Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事を書いた後、思い立ってもう少し検索してみたら、もう一つインタビューをみつけました。こちらでは、ジェレミーが Christian McKay(クリスチャン・マッケイ)にどう言ったか、地の文ではなくクリスチャンの言葉として語られています。そしてそれがいかにもジェレミーらしい言葉使いなので、うれしくなってしまいました。

そしてもう少しくわしく状況がわかりました。前回の引用部分からは、ロケの場所でジェレミーが彼に語ったように解釈したのですが、こちらに従えば、彼のピアノコンサートでだったようです。それではご紹介します。


"'Promising Newcomer' Christian McKay Channels Orson"
By Steve Pond on January 20, 2010
thewrap.com
http://www.thewrap.com/deal-central/column-post/promising-newcomer-christian-mckay-channels-orson-welles-13253

ピアノを一流の音楽学校で学んで、コンサートピアニストでもあったのに、なぜRADA(王立演劇学校 ) にはいったのですか?

3歳のちっちゃな子供の頃、学校の劇の舞台にあがっていたそうです。私なら上手に演じられると思われていたのでしょうね。ピアノを1日8時間練習していた頃でさえ、学校の劇に出ていました。大学では音楽を学んでいたのですが、いくつか良い役をもらって演じたこともあります。

そして大きな意味があったのは、ジェレミー・ブレット、彼はグラナダテレビでシャーロック・ホームズを演じたことで有名ですが、彼がとても優しく親切にしてくれた、ということなんです。ジェレミーがマンチェスターのグラナダスタジオで撮影していた時、よく私のコンサートに来てくれました。そしてこんなふうに言ったのです。「僕は音楽のことには、そう詳しくはない。君は素晴らしいピアニストだけど、でも、いいかい、君は俳優だ。本当だよ、だって僕は自分が俳優だからわかるんだ。」

それで王立音楽大学を卒業した時、25歳くらいだった時に、もしも俳優としての才能があるかどうか試してみなかったら、本当のところどうなんだろうと思い続けることになるだろう、と感じました。

What caused you to enter RADA when you'd been studying piano at prestigious music schools, and performing as a concert pianist?

I'm told I was acting in school plays when I was a tiny little boy at the age of three, so they must have seen something then. And even when I was practicing piano eight hours a day, I was still doing school plays. And then right through university, where I was studying music, I played some great roles.

And the thing was, Jeremy Brett, who famously played Sherlock Holmes for Granada Television, was very kind to me. When he was filming at Granada in Manchester, he used to come to my concerts. And he said, “I don't know much about music. You're a wonderful pianist, but believe me, my darling, you're an actor. Believe me, it takes one to know one.”

So when I finished at the Royal College of Music, when I was about 25, I felt, if I don't see if I have any potential as an actor, I'll always wonder.



ジェレミーはマンチェスターで、コンサートにも行っていたのですね。撮影はとてもハードだったと思うので、そういう時間がとれたことを知ってうれしいし、私はクラシック音楽を好きなので、さらにうれしいです。インタビューで趣味を聞かれたときには、ジェレミーはいつもアーチェリーと乗馬と言っていましたが、ピアノを入れていたのを2回くらい読んだことがあります。ジェレミー自身はどんなふうにピアノを弾いたのでしょうね。(追記:「補遺、備忘録 その6(日本での訃報、ピアノ)」で、インタビュー記事へのリンクを記しました。)

クリスチャンは演じることは好きだったのですね。でももちろん学校での課題や課外活動の域を出ることはなかったわけです。そしてコンサートピアニストとして、順調にキャリアを積んでいたのですね。

彼のピアノのコンサートにジェレミーが行った最初のきっかけは、彼がエキストラの少年聖歌隊員として撮影に参加したことだったのでしょうか?そのあたりはここには書いていないのですが、前回の記事からそんなふうに想像しています。そして、何度かコンサートに行って、コンサートホールの楽屋ででしょうか、ジェレミーが驚くようなことを言ったのですね。君は俳優だ、と。"but believe me, my darling" なんて、ジェレミーの声が聞こえてきそうです。

今回の記事で状況がわかって、ジェレミーの言葉をクリスチャンの口を通じて知ることができました。そしてなおさら驚いてしまいました。だって、コンサートをしていたのですから16歳にはなっていたと推測して、そして仮にジェレミーの最後の撮影の時、つまり1994年1月だったとして20歳ですが、その頃はジェレミーの体調もよくなかったでしょうから19歳以下と考えると、16から19の前途洋々たる若きピアニストに、ジェレミーは「君は俳優だ」と言ったのです!いったい、どうしてなんでしょう。やっぱり直感なのでしょうか。あのあたたかくも情熱的な口調で言ったのでしょうね。

