Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

このところBBCの "Sherlock" のファンはわくわくドキドキですね。今朝イギリスで、BBCでの放送日程が発表されたそうですし、先日はJohnのブログも更新されていたそうです。ブログの再開を教えて下さったナツミさんの記事はこちらです。
再開と再会

それで、この新聞記事をご紹介しようと思い立ちました。2004年の記事ですが、筆者は1989年に"The Secret of Sherlock Holmes" の楽屋でジェレミーに取材をした時のことを元に書いています。


Holmes: Brett still essential Sherlock
By Terry Pace
Times Daily - Sep 15, 2004
http://news.google.com/newspapers?id=vXs0AAAAIBAJ&pg=4181%2C2325690

(前略)
「重要な役は何度も何度も繰り返して、世代を越えて演じられるものなのです。シャーロック・ホームズという役に何か私なりの痕を残して、次の人に -- 違う時代のための違うホームズに手渡すことができれば、と願っています。

「その時までは、この役を演じることができて、コナン・ドイルと彼が作り出した人物のために何かができるのをとても幸運に思います。」そしてブレットはこう言った。「自分が一生懸命やってきたことが、認められず仕舞いではないのを確かに感じられるというのは、役者にとってとてもうれしいことなのです。」

[…] "Great roles are meant to be played again and again, from one generation to the next. I shall hopefully leave my mark on Sherlock Holmes and then pass on the part to someone else - a different Holmes for a different era.

"Until then, I must say that I feel very fortunate to have had my day and to have done some service to Conan Doyle and the character he created," Brett concluded. "I do know that my efforts have not gone unappreciated. For an actor, that's a very good feeling."



ジェレミーは何度も、ホームズを次へ手渡すことについて、話していましたね。「子供の感受性(「Mystery!: A Celebration」から)」の記事で触れた「Mystery!: A Celebration」という本の中にも、「アーサー・コナン・ドイルは21世紀へと無事に受け継がれたと思います。("Sir Arthur Conan Doyle, I believe, has been sent safely into the 21st century.")」という言葉が出てきます。これはホームズをもう演じることはないだろうとわかっていた時にファンに言った言葉だということを思うと、胸を打たれます。時を越えて遠くをみるような目をして、少し笑みを浮かべていたかもしれない、と想像します。

今日のインタビューでは、「違う時代のための違うホームズに ("a different Holmes for a different era")」と言っています。この時ジェレミーは、次の世代の役者と、彼の演ずるホームズのことを考えていたのでしょうね。ハムレットが世代を越えて繰り返し演じられるように。

ホームズは次の世代に無事に引き継がれて、それだけではなく21世紀を生きるホームズを生み出しました。そしてそのホームズには確かに、ジェレミーが演じたホームズの姿も感じられます。21世紀のホームズはまさに「違う時代のための違うホームズ」ですね。このことは、ジェレミーの想像を少し越えていたかもしれませんが、喜んでいるだろうなあと思います。

そしてジェレミーに、「あなたの努力の成果は今も全く消え去ることなく、多くの人に愛されていますよ」と伝えたいです。

RM
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コメント

今も、続いている

RMさん、ご紹介をありがとうございます。
あっという間に年末になってしまい、ばたばたと日々を送っておりますが、RMさんのブログとグラナダ版の放送は欠かさずチェックさせていただいてます!ホームズとお揃いのティーカップ、私も欲しいなあ…

私のブログでは現代版ホームズと原作をとりあげていますが、やはりグラナダ版ホームズはどちらを語る上でも欠かせません。調べものをしたり、ホームズファンの方とお話したりしていると、必ず、ひょいとジェレミーに出くわすことになります。今日は、現代版の話をしていて出会った彼のお話を二つご報告します。ふたつとも、最近ネットで話題になったことだと思いますので、どなたかの書き込みやリンクとだぶってしまっていたら申し訳ありません。不都合な点がありましたら、削除していただけたらうれしいです!

ブリティッシュ・カウンシルという学校で、グラナダ版とBBC現代版を教材として取り上げた英会話のクラスが開かれるそうです。
同じ作品を原作とした、二つの時代の英語の違い、とても面白そうです。
http://www.britishcouncil.jp/events/english-workshop-sherlock

私はこの学校の生徒として学んだことはないのですが、イベントに参加したことがあります。イベント中に先生の一人が誰かに『殺され』、犯人を『容疑者』の先生方と話しながら探しだすというもので、楽しかったです!

もうひとつ、これは友人に教わったのですが、現代版のベネディクト・カンバーバッチ演じるホームズは、中国のファンに「巻福」という愛称で呼ばれているそうです。「福」はホームズの中国語訳(weblio辞書によると、『シャーロック・ホームズ』は 『歇洛克·福尔摩斯』)、「巻」はよくわからないのですが、くるくるした髪のことかしら。
ではジェレミーは?というと、「偉大なホームズ」の意味で「大福」なのですって。なんだか、すごく大福もちが食べたくなってきました。ティーカップにいれたほうじ茶と一緒に!

