Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

ほんのちょっとだけ、何か書きたくなりました。

Goodbye to Baker St.
Evening Times, Aug 8, 1986
http://news.google.com/newspapers?id=dhw-AAAAIBAJ&pg=6105%2C2209545

このEvening Timesという新聞はスコットランドの新聞のようです。(http://familynotices.eveningtimes.co.uk/)

ホームズをもう演じないと決心した時期は何回かあったようで、そういう時のインタビューは今まであまり書いてこなかった気がしますが、この「さよなら、ベーカー街」という題の記事はその一つです。1986年に最初の入院をしているので、この8月の記事はその前なのではないかと思います。入院が何月だったか、ちゃんと調べていないのですが。

最後の方を引用します。二度目の奥様の Joan Wilson(ジョーン・ウィルソン)のことを話している部分です。


妻のことをとても愛していました。とても美しくて生気にあふれていました。妻がいたからこそ自分を信じることができたのです。
最後に妻が言った言葉は、「あなたは大丈夫?」でした。

"I loved her enormously. She was so beautiful and gutsy, and gave me enormous confidence.
"The last thing she said to me was: 'Are you going to be alright?'"


'Are you going to be alright?' (「あなたはこれから大丈夫?」)という、自分がこの世を去った後のジェレミーのことを思う言葉に、こころを打たれます。

ジョーンが亡くなったのはこの前の年の7月ですから、まだ1年しかたっていません。本当はまだ、こころの内から血が吹き出ているような状態だったでしょうに、仕事に復帰してあのホームズを演じて、こうしてインタビューでジョーンのことを話していたのですね。

これより5年後の1991年のラジオ番組で、「人生で大切な人を失ったとき、たやすくすぐに回復できるとは決して思わないでください。あなたが思っているよりもずっと多くの時間を、自分に与えてください」と語りかけていたのを思い出します。

RM
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コメント

RMさん、みなさん、こんばんは。
ジョーンの事を話す時のジェレミーは本当に幸せそうです。
亡くなった後も彼女を思い続けるのは凄いし、そんなに一途に思われるジョーンも羨ましい反面、ちょっと嫉妬してしまいます。
『あなたは、これから大丈夫?』誰よりもジェレミーを知っているからこその言葉ですね。
ジェレミーの5年後の言葉は深いですね。
その後、少しでもこころが癒えた時間はあった。と、思いたいです。

Joanさんについての言葉

舌の根も乾かぬうちにまたコメントします。
以前ジェレミーファンのお友達に教えてもらったHP(http://www.starfamo.com/quotes/Jeremy-Brett.html)にJoanさんとの間柄について語ったジェレミーの言葉として、"This was the kind of relationship where I would start a sentence and she would finish it. "というものがあって、とても印象に残っています(このHPはソースが載っていないので、そこが気になるのですが)。きっと少し不思議な、心と心の強い結びつきのあったご夫婦だったのだろうな、と思います。そしてまたRMさんの今回紹介して下さった記事で、ジェレミーが奥様がいたからこそ自分を信じることができた、自信を持つことができたと話しているのを見ると、Joanさんの方がジェレミーをリードするというか、ジェレミーの支えだったのかしらと初めて感じ、やや意外でした。
なんとなく、ジェレミーは人の中心にいる、人をまとめるような人というイメージがありましたので…。
貴重な記事を教えてくださり、どうもありがとうございました。

トビィさん、こんばんは。

>ジョーンの事を話す時のジェレミーは本当に幸せそうです。

1991年のラジオ番組でも、本当に嬉しそうに「彼女のことをとても誇りに思っているので、いくらでも自慢ができます。」と言っていましたね。(http://upwardjb.blog112.fc2.com/blog-entry-133.html)でもその分、話した後は悲しくなってしまうこともあるようで、そのラジオ番組の収録後、ジェレミーが悲しみにこころを揺さぶられた様子を、ジェレミーが亡くなった後にインタビューアが書いていました。

>誰よりもジェレミーを知っているからこその言葉ですね。

はい、そう思います。ジェレミーにとってジョーンは、自分をまるごと理解してくれる人だったのだろうと思っています。

>ジェレミーの5年後の言葉は深いですね。

ジェレミーはジョーンを失った後の時間を過ごしたからこそ、あの言葉をどうしても伝えたかったのですね。

>その後、少しでもこころが癒えた時間はあった。と、思いたいです。

はい、私も思いたいですし、そう信じています。悲しみは大きかったけれども、ジェレミーの人生は悲しみだけに支配されたものではなかった、もっと豊かで深いものだったと信じています。

