Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

少し間があきました。その間に遠出(とおで)をしてきました。

遠出をしている間、そしてその前数日間も含めて、平均すると普通の100倍くらい、拍手をいただいていました。多分同じかたでしょう。数年前からの記事を読んで一つ一つ拍手をして下さっているようです。ありがとうございます。以前、ここに書くのは手紙のようだ、と思ったことがありました。その中には、何年か後でここを読んでくださる方への手紙、という気持ちもありました。受け取って下さる方が今もいらっしゃるのですね。


書こうと思って途中になっていた、ジェレミーのディスレクシア(難読症、識字障害)について、"Dancing in the Moonlight"から引用します。以前もそう書きましたが、この本にしか書かれていないかなり具体的な記述を含むので、ジェレミーが著者のDavid Stuart Daviesに語ったのではないかと思います。このブログでの、ディスレクシアに関連するこれまでの記事はこちらです。
ディスレクシア(難読症、識字障害)
ディスレクシア(2);アメリカツアーの時のジェレミー

なお、途中に"not being able work properly"というところがあって、"not being able to work properly" の誤植かとも思うのですが、100%の自信はないので、以下に書き写すときは元のままで書いています。(追記:書き直したつもりで、私がさらに間違えて書いていました。訂正しました。)


JBは子供時代に二つの障害をかかえていた。一つは言語障害で、RとSを正しく発音できなかった。このために学校でひどく恥ずかしい思いをしたし、子供たちに笑われた。しかし彼がいつもそうであったように、強い意志でこの問題に立ち向かい克服した。その人生の終わり近くになっても練習を続けていて、はっきり正しく発音できるようにこころがけていた。子供の頃に問題となり、一生ついてまわったもう一つの障害は、ディスレクシア(難読症)だった。これは学校教育が始まった時にあきらかとなった。ほかの子供たちについていくことができず、授業で英語のつづりを声に出して言うことが難しかった。彼はもともと、とても活発な子供で、ちゃんと勉強についていけないということで気持ちが落ち着かずに、問題のある行動をとるようになった。耳がきこえないのかもしれないと思われたが、検査を受けて、聴覚にはまったく問題がないことがわかった。その頃ディスレクシアについてはほとんど一般には知られていなくて、この症状を持つ子供たちは、物覚えが悪いとか愚かだとか思われていた。時がたって、やっとディスレクシアだと診断されてからは、母はジェレミーのためだけに本を読んで、言葉や文字を読むことができるように彼を助けた。次第に読めるようにはなったが、EとSの字をどの位置に置くか迷うことは、生涯にわたって続いた。

JB suffered from two disabilities in childhood. He had a speech impediment that made it difficult for him to pronounce his Rs and Ss correctly. This embarrassed him greatly and he was taunted by other children at school. However, with his usual determination he fought against the problem until he conquered it. Even into his later life, he carried out his vocal exercises to ensure that his diction was clear and accurate. The other problem which developed in his early years and was to dog him all his life was dyslexia, which began to display itself when he started formal education. He couldn't keep up with other children in the class and he found it difficult to spell letters out loud in lessons. He was a hyperactive child and his frustration at not being able work properly manifested itself in difficult behaviour. It was thought that perhaps he was deaf, but tests proved that he had perfect hearing. At this time dyslexia was almost unheard of and victims of the condition were regarded as slow and unintelligent. When dyslexia was eventually diagnosed, his mother would read to Jeremy alone helping him to become familiar with words and letters. Gradually he improved but the uncertainty of where to place the Es and Ss stayed with him all his life.



