Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

ジェレミーはホームズに対して、その時々でいろいろな感情を持っていました。ホームズのような人間は、自分は好きではない、と言うこともありましたが、この記事の中ではホームズが何者にも束縛されない自由な存在であることを讃えています。そして最後のところでは、他のインタビューでも何回もみかける、ジェレミーがホームズに関してよく言うことを繰り返しているのですが、でもその理由がいつもと違うのです。そこが興味深いと思ったので、引用してみます。


「あの男を正しくあらわすのは不可能なのです。私がしてきたのは、その固いよろいに割れ目をみつけること、塩の柱にひびをみつけること、それだけです。
 彼は並ぶもののない、素晴らしい自由人です。パイプやタバコの煙を煙突のように出して、薬物を注射し、おもしろがって阿片窟に行く。道徳を無視する自由人なんです。」(中略)

ブレットは偉大な探偵シャーロック・ホームズに道を渡れば会えるとしても、そうすることは考えもしない。
「なぜそんなこと、考えなきゃいけないんですか?ホームズはあまりに素晴らしすぎる男なので、私に話すことなんて、何もないと思いますよ。」

"It's impossible to do justice to the man," he said. "All I've managed to do is to find the chinks in the armor, to find the little cracks in the pillar of salt.
"He's the most wonderful free soul. He smokes like a chimney, shoots up on drugs and visits opium dens for amusement. He's a true libertine." [....]

Brett, [...], would not even consider crossing the road to meet the great Sherlock Holmes.
"Why should I want to? The man was so brilliant, he wouldn't have anything to say to me."

"SHERLOCK'S GREATEST MYSTERY", SUNDAY MAIL, October 23, 1988



最後の、ホームズに会うために道を渡るなんてことはしない、というところ、これはよくジェレミーが言っていたことです。たとえばNational Public Radio (NPR) のインタビューでも “I wouldn't cross the street to meet him.”と言っていますし、テレビのインタビューでも同様の言葉を聞いたことがあります。このNPRのインタビューは、りえさんのブログで書き起こしたもの(トランスクリプト)と日本語訳を読むことができて、そこでは「あんまり自分としてはホームズにそんなにご執心でもないねえ」という、実に見事な日本語訳がついています。(http://blog.goo.ne.jp/rie_002/e/1a1b164fc1f01359f2f0df952d53e857

私が今まで読んだり聞いたりした時は、りえさんのブログでの訳にもあるとおり、ホームズはそんなに会いたい相手でもない、という意味で言っていました。ところが今日のところでは、道を渡ってホームズのところに行っても、ホームズのような素晴らしい男は、自分に話すことなんて何もないだろう、と言っています。

ジェレミーがよく言うこの言葉も、時によってジェレミーの中でニュアンスが変わったのですね。ジェレミーのホームズに対する気持ちが時によって変わったように。あれだけ長く演じていたのですから、それは当然のことなのでしょう。そして、ジェレミーが引用部分の最初で言っていたように、ホームズを理解しつくすことは不可能なのですから。ジェレミーがホームズに対して持っていたいろいろな感情を知って、感じてみたいと思っています。

この記事のタイトルにもつけましたが、ホームズが自由な存在であったところを評価しているのも、興味深く読みました。ジェレミーが自分のことを、"something of a gipsy" と1973年のインタビューで言っていたことなども思い出しました。(「Annaのこと;1973年のインタビューから」)

RM
関連記事

コメント

ご紹介ありがとうございます!

ジェレミーのこの言葉に関しては、私も訳に戸惑って、色々考えて「近寄りがたい存在」なのはきっとマイナスの感情からだろう、と思っていたのですが。
こんな風に表現してた時もあったんですね!

本当に長い年月を一緒にしていると、夫婦のように色々な感情があるでしょう。
ジェレミーだってホームズを好きな時も嫌いな時も・・。
しかし、こんな風に同じ言葉をまったく別の意味で使っていた時もあったんですね。面白いです!

ジェレミーは謙遜していますが、お互いプロフェッショナルに生きる身として、話しは結構あうと思いますが(^^)

1ヵ月ほど休んでましたが、今夜からまた復活しました。またコメントしに来ますね♪

またお話できてうれしいです!

りえさん、コメントありがとうございます!

私もこういう意味でこの言葉を使っているのに、はじめて出会いました。いつもはおっしゃるとおり、マイナスの感情を含ませていましたね。そんなにシリアスではなく、軽い気持ちで言っているようには感じられましたが。

>本当に長い年月を一緒にしていると、夫婦のように色々な感情があるでしょう。

そうですね。ホームズは複雑な人間だから、特別そうだったのでしょうね。「夫婦のように」というのは、りえさんの経験からも、ということでしょうか。(うふふ)

>ジェレミーは謙遜していますが、お互いプロフェッショナルに生きる身として、話しは結構あうと思いますが(^^)

私もそう思います。ジェレミーもホームズも、それぞれに情熱を持つ仕事があって、そして深く考える人ですものね。

りえさんのブログ、先ほど伺いました。復活、うれしいです!

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://upwardjb.blog112.fc2.com/tb.php/533-1ae17eee

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

全ての記事を表示する

09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 

QR