この記事を書いたときは、ホームズを演じたくない、という時の記事は読みたくない、という方もいらっしゃるのではないか、と危惧していました。トビィさんとたけさんのお二人から、ジェレミーの気持ちに寄り添うようなコメントをいただいて、うれしく思っています。私も同じ気持ちです。(たけさんへのお返事は、どうぞもう少しお待ちくださいませ。)

対話することの喜び

たけさん、こんにちは。お忙しい中、もちろん無理はして頂きたくないのですが、書いてくださってとてもうれしいです。自分一人で日記のように書いている場合とはまったく違う喜びがありますし、お話することで、思いを深めることができます。

ジェレミーの言葉のご紹介、ありがとうございます。ご紹介いただいた言葉からは、二人が気持ちのうえで、とても近かったことを感じさせますね。

>きっと少し不思議な、心と心の強い結びつきのあったご夫婦だったのだろうな、と思います。

本当ですね!お互いに仕事をしていて、実際に会っている期間は少なかったようですが、気持ちは強く結ばれていたのでしょう。

>Joanさんの方がジェレミーをリードするというか、ジェレミーの支えだったのかしらと初めて感じ、やや意外でした。
>なんとなく、ジェレミーは人の中心にいる、人をまとめるような人というイメージがありましたので…。

はい、私も同感です。たとえばMichael Coxは、ジェレミーは天性のリーダーだと書いていましたね(http://upwardjb.blog112.fc2.com/blog-entry-418.html)。だから私も最初は意外でした。

でも、ジェレミーはあれだけ美しくて魅力にあふれているにも関わらず、特に若い頃は、どこかで自分を信じきれない、不安定なところもあったのではないかと思うのです。たとえば「自分は俳優なのだ、と自信を持って思うことができなかった」という言葉があるように。(http://upwardjb.blog112.fc2.com/blog-entry-283.html)ジョーンはプロデューサーとして、そして元女優として、ジェレミーを仕事の面でも理解して支えてくれたのではないでしょうか。

そしてもう一つはもしかしたら、自分のsexualityも含めて、ジョーンがひととしての自分のすべてを受け入れ理解して、愛してくれたという思いをジェレミーは持っていたのかもしれません。生前ジェレミーは一言も言いませんでしたが、ジェレミーがbisexualであったこと(追記:少なくとも男性を愛したこと)はAnna Masseyの言葉などから、推測ではなく事実と言っていいと思っています。(追記:実際にはhomosexualだった、そしてそれも含めてジョーンは受け入れていたと考えるファンも一部にいますが、それはいまは完全に想像の域を出ません。ただ私はそういう「愛情」もありうると思っています。)そしてbisexualやhomosexualであることは、今よりもはるかに、ひとに緊張を強いることだったのではないでしょうか。

想像をいろいろと書きましたが、二人は強い結びつきがあるパートナーという面と、ジョーンがジェレミーを支えたという面と、両方を持っていたのだろうと、ジェレミーの言葉から感じます。

ところで、ご紹介いただいた引用を集めたウェブサイトもそうですが、他の引用集サイトも出典を載せていないところがほとんどで、引用元を記すことで情報の妥当性を検証できるようにする、というルールが無視されるのは残念なことですね。

それで、今回この言葉の出典を探してみたところ、Daily Mailの1995年9月14日の記事"The star who died of a broken heart"でした。(ただ、Daily Mail紙が引用元を記さずに書いていて、本来の出典が他にある可能性も皆無ではありません。)この新聞はいわゆるタブロイドのようで、記事のタイトルはいかにもそんな感じですが、この追悼記事はよく書かれていると思いますので、いつか他の部分も引用してみようと思います。調べ物をするよい機会を与えていただきました。ありがとうございました。

