Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事では、Cleveland.comというサイトに載った文章から、1991年にジェレミーにインタビューした時のことを書いている部分を引用しました。Cleveland.comのアドレスはこちらです。

"Sherlock Holmes was played according to Doyle by Jeremy Brett"
By Mark Dawidziak, The Plain Dealer
Cleveland.com, October 31, 2014
http://www.cleveland.com/tv-blog/index.ssf/2014/10/sherlock_holmes_was_played_according_to_doyle_by_jeremy_brett.html

今回はその前の部分、筆者が最初にジェレミーと話した時の様子を書いているところをご紹介します。まずは状況をかいつまんで。

PBSは1984年には、"Mystery!"シリーズで放映するために、イギリスのグラナダテレビからグラナダシリーズを購入していました。その頃は"Masterpiece Theatre" と "Mystery!"の二つの番組に関する記者会見は、ビバリー・ヒルズ・ホテルでのディナーと共におこなわれたそうです。

"Mystery!"のホストのVincent Priceと同じテーブルにすわりたいと思っていた筆者に、PBSの広報係がこう頼みます。「イギリスから二人の俳優がきているんですけど。Jeremy BrettとDavid Burke(デイビッド・バーク)で、この新しいシリーズでホームズとワトスンを演じているんです。今誰もいなくて二人だけなんですけど、あそこに座っていただけません?」

その時まだ、ほとんどのアメリカ人はジェレミーのホームズの演技をみていませんでした。筆者の他には、誘いに応じてそのテーブルにすわったテレビ批評家は、たったの一人だったそうです。

1984年にジェレミーとデイビッドがアメリカに行ったということを、これを読んではじめて知りました。ジェレミーは「最後の事件」の撮影が終わった後、Joan Wilson(ジョーン・ウィルソン)のいるアメリカにもどっています。(ご存知のようにジョーンは"Masterpiece Theatre" と "Mystery!"のプロデューサーです。)これはジェレミーがそうやってアメリカで仕事をしていた時のことなのでしょうか?この記者会見が1984年のいつなのかがわからないのですが、次の年の春からの新シリーズ(アメリカでの初放映は1985年3月14日)を発表する会ですから、夏以降だったかもしれません。(追記:一番下にも追記しましたが、読み返したら、このビバリー・ヒルズ・ホテルでのディナーは夏の夜のことだったそうです。)

Michael Coxの"A Study in Celluloid"によれば、「最後の事件」のロケ地スイスでのお別れパーティからもどったのが1984年の夏です。そしてお別れパーティの時にはすでに、ジョーン・ウィルソンの病気は、ジョーンとジェレミーにはわかっていました。

この記者会見の頃二人がどんな状況だったか、その時期が正確にはわからないので今は推測することもできません。でも後でまた関連記事を読む時が来るかもしれませんので、覚え書きとして、今わかる範囲での時間的な関係を上に記しました。


さて、それでは記事からの引用です。他の多くの記者が別のテーブルを選んだなかで、ジェレミーとデイビッドの二人をほぼ独り占めしておしゃべりできたなんて、なんてうらやましいんでしょう!

ブレットは私にこう言った。「おかしなことに、私は探偵ものはほとんど読まないんですよ。推理小説は読んでこなくて、歴史ものを読む方がずっと好きです。私が探偵ものについて知っていることはすべて、ドイルを通じて、なんです。」

ブレットは優しくうち解けた雰囲気で、魅力にあふれていた。シャーロッキアンのために、そしてはじめてホームズと出会う人、ホームズをそれまで知らなかった子供と大人のために、原作にきちんとそって演じたいととても強く思っていることを、話してくれた。


"The irony is that I've never been a big detective reader," Brett told me. "It's never been a big part of my life. I much prefer history. Everything I've learned has been from reading Doyle."

Gracious, glib and charming, Brett spoke of the immense pressure of getting it right for Sherlock devotees and for those encountering Holmes for the first time -- for children and adults.


まず、この短い部分からも、ジェレミーとはじめてしゃべった筆者がジェレミーの魅力を強く感じたことが想像できます。

そして、ジェレミーは推理小説はホームズ以外読まなかったのですね。そして歴史について読むのがすきだったのですね。

さらに、何度もこのブログでも触れましたが、ジェレミーがシャーロッキアンに対する責任と、はじめてホームズを知る子供や大人が、ドイルが描いたホームズと出会えるようにするという責任を強く感じていたことをここでも知ることができました。

RM

追記:見落としていましたが、今読み返したら、このビバリー・ヒルズ・ホテルでのディナーは夏の夜のことだったそうです。ということは「最後の事件」の撮影途中か、撮影が終わったすぐ後と思われますので、もうすでに病気のことがわかっていた可能性があると推測します。そうだったら、心配と希望と両方を抱えていたのではないでしょうか。

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コメント

ジョーン・ウィルソンの病気を知っていてつらかったでしょう

最後の事件ですてきなホームズを演じたときには、ジョーン・ウィルソンの病気を知っていたのでしょうね。
ここで、崩れそうになるジェレミーを「あなたには仕事がある」とイギリスに行くように説得したのでしょうね。

ホームズを演じているジェレミーからは崩れそうなふだんのジェレミーじゃなくて全く異なる俳優としての姿勢を感じます。
ジェレミーもすごいけれど、才能も性格も理解して送り出す「ジョーン」も強くて、素晴らしい人だと思います。

まだまだ「シャーロッキアン」の部類には仲間入りできないけれど、ドイルの小説に忠実にというジェレミーの姿勢はすごく感じました。

ドイルの小説・バシェットの挿絵にひかれていましたからホームズが生きて呼吸しているみたいでした。

「ボール箱」を見るたび、ジェレミーのホームズとしての最後の姿なんだなあと思い返してしまいます。

詳しいことは私にはまだわからないのです

>最後の事件ですてきなホームズを演じたときには、ジョーン・ウィルソンの病気を知っていたのでしょうね。

プロデューサーのMichael Coxの文章によれば、少なくともスイスでの撮影終了パーティの時には知っていたようですね。

>ここで、崩れそうになるジェレミーを「あなたには仕事がある」とイギリスに行くように説得したのでしょうね

これはちょっとよくわかりません。

あるインタビューでジェレミーは、スイスにいるときに突然、ジョーンが死に至る重い病にかかっていることを知った、と言っていますが([...] suddenly we realized that Joanie was dying and I was in Switzerland at the time)これが病気のことをはじめて知った時か、病が重いことをはじめて知った時か、よくわかりません。

そういうわけで、まだ私には詳しいことはわからないのです。

>まだまだ「シャーロッキアン」の部類には仲間入りできないけれど、ドイルの小説に忠実にというジェレミーの姿勢はすごく感じました。

ジェレミーの仕事仲間やジェレミーと話した人はみな、それに感銘をうけるようですね。いろいろな記事やインタビューで何度もくりかえし出てきます。でも何度読んでも、こころが動きます。

>「ボール箱」を見るたび、ジェレミーのホームズとしての最後の姿なんだなあと思い返してしまいます。

最後の作品を撮り終えたジェレミーの気持ちを私もよく想像します。

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 RM

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