Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

りえさんがミッドランドホテルにいらした時のことを書いてくださったので、私もミッドランドホテルのことを書きたくなりました。eBayに出品されたジェレミーの宿泊カードの画像、レストランのウェイターが語るジェレミー、友人で脚本家のジェレミー・ポールが語る、ホテルのレストランでのできごと、そして最後にホテルでおこなわれたジェレミーのインタビューを紹介する予定です。2回か3回にわけます。

RegistrationMidlandHotel.jpg
これがeBayに出品された宿泊カードです。クリックで大きくなります。説明文はこのようになっていました。「マンチェスターのミッドランドホテルの宿泊カードで、裏には1983年12月9日のスタンプが押してあります。」

これはジェレミーの字ですね。1行目にBRETT、2行目に54 Green St.、3行目にGRANADAと書いてあります。1983年というとまだホームズのテレビ放送が始まる前、でも撮影は1983年開始とA Study in Celluloidに書いてありますし、確かジェレミーもそう言っていたはずですから、12月は打ち合わせではなく、すでに撮影に入っていたのではないでしょうか。

2行目のPRIVATE ADDRESSが54 Green St.というのは、その頃住んでいた場所なのでしょうか。54 Green Streetというのはマンチェスターにもあって、11 kmほどグラナダスタジオから離れているようです。一方、ロンドンにも54 Green Streetがあります。撮影の間、Joanがフィリップ・キングスリーのメイフェアの家の最上階を借りていた、という記述をTerry Mannersの本からりえさんが紹介してくださっていました。そして54 Green StreetはロンドンのMayfairにあるようですから、Joanが借りていてイギリスに来たときに住んでいた家は、54 Green Street の家だという可能性が高いように思います(最初はグラナダテレビの社屋がマンチェスターのGreen Streetにあって、その住所を連絡先として書いているのかしら、と思ったのですが、少なくとも現在のグラナダはここにはないようですし、private addressに書くにはそぐわないと思います)。Terry Mannersの本は信用できない記述も多い一方で、具体的な地名についてはインタビュー記事や資料にもとづいていて(ところが出典を何一つ書いていないのですが)、かなり正しいという印象を持っています。

Claphamの家はJoanと住むために買ったけれども、結局Joanは住むことはなかった、とジェレミーがインタビューで言っていますから(「息子の涙が彼を救った」参照)、この頃はまだClaphamの家は買っていなくて、元々の自分の家はあっても、Joanの家がジェレミーにとっても自分の家と感じられたのかもしれません。撮影の間Joanに会えないことは、ジェレミーにとって悲しいことだったのでしょう、でも一方で二人はそれぞれ自分の仕事を愛していたから、大西洋をはさんでお互いに行き来する生活を送っていたわけですが。

次に抜粋して紹介するのは、あるフォーラムに投稿された、ミッドランドホテルの元ウェイターの言葉です。1990年から1991年にかけて、ミッドランドホテルに勤めていたそうです。

私はミッドランドホテルのフレンチレストランの元ウェイターです。ジェレミーは私が知っていた時は、ほとんどの場合は1人で夕食をとっていましたが、Tom Bakerと一緒だったときや、Robert Hardyと一緒だったこともあります。そして1人の時はいつもウェイター全員とおしゃべりしていました。その中でも私とワイン係によく話しかけてくれました。ジェレミーはよくアスパラガスと、皮をとった鶏肉を頼んでいました。グラナダテレビは、あと数パウンド体重を減らしてほしがっているんだ、と言っていました。ジェレミーは私に、人が自分を「ジェレミー」ではなく「シャーロック」と呼ぶのになかなか慣れなかった、そう呼ばれるとぎょっとして、自分を落ち着かせなければならなかった、と言っていました。そして明日の夜は Julie Goodyear とすごすんだ、と教えてくれました。

これを読んだイギリス人は特にTom Bakerとジェレミーの組み合わせにびっくりしたようです。この組み合わせはとても考えられない、Tom Bakerはアリスの「気違い帽子屋」のような人だ、この二人が一緒に笑うとどんなだっただろう、と。この人は肩書きは俳優、コメディアンとなっていて、Doctor Whoというとても有名なSF長寿番組の何代目かのドクター役だそうで、エキセントリックな人のようです。Robert Hardyは、ハリー・ポッターで魔法大臣コーネリウス・ファッジを演じていました。(追記:「犯人は二人」に出ていたのを忘れていました。)Julie Goodyear はホームズと同じグラナダ制作のCoronation Streetにも出演した女優のようです。

ジェレミーにはたくさんの俳優仲間がいて、でも1人で夕食をとることも多くて、そういう時はウェイターと楽しくおしゃべりしていたのですね。このウェイターのかたが言うには、Edward Hardwickeはこの時はBritannia Hotelに泊まっていたようだ、ということでした。"The Television Sherlock Holmes"でのインタビューの時は、ジェレミーはエドワードとBritannia Hotelで夕食をとっていました。いくら親しくても朝から晩までいつも一緒でいるよりは、夜は違うホテルで時々行き来する方がよいだろうという、グラナダスタジオの配慮だったのかもしれません。

「シャーロック」と呼ばれることにはじめは慣れなかった、ということは、他のインタビューでも読んだことがあります。一方で、皆が自分がホームズを演じていることを知っていて、話しかけてくれるのがうれしい、とも言っています。このあたりは、ジェレミーの気持ちがよくわかるような気がします。ホームズを演じていることへの誇りと、自分自身がホームズそのものと思われることへの困惑と。

この元ウェイターは他にも、「ジェレミーは自分のことも話したし、私個人の生活についてもいろいろときいてくれた」と書いています。ジェレミーは楽しい話し手であるとともに、よい聞き手でもあったのだと思います。

ミッドランドホテルに関する記事は、次回に続きます。

RM
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コメント

素敵なエピソードですね!

RMさん、ちょっとご無沙汰しておりました。
先週末から、ちょっとづつ気力が戻ってきましたので、またジェレミー活動頑張ろうと思います(^^)

それにしても、一時はホリディインだったんですね!
もちろん、クラウンと名がつくので、それなりのホテルだったんでしょうが、それでもホリディインのイメージとミッドランドホテルが重なりません。

ジェレミーは、やはりあのフレンチレストランに行っていたんですね。
ああ、私も入ってみたかったです!
遠い将来、あそこで食事する機会があれば、アスパラガスと鶏肉料理を頼まないと♪

RMさんの記事から、ジェレミーがミッドランドホテルで楽しく過ごしていた様子が分かりました。
レストランのスタッフと気さくに話すジェレミーの姿、容易に想像できます。
RMさんも、いつの日かこのホテルに泊まる日がくることを祈っています(^^)

りえさん

こんにちは。りえさんとまたお話できてうれしいです。でもくれぐれも無理なさらないでくださいね!

ジェレミーは誰とでも楽しく話して過ごせる人だったのですね。以前ここで紹介した「Mystery!: A Celebration」という本に、ジェレミーがホームズと違う性格だったことの描写として、知らない人ばかりの部屋に入ってすぐに皆と親しくなれるような、と書いてあったのを思い出します。楽屋での録音をYouTubeできいても、それが伝わってきますね。ミッドランドホテルもいつか行ってみたいです。フレンチレストランにも。そしてもちろんロンドンと、ジェレミーの故郷に!

りえさんのブログでの「ジェレミーにBAFTA賞を!」へのリンク、ありがとうございます。このカテゴリーの記事のタイトルとはじめの部分を全部みていただける、一番よいところにリンクをはってくださって、うれしいです。

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 RM

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