Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事を書いていて、Michael Coxの "A Study in Celluloid" の表紙の写真を思い出しました。eBayに出品された時の、本の表紙の画像を載せます。
A_Study_In_Celluloid1_Cover.jpg

第二版では表紙は別の写真に変わりましたが(「"A Study in Celluloid" 第二版」の記事に載せています)、二つの版のどちらにも本の中にこの写真が載っていて、そこには "Jeremy's favorite picture of himself as Sherlock Holmes" (シャーロック・ホームズを演じている自分の写真でジェレミーが特に気に入っていたもの)という説明がついています。

こちらのサイトにはその写真の大きな画像があります。
http://www.listal.com/viewimage/891966h

これは「踊る人形」でキュービットが死んだと駅できいた後、屋敷に向かう馬車の中のホームズだと思うのです。駅では雨は降っていませんでしたが、馬車で向かう途中、そして屋敷で馬車から降りた時は冷たい雨が降っていました。でももしも、他の作品を思いつかれたら、どうぞ教えてください。以下は「踊る人形」のあの場面という仮定のもとに書いています。

ジェレミーがこの写真を好んだのは、一面に水滴でおおわれた窓の向こうのホームズをとらえるという、雰囲気のある画面のつくりと、前回の記事でご紹介したインタビューから言葉を借りれば、「大理石の彫像に割れ目を入れた」ようにホームズの内面が馬車の窓越しにみえるからなのでしょう。それではこの時のホームズの内面とは、どのようなものなのでしょうか。

この表情は、映像の時とはまたニュアンスが違っていて、実に不思議な、複雑な表情に感じます。映像での私の印象は、目が虚ろで、でも内面では何かが静かにすごい速さで動いている、という感じだったのですが、この写真は、虚ろなだけでなく微笑んでいるようにさえ感じます。衝撃を受けた後の諦念、と言うと言い過ぎでしょうか。

さらに、物語における状況は脇において写真としてだけみると、「アルカイック・スマイル」という言葉さえ浮かんできます。想念が地上を離れてしまったような表情にも思えます。

それにしても、もしも私達がジェレミーのホームズで好きな写真を選ぶとすると、こういう一枚は入らないような気がします。これを選ぶのは演じる本人ならでは、ジェレミーならではとも言えるのかもしれません。その意味でも、興味深い写真です。

もう一枚、これもやはり同じ時の写真だろうと思います。こちらは馬車の窓越しだということが、はっきりわかるように撮られています。

http://www.listal.com/viewimage/891976h

RM
関連記事

コメント

RMさん、こんにちは。

"A Study in Celluloid"
とっても気になる一冊です。(Amazonでは高値なのでとても買えませんが)

>「踊る人形」の屋敷に向かう馬車の中<
私もそう思うのですが、穏やか、だけど少しセンチメンタルな表現なので、オフショットだと思っていました。
放送されていないだけだとしたら、一体どういう感情なのでしょうか。台詞もあったのかな?

ホームズの表情・・・というよりはジェレミーに近いですよね。
(演じているのは本人なので当たり前なんですが^^;)

ジェレミーは時々、観る人の感情によって異なる表情をしますよね。

>もしも私達がジェレミーのホームズで好きな写真を選ぶとすると、こういう一枚は入らないような気がします。<
写真を選ぶのなら鮮明なのを選んでしまいますよね。

この写真をあえて選ぶというのは、ジェレミーにとって何か思い入れがあるのですね。

トビィさん、こんにちは。

"A Study in Celluloid" の第二版をアマゾンで買えるようになれば、初版よりも安く手軽に買えるのですが、それが残念です。

>穏やか、だけど少しセンチメンタルな表現なので、オフショットだと思っていました。

なるほど!ホームズとしてのジェレミーではなく、ジェレミーにもどった時の写真というふうにも見えますね。Michael Coxの勘違いでなければホームズの写真のようですが、おっしゃるように、ジェレミーに近いように思えます。

>ジェレミーは時々、観る人の感情によって異なる表情をしますよね。

ああ、本当に!とても好きな、Marcus Tylorが撮った写真の一枚は、私にとってまさにそんな感じです!

>この写真をあえて選ぶというのは、ジェレミーにとって何か思い入れがあるのですね。

そう思います。それをジェレミーに尋ねることはかなわないけれども、この写真をみながら静かに思いをめぐらすことはできますね。そしてそういうことが、私は好きです。多分トビィさんも、そういう方ですね。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://upwardjb.blog112.fc2.com/tb.php/486-d74231d3

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

全ての記事を表示する

05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 

QR