Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

ジェレミーは自分のことを "perfectionist" と言っていますし(Daily Mail, November 20, 1993)、他の人が何人もそう書いているのを覚えています。たとえばDavid Burkeは本 "The Television Sherlock Holmes" に寄せた文章の中で、ジェレミーとホームズは両方とも "perfectionism" の持ち主だと言っています。これを「完璧主義」と訳すと、日本語では時に、少し否定的なニュアンスも伴うでしょうか?でも「完璧主義者、完全主義者」以外の訳語を思いつかないので、ここではそのように訳しておきます。

グラナダシリーズのプロデューサーであるMichael Coxはこう書いています。


ジェレミーは完璧主義者だった。番組制作チームのなかで、ジェレミーが怒りを感じるただ一人の相手とは自分自身だった。自分が持っている高い基準にあわない演技をしてしまった時、腹をたてた。一語一語間違いなく覚えている必要があり、リハーサルは万全であるべきで、それは彼の言葉で言えば「台詞の上で踊る」ためだった。

Jeremy himself was a perfectionist. The only person on the team with whom he lost his temper was himself; he was furious if he failed to live up to his own high standards. He had to be word perfect and very well-rehearsed so that he could, as he put it, 'dance on the lines'.


A Study in Celluloid


すぐれた表現者にはいつも求める姿があって、自分をそこまで引き上げる努力を欠かさないものなのでしょう。それができなかった時の自分に対しての怒りなのでしょうね。怒るのは自分に対してだけ、というのも、ジェレミーらしいです。

それから私は "dance on the lines" という表現も好きで、イメージが浮かびます。Michael Coxがわざわざ"as he put it"(彼の言葉で言えば)と言い添えているのをみると、記憶に残る印象的な表現だったのでしょう。ジェレミーの手の動き、ステップ、身のこなしは独特なので、"dance" という言葉が特別な心象風景を誘うのだと思います。

ホームズを演じてきたことを、"Dancing in the moonlight" (月の光の中で踊ること)と表現したジェレミーの言葉も思い出されます。


ところでジェレミーのあるインタビューの中の地の文章で、ジェレミーの2番目の奥様であるJoan Wilson(ジョーン・ウィルソン)のことを完璧主義者と書いています。ジェレミーの口からこの言葉が出たのではないでしょうか。


女優だったこともあるウィルソンは、あたたかい人柄で、たくさんの人と一緒にいるのを楽しむ性格だった。同僚たちからは、エネルギーにあふれた完璧主義者として記憶されている。

A former actress, Wilson was a warm, gregarious person, remembered by her colleagues as an energetic perfectionist.


There's No Place Like Holmes
By Rhoda Koenig
TV Guide, October 22, 1988


「完璧主義者」もそうですが、ジョーンを描写する言葉には "warm", "gregarious"と、ジェレミーの性格をあらわす言葉と同じものが出てきます。PBSのプロデューサーであるジョーンを取り上げた新聞記事や本の中の文章、ジェレミーがインタビューでジョーンを語る言葉を読むと、ジェレミーと似ているなあと思うことが多々あるのです。

一方で違うところも感じます。ジョーンはいい意味でジェレミーよりももっと野心的で自負心が強く、ここぞというところでは、何があっても自分の意志を貫きとおす性格だったのではないかと思うのです。それを感じさせるような記事はまたいつかご紹介したいと思います。

RM
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