Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回と同じ記事から、また少し引用してみます。

この記事ではまず、莫大な予算をかけた番組で失敗が許されないことを話しています。責任感が強いジェレミーらしいですし、あらためて、建設中のベーカー街を訪れた時のジェレミーの写真を思い出しています。
建築中のグラナダスタジオでの写真;The Television Sherlock Holmesより

その後からです。訳では、改行を原文よりも少なくしています。

Goodbye to Baker St.
Evening Times, Aug 8, 1986
http://news.google.com/newspapers?id=dhw-AAAAIBAJ&pg=6105%2C2209545


このシリーズの撮影で、ずっと神経の張りつめた状態が続いたので、ちゃんと眠れるようになるのに、撮影が終わって数週間もかかりました。(中略)

ホームズはとても複雑な性格の、ひとと交わらない人物です。孤独な男ですが、素晴らしい直感の持ち主でもあります。私は危険にみえるような感じでこの男を演じようと思いました。

ホームズはこころに何かを秘めて、夜通し起きているふくろうのようです。夜の街をうろつきます。モルヒネとコカイン中毒でもあります。あの青白いメイキャップだと、私も薬漬けのようにみえるでしょう。でも薬なんてやったことはないんですよ。もしあの恐ろしい薬物でハイになっていたら、誰だって演技なんてできないでしょうね。私はヨガと瞑想で緊張を解いています。

ブロードウェイでの公演の時には、劇場から外に出ると、麻薬中毒のひとたちがごろごろしているのにつまずいて、転びそうになったりしました。でも何人かと仲良しになったので、 危ういところでまたぐと、手をふってくれるようになったんですよ!


"Working on the series made me so wound up that, when it was finished, it was weeks before I slept soundly at nights."

[…]

He explains: "Holmes was a most complex and isolated creature. A lonely man with brilliant instincts, and I tried to play him as dangerously as possible.

"He was a sort of determined nightbird, who roamed the streets, and was addicted to morphine and cocaine.

"With all the ghastly make-up I wear, I probably look permanently stoned!

"In fact, I have never taken drugs, because I don't believe anybody can perform well if they are high on some awful substance. I relieve my tensions through yoga and meditation."

"I used to stumble over addicts in the streets outside the theatres, when I have been performing on Broadway, and I would get to know some so well that they would give me a wave whenever I stepped over them!"



撮影中、ジェレミーは神経をぴんと張りつめていたのだと、あらためて思いました。1990年のあるインタビューでもこう言っています。

「私はすっかり疲れきって、でもいわばオーバードライブ、過熱状態になっていったのです。躁鬱ではなく、躁による興奮状態でした。そして撮影が終わって、解放されて休めることを喜んでいたのに、眠ることができなかったのです。それからどんどん事態は悪くなっていきました。」

たしかに、あのホームズをbecomerのジェレミーが演じるのですから、へとへとになっても何の不思議もありません。

今回のインタビューでは、休めると思ったのに眠れなくなって、でもなんとか数週間で落ち着いた、というように読めるのですが、1990年のインタビューでは良くならずに入院したようにも解釈できます。入院が正確にはいつだったのか、本をぱらぱらとめくったのですが、今の時点ではまだ私にはわかりません。"The Return of Sherlock Holmes" の撮影がはじまったのが1985年9月で、このシリーズの前半7本の撮影が終わってしばらくしての入院だったはずです。以前フォーラムで、撮影後アメリカへ行って、そこで状態が悪化したらしいと言っていた人がいました。出典が何かもふくめて、注意しておきましょう。

ヨガと瞑想の話は、何度かインタビューでしています。神経を休めるのに役に立っていたのでしょう。そうだったことを願っています。病気の状態が悪い時には、それでは追いつかなかったでしょうが。ジェレミーは明るくて活動的なひとであるとともに、精神的な静けさも大切にしていたということは、ジェレミーの人となりを考えるときに、示唆に富んでいます。

ブロードウェイで薬中毒のひとがジェレミーに手をふる話、なんだかジェレミーらしいですね。つまづきかけた時、多分あの笑顔であやまったんでしょう、そして、おなじみさんになったのでしょうね!

RM
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コメント

RMさん、こんにちは。

>ずっと神経の張りつめた状態が続いたので、ちゃんと眠れるようになるのに、撮影が終わって数週間もかかりました。

子供の頃や大人になってからでも、明日が大事な日だと興奮して、なかなか寝付けませんでしたが、ジェレミーは撮影中ずっと緊張を強いられていたのでは神経が参って当然ですよね。
ホームズとジェレミーは正反対の性格ですが、直感力で行動するところは似ていますよね。

中毒の人達と仲良くなれるのも、ジェレミーしかできませんよね!
>多分あの笑顔であやまったんでしょう、そして、おなじみさんになったのでしょうね。
私もあの笑顔で、虜になったひとりですフフッ♪

トビィさん、こんにちは。

そうなんですよね。撮影の合間、そして夜にはリラックスするように努めていたでしょうが、クランクアップまでの期間というのは、特別な精神状態が続いていたのだろうなあ、とあらためて思いました。たとえスタッフと談笑していても、こころの深いところにずっとホームズがいて、ジェレミーの中でやはり何かがちがうのだろう、と。それがずっと続くのですものね。

>ホームズとジェレミーは正反対の性格ですが、直感力で行動するところは似ていますよね。

本当ですね。ジェレミーは何度もインタビューで、ホームズの直感にふれているので、ジェレミーにとって、とても大切なところなのでしょうね。

>私もあの笑顔で、虜になったひとりですフフッ♪

おっ、そうでしたか!邪気がみじんもない、というあの笑顔ですね!

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 RM

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