Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

先月末にCleveland.comというサイトに載った文章をご紹介します。

"Sherlock Holmes was played according to Doyle by Jeremy Brett"
By Mark Dawidziak, The Plain Dealer
Cleveland.com, October 31, 2014
http://www.cleveland.com/tv-blog/index.ssf/2014/10/sherlock_holmes_was_played_according_to_doyle_by_jeremy_brett.html

この筆者はジェレミーに2回会ったそうです。1984年と1991年でした。以下は1991年にインタビューすることになった経緯を書いてある部分です。

ブレットは1991年後半、WVIZ Channel 25(訳注:オハイオ州クリーブランドの放送局で、公共放送サービスPBSに属する局の一つ)で使う短い宣伝映像用に話をするために、クリーブランドに来た。私はミステリー雑誌二つに文章を書いていた関係で、The Plain Dealer紙でテレビ批評を担当していた友人のTom Feranと一緒に、クリーブランド中心部のあるホテルでホームズについてブレットと話をするという、夢のような二時間を過ごすこととなった。

Brett came to town in late 1991 to give a talk and tape promotional spots for WVIZ Channel 25. I was contributing stories to two magazines specializing in the mystery genre, so my friend Tom Feran, The Plain Dealer's TV critic at the time, and I were given two splendid hours to talk Holmes with Brett at a downtown Cleveland hotel.


1991年というと、このブログでも何回もとりあげたアメリカでのプロモーショナル・ツアーの時ですね。この旅はPBSのためのものでしたから、PBSネットワークの一員であるオハイオ州の放送局に寄ったのですね。

「オハイオ」ときいて、10月5日の私の記事を思い出してくださったかたがいらっしゃるでしょうか?
"Ohio"

コメント欄ではまぐりさんと、言葉・声・イメージ・子供の頃の感覚、といったお話をしていたことからの連想で、ジェレミーが「"Ohio"(オハイオ)っていう言葉が大好きです」と言っているのをご紹介しました。ジェレミーのこの発言が書かれていた新聞コラムの筆者としてTom Feranの名前を書きましたが、彼こそが、上で筆者の友人としてあげられているその人でした。つまり、10月はじめに私がこのブログでとりあげた文章の筆者と、10月末にネットに載った文章を書いた人は友人どうしで、ジェレミーへの同じインタビューのことを書いているということになります。

ただの偶然と言えますが、でもこういう偶然は楽しいものです。そしてこのブログをはじめてから、こういう小さな偶然をたくさん経験しました。ここで何かを話題にすると、それに関連する記述や情報に遭遇する、というふうに。

さて、10月末の文章には、この1991年のインタビューの時にジェレミーが語ったことがいくつか書かれていますが、ほとんどが他でも読んだりきいたりしたことがあるものです。でも一つ、おなじみの言葉からはじまって、そこから私にとってはじめての言い方、はじめての述懐につながるものがありました。そしてそれはうれしいものでしたので、引用します。

「道を渡ればシャーロック・ホームズに会えるとしても、私は渡ったりしない、と最初の頃言ってました。それからしばらくして、『ホームズは私に会うために道を渡ったりしないでしょう』というふうに変えました。でもそれからゆっくり時間をかけて、ホームズは私の親しい友になってきました。今では彼のことを陰鬱な男だなんて全然思っていません。一筋の輝く光だと思っています。」

"When I started, I once said that I wouldn't cross the street to meet Sherlock Holmes," Brett said. "Then, a while later, I amended that to, 'He wouldn't cross the street to meet me.' Slowly, though, Holmes has become my buddy. I don't see him as depressing at all, but as a streak of light."


道を渡ったりしない、というのはよく言っていたことでしたが、ホームズも渡ったりしないだろう、というのは1988年のインタビューではじめて読んで、そのことをこちらに書きました。
「素晴らしい自由人・ホームズ」;1988年の新聞記事より
この時には、「ホームズはあまりに素晴らしすぎる男なので、私に話すことなんて何もないと思いますよ」というのが、ホームズが道を渡らないだろうとジェレミーが思う理由でした。

でもこのインタビューではさらに、ホームズを my buddy(親しい友)と言い、a streak of light(一筋の輝く光)だと言っています。こういう表現は私にははじめてでした。

ジェレミーが、これ以降ずっとホームズを親しい友と感じていたかというと、そうではないと思います。いろいろなインタビューを読むと、ジェレミーのホームズに対する気持ちはこの後も、時によりとても大きく変わったと感じます。

それでも、ジェレミーがこういう言葉でホームズをあらわす時があったということが、私にとって新鮮で、うれしいものでした。

ホームズは"a streak of light"であるというのも視覚的・具体的で、イメージをさそいますね。ジェレミーの表現にはしばしばこういうものがあります。たとえばこちらでもふれました。
ジェレミーがホームズを表現する言葉(2);1995年の新聞記事より
今回"a streak of light"を「一筋の輝く光」と訳しましたが、ニュアンスがかけはなれていないことを願っています。

RM
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コメント

今度はこちらにお邪魔します

カーテン情報の続きまで書いて頂いて,本当にうれしいです。
お礼が止まりませんね。
どうしましょうか???

