Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

ジェレミーが、自分の子供の頃のことを話しているインタビューは、いくつかご紹介しました。

今日のインタビューでも、子供の頃のことにふれています。その中で特に面白かったのは、小さいころ何になりたいと思っていたかという話と、俳優をこころざしたのはなぜか、というところです。どちらも別のインタビューでも話している話題ではありますが、ここにはそれまできいたことがなかったことも含まれています。

でもまずはその少し前から。

「ものすごくわんぱくな子供でした。どんなわるいことをしても、とがめられなかったような感じです。でも、僕がどんなだったか、兄たちにきいた方がもっとよくわかると思いますよ!」

"I believe I was an incredibly naughty child. I have a feeling I was allowed to get away with murder. But my brothers could probably answer that better than I can!"


「4人の男の子のうちの一番下で、大切に可愛がられて育ちました」と言っているインタビューもありました(「大病の後に;インタビュー記事 When the lights went out (1990) より」)

この後、なぜ俳優という職業を選んだのか、とインタビューアに尋ねられての答えが以下です。

「誰でも本当は俳優なんだど思いませんか?子供のころは、ごっこ遊びをしたり扮装したりして、その頃なら俳優にもなれるんです。そして母は、僕が演じる道にすすむことに賛成して、励ましてくれました。」

「一番最初になりたかったのは馬の騎手です。でも身長が伸びすぎてしまってだめでした。それで次には機関車の機関士になりたいと思いました。今でもまだそう思ってます!」


"Well, I suppose we're all actors, aren't we?" he reflects. "As a kid you play charades, or you dress up, and at that moment you have a choice. And my mother encouraged me to take it up professionally.

"My first ambition as a child was to be a jockey, but I grew too big for that. Then I wanted to be an engine driver and I still want to do that!"


By Christine Palmer
"The Secret of Success”
January 17, 1987 [source unknown]


機関士ですか?!はじめてききました!

以前から知っていたのは、騎手、(クラシック音楽の)歌手、ダンサーです。騎手はここにあるように、大きくなりすぎて、歌手は「とてもすばらしいソプラノの声だったんですが、変声期にちょうどよい具合には声変わりしてくれなくて」(「バレエ;1988年のインタビューから」にあります)、そしてダンサーは「バレエでは男はいつも女性をもちあげていることに気づいて、それはちょっとイヤだなあと思」って(同じインタビューにありますがもちろん半分以上冗談ですね)、なれなかったということでした。

もちろん子供の頃はいろんなものになりたがるとは思いますが、機関士は初耳です。「今も機関士になりたい」ということは、鉄道や機関車が好きなのですね。うふふ、こういうことでさえ、はじめてのことを知るのは嬉しいのです。

俳優を目指したのは、「映画『嵐が丘』のなかのローレンス・オリビエの演技にすっかり魅せられて、その後、彼が『ヘンリー5世』で馬に乗っているのを観て、僕も馬に乗れるのだから、彼のようになれるかもしれないと思」ったからだと言っていましたが(「『私が子供だった頃』後半」)、これが直接のきっかけだとしても、もっと小さい時から、かわいらしいごっこ遊びが特に好きだったのですね。

3歳の時に小さな妖精の役でパイから飛び出したこと、同じ頃「舞台デビュー」を果たしたことは、「『私が子供だった頃』後半」でふれています。

そういえば「追悼式での John Huggins師の言葉;1995年のThe Baker Street Journal より」の記事で、一番上のお兄様がふれたジェレミーの小さい頃のあだ名「Little Bishop」は、ごっご遊びに由来するのかもしれない、と書いた事がありました。

そしてお母様が、俳優になりたいジェレミーを応援して力づけたのですね。お母様自身が芸術的な素質を持っていて、子供が芸術に興味を持っているのなら、その道に進んでほしいと思っていたのではないでしょうか。ジェレミーのお兄様の一人は画家です。


