Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回、1961年6月27日のスタンプが押されていて、ジェレミーはいまハムレットを演じているとキャプションに書かれている写真をご紹介しました。(更新が滞っていたのに、数日のうちに思いがけずたくさんの方に来ていただきました。どうもありがとうございました。相変わらずぼちぼちと続けていくつもりです。)

今日は、あの写真の日付の数日前、1961年6月24日にスコットランドのグラスゴーの新聞に載ったハムレット評を引用しましょう。こちらのGoogle News Archiveのページで読むことができます。
http://news.google.com/newspapers?&id=fxk1AAAAIBAJ&pg=6826,4082230

古い新聞の紙面を読むのは、コンピュータのモニター上でという制約があっても、当時に思いを馳せることができて好きです。53年ほど前の新聞ですね!

"From OUR LONDON DRAMA CRITIC"
The Glasgow Herald, Jun 24, 1961

オクスフォード・プレイハウスで上演されていたハムレットは、ストランド劇場に場所をうつした。ジェレミー・ブレットは、狂気を装う主人公を優れた理解力で演じている。ハムレット役は際立った容姿を持つという、今ではほとんど忘れられている伝統を彼は継承している。

彼の身体はバレエ・ダンサーのそれであり、横からの姿はForbes RobertsonかJohn Barrymoreを彷彿させる。多分ほんの少し未熟であり、完璧で若々しい、でも少しおおげさな台詞表現を使うきらいはあるが、ブレットはいつか偉大なハムレット俳優になるのではと思わせる。

Now to the Strand Theatre has come the Oxford Playhouse's "Hamlet." Jeremy Brett is cast for the name role—which he acts intelligently as Hamlet feigning madness—in the almost forgotten tradition of striking good looks.

His physique is that of a ballet dancer: his profile reminiscent of Forbes Robertson or John Barrymore. A little immature, perhaps, and too inclined to put sound and youthful rhetoric before sense, Brett still looks as though he may be a great Hamlet one day.


名前が出ている二人の俳優はいずれも、すばらしいハムレットを演じたことで有名なようです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Johnston_Forbes-Robertson
http://en.wikipedia.org/wiki/John_Barrymore

"too inclined to put sound and youthful rhetoric before sense" のところ、「完璧で若々しい、でも少しおおげさな台詞表現を使うきらいはあるが」としましたが、ちょっと自信なくて、ニュアンスが少し違っていたら申し訳ございません。("before sense"は、意味を伝えることを第一に考えるよりもという感じだと想像したのですが、訳文にはいれていません。)

こう訳した理由の一つは、別のひとのハムレット評にこのような言葉があったことです。

ブレット氏の台詞の言い方ははじめから終わりまで美しく、表情豊かな音楽性を持っていた。近年 'How all occasions do inform against me' からの第7独白を、あのような幅のあるニュアンスで、そしてあのような緩急のあるリズムで表現しているのをきいたことがない。

Mr. Brett's speaking of the language had a consistently fine and expressive musicality--I do not think in recent years I have heard the soliloquy 'How all occasions do inform against me'-- spoken with such a range of nuance and such flexibility of rhythm.

Source: http://www.brettish.com/early-stages.html

(ハムレットの第7独白については、たとえばこちらに原文と訳文があります。http://www.nekomegami.com/advent/2005/051219.html

つまり、台詞に感情をのせるやりかたが音楽的なまでに美しいジェレミーのその表現を、特にジェレミーがまだ若いことを思うと、ひとによっては少し大げさすぎると感じるのかもしれないと思って、最初の劇評のあの部分をそのように解釈しました。でもあの劇評もとてもほめているというのがわかりますし、ジェレミーがどんなだったかも想像できますね。

なおハムレットについては以前こちらにも書きました。

ハムレット(1961年)に関する記事から;その1
ハムレット(1961年)に関する記事から;その2
ハムレット(1961年)に関する記事から;その3

上記の「その1」でも、今日の最初の記事を少し引用していました。

RM
関連記事

コメント

ハムレットとジェレミー

ハムレットを演じるジェレミー。
若々しく美しい容姿、すばらしい表現力。
どんなに観客を魅了したでしょう。
狂気を演じるジェレミー。
姿が思い浮かべられます。

観たかったですね

さくらさん、こんにちは。
さくらさんは舞台芸術にもお詳しいから、私よりもずっとありありと、舞台上のジェレミーを思い浮かべていらっしゃることでしょう。

ファンのあいだでよく話題になることの一つに、タイムマシンがあったならどの舞台を観たいか、というのがありますが、ハムレットはいつも名前があがります。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://upwardjb.blog112.fc2.com/tb.php/646-84ec0db0

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

全ての記事を表示する

05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 

QR