また,今日の記事も興味深いものでした。
ジェレミー・ブレットという人は,決めつけることをせず,その時々に感じることを大切にする人,のように思えました。
こんな記事を載せてくださるので,ついつい覗きにきてしまうのですよね。

ところで,221Bのティーカップで一息入れる,素敵ですね!
"Two minutes!"なんて言って遊べますね。いいなあ。
あれ,そんな遊びはされないかな?

"A streak of light"; より

ジェレミーはホームズであるために大変な苦しみと努力をしていますね。

一時期のことでしょうけれどホームズのことを my buddy(親しい友)a streak of light(一筋の輝く光)だと感じてくれるときがあっただけうれしいです。
たぶん何度も悩み苦しみながら演じていたでしょうから。

「ホームズはサラブレッド」馬好きのジェレミーらしいですね。
ホームズは馬の中の馬 走り出したらゴールを目指して脇目も振らずに突進する。
ホームズを大好きな馬、サラブレッドにたとえたのでしょう。
イギリスって競馬が盛んなんですね。いい持ち馬を持つにはそれだけの地位も必要なのでしょう。

馬の場面では「銀星号」と「ショスコム荘」そして「犯人はふたり」を思い出します。

馬をいとおしそうに撫でていて、馬もジェレミーにすりすりしていますね。
馬と共演するときはジェレミーは馬のところに角砂糖を持って会いに行ったそうですから。
あっそれから、アスコット競馬場のマイフェアレディの場面を思い出しました。
フレディとしてイライザになりヘンテコな会話をするオードリヘップバーンを含み笑いをしながら相手をしている夢見るような表情のジェレミー。
本当にイライザに恋するフレディですね。

ドレスアップした場面でVIpルーム(りえさんのところから)を思い出しました。
競馬は知らないのですが、アスコット競馬場ってすてきですよね。(空想です)

どうぞどうぞ

さきさん、いらっしゃいませ!
カーテン情報、結局「あれ以降情報なしという情報」なので、申し訳ないです。

>ジェレミー・ブレットという人は,決めつけることをせず,その時々に感じることを大切にする人,のように思えました。

同感です!その時々で言っていることが違ったりするのですが、それは移り気だということではなく、そのままジェレミーのまっすぐさをあらわしているように思います。時々、まっすぐすぎて、はらはらしたりもします。

>こんな記事を載せてくださるので,ついつい覗きにきてしまうのですよね。

どうぞどうぞ、覗きにいらしてくださいませ!

>"Two minutes!"なんて言って遊べますね。いいなあ。

あはは、グラナダホームズ好きで、私と遊んでくれる人が仕事場にいたらなあ。

馬と仲良しですよね

さくらさん、こんにちは!

>一時期のことでしょうけれどホームズのことを my buddy(親しい友)a streak of light(一筋の輝く光)だと感じてくれるときがあっただけうれしいです。
たぶん何度も悩み苦しみながら演じていたでしょうから。

私もまったく同じ気持ちです。まっすぐなジェレミーは、ホームズにもまっすぐ向き合っていましたものね。その中で、ホームズを親しい友と感じられる時もあったということを、ジェレミーの言葉から直接知ったのは、はじめてでした。

>ホームズを大好きな馬、サラブレッドにたとえたのでしょう。

そうなんです、そこが特にうれしいですよね。

>フレディとしてイライザになりヘンテコな会話をするオードリヘップバーンを含み笑いをしながら相手をしている夢見るような表情のジェレミー。

そう、まさに夢見るような表情でした!

>ドレスアップした場面でVIpルーム(りえさんのところから)を思い出しました。
競馬は知らないのですが、アスコット競馬場ってすてきですよね。(空想です)

りえさんがイギリスに住んでいらした頃のブログの記事ですね!アスコット競馬場の写真もたくさん載っていて、すてきな記事でしたよね。

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 RM

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