Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

先週末からの荒れた天気で、皆様は大丈夫でいらっしゃいましたか。

前回、Anna Masseyが無人島へ持っていく本として数学の本を選んだと書いている時に、ジェレミーに関してグラナダ版のプロデューサーのMichael Cox(マイケル・コックス)が語っている、あるエピソードを思い出しました。(以下の和訳のうちホームズの台詞の部分の日本語は、ほぼ延原謙訳を借りています。)

シャーロック・ホームズは自分が扱った事件がどのように書かれるべきかについて、確固たる主張を持っていた。「ぶなの木屋敷」の最初でホームズは、ワトスンが「一連の講義であるべきものを、物語にまで低級化させている」とする。また別の時にはワトスンの書く物語は「まるでユークリッド幾何学の第五定理に、恋愛物語か駆落ちの話をもちこんだような結果になっている」と言う。ホームズのこの台詞はジェレミー・ブレットを少し困惑させた。「ユークリッドっていったい誰なんだ?」と「四つの署名」の読み合わせの時に私にたずねた。パブリック・スクールの教育ときたら...。しかしこれから見ていくように、ジェレミーもまた、コナン・ドイルの作品がどのようにドラマ化されるべきかについて、確固たる主張を持っていた。John Hawkesworth(訳注:グラナダ版のテレビ用構成担当、いくつかの脚本も執筆)も、そして私もそうだった。

Sherlock Holmes had very strong views on the way in which his cases should be presented to the public. At the beginning of The Copper Beeches he says that Watson has 'degraded what should have been a course of lectures into a series of tales'. Elsewhere he describes the effect of those tales 'as if you worked a love-story or an elopement into the fifth proposition of Euclid'. This was a line which gave Jeremy Brett a little trouble. 'Who on earth was Euclid?' he asked me at the read-through of The Sign of Four. So much for a public-school education. But, as we shall see, Jeremy too had strong views on the way in which Conan Doyle's stories should be dramatised; so did John Hawkesworth; so did I.


A Study in Celluloid
By Michael Cox

「ユークリッドっていったい誰なんだ?」ってジェレミーはきいたんですね、うふふ。まじめな顔で困ったように尋ねたのでしょうか。これは「ユークリッド」という名前をきいたことがなかったのでしょうか、それともきいたことはあるけど、実際のところいつの時代のどこの国のどんな人か、ということでしょうか。マイケル・コックスは前者ととったようですね。マイケルはジェレミーに説明してあげたのでしょうか。

ユークリッドの定理を引き合いに出す、あの時のジェレミーのホームズも印象に残っています。話しながら化学実験台の椅子に腰をおろして、装置を点検するように視線をずっと動かしていきながらのユークリッドの台詞でしたね。

ところで「ユークリッド幾何学の第五定理」って、皆様ご存知でいらっしゃいますか。私、わかりませーん!多分これのことだと思うのですが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E8%A1%8C%E7%B7%9A%E5%85%AC%E6%BA%96
なぜここでホームズがこれを例に出したか、多分いろいろな人が推測しているのでしょうね。

それについてはシャーロッキアンにおまかせすることにして、私に推測できることは、ジェレミーは数学がものすごく得意な科目というわけではなかったのだろうということ、知らないことはすぐ質問するたちだったということ、そして引用部分の最後にもあるように、ホームズだけではなくジェレミーもグラナダシリーズの構成担当もプロデューサーも、ホームズと彼が扱った事件がどのように語られるかについて、皆それぞれに一家言を持っていて、現場ではたくさんの議論が行われただろうということです。

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