言語障害については、ジェレミーがインタビューでよく、手術を受けたこと、そして毎朝練習をしていることを話していましたね。"with his usual determination" というところ、ああ、本当にそうだなあと思いました。ジェレミーは決断のひと、意志のひとですね。 父親に反対されても俳優になろうと決めたことも、ホームズを演じるにあたって、原作に忠実な映像作品にするために全力をかたむけたことも、病気になって、それでもホームズを演じ続けようと決めたことも。

そしてその後はディスレクシアについての記述です。ジェレミーは子供時代の家での生活について、幸せだったこと、活発ないたずらっ子だったことをよく話していました。
「私が子供だった頃」
「私が子供だった頃」後半

"a hyperactive child" とも、この引用部分に書かれていますから、とにかく元気な子だったのでしょう。そんなジェレミーが、ディスレクシアのために学校で授業についてゆけず、フラストレーションがたまって、問題児扱いされたということだと思います。具体的に何をしたのかわかりませんが、耳が聞こえていないのではないかと検査をされたそうですから、一つには、授業で何を尋ねられても答えずに黙っていたのではないでしょうか。

あるいは、"difficult behaviour" (問題のある行動)とされている中身は、自分のことをないがしろにする先生や馬鹿にする子供に立ち向かったということかもしれません。ジェレミーが自分を "I'm a rebel" (反抗者、反主流)と言っていたことが私の印象に残っているので(The Armchair Detective, Vol.18, No.4, 1985)、そんな想像もしています。

この前トム・バークもディスレクシアだったというインタビューをご紹介しましたが、トムも学校のサポートや理解を得られず、反抗的になったと自分のことを話していました。デイビッドは、明るい子だったトムの表情が暗くなったことから、アナと一緒に探して、シュタイナー学校に転校させたと言っています。私はシュタイナーの思想に興味を持って何冊か本を読んだこともあるので、二人がシュタイナー学校を選んだことを興味深く感じました。

さて、ジェレミーのはなしに戻ります。お母様が本を読んでくださったところ、いつも私は、お母様の腕に軽く頭をのせて、寄りかかって本をのぞきこむ、子供のジェレミーを想像します。そうやって、文字や言葉を読むことを覚えたのですね。

"the uncertainty of where to place the Es and Ss" というところ、EとSを混同するのでもなく、飛ばしてしまうのでもなく、単語の中での位置があやふやだということなのでしょう。

ジェレミーのファンの集まりの中にもディスレクシアだという人がいて、彼女は普通に文字を読み、文章を書いているように見えたのですが、学校では苦労したし、今もスペルチェッカーがないと文章が書けない、と言っていました。ジェレミーもまた、大人になっても苦労をかかえていたのですね。

ジェレミーが順風満帆の人生を送ったというわけではなかったこと、そして意志の人、決意の人であったことをあらためて思いました。

RM
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コメント

本当にほんとうに、お久しぶりです…!

こんばんは。
もう高校2年生になってしまいますが、しばらく前にMoka@高1、の名前でコメントさせていただいていました!
インターネットから一度遠ざかってしまってから、億劫になってしばらく(!)どこへも旅しないでいたのですが、やっとまた戻ってくることが出来ました。

読めていなかった過去の記事も追って拝見させていただきました。変わらず素敵な興味深い記事でした(^-^)ほんとうに!!

Jeremyも、様々な苦悩を経験されているのですね…。それでいて、心に闇をすまわすのでなく、周りの人を笑顔にするような魅力的な人柄なんて、私ももっと向上していかなくては、と引き締まります(笑)

ではまた。

わー、こんにちは!

Mokaさん、またお話できてうれしいです!

もうすぐ春休みでしょうか?春休みはそんなに長くないでしょうから、夏のようには遠くに行けないでしょうが、楽しめるといいですね。そして4月からは高校2年生なのですね。

過去の記事も読んでくださってありがとうございます。自分でも書いた内容を忘れているものもあって、読み直すとあらためて心動かされたりします。もちろん自分の文章にではなくて(^-^)、ジェレミーの素敵なところに、です。

>Jeremyも、様々な苦悩を経験されているのですね…。それでいて、心に闇をすまわすのでなく、周りの人を笑顔にするような魅力的な人柄なんて

はい、私も、人はこの世に生まれて、誰でも困難な時を経験するのだとあらためて思いました。たとえジェレミーのように、恵まれた家庭に生まれて恵まれた容姿を持っていても。でもそういう困難があったからこそ、ジェレミーのあの人柄がさらに輝いたのでしょうし、あのジェレミーだったからこそ、困難に彼らしく立ち向かったのだと感じます。

よければまたいらして下さいね。

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 RM

Author: RM
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