がりを想像しています。今回の写真はホームズはホームズらしく引き締まっていて孤独のかげもちょっとあって、ワトスンは(初期の)ワトスンらしくまっすぐで明るくて、私も大好きです。

>あのOP蹄のパカパカ♪でいつも19世紀に飛んで行けます。

以前からあのパカパカ♪が好きで、胸がおどる感じでしたが、このブルージーンズと赤いセーターの彼が録音したのだろうと思うと、さらにあのパカパカ♪に親しみがもてます。

>表舞台に出れないスタッフが思いがけず出た事でジェレミーならきっと喜んだと私も思います。(フフッ)

わあ、同意して頂いてうれしいです!

こんにちは

更新されるたびにわくわくして読ませていただいてます
プロフィールのジェレミーも変わるたびわあ!と歓声をあげてしまうくらい

このジャケットにまつわるすてきなエピソードとそれを紹介してくださったRMさんのやさしい想いに とても心があたたかくなりました 

ふつうは 裏方さんが表に出ちゃったら即NGでしょう 
特にグラナダは時代考証もきちんとやる!というまじめな作り方でしたし そういうなかで起こった偶然を 隠すどころか プロデューサー自らとても好きな写真と公言し CDジャケットからは削られて消えてしまったと悲しんでさえいる
RMさんがおっしゃるとおり製作にかかわった仲間への気持ちが伝わるエピソードでした

よっしいさん、こんばんは。またお話できてうれしいです。そして、おやさしい言葉をありがとうございます!こころがふんわり、ほんわかとしています。プロフィール欄のジェレミーの写真も、喜んで下さっているのですね。今度あたらしく載せたあの横顔、本当に美しいですよね。無邪気な笑顔も、ああいう美しさも、強い眼差しも、それぞれに魅力的ですね。

>ふつうは 裏方さんが表に出ちゃったら即NGでしょう
特にグラナダは時代考証もきちんとやる!というまじめな作り方でしたし

本当ですね!あのプロデューサーの言葉のどこに驚いて、どこに胸を打たれたか、自分の中で言葉にできていなかったのですが、よっしいさんが書いて下さったことで、はっきりとわかりました。Michael Coxこそが、原作にできるだけ忠実に、そしてヴィクトリア朝の雰囲気そのままに、と最初に考えた人だったのですよね。だからこそ、あれを読んではじめは意外に思って、そして嬉しくなったのでした。

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