Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回、ホームズがワトスンを「ジョン」と呼んだ時のことを、ジェレミーがどう話しているかについてご紹介したのですが、あの記事を読んでびっくりしたかたも、もしかしたらいらっしゃるかもしれないと後で思いました。2009年発売の宝島社DVDブック版の字幕では、ここは"John!"ではなくて"Done!"となっているのですよね。そして日本語字幕は「何と!」となっています。

それでは2012年のBlu-ray版ではどうなっているのでしょう。気になって調べてみました。ここの日本語字幕は何も無しで、英語字幕は相変わらず"Done!"です。そして吹き替えは言葉にならない唸り声でした。さらに調べると、2007年のアメリカDVD版も"Done!"、しかし2009年のイギリスDVD版では"John!"と正しく書かれています。

アメリカ版も"Done!"になっているということは、台詞を文字に起こしたものは各国で用意したのではなく、映像とともにイギリスから両方の国に提供されたのでしょうね。文字起こしをした人は、原作ではホームズは「ジョン」とは呼ばないことを知っていて、「ジョン」のはずがないと思い込んだのでしょうか。

2012年の日本のBlu-rayでこの箇所の日本語字幕をなくしたのは、従来のものが間違っていると気がついたから、と考えるのが妥当だと思いますが、それならなぜ「ジョン!」にせず、また英語字幕がそのままなのでしょう。修正もれでしょうか。

さらに同じ「悪魔の足」で、日本のDVDで文法的に明らかにおかしい"What where your plans?"となっているところがありますが、アメリカ版でも同様に間違っています。しかしイギリス版では原作どおりの"What were your plans?"で、日本のBlu-ray版でも同じです。ということは、日本でBlu-ray版をつくった時に、英語字幕を修正している箇所もちゃんとあるのですね。

ところで、アメリカでこの秋にBlu-rayが発売されるようです。
http://www.amazon.com/dp/B00L2YXV2W/
字幕が修正されて、ジェレミーの意図のとおり"John!"になるでしょうか。

これでBlu-rayは私の知る限りでは、日本、スペイン、フランス、ドイツ、そしてアメリカでの発売ということになります。
http://www.amazon.co.jp/dp/B008YRDQOI/
http://www.amazon.es/dp/B00DK9P9IG
http://www.amazon.fr/dp/B00D82H7MQ/
http://www.amazon.de/dp/B00HHO8WQG

グラナダ版のホームズが世界で愛されている証しと言えるでしょう。さあ、ホームズの本国イギリスでもはやくBlu-rayになりますように!もちろん日本のBlu-rayを持っていますから私には直接は関係ないとも言えるのですが、ホームズとジェレミーの故郷で、現在の最高画質の映像が手に入らないというのは残念ですし、もしも特典映像がついたらもう狂喜乱舞です。

RM
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コメント

そうだったんですね!

ご無沙汰しております。
「リチャード三世」を頑張って読んでいることをご報告したかったり(オーディオブックのことをうかがって、やる気が出ました!)、"John"という台詞に込めたジェレミーの思いへの感想も書きこませていただきたかったのですが、家にたどり着くとぐったり寝てしまう日々が続いておりました。ばたばたしておりますが、新しい記事を拝見するのが楽しみです!

Blu-lay化される時代になっても、こんなに字幕や吹き替えが違うのですね。びっくりしました。
どうして"Done"になってしまったのか、RMさんの推理にも納得しました。それだけ、ホームズがワトスンを「ジョン」と呼ぶのはありそうもないことだったんですよね。私はその「犯人」さんの気持ち、よくわかります!
現代版のドラマで二人が「シャーロック」「ジョン」呼び合うのにも、慣れるのにだいぶ時間がかかりましたもの……!
ジェレミーの決断は、斬新で大胆なものだったのですね。彼が常に原作に忠実であろうとしたということは有名ですが、ただ表面をなぞるだけでなく、おそらくシャーロック・ホームズ本人よりも深く、彼の心を理解しようと魂を傾けていたのですね。
つくづく、「ホームズ」は幸せな作品だなあ、と思います。

特典映像付きのBlu-lay……
もし本当に発売されたら、再生できなくても買っちゃいそうですよ!!



「リチャード三世」のこと、知ってます!

ナツミさん、こんにちは。シェークスピアの「リチャード三世」を読んでいらっしゃること、もちろん知っていますとも!プロフィール欄に書いていらっしゃるのを楽しく拝見しました。ちなみに私も「リチャード三世」読みました!...と言いたいところですが、今のところ私がちゃんと読んだリチャード三世の物語は、ジョセフィン・テイの「時の娘」と、森川久美さんのマンガ「天の戴冠」で、いずれもリチャード「悪王」説によらない人物像なのです。

>現代版のドラマで二人が「シャーロック」「ジョン」呼び合うのにも、慣れるのにだいぶ時間がかかりましたもの……!