さて、この記事は1987年1月の日付があり、インタビューがこの頃行われたのであれば、前年の秋からの最初の入院ののちに退院して、この年のはじめに「四つの署名」の撮影をはじめるまでの期間ということになります。インタビューでのジェレミーは、楽しくてあたたかくて、いつもの通りに思えます。でも、もしもこの期間のものであれば、本当は不安と希望の両方があったのかもしれません。その不安、たとえば「演じる能力を失ってしまったかもしれない」という不安をEdward Hardwicke(エドワード・ハードウィック)には入院中に話していたようですが(「『四つの署名』撮影の頃」)、インタビューにのぞむ時にはそれを出さずに、いつも通りのジェレミーだったのでしょうね。その頃のジェレミーのこころの中を想像しながら読みました。

RM
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コメント

はじめまして

初めてコメントさせて頂きます。

私ごとですが、20年近い前、高校生時代、グラナダ版のシャーロックホームズをみていました。
ジェレミーは素敵で、本当によくできたドラマだと思っていました。
時を経て最近BS放送をつけましたら、リマスタリングされた美しい画像が放映されています。
その出来に驚き、感動しました。

今回このドラマについていろいろなサイトを調べていると、ジェレミーが今でも愛されていることに気づき、感動を覚えました。
ジェレミーの人生についてはほんの少ししか知らなかったのですが、、ジェレミーがたいそうな苦難を得ていたことも知りました。

こちらのサイトは、非常に温かくて、丁寧で、コメントしたいなあと思いつつ、書きたいことが多すぎていつも拍手になってしまっています。過去記事も少しづつ読ませて頂きたいです。
いつもオアシスに来たような気分になるので、これからも是非続けて頂けたら嬉しいです。

今回グラナダ版のブルーレイボックスを買ってしまいまして、それは英語の勉強のためでした。英語の勉強にはドラマがいいとよく言われるのですが、どうも「フレンズ」などは見る気がせず、それならと、ホームズを買ってしまいました。英語の字幕が出るので、NHKの放送よりブルーレイがいいのです。字幕が無いと、わからないです(汗?ちなみに、すらすらヒアリングお出来になりますか?)。しかし、このドラマの主要人物たちはきっちりした英語を話しており、たいへん勉強になります(やはり、日本人としては品のある英語を身につけたいです。。)。ゲストも素敵で、「ボヘミアの醜聞」のアイリーン・アドラーの役をした人の発声など、いつまでも聴いていたいと思わせるような美しさでした。

今の、「シャーロック」も私は大好きですが、このグラナダ版に溢れる気品、丁寧な仕事、役者の魅力、背景の美しさ、それはもう、望みえない素晴らしいものだと思います(素敵なところを言い出したらきりがない。。。)。

「戦争と平和」は子供のころにみましたが、ジェレミーが出ていたとは。その乳母がもう一度みようとしたというエピソードに和みました。

これからも楽しみに読ませて頂きます。どうぞお体をお大事にお過ごしください。

はまぐりさん、はじめまして。

お話できてうれしいです。コメントを書いてくださって、ありがとうございます。

はまぐりさんは、BSでの久しぶりの放送をきっかけにジェレミーのホームズと再会なさったのですね。私も20年ぶりくらいで、私の場合は宝島社のDVDムック発売がきっかけでした。こうして形をかえて発売されたり放送されたりすることで、グラナダ版のホームズと再会したり、新しく魅了されたりする人が増えていくのは、長い命を得た名作であることの証しですね。

>今回このドラマについていろいろなサイトを調べていると、ジェレミーが今でも愛されていることに気づき、感動を覚えました。

とても不思議なのですが、映像の中の姿にひかれるうちに、役者としてのジェレミーだけではなく、人としてのジェレミーのことも知りたいと思うようになる人が、日本にも他の国にもいるのですよね。

そして、「温かくて、丁寧」、「オアシスに来たような気分」といううれしい言葉をありがとうございました!私はジェレミーのことを思ってはにっこりしたり、親しみと尊敬の気持ちを持ったりするので、それを感じていただけているようで、とてもうれしいです。

ブルーレイボックスをお買いになったのですね。もちろん私も「字幕がないとわかりません!」と胸をはって言えます。ジェレミーの出演作品で字幕のないものは、会話も結構追えていて話の筋は大丈夫というものから、筋にも不安があるというものまで、いろいろです。でも以前にくらべたら、聞き取りは進歩したと思っています。たとえば十年前は、単語一つ二つ聞き取れただけで感動していましたもの!

