Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回、童話の語り手としてのジェレミーの声を聴くことができるオーディオブックをご紹介しました。ホームズとしてのジェレミーの声しか知らない方は、びっくりなさったでしょうか。1972年発売のLPですから、30代後半です。若々しくて楽しげな声ですね。(環境によっては、私が抜粋した33秒のオーディオはお聴きになれないかもしれません。どうぞ元のサイトにある26分のオーディオでお楽しみ下さい。)

ジェレミーの声はかすかな陰影から劇的な跳躍まで、目が離せない、いえ、耳が離せないです。豊かな色彩をもつという印象をもちます。その色彩はもちろん、20代で演じたトロイの王子と、30代での童話の語り手と、50代でのホームズとで同じではないのですが、いずれも声と言葉のすみずみにまで表情があらわれるということでは一緒です。それから音楽のようですね。1961年にハムレットを演じた時の評に、"Mr. Brett's speaking of the language had a consistently fine and expressive musicality(ブレット氏の台詞の語り方は、はじめから終わりまで美しく表情豊かな音楽性を持っていた)というものがあります。(The Brettish Empireより)

ジェレミーの声の特質について、他にもいくつかの形容が思い浮かびます。Edward Hardwickeは "powerful voice"と言っていましたし(「短所・長所;1989年のインタビューより」)、 Michael Coxが "resonant voice"と言っていたのも覚えています("Remembering Jeremy" その他)。"velvet voice"という表現も、ファンの間でもよく耳にします。

"velvet voice"に関しては、この前ご紹介した記事(The San Diego Union-Tribune, Sep 15, 1995)の中に、おもしろいことが書かれていました。


ジェレミーは切れのよいベルベットのような口調で語った(もし「切れのよいベルベットのような口調」なんてものがあればだが。そして実際あるのだ。)

[He spoke] in his crisply velvet tones (if there are such things, and there are).



"crisp"と"velvet"は本来両立しないものなのでしょうが、この筆者はジェレミーの口調の特質として、どうしてもその両方を言いたかったのでしょうね!

そして今度は役による声の違いを考えるとき、ジェレミーがホームズの声をさがすプロセスを語っているインタビュー (Reading Eagle, Jul 10, 1990) を思い出します。
becomerであること(1)


「そしてせりふをささやいてみます。声をさがすためにささやいて、ささやいて、ささやいてみます。イメージが流れ続けるように、ささやき続けます。彼のことがわかったと思ったとき、彼が充分自分の中に入ってきたときに、その言葉を声に出して語りはじめるのです。これは本当にわくわくするようなプロセスです。」

And you whisper, whisper, whisper because you have to find the voice. You keep whispering so the imagination keeps going. When you think you've got him – or he's enough in you – you speak. It's an enormously exciting process.



たしかにジェレミーのインタビューの時の声と、ホームズを演じている時の声は、同じではないですね。こうして声も含めて、ホームズになりきるのですね。これを読むとジェレミーは演じるのが本当に好きだったのだと思いますし、あのホームズを10年以上、そうして演じ続けたエネルギーに、あらためて尊敬と感謝の気持ちを持ちます。

RM
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