Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回に続いて、Google Booksで検索してみつけた本の引用で、前回の引用箇所のすぐ後からです。"Masterpiece Theatre"のホストをつとめたAlistair Cooke(アリステア・クック)の言葉が含まれます。

"Masterpiece Theatre"は、ジェレミーの二度目の奥様のJoan WIlson(ジョーン・ウィルソン)が1973年から亡くなるまでプロデューサーをつとめた番組で、イギリスの良質のテレビ番組をアメリカの視聴者に紹介し放送するものでした。これは現在でも続いていて、"Theatre"の文字がとれて"Masterpiece"と名前をかえ分野別に三つにわかれています。ちなみに、その三つのうちの"Masterpiece Mystery!"で放送されている最近の最大の話題作と言えば、BBCの"Sherlock"です。この"Masterpiece Mystery!"の前身は1980年にはじまった"Mystery!"で、これをプロデューサーとしてつくったのもジョーン・ウィルソン。グラナダ版のホームズはこの枠で1985年から放送されました。

"Masterpiece Theatre"に話をもどします。アリステア・クックはイギリス生まれでイギリスとアメリカで活躍したジャーナリストで、"Masterpiece Theatre"の最初でこの後放送する番組について説明・紹介するホスト役を、1971年から1992年まで続けました。

以上はPBSのウェブサイトとWikipediaを参考にしています。
http://www.pbs.org/wgbh/masterpiece/
http://en.wikipedia.org/wiki/Masterpiece_(TV_series)

それでは、ジョーンの仕事ぶりの一端がうかがわれる文章を引用します。途中の「(中略)」は、私が略したのではなく、元の記事でそうなっていたものです。


Emmy, Volume 7
Academy of Television Arts & Sciences, 1985
http://books.google.co.jp/books?id=Fam2AAAAIAAJ&q=%22Wilson+began+her+career%22

ウィルソンがWGBH(訳注:ボストンにある、公共放送サービスPBSに属する放送局の一つ)で働き始めたのは1967年で、その時はラジオドラマを製作し、自身も出演した。仕事へのとても強い意欲を持つ人で、次第に責任ある地位につくようになり、週に70時間働いた。「仕事の間ずっと、おそろしいほどの粘り強さをみせる人でした」と"Masterpiece Theatre"のホストをつとめたアリステア・クックは回想する。「彼女はほっそりとした女性でしたが、とてもたくましく見えました。私たちの番組で放送する候補になるテレビシリーズをいくつか観に(中略)一緒にロンドンへ行った時、彼女は一日中ビデオを観た上で、毎夜劇場へ行っていました。『一身を捧げる』という言葉は使われすぎる言葉です。(中略)彼女はすばらしいボスでした。」

Wilson began her career at WGBH in 1967, producing and acting in radio dramas. Her rise was marked by her appetite for work, leading her routinely to put in seventy-hour weeks. "She had this appalling tenacity through the hours," Alistair Cooke, Masterpiece's host, recalls. "She was a slight woman but gave the appearance of being very muscular. When we came to London [...] watching series we might take, she would spend all day watching video cassettes and go to the theater every night. Dedication is an overused word [...]. She was a marvelous boss."



ジョーンの仕事にかけるエネルギーはすごかったのですね。他にもいくつかの記事で、それを読むことができます。長時間にわたってイギリスの番組のテープを見続けて、その中で彼女の番組で紹介すべきものを選んでいます。イギリスからの本篇の映像を流す前にホストが番組の内容について語りますが、その内容についてもホストと相談していたようですし、放送に先立つ日に紹介番組を放送することもあったようです。本篇中の一部のシーンを削るのも、ジョーンでした。放送時間の関係で、という時も、アメリカの視聴者には受け入れられない部分をのぞく場合もあったようです。当初はすでにつくられた番組をイギリスから買うのが主でしたが、後にはイギリスのテレビ局での番組企画の段階から、脚本やキャストについて積極的に助言や提案もしたそうです。イギリスで劇場をまわったのも、舞台で主に活躍している俳優も把握しておくためだったのでしょう。

引用部分の終わりの方の"Dedication is an overused word"の後を、この記事では略してしまっています。調べるとこれはボストンの新聞であるBoston Globeにアリステア・クックが語った言葉を紹介したもののようで、このBoston Globeの新聞記事をそのまま載せている本がGoogle Booksでみつかり、省略された文章がわかりました。


「一身を捧げる」という言葉は使われすぎる言葉ではありますが、彼女は一身を捧げて、早い死を迎えてしまったのではないかと思います。

Dedication is an overused word, but she dedicated herself to an early end, I fear.


The Museum of Broadcasting celebrates Mobil & Masterpiece theatre, 1986
https://www.google.co.jp/search?hl=en&q=%22but+she+dedicated+herself+to+an+early+end%22&tbm=bks


これを読むと、彼女の仕事ぶりを、番組のホスト役をつとめた高名なジャーナリストであるアリステア・クックが高く評価していたこと、でもそれが結果としていのちを縮めたのではないかと思っていることがわかります。

ジェレミーの二度目の奥様のジョーンのご紹介をもう少し続けるつもりです。ジョーンがどんな人だったかを知ると、彼ら二人がどのような夫婦だったかも、ジェレミーがジョーンのことを話している言葉についても、より深く理解できるように感じていますので。よければおつきあい下さいませ。

RM
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