おっしゃるとおり、ゲストの発声や発音も素敵ですね。はまぐりさんも、声や音に敏感な方でいらっしゃるのでしょうね。私も敏感と言いますか、好みがはっきりしていると言いますか。ですからジェレミーの声を聞いていると幸せです!女性のゲストでは「ぶなの木屋敷」のハンター嬢は、依頼者ですから当惑して話してはいるのですが、その中に胆力と賢さも感じさせて、ちょっと真似をして台詞を読んでみたりもしました。割とゆっくりですし。「シャーロック」はみんなはやいですね!

とてもうれしいコメントをありがとうございました。はまぐりさんのようなかたが読んでくださっていることを思いながら、書いていこうと思います。

嵐が丘

こちらこそ有り難うございました。
いろいろなことがある世の中で、ジェレミーをご縁に、このブログに出会えたことも本当にありがたいことだと思います。
温かい和訳にもお人柄が偲ばれるようです。

ヒアリングも上達していくとのことですので、こつこつ頑張ります!ジェレミーの声はいいので、音声にしてイヤホンで聞いていても、障りません。

それに、ジェレミーの演技をいろいろご覧になっているようですね。

ブナの木屋敷、ハンター嬢は本当に愛らしかった。早速、発音真似してみます!

また、ちょっと感動したのは、映画「嵐が丘」のオリビエをみたのがジェレミーが俳優を志したきっかけのひとつになったということ。
私も、もう二十年近く前ですがこの映画をみて、オリビエのヒースクリフの素晴らしさに感動したことを昨日のことのよう覚えているからです。忘れられません。
思えばジェレミーも、ニューシネマやヌーベルバーグがなければ、正統派俳優としてオリビエのような映画スターとなったかもしれません。それでも、ホームズというジェレミーを最大限に生かすドラマを得て、おっしゃるように時を経ても繰り返し発売される名作として後世に残ることになったのですから、本当によかったなあと思いました。

映画にもおくわしいのですね。

はまぐりさん、こんにちは。オリビエの「嵐が丘」をご覧になったのですね!私は観たことがないのです。小さな声で申し上げると、私は映画もテレビも普通の人よりはるかに観ていないし(最近話題の「アナと雪の女王」もみていなければ、多分テレビでもしょっちゅう流れているであろう主題歌をきいたこともありません)、日本の真ん中あたりに住んでいない関係で、舞台もほとんど観たことがありません。こんな私がジェレミーのことをブログに書いているというのも、何かのご縁でしょう。そしてこのブログがもとで、いろいろな方とご縁が結べています。

はまぐりさんがオリビエの演技に感動なさったこと、ジェレミーが知ったら(うふふ)喜ぶでしょうね!

>思えばジェレミーも、ニューシネマやヌーベルバーグがなければ、正統派俳優としてオリビエのような映画スターとなったかもしれません。

そう言えばジェレミーは、自分はちょっと遅れてきた俳優だ、という意味のことを言っていたと思います。少し昔だったら、また違った形で活躍の場を与えられたでしょうね。

>それでも、ホームズというジェレミーを最大限に生かすドラマを得て、おっしゃるように時を経ても繰り返し発売される名作として後世に残ることになったのですから、本当によかったなあと思いました。

本当ですね!ジェレミーが演じる時が来るのを、ホームズが待っていた、という心象風景が浮かびます。

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 RM

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