私にとって唯一のホームズ

RMさん、出典を確認してくださってありがとうございます。お礼をしようしようと思いながら日にちが経ってしまいました。
RMさんが、ホームズを演じたくないという時の記事は読みたくないという方がいらっしゃるのではないかという危惧を抱かれるのはわかるような気がします。少しずれるのですが、私はジェレミーがMY FAIR LADYの舞台裏を明かすドキュメンタリー「誰よりも素敵に:輝きを増した「マイ・フェア・レディ」」でのホスト役のジェレミーが好きで、過日この時のジェレミーの写真をSNSに投稿したところ、あるファン友達の方から「病気で打ちのめされていて痛々しい、彼をハグしたくなる」(もとは英語ですしニュアンスがあっているかどうか。正確には覚えていないのですが…)という反応があってうまく言えない気持ちになりました。彼女は「見たくない」と言ったわけではないのですが、多分彼女にとって見ていてつらい写真だったのだと思います。その気持ちは私も十分理解します。
ジェレミーの人と人生について深く知っていくと、シャーロック・ホームズに対するアンビバレントな感情や、彼の生命を奪うもととなった病気について考えるのを避けることはできないと思います。ファンの方はそれらについてあまり触れないという行き方もあるのだと思います。私もそれをとりたてて言う訳ではありませんが、私個人としては事実を知りたいと思います。もちろん、つらい事実もあるでしょうし、ジェレミーの気持ちも揺れ動いていて単純ではないと感じるのですが。
私事ですが、私が初めて見たジェレミーの出演作は、やはりグラナダTVのホームズでした。NHKで初めて放映された時です(歳がばれますね)。その後20年以上の年月を経て、一昨年にグラナダ版のBlu‐rayを購入し再見してからすっかりはまってしまいました。10代前半の頃はただ「かっこいい!」としか思わなかったジェレミーホームズが、こんなにも美しく魅力的で、時に危うく、影のあるものだったとは…。しかもジェレミーは危ういホームズ像を意識して演じたのですよね。俳優さんとしての凄さに圧倒されるばかりです。そしてまた、あまりに素敵なホームズなので、もともとホームズファンの私は、ジェレミーがホームズを好きではなかったということが信じられず、ついつい本を読んだり、こちらにお邪魔したり、さらに深くはまっていくのでした…。
記事に戻って、ジェレミーの支えになってくれた奥様が亡くなられて、本当にジェレミーは途方に暮れたでしょうね…。以前RMさんがご紹介くださいましたインタビューの、“When Jeanie died,all the lights went out in my life.You see,she was my confidence.…”(最初の入院の時(または「必要とされること」2012年8月2日)というジェレミーの言葉が思い返されます(ここでもconfidenceという単語がでていますね)。奥様を深く愛されていたしとても頼りにしていたのですね。RMさんの想像もありうることだと思いますし、改めてジェレミーにとっての奥様の存在の大きさが分かる言葉だと思いました。

私もです

たけさん、また書いてくださって、ありがとうございます。でもどうぞご無理はなさいませんように。でもとても嬉しいです。

私と似た思いを抱いていらっしゃるように感じて、こころに沁みました。私がたけさんと違うところをあげれば、昔からのホームズファンではなかったこと、ジェレミーのホームズをみたとき、それなのに何故か、本で読んだホームズそっくり!よくこんな普通でない(!)顔と仕草のひとをみつけてきたなあ、と思って好きになったこと、そしてNHKでの最初の放映時、たけさんよりもう少し年長(うふふ)だったこと、の3つでしょう。

それ以外は共感することばかりです。

>ジェレミーの人と人生について深く知っていくと、シャーロック・ホームズに対するアンビバレントな感情や、彼の生命を奪うもととなった病気について考えるのを避けることはできないと思います。

たけさんも、ジェレミーの人と人生について深く知りたいと思っていらっしゃるのですね。私もそうです。誰かが演じたある作品のある役が好き、という好きになり方も、とてもいいと思います。それで、その作品を何回も観てますます魅了される。それもいいファンですね。でも、このホームズ役の人はどんな思いでこれを演じているのだろう、このひとはどんな人生をおくったのだろう、と何故か思うようになる瞬間があって、その時からわたしたちにとって、言わば「健やかなる時」のジェレミーも、「病める時」のジェレミーも、同じように大切な存在になるのですよね。そしてジェレミーは、喜びの時も悲しみの時もまるごとまっすぐに受けとめて生きたひとだと思います。そう思う時、人生における「よいこと」と「わるいこと」の垣根は次第に影をうすくしていくように感じます。

といっても、私も今でもすこし悲しくなることがあります。悲しくなることもみとめた上で、それでもやはり、ジェレミーの人生の何かをことさらに見ないようにすることなく、すべてを言祝ぎたいという気持ちがあります。

「マイ・フェア・レディ」の舞台裏のドキュメンタリー、私も好きです。この時、ジェレミーはどんな気持ちだったでしょうね。アメリカに行って(もしかしてこれが最後のアメリカだったのでしょうか)、アスコット競馬場のシーンを撮影したスタジオにも足を踏み入れて、当時のクリップも観て。懐かしい気持ち、自分の旅路をふりかえる気持ち、これからのことを思う気持ち。もう主要な役を演じることはできないと自覚していたかもしれません。でもこの仕事ができたこと、「マイ・フェア・レディ」の歴史にもう一つ関われたことを喜んでいたのではないでしょうか。声にもあたたかさと強さが感じられますね。もちろん以前の若々しい強さとはまた別の、時を経た強さですが。

>ジェレミーの支えになってくれた奥様が亡くなられて、本当にジェレミーは途方に暮れたでしょうね…。
>奥様を深く愛されていたしとても頼りにしていたのですね。

以前の記事も読んでくださって、ありがとうございます。はい、ジェレミーは奥様のことを深く愛していた、そしてこの世を去るときまで、思い続けていたと感じます。

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 RM

Author: RM
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和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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