Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

今日はアメリカの新聞の1995年9月15日付けのコラムから引用しましょう。1985年に"Aren't We All?"の楽屋でジェレミーにそのコラムニストがインタビューした時のことを書いた部分からで、ジェレミーの言葉ではじまります。インタビューの前年の1984年にグラナダ・ホームズのイギリスでのテレビ放映が始まって、新聞にドラマ評が出たのを読んだジェレミーです。

「とても驚いて、おおげさでなく本当に倒れこんでしまいました」と言った。「タイムズ紙に僕のホームズのかなり大きな写真が載って、そこに大きな字で『ブレット -- 最高のホームズ』と書いてあったのですから。夢を見ているようで、信じられない気持ちでその文字をみつめました。」

「それからどうしたんです?」私は尋ねた。

「それから」といたずらっぽく笑いながら彼は答えた。「何人かに電話して、何ということもない調子で、『あ、ところで今日のタイムズ読んだ?』ってききました。」


"I was bowled over, quite literally," he recalled, "when the Times of London ran rather a large picture of me as Holmes, and the caption, in large print, said: 'BRETT -- THE BEST HOLMES EVER.' I just kept staring at the words in rapt disbelief."

"And then what did you do?" I inquired.

"Then," he said, with a mischievous grin, "I rang up a few people and I said to them, very casually, 'Oh, by the way, have you read the Times today?' "


"It's elementary: Brett was our finest Holmes"
By Don Freeman
The San Diego Union-Tribune, Sep 15, 1995


この追悼コラムが書かれた3日前の1995年9月12日の朝に、ジェレミーはこの世を去りました。

「最高のホームズ」、最初の放映から30年たった今でも、ここに来てくださるかたを含む多くの人にとって、そうですね。そのことをジェレミーは当時、そして亡くなるときにいたるまで、予想できたでしょうか。「本当にそうなんですよ」ってこころの中でつぶやいてみます。ある時間この世界に私たちと共にいた一人のひとが、たくさんの努力と情熱と共に演じたホームズが、今でも世界中で生き続けています。

「ジェレミーのことを思う時はいつも、ジェレミーが笑っているのを思い出すでしょう」と言ったEdward Hardwicke(エドワード・ハードウィック)の言葉にあるように(「ジェレミーを語る言葉」)、ジェレミーのいたずらっぽい笑いを思いながら、1995年の今日この世を去ったジェレミーに賞賛と、ありがとうの言葉を捧げます。

RM
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コメント

こんにちは!

こんにちは

前回からの続きで、この記事は、悲しいこともたくさんあったジェレミーの人生の中の、輝いた、幸せな瞬間についてですね。最大の賛辞を得たジェレミーの喜びが本当に目に浮かぶようで(なんと茶目っ気たっぷりな人でしょう!)、嬉しくなりました。
リンクされた過去記事も併せて読ませて頂きました。本当に、いつも心をこめて書いておられるのですね。過去記事はとても全部フォローしきれておりませんが、楽しみがいっぱい残っていると思うと嬉しい!。

デイビッド・バークのポートレイトも、有難うございました!
ドラマを見れば見るほど、この人の玄人芸にうなってしまいます。しどころの難しい役ですが、ワトソンにも史上最高の称号をあげたい。コミカルさもあって、台詞回しも絶妙。そして何より、ホームズと並んで見劣りせず絵になるんですから、素敵な人なんですよね。。

プライオリ・スクール観てみまして、仰っていたのはここだなあと思いました。よーくわかります(笑)。
私は英語学習のために観るので、最初日本語字幕で観て、同じものをすぐに英語字幕で観て、あとはリピして確認したり反復したりして、、と立て続けにみるのですが、ちっとも飽きず、新たな発見があったりします。
いかにジェレミーも言葉を大事にしていたかもよくわかります。
シナリオもよく練られていて、読んでも面白いですよね。” the stormy petrel of crime”がそんな意味だったとは、こちらの記事を読んで初めてわかりました。。 petrelをいくら辞書でひいてもわからないわけです。。。
また、バイオレット嬢のように心地よく美しい英語を話すゲストも楽しの1つで、そういう役者をみつけると、男女問わず、真似したくなります。

私たちが日本語を大事にするように、どの民族も母国語を大事にしているのだなと。「英語を勉強」しているとつい忘れがちですが、言葉の裏にはその民族の歴史や文化があるのだなと、それを忘れてはいけないなあと思ったことでした。

はまぐりさん、こんにちは!

>前回からの続きで、この記事は、悲しいこともたくさんあったジェレミーの人生の中の、輝いた、幸せな瞬間についてですね。

はい、ジェレミーはどんなに嬉しく、またほっとしたことでしょう!

今の私たちからは想像もつかないですが、ホームズか成功するか失敗するか、ふたを開けてみるまでは本当にわからなかったようで、その重圧はとても大きかったのでしょうね。

>(なんと茶目っ気たっぷりな人でしょう!)

そうなんですよね!このインタビューの時、ジェレミーがどんな表情だったか、想像できます。ちなみに服は、ブルージーンズと白いTシャツとランニングシューズ(同じコラムニストが別のところでテニスシューズとも書いています)だったそうです。スーツもいいけど、ジーンズもきっと似合っていたことでしょう!

デイビッド、格好いいですよね。デイビッドのワトスンは元気で格好いい、エドワードのワトスンはあたたかくて勇気がある、そんなふうに思えます。

>プライオリ・スクール観てみまして、仰っていたのはここだなあと思いました。よーくわかります(笑)。

観てくださったんですね!「旅行の支度で上着を着るときも素敵で」ってこの前書きましたが、着るときはちゃんとうつらず、着た後でからだになじませるような仕草でしたね。ただそれだけのことなのに、みとれちゃいます。

はまぐりさんも、言葉がお好きな方なんですね!私もです。書き言葉も好きだし、声にのせて伝わってくる言葉も、そして声そのものも好きです。英語は、進歩という点ではそうは望めなくても、生まれて育つ中で自然かつ無自覚に使ってきた日本語という言葉以外の言語についてあらたに知るという点で、とても面白いと感じています。

"the stormy petrel of crime"は、あの記事を書くために調べて、はじめて知ったんです。「海軍条約事件」でも"The Secret of Sherlock Holmes"でも、何回も何回もジェレミーの声で聞いていながら、意味を調べようとせず、ぼんやりと"petrol"という単語が頭に浮かび、「ガソリン?」と思っていました。思い込んでいたことや、はっきりと確認していなかったことを、記事を書くときに調べてびっくりすることがあります。私は実はほとんど日本語字幕をみないんです。英語がわかるからではなくて、単に怠け者で、結構気が長くて、いつかわかればいいや、というくらいの感じで観ています。

はまぐりさん、追伸です

>リンクされた過去記事も併せて読ませて頂きました。本当に、いつも心をこめて書いておられるのですね。過去記事はとても全部フォローしきれておりませんが、楽しみがいっぱい残っていると思うと嬉しい!

ありがとうございます、私も「最大の賛辞」をいただきました!そして、楽しんで読んでくださるかたがいらっしゃるのを知る時が、私の「幸せな瞬間」です。

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 RM

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