Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

Robert Stephens(ロバート・スティーブンス)のために、ジェレミーがギターを弾きながら歌ってあげたことを先日ご紹介したので、その連想でこんなことを思い出しました。

ロバートがジェレミーに関してうらやましいと思ったことを、自伝にこんなふうに書いています。


今まで仕事の上で、誰かを羨むなどということはなかった。Brando(マーロン・ブランド) のことも、Larry(ローレンス・オリビエ)のことも、Robert de Niro(ロバート・デ・ニーロ)のことも。ただ一回、ジェレミー・ブレットに嫉妬したことをのぞいては。ジェレミーは私の一番古くからの友達なのだが、ジェレミーがオペラ歌手のMary Costa(メアリ・コスタ)と共にテレビで「メリー・ウィドウ」に出演してダニロを演じた時、彼は本当に素晴らしくて、とても美しい声で歌った。3ヶ月の猛練習が実ったのだ。私はものすごくうらやましくて嫉妬した。

And I have never been professionally jealous of anyone, not Brando, not Larry, not Robert de Niro. Except once: of Jeremy Brett. Jeremy is my oldest pal, and when he played Danilo in The Merry Widow on television with Mary Costa, the opera singer, he looked fantastic and he sang beautifully—after a three month crash course—and he drove me crazy with jealousy. 


"Knight Errant, Memoirs of a Vagabond Actor"
By Robert Stephens, 1995


ジェレミーがテレビで演じたフランツ・レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」は、DVDになっていません。市販されていない作品ですので、Youtubeへのリンクを書いておきます。ジェレミー演じるダニロがはじめて画面にあらわれるのが15分30秒で、クリックするとここからはじまります。
http://youtu.be/ljhxE4oDam8?t=15m30s

この作品についてこのブログでも何度かとりあげて、でも途中までになっていました。
The Merry Widow (1968)の映像(1)
The Merry Widow (1968)の映像(2)
The Merry Widow (1968)の映像(3)
The Merry Widow (1968)の映像(4)

ご存知の方も多いでしょうが、ジェレミーが同じくダニロとして歌っているLPが、同じ年に発売されています。ここでは、ジェレミー以外は別の人が歌っています。キャストの違いについてはここで少しふれています。
The Merry Widow (1968)の映像(2)

このLPはCDとなっていて、現在でも手に入ります。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000B668QI
AmazonからMP3アルバムとして購入することもできます。このアルバムには「メリー・ウィドウ」以外のオペレッタからの歌も入っていて、そこではジェレミーは歌っていませんので、トラックを選択して購入なさる場合はお気をつけください。

さて、このCDはかなり前から持っていましたが、その後このテレビプログラムの、雑音まじりの荒い映像をはじめてみた時のことは、よく覚えています!それまでも若いジェレミーが出る映像作品はみていたのに、だからまったく予想外の姿ではなかったはずなのに、歌声だってCDで聴いていたのに、それでもぼうぜんとしたのです。その全存在から魅力を発散して、恋のかけひきもし翻弄もされ、恋の苦さと甘美さを知って歌い踊る人。予想をはるかにこえていて、私のまったく知らなかったジェレミーに思えました。ああ、なんて幅の広い豊かな俳優人生を生きた人なんだろう。そう思いました。

このジェレミーをみて、ロバートは生涯ただ一度、演じるプロとして嫉妬したんですね。

でもロバートは、ただ羨んだだけではありません。ジェレミーのこの歌声をそばにおいておきたかったのです。それが "Desert Island Discs" という番組の録音を聴いてわかりました。

"Desert Island Discs" というのはBBCの長寿ラジオ番組で、無人島に行くならどんなレコードを持っていくかを選んでもらって、その音楽をかけながらゲストの話をきく、というものです。ロバートがこれに出演した回の録音をBBCのウェブサイトできけることを、フォーラムで教えてもらいました。なお、ジェレミーが出演した "Desert Island Discs" としてここで何度かご紹介したのは、このBBCのラジオ番組にならったプログラムにアメリカで出演した時のもので、ジェレミーはイギリスの番組には出演していません。

ロバート・スティーブンスが選んだ8曲のリストがあり、番組をきくことができるページがこちらです。ダウンロードもできます。
http://www.bbc.co.uk/radio4/features/desert-island-discs/castaway/2ec9ebe1

録音の3分50秒のところで、司会者が「2枚目のレコードは?」と尋ねると、ロバートは「ジェレミー・ブレット」と答えます。番組の中でも自伝と同様、ジェレミーに嫉妬した、自分はもともとはそういう性質(たち)ではないけど、この時だけは、と言っています。ロバートは「妬んだ」と言いながらも、とてもやさしい口調で話しています。

そして「メリー・ウィドウ」のレコードから、ジェレミーが歌う"I'm off to Chez Maxim's"が流れます。

ロバートは無人島に、古くからの親友のジェレミーが歌うLPを持っていくんですね。1979年2月の番組ですから、ジェレミーはアメリカに仕事の場をうつして役を得るために苦労した後、"Dracula"(ドラキュラ)の舞台にたっていた頃です。

ロバートはジェレミーに、君のLPを無人島に持っていくリストに入れたよ、って伝えたでしょうか?

RM
関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://upwardjb.blog112.fc2.com/tb.php/569-d7ef86d1

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

全ての記事を表示する

05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 

QR