でももちろんジェレミーは、若者が新しい冒険に飛び込むことを、見境なく勧めていた訳ではないし、ましてや誰に対しても俳優になるように言っていた訳ではないはずです。若者がたちどまってよく考えること、自分が本当にやりたいことがわかる時がくるまで待つことの重要性もわかっていたのです。そのことを話しているインタビューは、またあらためてご紹介したいと思います。

RM
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コメント

RMさん、みなさん、こんにちは。

忙しいスケジュールの中、体調も自分の思うようになっていなかったでしょうに、ピアノコンサートに行っていたのですね。
ちゃんと、自分の時間が取れていた事に安心しました。

Christian McKay氏もピアニストとして、このままやっていいのか?と、もしかしたら悩んでいたのかもしれませんね。
ジェレミーはそういう事を感じ取って「君は俳優だ。」と言ったのかも?
ジェレミーの真っ直ぐな瞳で力説されたら、迷いも吹っ飛びますね。

ジェレミーが弾くピアノ聞いてみたかったです!!
絵を描いたり、ピアノを弾いてみたり、ジェレミーの意外な一面が知れて嬉しいです。

今回もトビィさんが書かれたのを読んで、なるほど!と思いました。20歳前ですでに何度もコンサートで演奏しているなんて、端から見たら順風満帆、ピアニスト以外の道は考えられない、でも本人は何か迷っていたところがあって、それが言葉や表情にあらわれているのをジェレミーが感じたのかもしれませんね。そして演じることに憧れを持っているのも感じとったのかもしれません。

>ジェレミーが弾くピアノ聞いてみたかったです!!

私もです!Claphamのおうちにピアノがあったという話をきいたことがないのですが、どうだったのでしょう。以前住んでいたどこかの家で弾いていたのでしょうか。趣味としてピアノをあげていたインタビューは、ホームズの頃のだったと思うのですが。みつかったらまたご紹介しますね。

ジェレミーらしい直感力、親しみやすさを表すエピソードですね。
ジェレミーなら、こういうアドバイスしてそうです(^^)
ジェレミーのような大物俳優に指南されたら、もうその道を邁進しちゃうでしょうね。
ジェレミーは繊細だから、きっと人の感情が伝わってくるんでしょうね。
上手に背中を押してあげたんだろうな。

クリスチャンは、マンチェスター聖堂の聖歌隊員だったんですね。
もう心はマンチェスターに飛んで、慌ててグーグルマップ広げて、マンチェスター聖堂とミッドランドホテルの位置関係など確認しちゃいました。
コンサートは、聖堂でおこなわれたんでしょうか、それとも他の場所だったんでしょうか。
こうしてマンチェスターの街をジェレミーは歩いていたんですね。
(いや、その頃はグラナダ支給の専用車かもしれませんが)
こういう話をきくと、また行きたくなっちゃいます、マンチェスター!

りえさんが書いて下さったコメントの最初、ジェレミーが縦に4つ並んで繰り返されて、詩のようですね。

>ジェレミーは繊細だから、きっと人の感情が伝わってくるんでしょうね。

本当にそうですね!トビィさんも書かれたように彼は少し迷っていて、ジェレミーはそういうことを敏感に感じ取ったのでしょうね。お二人とお話していて、その時のジェレミーの感じ方を想像できるようになって、うれしいです。はじめは、なんて不思議なんだろうと、そればかりでしたから。

>もう心はマンチェスターに飛んで、慌ててグーグルマップ広げて、マンチェスター聖堂とミッドランドホテルの位置関係など確認しちゃいました。

わあ、そういうふうにして思いを馳せることができるのですね!私もさっそく確認しました。徒歩で14分くらいですね。

>コンサートは、聖堂でおこなわれたんでしょうか、それとも他の場所だったんでしょうか。

これも考えていませんでしたが、聖堂でおこなわれたという可能性もありますね。それから今調べたら、ホテルから歩いて3分のところにFree Trade Hallがありますが、これは1850年代からの建物で、1996年にBridgewater Hallができるまではマンチェスターで一番のコンサートホールだったそうなので、ここかもしれませんね!(想像がたくましすぎるでしょうか。でも楽しいですね!)

>こういう話をきくと、また行きたくなっちゃいます、マンチェスター!

私もいつか行ってみたいです!

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 RM

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