おや、そうだったのですか!私は結構すぐに慣れて、この呼び方もいいなあ、という感じでした。こまかいことを言うと、「シャーロック」という「シャー」の発音が好きなんですよ、えへへ。あ、でもエドワードが「ホームズ」という時の「ホウ」と、ジェレミーが「ワトスン」という時の発音すべてにもうっとり。

「犯人」さんはホームズが「ジョン」なんて言うとは思わなかった、という私の推理(想像...)への支持もありがとうございます。

>ジェレミーの決断は、斬新で大胆なものだったのですね。彼が常に原作に忠実であろうとしたということは有名ですが、ただ表面をなぞるだけでなく、おそらくシャーロック・ホームズ本人よりも深く、彼の心を理解しようと魂を傾けていたのですね。

本当にそう思います。ジェレミーはドイルの原作に具体的な言葉では書かれなかったことも含めて、ホームズという人間の内面を一番大切にしていて、それを表現するためなら原典から離れることでも決断したのですね。

イギリスでいつか発売されるであろうブルーレイ版に、特典映像か何かがあったら夢のようです。イギリス版のDVDは、アメリカ版DVDと違って特典ゼロだったんですよ。今度こそお願い!

すみません、細かい所に食いつきます!

もうお話が綺麗にまとまっているのに、細かい所にすみません!

>エドワードが「ホームズ」という時の「ホウ」と、ジェレミーが「ワトスン」という時の発音すべてにもうっとり。

ジェレミーの「ワトスン」私も大好きです!「色々な疑問や不満は封じ込めて、とりあえずついていかなきゃ!」と、背筋が伸びる気がします。
猟犬を呼ぶ猟師のよう、というと聞こえが悪いかもしれないですが、まるで"The game is on"という言葉がいつも見え隠れしているみたい。頭の中で再現するだけで、わくわくしながらテレビで見ていた頃の気持ちが蘇ります。
wに伴うかすかな「溜め」が好きです。

エドワードの「ホウ」の発音は意識したことがなかったので、今度デイビッドの発音と比べてみます!

「時の娘」、有名な作品ですが、例によって未読なんです。あらすじを検索したらすごく面白そうですね!ぜひ、シェイクスピアと読み比べてみたいと思います。活字に疲れてきたので、漫画で読める「天の戴冠」にまずは挑戦したいです……

私も細かいことが大好き!

大歓迎です!

>ジェレミーの「ワトスン」私も大好きです!
>まるで"The game is on"という言葉がいつも見え隠れしているみたい。
>wに伴うかすかな「溜め」が好きです。

うわー、同じです!思い出すだけでわくわくしてきます。そしてwの「溜め」!私がちゃんと言葉にできなかったところを、指摘して下さいました。そして緊張感を秘めた、はずむ「スン」もいいですよねーっ!

>エドワードの「ホウ」の発音は意識したことがなかったので、今度デイビッドの発音と比べてみます!

デイビッドも好きなんです。デイビッドの声って、朗読にもすごく向いていると思います。流れるようなうつくしさと、あたたかさ。

一方エドワードの「ホームズ!」という声を思い浮かべる時、hの息の音がデイビッドよりもはっきりしていて、そしてオウの口のすぼませ方が思いのほか勢いよくって、そこにワトスンのわくわくした、あるいは心配な気持ちを感じるんです。

「時の娘」、おもしろかったですよ。1952年に著者が亡くなったので、カナダとオーストラリアでは著作権が切れていて、ご存知かもしれませんがカナダのProject Gutenbergなどにおさめられています(「時の娘」の日本語Wikiにもリンクがあります)。もっとも私はずいぶん以前に早川文庫で読んで、kindleに入っている原文は流し読みしただけなのですが。「天の戴冠」、これも機会がありましたらぜひ。シェークスピアの描くリチャードとはまた全然違って、時代と生まれと家族に翻弄される、こころやさしく、かなしいリチャードです。でもリチャードを含めた登場人物がそれぞれにマンガの中で生きています。

ホームズがワトスンを「ジョン」と呼んだ時

この時代は相手を呼ぶのに「名前」は、ごく近親者じゃなくちゃ呼ばなかった。「名前」は失礼で「姓」で相手に呼びかけていました。(名前を呼ぶのは小さい子が多かったので)
「悪魔の足」ではホームズはいつものホームズじゃなくて意識が混濁していて、朦朧とした状態だから、ジェレミーホームズの「ジョン」と言わせたと解釈しました。
原作に忠実にすると「ワトソン」だけれど演じる俳優の解釈もあっていいと思います。

シャーロックでは、性で呼び合うのは不自然だからと言うことで現代版では名前で呼びかけていますね。
「シャーロック」「ジョン」も別に違和感なく受け止めました。
デイビッドの声は暖かくてなめらかですね。
最後の事件での独白。これ すごくすてきです。

「シャー」が好きな私

さくらさん、こんにちは。

>「悪魔の足」ではホームズはいつものホームズじゃなくて意識が混濁していて、朦朧とした状態だから、ジェレミーホームズの「ジョン」と言わせたと解釈しました。

はい、ジェレミーもそう言っていますね。

>シャーロックでは、性で呼び合うのは不自然だからと言うことで現代版では名前で呼びかけていますね。
「シャーロック」「ジョン」も別に違和感なく受け止めました。

私も違和感なかったです。私には、「シャーロック」の「シャー」の音が好きという、妙なところもあったので。

>デイビッドの声は暖かくてなめらかですね。

デイビッドの声、私もすごく好きです。ジェレミーの声が好きすぎて、わすれがちですけど。

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 RM

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