自分の仕事をまっとうする、自分の時代を精一杯生きる、というのはもちろん大事なことだと思います。
でも、ジェレミーはその前やその後のことまで俯瞰している。「今、自分たちが、素晴らしいものを作る」ということにとどまらず、たくさんの人の中で、大きな時の流れの中で、自分に何ができるかという視点で自らの仕事を見つめていたのですね。
私はとても視野が狭くて、何かに夢中になると、それしか見えなくなりがちですが、こういう考え方に出会うとはっとさせられます。
ジェレミーと、彼が次の世代に手渡してくれたホームズに出会うことができて、幸せです。私も、もっとずっと小さなことになってしまうと思いますが、いつか誰かに何かを手渡せるような人になりたいです。

お茶うけは大福で♪

RMさん、こんにちは。
シャーロックホームズは原作・ドラマはもちろんパロディ本も
出版されたり、今だに不動の人気ですよね。

来年には日本でミュージカルも開催されますよね。
(歌って踊るホームズ・・・ちょっと興味ありますが)

ジェレミーがホームズを演じた事で失った物はありますが、
得た物のほうが限りなく多いと思います。
ジェレミー・ホームズが皆の記憶から今も消えていないのは
一生懸命に演じていたからですよね。

>ホームズは次の世代に無事に引き継がれて、それだけではなく21世紀を生きるホームズを生み出しました。<
ベネさんもジェレミーの演技を参考にしていると言ってましたね。


私も時どき偏った見方をして、大事な物を見落してしまいます。
その時に落し物に気が付けばいいのですが、難しいですね。

人生の宿題

ナツミさん、こんにちは。私もナツミさんのブログ、いつも楽しんでいます。今日の記事の、スタッフへの賛辞としての原作の引用ににっこり。

>ホームズとお揃いのティーカップ、私も欲しいなあ…

「ホームズとお揃い」という言葉にどっきり。そうだ、ホームズとお揃いなんだあ!ナツミさんのところで、原作のホームズはコーヒーにミルクや砂糖を入れるか、という話題がありましたが(http://sherlock221b.blog.fc2.com/blog-entry-239.html)、ジェレミーのホームズはどうなのでしょうね。ミルクは入れていない、砂糖はわからないと今のところ思っているのですが、あの柄のシュガーボウルは素敵で、ひかれます。

グラナダ版ホームズに関する情報、ありがとうございます!ブリティッシュ・カウンシルの「映像を観ながら言い回しの違いやアクセントなどについて楽しく学ぶワークショップ」、近くだったら絶対行くのに!ジェレミーがホームズを演じる時のアクセントには、ヴィクトリア朝の英語のアクセントも反映されているのでしょうか。興味津々です。

そして、ジェレミーは「大福」!本当にほうじ茶があいますね!ジェレミーは中国語表記では「杰里米」で、混ぜご飯の名前みたいで美味しそう、ジェレミー・ブレットは「杰里米·布雷特」で、こちらは冷たくて美味しそう、というトビィさんの名言がありましたが、混ぜご飯の後のデザートは夏は氷菓、冬は大福で決まりですね!

>「今、自分たちが、素晴らしいものを作る」ということにとどまらず、たくさんの人の中で、大きな時の流れの中で、自分に何ができるかという視点で自らの仕事を見つめていたのですね。

そうですね。ジェレミーはもしかしたら、演じることで時の流れを感じることができる人だったのかもしれないし、イギリスという国が、昔と今と未来が途切れ途切れではないという国なのかもしれませんね。後者を考えると、日本もまたそういう国であってよいはずなのに、と思います。前者に関しては、ジェレミーはbecomerとして役になりきる過程で、その舞台となった時代、今までその役を演じてきた人たちのいた時代、そして将来演じる役者が生きる時代とのつながりを、いつもどこかで感じていたのかもしれませんね。そしてこれも「もしかしたら」なのですが、16歳で死の淵に立ったことも、ジェレミーの時についての感覚に影響しているのかもしれません。

私はこれまで、流れる時間の中での今の私という感じは、自分個人の歴史の中では考えられても、それ以上の広さでは考えることができていません。それは私にとって、人生の後半で果たすべき宿題なのかもしれない、とナツミさんの書かれたことを拝見して感じました。

大福パーティ♪

トビィさん、「大福」に思わず、トビィさんの名言を思い出してしまいましたよ!

えっ、ホームズのミュージカルが日本で?びっくり!確かジェレミーとエドワードの"The Secret of Sherlock Holme"と同じ時に、イギリスでミュージカルが上演されていたときいた覚えがありますが、同じものかしら。あ、今調べましたが韓国で生まれたミュージカルなのですね。本当に世界中で愛されていますね、ホームズは。

>ジェレミーがホームズを演じた事で失った物はありますが、
得た物のほうが限りなく多いと思います。
ジェレミー・ホームズが皆の記憶から今も消えていないのは
一生懸命に演じていたからですよね。

私も全く同感です。もちろん最後の10年で苦しいこと、悲しいこともたくさんあった、でもジェレミーはいつも最善をつくしていたし、人生を否定形でとらえるような人ではなかった。そして私たちにも大きな贈り物を残してくれましたね。

>ベネさんもジェレミーの演技を参考にしていると言ってましたね。

トビィさんが教えて下さった、DVDのオーディオコメンタリーでそう言っていましたね。

落とし物には、その時はなかなか気づかないものですね。でも落とし物をみつけるのも、人生の宿題かもしれませんね。

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